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発見、謎の船!
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――数時間後 町の港
「この辺らしいんだけどなぁー」
アサヒは、カグヤとともに噂の真偽を調べに向かっていた。
無論強引に引っ張られて、だが。
「やっぱガセだったんじゃねぇの?」
「いーやそんなことない。あたしの勘がそう言ってるもの」
(勘かよ)
心の中でツッコミを入れつつも、渋々付き合うアサヒ。
彼はあの時のやり取りを思い返していた――
※
――数時間前 アサヒ宅玄関前
「『しあわせの箱舟』ぇ?」
「そうそう。面白そうじゃない?」
彼女は目を輝かせながら、彼に携帯の画面を見せつける。
表示されていたサイトには、こう書かれていた。
『今のあなたの生活、本当に幸せだと言えますか?』
『自分の本当の実力を認めてもらえない。そんな社会に、嫌気がさしていませんか?』
『この箱舟で、皆様を新たな世界にお連れ致します』
「いや、怪しいだろコレ!?」
それが率直な感想だった。
どこからどう見ても、新手の詐欺かアブナイ宗教団体にしか見えない。
「んー、まぁ。ぶっちゃけあたしもそう思う」
「オイ。じゃあなんで……」
腕組みをしながら深くうなずく彼女の姿にずっこけつつも、彼女に問う。
すると――
「……だって」
「だって、できるだけアサヒと一緒にいたい、し……」
彼が聞き取れないほどの小声で、彼女はそう呟いた。
「なんか言ったか?」
「とっ、とにかく!行ってみようよ、ね! ダメ?」
「そう言われてもなぁ……」
誤魔化すように声を上げ、上目遣いで彼に迫るカグヤ。
(ダメだ……つっても無駄か)
「しゃあねぇな。ヤバそうだったらすぐに帰るぞ」
「うん!」
彼女は嬉しそうにアサヒの手を引き、走り始めた。
※
(完全に流されちまったけど……)
ちらり、と彼女のほうへ目をやるアサヒ。
そこには、きらきらと子供のように目を輝かせる彼女の姿があった。
(ま、嬉しそうだし、な)
そう思っていた、その時だった。
「ねぇねぇ!あれ!」
突然、彼女が声を上げたのは。
「急にでっけぇ声出すなっての……!?」
その指がさす方向を見た彼も、言葉を失った。なぜなら。
「船……だよな?」
そこには、大型の船が停泊していたからだ。
しかし、ここは港。船があっても何ら不思議ではない。
彼が驚いた原因は、その形だ。
いかにも昔話に出てきそうな、大型の木で作られた帆船だったのだ。
今でも帆船を使用している例があるにはあるものの、そう多くはない。
現実離れした光景に、しばしあっけにとられていた。
「もうちょっと、近くに行ってみよ?」
「あ、ああ……」
近くに人影はない。見るだけなら――そう思い、二人は近づいた。
その瞬間だった。
「うぉっ!?」
「わっ!?」
二人の姿が、忽然と消えたのは――
「この辺らしいんだけどなぁー」
アサヒは、カグヤとともに噂の真偽を調べに向かっていた。
無論強引に引っ張られて、だが。
「やっぱガセだったんじゃねぇの?」
「いーやそんなことない。あたしの勘がそう言ってるもの」
(勘かよ)
心の中でツッコミを入れつつも、渋々付き合うアサヒ。
彼はあの時のやり取りを思い返していた――
※
――数時間前 アサヒ宅玄関前
「『しあわせの箱舟』ぇ?」
「そうそう。面白そうじゃない?」
彼女は目を輝かせながら、彼に携帯の画面を見せつける。
表示されていたサイトには、こう書かれていた。
『今のあなたの生活、本当に幸せだと言えますか?』
『自分の本当の実力を認めてもらえない。そんな社会に、嫌気がさしていませんか?』
『この箱舟で、皆様を新たな世界にお連れ致します』
「いや、怪しいだろコレ!?」
それが率直な感想だった。
どこからどう見ても、新手の詐欺かアブナイ宗教団体にしか見えない。
「んー、まぁ。ぶっちゃけあたしもそう思う」
「オイ。じゃあなんで……」
腕組みをしながら深くうなずく彼女の姿にずっこけつつも、彼女に問う。
すると――
「……だって」
「だって、できるだけアサヒと一緒にいたい、し……」
彼が聞き取れないほどの小声で、彼女はそう呟いた。
「なんか言ったか?」
「とっ、とにかく!行ってみようよ、ね! ダメ?」
「そう言われてもなぁ……」
誤魔化すように声を上げ、上目遣いで彼に迫るカグヤ。
(ダメだ……つっても無駄か)
「しゃあねぇな。ヤバそうだったらすぐに帰るぞ」
「うん!」
彼女は嬉しそうにアサヒの手を引き、走り始めた。
※
(完全に流されちまったけど……)
ちらり、と彼女のほうへ目をやるアサヒ。
そこには、きらきらと子供のように目を輝かせる彼女の姿があった。
(ま、嬉しそうだし、な)
そう思っていた、その時だった。
「ねぇねぇ!あれ!」
突然、彼女が声を上げたのは。
「急にでっけぇ声出すなっての……!?」
その指がさす方向を見た彼も、言葉を失った。なぜなら。
「船……だよな?」
そこには、大型の船が停泊していたからだ。
しかし、ここは港。船があっても何ら不思議ではない。
彼が驚いた原因は、その形だ。
いかにも昔話に出てきそうな、大型の木で作られた帆船だったのだ。
今でも帆船を使用している例があるにはあるものの、そう多くはない。
現実離れした光景に、しばしあっけにとられていた。
「もうちょっと、近くに行ってみよ?」
「あ、ああ……」
近くに人影はない。見るだけなら――そう思い、二人は近づいた。
その瞬間だった。
「うぉっ!?」
「わっ!?」
二人の姿が、忽然と消えたのは――
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