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1月1日ー

私は結婚式の直後から世間からバッシングを受けていた。

優里香「あけましておめでとう」
私「おめでとうございます」

両手を出した。

優里香「何」
私「お正月と言ったら?」
優里香「お節」
私「じゃなくて、あげると喜ぶ物があるじゃん」
優里香「あぁ」

優里香はカバンから飴を出した。

優里香「はい」
私「ありがとう...じゃなくて」
優里香「子供じゃないんだから」
私「子供だもん」
彩花「響ちゃんはいつまでも」
小百合「子供だね」
奏「んなもん貰わなくても稼いでくれる人がいるでしょ」
私「むー」
小百合「でも、元気そうで良かった」
私「まぁ、辛いけど、あ、そうだ」
奏「何?」
私「えへへへ」
奏「気持ち悪っ」

大きい箱を奏に渡した。
奏は無造作に包装を取った。

優里香「性格が出る」

奏「ジャージ」
私「だって、いつもジャージじゃん」
優里香「誕生日プレゼント?」
私「うん」
彩花「私も」
小百合「私も」
奏「ジャージ」
彩花「かぶった」
優里香「っぷ、ジャージ」
奏「これ、高いやつじゃん」
小百合「そうだよ、奮発しちゃった」

寒い中、私達は屋上でバーベキューをしていた。

奏「美味い肉、美味いビール、最高だー」
私「お肉、奮発」
優里香「どうしたの?彩花ちゃん」
彩花「さっきから、ウロウロしてる人がいて」
私「また」
優里香「また?」
私「結婚式の後からウロウロしてる人がいるの」
奏「週刊誌の奴じゃないの?」
私「海星は違うって」
小百合「じゃぁ、誰」
彩花「男の人みたい」
奏「男?」
小百合「海星君じゃなお?あれ」
私「でも、今日は朝から音楽番組にって」
彩花「誰だろ」
優里香「海星君にそっくり」
奏「んなら、親父じゃねーの」
優里香「でも、何で?」
奏「さぁ」
彩花「あ、そうそう」

彩花は手紙を出した。

私「?」
彩花「結婚式の後、佳奈ちゃんから」
奏「佳奈から?」
小百合「改めて、おめでとう  赤ちゃん楽しみだね」
彩花「赤ちゃん?妊娠してるの?」
私「してないよ」
優里香「何でこんな事書いたんだろ」
奏「子供の顔が見たいんじゃない」
彩花「それと、これ」
私「これは?」
彩花「アパート出た時に男の人から」
奏「男?」
彩花「うん、私より少し背が高くて太ってる人」
私は目を見開いた。
小百合「どうしたの?」
私「その人、指輪してなかった?」
彩花「してた、右手の中指に金色の、珍しい形だった」
小百合「響ちゃん?」
私「銀色は...側近の...部下...ぎ、金色は...金色は...秘書」
小百合「秘書?」
奏「あいつだ」
優里香「お前がどこにいても分かるからな」
彩花「響ちゃん」
奏「何考えてんだか、あのくそ豚」
小百合「くそ豚」
優里香「響を1人にしたらダメだね」
奏「そうだね」
私「大丈夫」
奏「あー」
優里香「何?」
奏「肉が、私の肉が焦げてる」
小百合「墨になってる」
優里香「まだあるんだから焼けばいいでしょ」
彩花「大丈夫?響ちゃん」
私「うん」
小百合「来月、食事会あるじゃん?」
奏「うん」
小百合「あの子、来るかな」
奏「非常識だからね」
優里香「私、あの子の母親に挨拶したのにガン無視」
彩花「私も」
小百合「私なんか、上から下までジロジロ見られた」
奏「最悪」
小百合「本当だよ、感じ悪い」
奏「親が親なら子も子だね」
小百合「そうだね」

バーベキューも終わると、優里香と後片付けをしていた。

優里香「あぁ、奏、酔すぎ」
私「お正月だからね」
優里香「気にする事ないよ」
私「何が?」
優里香「佳奈ちゃんも里子ちゃんも」
私「うん」
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