イベリス

森 うろ子

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「っあう、あっ、やっ!深っ、んんっ!」

 激しい突き上げに合わせてイオリが可愛い声を上げる。竜族の長大なものを上手に全て咥え込んでいる穴は柔らかく締まりも良く気持ちがいい。

「はっ。なかなかいいものもってるな、イオリ。」

「んっ、あぁっ!…あぁぁっ、はげしっ。…あうっ‼︎やだっ、だめっ。…んっ、ま、またイッちゃう、あぁっ!」

グッと眉間に皺を寄せ、またイオリが射精する。

「ははっ。好きなだけイけ。我慢していたんだろう。」

「あぁっ。まっ、まって。ゆっくり、あぅ。気持ちいっ。……はぅ、あっ!やだっやだ。また、イっちゃう。やだ、とまんない、………あぁぁッ!!」

イキすぎてキツいのだろう。逃れるように身体をよじりながら悶えている。何度も射精し出るものも無くなったのか、空イキをして身体を震わしている。

「やっ、もっ、気持ちいいからっ!あぅぅ。」

やめて欲しいのか続けて欲しいのかよくわからない喘ぎ声をあげる。顔を枕に埋めているため、表情はあまりよく見えない。……せっかくなのにもったいない。

 片手で練り上げていたイオリの手を離し自由にさせ、俺のものを穴に咥えさせたまま、イオリを仰向けにする。

「ひっ!あぁぁっ!」

回転しながらの刺激に驚き、イオリが悲鳴のような声をあげる。俺はそんなことには構わず、イオリの顔をよく見ようと振り乱され顔にかかっているイオリの髪の毛を避けた。

 そこには泣き腫らし、赤らめた目をしたイオリがいた。恥ずかしいのか俺と目が合うと節目がちにし、蒸気し赤く染まっている頬をさらに赤らめる。

「やっぱり可愛い顔してるなぁ。」

そう呟いた俺はまた激しく律動をした。

「あぁぁっ‼︎もう、無理っ。あぁっ、んんっ。」

「ほらっ!飲み込めっ。」

「あ、うそっ!ーーッ、あぁぁぁっ!」

 イオリの中に射精すると、一層大きく喘ぎ身体を退け反らせる。俺が全てのものを出し終えた余韻に、ビクビクと身体を震えさせながら気絶している。

 イオリの中から自身のものを抜き取り、思いの外、楽しんでしまった自分に驚いた。身体の震えも治ったのか、満足したように寝ているイオリを見つめる。

 レオナとトウカに無理やり勧められて使えさせた側近の存在を、面白く思っている自分がいる。

 容姿のいい側近が従順なことに、満足している自分がいる。

 イオリは自分が買われたことを、どう思っているのだろうか。

 イオリは俺のことを、どう思っているのだろうか。

 これまでレオナやトウカ、自分の部隊の者たちが俺に向ける感情に興味をもったことなんかなかった。

 スヤスヤと眠るイオリを見つめながら普段は考えないような取り留めのないことが浮かんでくる。俺はそれを誤魔化すようにイオリの小さな角を触る。

くすぐったいのか少し身じろぎするイオリを見て、…嫌になる。

 ………どうでもいい、仕事を共にする相手として不足なら、俺の生活を乱すような奴なら、それでさよならだ。身体の相性がいいだけなら他にもいる。

イオリの角からパッと手を離し、イオリに背を向け横になる。

 明日からも忙しい、そう思い目を閉じる。いつもより暖かく、そして狭いベッドで俺は眠りについた。


 



 
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