しいちゃんが面倒で、困る。

希恵和

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僕の由来。

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 前回のあらすじ
『特に何も無かった』

 予備校は今日も平和だった。小鳥の声も聞こえないような防音の校舎が今日もひっそりと郊外に建っている。しいちゃんの突発的超常現象のせいで異空間に飛ばなきゃいいが……。
 
 またしいちゃんがいないとき、佐敷さんと僕はたわいも無い話をして、その後、また質問された。
 今日は何故か僕の名前を聞いてきた。
「僕は……秘密」
 別にどうってこと無いけど。
 頭の中に名前が出てこなかったため。何でか。その理由さえも思い浮かばない。僕は僕でしかなく、しーちゃんのフォロー役でしかない。本来はその用途なんだよ、僕は。執事みたいな使用人だ。そんな言葉を僕は一つ思い出した。そしてそれが僕の由来だということにも気が付いた。
 
「――あ、下僕の『僕』だ」
 思い出した。確かそういう意味で『僕』は僕になったんだった。
「下僕って何?」
 佐敷さんが聞く。

「何かは内緒」
 そればかりは一般人にはいえない。
 しーちゃんになら言えるけど。

 そんな時だった。
「――五月人形」
 ふっと教室に入ってきたしーちゃんがきらめくように言った。
 え、それは言っていいのか? しーちゃんにアイコンタクト。

『――今日の髪型かわいくない? 』
 そんな声が頭の中で聞こえた。
 テレパシーかよ。すげえ。
 しかし、答えになってないし。しかも、頭の上の一本ぐくりが……。
 角できてるみたいだぞ。それ。

「今日は何の日か考えてね。佐敷さん。もちろん女の子の出番ではないけれど」
 意味深にいうなよ。ちっともヒントになってないし。まんまで答えじゃないのかそれ。

 ――ってあれ、何故か佐敷さんもしーちゃんをみてぽかんとしている。
 それもそうか。

 ――今日のしーちゃんは昔のしーちゃんみたいだったから。

 出会って4日の佐敷さんには分からないのか。
 しーちゃんは。

「行こう」僕の腕を強く引っ張って。

 その後、しーちゃんが耳元でもう一つの。僕の名前ともいうべき識別をささやいた。
 僕のいる暦の名を。
 
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