17 / 24
17 首輪と性別
しおりを挟む「……それってさ、間違い無いの?」
「うん、間違いないよ。本当にいるんだって感じだよな?義理兄達はそれのせいで孤児院で酷い扱いを受けたんじゃないかって。多分足とか、いろんな不具合があるのもその時に」
魔法陣を持たないということは、宗教的に考えれば神の寵愛を受けられなかったということに等しい。
無神論者であれば珍しいな、で済むのだろうが、神を信じる人々からは差別対象にされることが多い。
割合はゼロに等しいと言われているみたいだ。
歴史上から消されてしまったのか、本当にいなかったのか、文献にも残っていない。もしいるのなら神に見捨てられた、人間ではない存在とかなんとか好き勝手な書かれ方をしていて、落ち込まされたのも一度や二度ではない。
魔法陣を研究すればするほど、自分の異質さが身に染みて分かった。
「今はもう、家族と一部の人間しか知らないんだけど。この国は割と自由で神殿も権力が弱いし、言わなきゃバレることもない」
「……でも、すみの入ってた孤児院の職員達は知ってるんだよね?そいつらがどうなったのか知ってるの?」
「全員逮捕されたって聞いたけど……今はどうなったのかは知らないな。罰の一環として、制約の首輪をつけられたみたいだ」
「制約の首輪?俺の国には無いなあ、聞いた事ない」
「決められた内容の事を口外出来なくなったり、決められた場所に入れなくなったり。再犯を防ぐ為のものらしいけど、反すると心臓を止められてしまうから、よっぽど重い罪じゃ無いと着けられない」
「うわ……スプリング家の愛の重さを感じる……いや、それくらいされて当然なんだけど。俺的には死刑でもいいくらいだし」
そう言いながらも、碧は自分の首の周りを両手で確認するように触りながら顔を青くしている。
「……何かさ、今言うことじゃないかもしれないけど。すみすみから本っ当に信頼されてるんだな~って、今日すごく身に染みて感じてる。嬉しい」
「ああ、俺も同じこと思ってた。契約神がいるのって人に言い辛いんじゃないか?ありがとう、信じてくれて。だから俺も信じたくなった」
感謝の気持ちを出来るだけ伝えたくてにこりと笑うと、青かった碧の顔がゆでダコのようにどんどん赤くなっていった。
「あー!もうすみすみ!好き!!!」
「うわっ!?」
アテと全く同じ流れで飛びついてくる碧に、またソファに倒されてる。
「ア、アテより重い」
「やだ!他の男と比べないで!」
変な高い声を出す碧。
他の男って……いや、それよりも。
「アテって男なんだ……」
「性別はないらしいよ~?よく分かんないけど。あーあ!すみすみ堪能できて癒されちゃった!」
最後にぎゅっと強く抱きついて、碧は俺から離れていった。
おお……家族とローレンス殿下以外に抱きつかれたのは初めてだ。友達ってこんな感じでハグしてもいいんだな。
「ていうかごめん、足大丈夫!?痛めてたらアテのこと許さないから」
『お前も飛びついたくせに』
アテがまたいつの間にか隣に現れている。
「アテ、すみの怪我治せないの?」
『そういう根深い傷は専門じゃない』
「役立たずだ」
『お前よりはマシだ』
アテはフサフサの尻尾でバシッと碧のことを叩いて、また砂のように消えて行った。
「なんか……仲良いな?」
「良くない良くない。でもお互いがいないと生きていけないからさ~、妥協しあって暮らしてるわけよ」
「アテには治癒の力もあるのか?」
「うん、軽い骨折くらいは治したことあるけどね。まぁ……制約とか制限とか色々あるっぽいね。よし!パイ食べよ~!冷めちゃう!花瓶もついでに探すからゆっくりして待ってて!」
制約の部分についてもかなり気になるが、碧は慌ただしくキッチンの方へ走って行ってしまった。
0
あなたにおすすめの小説
伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい
マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。
最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡)
世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。
逃げた弟のかわりに溺愛アルファに差し出されました。初夜で抱かれたら身代わりがばれてしまいます💦
雪代鞠絵/15分で萌えるBL小説
BL
逃げた弟の身代わりとなり、
隣国の国王である溺愛アルファに嫁いだオメガ。
しかし実は、我儘で結婚から逃げ出した双子の弟の身代わりなのです…
オメガだからと王宮で冷遇されていたので、身代わり結婚にも拒否権が
なかたのでした。
本当の花嫁じゃない。
だから何としても初夜は回避しなければと思うのですが、
だんだん王様に惹かれてしまい、苦しくなる…という
お話です。よろしくお願いします<(_ _)>
臣下が王の乳首を吸って服従の意を示す儀式の話
八億児
BL
架空の国と儀式の、真面目騎士×どスケベビッチ王。
古代アイルランドには臣下が王の乳首を吸って服従の意を示す儀式があったそうで、それはよいものだと思いましたので古代アイルランドとは特に関係なく王の乳首を吸ってもらいました。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる