花を愛でる獅子【本編完結】

千環

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番外編

4

「花月、顔隠すな。ちゃんと見せろ。……これ、気持ちいいか?」

 結城はそう言うとまた乳首に舌を這わせ、そしてもう片方の乳首を爪先で軽く刺激される。我慢しようとしても漏れてしまう声を、それでも必死で抑えながら、花月は応えた。

「ン……ッ、きもち、い」

 それを聞いた結城の顔が満足そうで、甘くて……花月は胸がいっぱいになる。

「ゆ、うき。結城、キスして」

 花月の懇願につい顔がニタリと緩んでしまう。花月は一度だって『キスして』などと言ってきたことがないのだ。彼がその行為をねだる時は必ず『チューして』と、そう言う。つまりは唇が触れ合うだけのそれじゃなく、舌を絡めてお互いの唾液がドロドロに混ざり合うような激しいものを花月は望んでいる。
 おずおずと差し出された両手に応えるように顔を寄せて、要望通り、そしてまた己の欲望のままに噛み付いた。
 ギュウっと抱きついてくる花月が可愛くて、結城はキスで翻弄したまま花月の下着の中に手を伸ばした。すでに熱を持ってやんわりと勃ち上がりかけている性器にそっと触れて撫でる。

「んんっ」

 ビクンと身体を震わせて、逃げるように下半身を捩るが、結城が逃がすはずもない。逆に強く握り込まれて、さらなる快感を与えられた。

「あっ……やぁ……!」

「嫌? 誘ったのはお前だろ」

「ん! あっ、あ」

「イキそうか? 自分で抜く時は先っぽをいじったりするのか?」

「や、だめっ、それ、あ……っ!」

 イッてしまう、と感じた花月は両腕を交差させて咄嗟に顔を隠そうとした。それを見た結城が瞬時に花月を追い詰めていた手を放す。イク寸前のところで宙ぶらりんに放り出され、もどかしさがぐるぐると募る。イキたい。イかせて。触って。扱いて。
 花月は救いを求めるような目で結城を見つめた。

「触ってほしいか?」

 花月は黙ってコクコクと頭を縦に振る。

「じゃあ手で顔隠すな」

「恥ずかしいって……見んな」

「バカかお前は。感じまくってる顔を見ねぇで何見んだよ。顔見せろ。声も出せ」

「嫌だってー……俺ばっかりこんななってて恥ずかしい」

「お前だけな訳ねぇだろうが」

 花月の腿に自身の固くなった性器を押し付ける。痛いほどに張り詰めたそれは結城が興奮している何よりの証である。

「……お、俺も、触っていい?」

「よくねぇよ」

「は? なんで」

「挿れてもいいって、さっきお前が言った責任取ってもらわねぇとな?」

 と、まあ冗談めかして言う結城だが、内心は見せたくない、触らせたくないというのが本音だ。花月が見たり、触れることでその大きさを実際に意識してしまうのを避けたいのだ。
 知れば必ずこう言うだろう。『こんなの入らない』と。そして怖がって、余計な力が入って、ことが運ばなくなるだろう。

「挿れていいんだろ?」

「……うん」

「じゃあ大人しくしとけよ」

 軽く触れるだけのキスを落として、身体を起こした。ネクタイピンをポイっと放り投げ、ネクタイも荒々しく抜き取って投げ、シャツに至っては流れるようにボタンを外して脱ぎ捨てた。
 その一連の動作を花月は黙って見ていた。というより、かっこいいと見惚れていた。だからこそ、自分のパジャマのズボンやパンツを抜き取られることに対して、若干反応が遅れた。

「え、ちょ!」

「うつ伏せになれ」

 すっかり真っ裸に剥かれた花月は、結城に言われるままうつ伏せになる。というか結城が花月の身体をひっくり返したという方が正しい。そしてさらに腰を浮かせるようにして、結城にお尻を突き出す格好にさせられる。

「ちょ! ま! 嫌だこんなの!」

「はいはい」

「ぅあ!」

 花月の抵抗を丸々スルーして、手際良くローションを手にとって秘部に触れる。グチュグチュと卑猥な音がするようになった頃には、花月の身体は弛緩し切っていた。
感想 1

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