世話焼きαの甘い罠

めっちゃ抹茶

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あの時の美少年は今




なんだか懐かしい夢を見た。遠い昔の朧げな記憶を手繰り寄せて引っ張って、霧を振り払う。それで漸くちゃんと思い出せた、そんな夢。

意識が浮上して瞼が薄く開く。

「雷、目が覚めたか。急に倒れるから驚いた。気分はどうだ?」

心配そうな顔をした皇会長が視界に入る。思い出した。僕キャパオーバーで倒れたんだ。
心配かけてごめんなさい。
そう謝ろうと思い口を開いたけど、出てきた言葉は謝罪じゃなかった。

「また、会えた…やく、そく……守ってくれたんだ。良かったぁ………」

皇会長が一瞬目を見開いて、それからあの時と同じ満面の笑みで笑ってくれた。

「あぁ、大事な約束だからな。守ったよ。俺も守りたいって思ったからな。雷の笑顔を」

今までで一番嬉しくて、僕も笑顔で応えた。
皇会長の指が頬を優しく拭う。
いつの間にか涙が流れていたみたいだ。

「これからは俺に雷の笑顔を守らせてくれ。………いいか?」

強い意志を感じる瞳で、真剣な表情をして僕に許しを請う。そこには親衛隊から守るだけじゃないものをなんとなく感じた。
無理やり押し通してもいいのに、ちゃんと聞いてくれる皇会長はやっぱり優しい。

「うん!僕を守ってください、皇会長」

こんな素敵な人に守って貰えるなんて、どんな幸運だろうか。申し訳ないなんて気持ちはどこかに吹き飛んで、この人に守られたいって浅ましくも思う。

____僕だけの特権だったらいいのにな

そんな気持ちが芽生えてちょっと胸がモヤモヤする。原因は分からないけど、僕って欲張りだったんだなぁ。そんな風に思っていると、

「ちょっと二人の世界に入らないでくれる!?僕たちもいるよ!ここに!雷くん目が覚めて良かった~。

ってそんなことよりも!………君達、一体どういう関係なの?全部吐くまで問い詰めるよ。僕に隠し事は許さないからねっ!」

笑顔から一転。天使のような美少年が黒いものを携えて目が笑ってない笑顔になった。

「私も気になりますね。会長の笑顔を初めて見ました」

「人様の恋愛なんぞ興味ねぇが、俺も聞きたい」

眼鏡の彼とムキムキの彼も頷いて同意した。

「あのぉ…私も聞きたいです」

小さな声がムキムキの彼の後ろから聞こえたと思ったら目を前髪で覆った細い身体をした人がスッと出て来た。

まだいたのっ!?
と一瞬思ったが、思えば生徒会は5人だったなと一人勝手に納得する。
平凡な僕の目の前に生徒会役員が全員揃ってる。なんてことっ!

平凡で平和だった日々が、ガラガラと崩れる音が聞こえる。不穏な音とは反対に、恋の予感とこれからの日常に胸は期待に膨らんでいた。
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