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第2章 現れた魔王の残党

第10話 平和が戻ったつかの間の恐怖

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「マコト、あれでよかったの?」
 ラミアが聞いた。
「まあ、代わりに倒してくれたのなら。でも、これで終わりなのか?」
「どういうこと?」
「アジュラーがこちらに来ることは本来出来ないはず。ということは……」
「と言うことは?」
「向こうの魔物がこちらに押し寄せると言うことだ」
「それは大変なんじゃ……」
「立ち向かえばいいだけだとは思うが、さばききれるか」
「数の問題ですな?」
 からくりマシンが聞いた。

「どこから来るかわからないが、根元を封じないと、キリがない」
「こちらが疲れるだけね」
「頑張りましょう、マコトさん」
 クリスがラミアとの間に割り込む。しっかり、手をおっぱいに挟んで。
「うっ」
「感じますか? 私のおっぱいの感触」
「うん」
「それなら、私のほうがいいでしょ!」
 マリアンナがもう片手をおっぱいで挟む。

「ぁん♡手、動かさないで」
「そんなこと言っても」
「直接のほうがいいかしら?」
 マリアンナが服をまくって、直接挟もうとした途端、ドスンと大きな音がして、地面が揺れる。
「なんだ?」
「お兄ちゃん、あれ」
『ここにマコトというやつはいるか?』
「俺だが」
「お前か。自分から来たその勇気は認めよう。だが、ここでお前は死ぬのだ・・・・
「なんだと?」
「お前はかつての戦いで仲間に殺されかけたな? あの時は助かったが、今度はそうはいかない。見てみるがいい」
「なんだ?」

「マコト、さよなら!」
「マコトさん、ありがとう!」
「何を? ギャー!」
 マコトは仲間から総攻撃を受ける。チート発動してなかったので、致命的なのは言うまでもない。
「終わったな」
 マコトからプスプスと煙が立つ。だが、マコトは立ち上がった。
「バカな!」
「良くもやってくれたな。すげぇこたえたぜ。チートなしじゃなぁ。でも、今はチート済み・・・・・だ。戻れ!」
 マコトが叫ぶと、みんなが正気に戻る。

「マコトさん、治療を」
「私も」
 クリスと神属性妹たちが回復魔法を唱える。マコトの体は元に戻った。
「ありがとう」
「後でお礼してね♡」
「さあ、行くぞ!」
「来るなら来い。虫けらめ!」



「ぐっ。これをもってしても敵わんだと? お前は一体・・・」
「ただの人間だ」
「ただの人間がチートなんて……ぐふっ」
 謎の魔物は消え失せた。
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