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第一章
大切なもの
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威勢よく啖呵を切ったことはいいものの、少し後悔をしていた。
「痛っ!」
横から鞭のようにしなってきた木の枝が、頬をかすめる。不意にきた攻撃に対し、思わず声をあげてしまった。木の枝が当たったところはひりひりして、頬から痛みが走ってくる。
イヴァンの家で借りた部屋着のまま、何一つ持たずに来てしまった。
少なからず準備をしてから来るべきだったと、後悔をしている。
部屋着と言っても、パジャマのような「今から寝ます」という様な服ではなく、難なく町は出歩けるといった程度の物だった。ただし、森の中を進むには、少し心許ない装備ではあった。
イアに教えられたとうりに、先ほど来た湖の近くの茂みの中を探している。
イアの言っていた“ペンダント”らしきものはひとつも見つからず、頭を抱えてしまった。
湖の周りを一通り探したところで、湖の周りを一周し、元いた場所へ戻ってきてしまった。
気付けば空の明るさは落ちてきていて、そろそろ夕暮れ時といった時間帯になっていた。時間などを持っていないので、現在の時間を知る術がなかった。
「流石に暗くなるとまずいよなぁ...」
空を見上げながら、そっと呟く。
かといって、「ありませんでした」とのこのこ帰る気にもなれなかった。
イアに頼まれたのなら、探し出して返してやりたい。
ほとんど初対面で、義理も繋がりもない相手に対し、どうしてここまでしようと思えるのだろうか。
自分がなぜここまでしようとするのか、少し疑問になった。理由を考えてみても、それらしい理由が見当たらない。
「イアのことが好きになったとか...?」
首を傾げながら、考察を口から述べてみた。だが、それは違うなとすぐ気付いて、恥ずかしくなった。
少しの間考えてみがが、理由を考えてもしょうがないと思った。
「人が困ってたら助けるもんだろ」
そう自分に言い、顔を叩いて気合を入れた。
「よし!探すぞ!」
気合を入れ直し、ガッツポーズを取った。すると、少し離れたところの茂みの中から、何かが光った。もしかしてと思い、光が差した方へ走って向かう。光が見えた場所を探すと、少し離れたところに金属製のネックレスの様なものが見えた。それを見た瞬間、思わず声をあげてしまった。
「あった!!」
きっと、イアが無くしたと言っていたペンダントに違いない。そう思い、ネックレスに手を伸ばした。
すると次の瞬間、横の茂みから何かが飛び出してきた。小さな蛇の様な生き物が飛び出してきた。それにびっくりして、思わず後ろに転ぶ。その蛇は、こちらを一度見ると、ネックレスに目を移し、それを咥えた。嫌な予感が脳裏をよぎる。
「おいおい待てよヘビ助...」
そう言いながら手を伸ばした瞬間、蛇はそのネックレスを咥えたまま走り出した。蛇とは到底思えない、凄いスピードだった。
「おい!待てぇぇ!」
すぐに起き上がり、蛇を追いかける。
全力で走らなければ追い付かないほどのスピードで、追いかけているうちに段々と息が切れてきた。足が段々と重くなり、走るのが苦しくなってきた。だが、蛇を逃すわけには行かなかった。
「ちょ、待て...」
息を切らしながら、辛うじて声になる声を出す。
途中見失ったと思ったら、遠くのところに姿が見える。やっと追いついたと思ったら、今度は後ろを横切る。まるで蛇と鼬ごっこをしている様だった。何度も何度もエンカウントしているうちに、蛇は一つの洞窟の中へと姿を消していった。
洞窟の前で息を切らし、膝に手を当て、下半身に体重をかけて小休憩を取った。呼吸で安定してきたところで、上を見上げた。ちょうどここは崖の下だった。
崖がひび割れ、その隙間が洞窟になっているらしい。
まさか、洞窟の中まで追いかけることになるとは予想していなかった。
待ち受けているかもしれない何かに対して湧いてくる緊張を落ち着かせるように、深呼吸をした。
いざ、行かんと、足を踏み出した。
次の瞬間、地響きが起こった。まるで地震のような揺れは、段々と大きくなっていく。
その地響きとともに、最悪の事態に陥った。洞窟の中から這い出てきた物を見、声にならない声を出した。
「嘘だろ...」
小さな蛇。この時点で察せていたらどれだけよかっただろう。
その“生物”には、見覚えがあった。
巨大な口に、鼻元に髭の生えた、巨大なうなぎのような生物。
そう、昼間に格闘した、あの“怪物”である。思わぬ再開に、苦笑いするしかなかった。
絶体絶命、命の危機。そんな言葉が脳裏を過ぎる。振り返り、全速力で走り出す。
イアのペンダントを取り戻す前に、俺が死んでしまう。
どうして、どうしてこうなったんだろう。
「ちくしょーーー!!!」
行き場のない感情を、大空に向かって文句を吐く。
近くの鳥が、驚いて飛んで行った。
「痛っ!」
横から鞭のようにしなってきた木の枝が、頬をかすめる。不意にきた攻撃に対し、思わず声をあげてしまった。木の枝が当たったところはひりひりして、頬から痛みが走ってくる。
イヴァンの家で借りた部屋着のまま、何一つ持たずに来てしまった。
少なからず準備をしてから来るべきだったと、後悔をしている。
部屋着と言っても、パジャマのような「今から寝ます」という様な服ではなく、難なく町は出歩けるといった程度の物だった。ただし、森の中を進むには、少し心許ない装備ではあった。
イアに教えられたとうりに、先ほど来た湖の近くの茂みの中を探している。
イアの言っていた“ペンダント”らしきものはひとつも見つからず、頭を抱えてしまった。
湖の周りを一通り探したところで、湖の周りを一周し、元いた場所へ戻ってきてしまった。
気付けば空の明るさは落ちてきていて、そろそろ夕暮れ時といった時間帯になっていた。時間などを持っていないので、現在の時間を知る術がなかった。
「流石に暗くなるとまずいよなぁ...」
空を見上げながら、そっと呟く。
かといって、「ありませんでした」とのこのこ帰る気にもなれなかった。
イアに頼まれたのなら、探し出して返してやりたい。
ほとんど初対面で、義理も繋がりもない相手に対し、どうしてここまでしようと思えるのだろうか。
自分がなぜここまでしようとするのか、少し疑問になった。理由を考えてみても、それらしい理由が見当たらない。
「イアのことが好きになったとか...?」
首を傾げながら、考察を口から述べてみた。だが、それは違うなとすぐ気付いて、恥ずかしくなった。
少しの間考えてみがが、理由を考えてもしょうがないと思った。
「人が困ってたら助けるもんだろ」
そう自分に言い、顔を叩いて気合を入れた。
「よし!探すぞ!」
気合を入れ直し、ガッツポーズを取った。すると、少し離れたところの茂みの中から、何かが光った。もしかしてと思い、光が差した方へ走って向かう。光が見えた場所を探すと、少し離れたところに金属製のネックレスの様なものが見えた。それを見た瞬間、思わず声をあげてしまった。
「あった!!」
きっと、イアが無くしたと言っていたペンダントに違いない。そう思い、ネックレスに手を伸ばした。
すると次の瞬間、横の茂みから何かが飛び出してきた。小さな蛇の様な生き物が飛び出してきた。それにびっくりして、思わず後ろに転ぶ。その蛇は、こちらを一度見ると、ネックレスに目を移し、それを咥えた。嫌な予感が脳裏をよぎる。
「おいおい待てよヘビ助...」
そう言いながら手を伸ばした瞬間、蛇はそのネックレスを咥えたまま走り出した。蛇とは到底思えない、凄いスピードだった。
「おい!待てぇぇ!」
すぐに起き上がり、蛇を追いかける。
全力で走らなければ追い付かないほどのスピードで、追いかけているうちに段々と息が切れてきた。足が段々と重くなり、走るのが苦しくなってきた。だが、蛇を逃すわけには行かなかった。
「ちょ、待て...」
息を切らしながら、辛うじて声になる声を出す。
途中見失ったと思ったら、遠くのところに姿が見える。やっと追いついたと思ったら、今度は後ろを横切る。まるで蛇と鼬ごっこをしている様だった。何度も何度もエンカウントしているうちに、蛇は一つの洞窟の中へと姿を消していった。
洞窟の前で息を切らし、膝に手を当て、下半身に体重をかけて小休憩を取った。呼吸で安定してきたところで、上を見上げた。ちょうどここは崖の下だった。
崖がひび割れ、その隙間が洞窟になっているらしい。
まさか、洞窟の中まで追いかけることになるとは予想していなかった。
待ち受けているかもしれない何かに対して湧いてくる緊張を落ち着かせるように、深呼吸をした。
いざ、行かんと、足を踏み出した。
次の瞬間、地響きが起こった。まるで地震のような揺れは、段々と大きくなっていく。
その地響きとともに、最悪の事態に陥った。洞窟の中から這い出てきた物を見、声にならない声を出した。
「嘘だろ...」
小さな蛇。この時点で察せていたらどれだけよかっただろう。
その“生物”には、見覚えがあった。
巨大な口に、鼻元に髭の生えた、巨大なうなぎのような生物。
そう、昼間に格闘した、あの“怪物”である。思わぬ再開に、苦笑いするしかなかった。
絶体絶命、命の危機。そんな言葉が脳裏を過ぎる。振り返り、全速力で走り出す。
イアのペンダントを取り戻す前に、俺が死んでしまう。
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「ちくしょーーー!!!」
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近くの鳥が、驚いて飛んで行った。
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