31 / 172
幼女編
29
しおりを挟む
◇◆◇◆
「ここはどこ?」「・・・・・・・よ」
頭の中で声がする。
「・・・誰?」 「私はアルゲティ」
この場所を・・・知っている。懐かしい気持ちになる場所でもあり。愛する人が住んでいた王国。その声を私は知っている、この声はアルゲティ(私)の声だ
「ここは私が救った王国よ。アウストラリス王国そしてあの人の愛した国。あの人は死んでしまった。違う。私が死なせてしまった。」
私は泣いていた。
何も分からないのに泣いてる。
「誰を死なせてしまったの?」
「それは・・・なの」
えっ?聞こえない。だが話しは続く。
「昔私はこの王国に降りて来て人の世界を見て回っていた。私はその時に・・・と出会った。その人は人間だった。」
王国に降りて来て?どこから?などと考え事をしていると、
風が優しく流れる。視界に入ったその髪色はオーキッドだった。あの一部分だけ染まった色。
驚いて振り向くと白く大きな2枚の翼が生えている。
何故?忘れていたの?私はこの姿だった。
しばらく考え事をしていると、あの夢の中で見た光が降りて来る。
その光が強くなり目の前に天使様が降りてきた。
「天使様?」 「父様!」
父様だと知っているのに、気持ちが追いつかない。
「アルゲティ!やっと記憶を取り戻せたのか?人間の寿命は短い。その姿なら一緒に帰れる。さぁ帰ろう。」
父様は手を差し出し優しく微笑む。
肩迄あるオーキッド色の髪が肩から滑り落ちる
父様の顔を見て「帰りません!」と。ポロポロと泣く。。
「父様私の記憶は完全ではないのです。」
「まだ足りぬのか」
「もう私の事は忘れて下さい私は・・・と一緒に居たいのです。」
「ならぬ!忘れたのか?愚かな人間が何をしたのか?!」
「それでも私は一緒に居たい!お願いします父様。」
トゥカーナは手を胸の前で組むと、大粒の涙を流し悲願していた。
父様はそれならと期限を決める。
「トゥカーナに記憶解呪をした。完全にその姿になれば、人の世界には居れぬ。その時は連れ帰るとしよう良いか?」
「はい。父様お約束します。」
私は父様の金色の瞳を見ながら約束をした。
◇◆◇◆
「父様。。」
目覚めると私はポロポロと泣いていた。薄らと目が覚める。ここ何処だろう?回りを見回し思い出す。ここは王城の客間で、ベットの側でアウラとお父様が心配そうに見つめている。
起き上がろうと思っていると、お父様に優しく肩を抑え首を振る。それでも居心地が悪いので、そのままの状態でベットに座る
「カーナ大丈夫?」
「はいアウラ様?私どうしてここに?」
「トゥカーナ?おはよう」
「おはようございます?アウラ様お父様?」
私の頭が少し混乱をしている。何故客間のベットに入ってるのだろうか?私が状況が分かってないのを知ってアウラがお父様に目配せをする。頷いたお父様が今の状態を説明する。
「トゥカーナは何故ここに居るか覚えてるかな?」
「アウラ様に無地カードを届けに来て」
私はそこまで言うとお父様に目であの話しをして良いのか確認をし、頷いたのであの話もする
「お父様と天使様の話しとアルゲティ様の話しをしました。」
「そうだね。そこから少ししたら帰ると思っていたんだ。でもトゥカーナが何時間しても出て来ないから、メイドが客間を確認した。ソファで寝てるトゥカーナを見つけて、私の所に連絡が来た。」
聞いた時心臓止まるかと思ったよ。その場に居たアウラ様がどうしても行きたいと言うから。と心配そうに見るお父様とアウラ
「ごめんなさい。実は昨日寝れなくて寝不足だったのです。」
まさかババ抜きで負けて悔しかったとは言えない。流石に全敗は凹んだ。
私はあの夢の話しをしようか悩んでいた。あの姿に戻ったら、私は父様に強制連行される。
「アウラ様、お父様、夢の話しをしたいので人払いをお願いします。」
アウラが付き添いをしてくれたメイド達に目配せをすると、サイドテーブルに人数分の紅茶を置き、ドアから出て行く。
少しだけたわいも無い会話をし、本題へと入る
「アルゲティ様に会いました。そこで・・・」
私は天使様でもある父様との約束迄を話す。
最後まで話をして、気持ちが少し落ち着かない。
冷えてしまった紅茶を飲む。しかし身体が冷えてしまいベットに少し深く入る。何かが手に当たり手探りでベット中を確認する、白い羽が落ちていた。それを見てポロポロと涙が出る。何故?
「カーナ?!」
「トゥカーナどうした?!」
私が声を出そうとする前にアウラが
「カーナ?その髪色・・」
サラサラと白金色の髪のまた一部分がオーキッド色に変る。
アウラはそれを見ると驚き。お父様は苦い顔をした。
「カーナ?それは一体?」
「これはアルゲティ様の髪色。」
その髪をひと房。アウラは手に取る
私は突然髪を触られビックっと身体を震わせる。
「大丈夫。僕はカーナはカーナだと思っているよ。でも何かあったら必ず相談してね?」
「はい。アウラ様相談します。」
「トゥカーナ?今日はここに泊まりなさい。ロッテもそろそろこちらに来る。」
「はい。お父様」
少し寝なさいと頭を撫でる。アウラとお父様に就寝の挨拶をする。ベットに座ったままなので頭を下げる
「おやすみなさい。アウラ様、お父様。天使様が素敵な夢を運んでくれます様に」
「おやすみなさいカーナ素敵な夢を。」
「おやすみトゥカーナ天使様が素敵な夢を見せてくれます様。」
ロッテが音もなく入って来て頭を下げる。
2人は挨拶を済ませてドアから出ていった
「ここはどこ?」「・・・・・・・よ」
頭の中で声がする。
「・・・誰?」 「私はアルゲティ」
この場所を・・・知っている。懐かしい気持ちになる場所でもあり。愛する人が住んでいた王国。その声を私は知っている、この声はアルゲティ(私)の声だ
「ここは私が救った王国よ。アウストラリス王国そしてあの人の愛した国。あの人は死んでしまった。違う。私が死なせてしまった。」
私は泣いていた。
何も分からないのに泣いてる。
「誰を死なせてしまったの?」
「それは・・・なの」
えっ?聞こえない。だが話しは続く。
「昔私はこの王国に降りて来て人の世界を見て回っていた。私はその時に・・・と出会った。その人は人間だった。」
王国に降りて来て?どこから?などと考え事をしていると、
風が優しく流れる。視界に入ったその髪色はオーキッドだった。あの一部分だけ染まった色。
驚いて振り向くと白く大きな2枚の翼が生えている。
何故?忘れていたの?私はこの姿だった。
しばらく考え事をしていると、あの夢の中で見た光が降りて来る。
その光が強くなり目の前に天使様が降りてきた。
「天使様?」 「父様!」
父様だと知っているのに、気持ちが追いつかない。
「アルゲティ!やっと記憶を取り戻せたのか?人間の寿命は短い。その姿なら一緒に帰れる。さぁ帰ろう。」
父様は手を差し出し優しく微笑む。
肩迄あるオーキッド色の髪が肩から滑り落ちる
父様の顔を見て「帰りません!」と。ポロポロと泣く。。
「父様私の記憶は完全ではないのです。」
「まだ足りぬのか」
「もう私の事は忘れて下さい私は・・・と一緒に居たいのです。」
「ならぬ!忘れたのか?愚かな人間が何をしたのか?!」
「それでも私は一緒に居たい!お願いします父様。」
トゥカーナは手を胸の前で組むと、大粒の涙を流し悲願していた。
父様はそれならと期限を決める。
「トゥカーナに記憶解呪をした。完全にその姿になれば、人の世界には居れぬ。その時は連れ帰るとしよう良いか?」
「はい。父様お約束します。」
私は父様の金色の瞳を見ながら約束をした。
◇◆◇◆
「父様。。」
目覚めると私はポロポロと泣いていた。薄らと目が覚める。ここ何処だろう?回りを見回し思い出す。ここは王城の客間で、ベットの側でアウラとお父様が心配そうに見つめている。
起き上がろうと思っていると、お父様に優しく肩を抑え首を振る。それでも居心地が悪いので、そのままの状態でベットに座る
「カーナ大丈夫?」
「はいアウラ様?私どうしてここに?」
「トゥカーナ?おはよう」
「おはようございます?アウラ様お父様?」
私の頭が少し混乱をしている。何故客間のベットに入ってるのだろうか?私が状況が分かってないのを知ってアウラがお父様に目配せをする。頷いたお父様が今の状態を説明する。
「トゥカーナは何故ここに居るか覚えてるかな?」
「アウラ様に無地カードを届けに来て」
私はそこまで言うとお父様に目であの話しをして良いのか確認をし、頷いたのであの話もする
「お父様と天使様の話しとアルゲティ様の話しをしました。」
「そうだね。そこから少ししたら帰ると思っていたんだ。でもトゥカーナが何時間しても出て来ないから、メイドが客間を確認した。ソファで寝てるトゥカーナを見つけて、私の所に連絡が来た。」
聞いた時心臓止まるかと思ったよ。その場に居たアウラ様がどうしても行きたいと言うから。と心配そうに見るお父様とアウラ
「ごめんなさい。実は昨日寝れなくて寝不足だったのです。」
まさかババ抜きで負けて悔しかったとは言えない。流石に全敗は凹んだ。
私はあの夢の話しをしようか悩んでいた。あの姿に戻ったら、私は父様に強制連行される。
「アウラ様、お父様、夢の話しをしたいので人払いをお願いします。」
アウラが付き添いをしてくれたメイド達に目配せをすると、サイドテーブルに人数分の紅茶を置き、ドアから出て行く。
少しだけたわいも無い会話をし、本題へと入る
「アルゲティ様に会いました。そこで・・・」
私は天使様でもある父様との約束迄を話す。
最後まで話をして、気持ちが少し落ち着かない。
冷えてしまった紅茶を飲む。しかし身体が冷えてしまいベットに少し深く入る。何かが手に当たり手探りでベット中を確認する、白い羽が落ちていた。それを見てポロポロと涙が出る。何故?
「カーナ?!」
「トゥカーナどうした?!」
私が声を出そうとする前にアウラが
「カーナ?その髪色・・」
サラサラと白金色の髪のまた一部分がオーキッド色に変る。
アウラはそれを見ると驚き。お父様は苦い顔をした。
「カーナ?それは一体?」
「これはアルゲティ様の髪色。」
その髪をひと房。アウラは手に取る
私は突然髪を触られビックっと身体を震わせる。
「大丈夫。僕はカーナはカーナだと思っているよ。でも何かあったら必ず相談してね?」
「はい。アウラ様相談します。」
「トゥカーナ?今日はここに泊まりなさい。ロッテもそろそろこちらに来る。」
「はい。お父様」
少し寝なさいと頭を撫でる。アウラとお父様に就寝の挨拶をする。ベットに座ったままなので頭を下げる
「おやすみなさい。アウラ様、お父様。天使様が素敵な夢を運んでくれます様に」
「おやすみなさいカーナ素敵な夢を。」
「おやすみトゥカーナ天使様が素敵な夢を見せてくれます様。」
ロッテが音もなく入って来て頭を下げる。
2人は挨拶を済ませてドアから出ていった
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
1,088
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる