不幸な王子を守りきれっ!

ムニエル

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第1話

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   「雨が酷いなぁ。」

  今日は朝から晩まで降り続けるらしい。

   傘を忘れてしまったが幸いにも家から比較的近いところに高校があるからマシだ。

  「走るか……。」

   妹が持っているゲームを貸してもらう約束をしていたから出来れば早く帰りたい。

   ダッっと鞄を頭にのせ雨避けとして校門から走りでる。

   (冷たっ……!)

   ザァザァと雨が服を濡らす。

  (これは……、風邪ひくかもな~。)

  もうそろそろ交差点につく。

   (青だ。)

  突っ切ってしまおう。

  さらに足を速く動かして走る。

  「っ!眩し……!」
    
    ドゴッ!

   なにかを叩きつけたような音がした後体を耐え難い痛みが襲った。

  「ゔッ!?はッ……。」

  上手く息が吸えない。

  見える位置にある手や足がおかしなくらい曲がっている。

  目が霞む。

  (轢かれた……のか……?)
   

  



      










   ゆっくりゆっくり視界が暗くなっていく。

  (あ……。ゲーム……。)
  



   

 
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