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翌日、本田はいつも通りの時間に起きると電気シェーバーを手に洗面所に向かい、鏡を覗き込みながらいつもより念入りに顔の髭を剃った。顔の角度を変えて鏡に映し頭に寝癖が付いていないかも入念に確かめた。
そして朝食を手早く済ませた後は礼服に着替え、黒いネクタイを締めた。
昨晩、夕食のテーブルで亮子と萌に警察官を続ける事を告げたのだが、富良野に行く前にどうしても済ませておかねばならない事があった。
今回の事件で犠牲となり殉職をした上司の山田に対し、自分が今後も警察官を続ける決意をしたことの報告、そして二度と犠牲者を出さないという誓いを山田に約束しなければならない。
自宅謹慎を命じられ、その上マスメディアに事件の当事者として取り上げられ騒がれていたとは言え、散々世話になり、マイノリティである自分の事をいつも気に掛けてくれ、そして可愛がってくれていた山田の通夜や葬儀に参列しなかったばかりか、霊前に線香の一つも上げていないのだ。
他の事を差し置いてでもこれだけは必ずしておかなければならない。
だが本田には一つ、気がかりなことがあった。
山田は自分のせいで殉職してしまったのだ。その原因となった張本人の自分が、今更ノコノコと遺族の元を訪れて、図々しくも「線香をあげさせてください」と言ったところで、すんなり「はい、どうぞ」と受け入れてくれるのだろうか?
最悪、塩を撒かれた上で、ありったけの罵詈雑言を浴びせられ追い返されてもおかしくはない。
それに服装についてどうするかという点も、本田の悩みの種の一つであった。
通常、警察官や自衛官など制服を着る職業の者は冠婚葬祭の際に着用する特別な礼装が定められている。
だが、警察官礼装をビシッと決めて、さも自分は警察官でございと弔問をするのは遺族の感情を逆なですることになるのではないか?
散々悩んだ挙句、昨晩亮子に相談してツテを辿り、急遽貸衣装で一般の礼服を借りたのだ。
「大丈夫よ。山田さんのご遺族もきっと分かって下さるわ」
「あぁ、だといいんだけど……」
そうこうしているうちに壁に据え付けられたインターホンからチャイム音が聞こえてきた。本田はインターホンの液晶画面に映るスーツ姿のタクシードライバーに「今行きます」と告げた。
「じゃあ、行ってくる」
「えぇ、気を付けて」
亮子に送り出され、本田はタクシーの後部座席に乗り込んだ。
ルームミラー越しにこちらの様子を伺っているドライバーに行き先を告げる。
「えーと、南区真駒内泉町――」
「あー、また近くなったら詳しく教えてください。その辺なら大体分りますから」
本田がスマホの画面を覗き込みながら山田の家の住所を告げている途中で、ドライバーがそれを遮った。
「最近の若い人らはスマホだのカーナビだので行き先を細かく調べるけど、私はどうもそういうのが苦手でねぇ。
この車にもほら、カーナビが付いてるんだけど、使ったことが無いんだよ。ハハハ……。
いや、こう見えて札幌でのタクシー稼業は50年以上やってるから、心配は要りませんよ」
後部座席から見えるドライバーはすっかり真っ白になった頭髪を角刈りにし、皺が寄った肌に、穏やかだがしっかりと芯の通った声色をしていた。それはどこか、伝統工芸の熟練した職人を思わせる……、そんな印象を受けた。
「お客さん。あんた、テレビでやってた暴走車の事件に関わってた警察官でしょう?」
車を発進させてすぐに、ドライバーがまっすぐ前を見たままで、穏やかに語り掛けてきた。
「……えぇ、そうです」
本田はドライバーに対し静かに答えた。
「その格好だと……、事故に巻き込まれてお亡くなりになった警察官のところに行くのかい?」
「えぇ、そうなんです。殉職したのは私の上司でして」
「今が踏ん張りどころだよ。負けちゃいかん」
赤信号で車が停止したところで、不意にドライバーがそう言った。
「え? な、なんです?」
「あんたの事は私もよく知ってるよ。よく新聞やテレビで報じられてたもんねぇ。日本初の黒人警察官なんでしょう?」
「えぇ、そうです」
本田はそう返事をしながら(一体何なんだ、この爺さんは……)と訝し気にルームミラーに写るドライバーの目を見た。
「私は在日朝鮮人でね。10代の頃に帰化して日本国籍を持って50年以上経つんだけど、私らの世代では例え日本国籍を持っていても、警察官や自衛官、その他お役人にはなりたくたって成れなかったんだよ」
本田は思わず「えっ!」と驚きの声を口から漏らしてしまった。そして助手席のダッシュボードに掲げられた乗務員証に目をやった。
そこには『札亜白樺交通株式会社 乗務員 藤沼 真一』とドライバーの所属するタクシー会社と氏名が記載され、人懐っこそうな表情を浮かべたドライバーの顔写真が貼りつけられていた。
「ハハハ……、帰化してるから今は日本名を名乗ってるんだよ。私は朝鮮名をパク・ジュヒョクと言ってね。もっとも、朝鮮名を名乗るのは数十年ぶりだな。
なにせ、両親は私を日本人として、日本の社会に馴染むようにって懸命に育てたからね。
家の中でも極力日本語を使う様にって厳しく言われたもんだよ。
おかげでハングルの読み書きはほとんどできないんだ。
私も若い頃は警察官に憧れてね。中学の同級生の親父さんが警察官で、男前な色男だったって事もあるんだが、何よりもビシッと制服を着てパトカーに乗務をしている姿がかっこよかった。
だけども当時は帰化した外国人が警察官になるなんて夢のまた夢。よく皆に笑われたもんだよ。
あぁ、お客さん。あんたは黒人の血が入ってるってだけで、生まれも育ちも日本の、生粋の日本人なんだよね。
私はあんたのファンでねぇ。初めてあんたの事を新聞で読んでから、ずーっと記事を切り抜いてスクラップにしてるんだよ。
時代は変わったねぇ。
だけど、何時の時代も人生順風満帆って訳には行かないもんさ。
今はあんた、通り雨が降ってるようなもんだって、そう思わなきゃ。
止まない雨は無いさ。
小さい頃からの憧れだったんだろう、警察官になるのは……。
世間じゃイロイロ言うやつもいるけど、警察官を辞めちゃダメだよ」
「……はい、ありがとうございます」
本田はそう返事をすると、横を向いて車窓からの流れる街並みをぼんやりと眺めていた。
今ルームミラー越しに藤沼と目が合ったら、涙が出てしまうかもしれない。なんとなくそんな感じがして前を向くことが出来なかった。
しばらくして車が札幌市営地下鉄 南北線 真駒内駅に近づいた。
本田はジャケットの内ポケットからスマホを取り出し、今一度山田の自宅住所を確認し藤沼に伝えた。
彼は一言「あぁ、はいはい」と人懐っこそうな声色で返事をすると迷わず一直線に住宅街の中を右へ左へ車を走らせた。
やがて車は一軒の民家の前で停まった。
「着きましたよ、お客さん」
藤沼が運転席から後ろを振り向き、親しみ深い笑みを浮かべて目的地への到着を知らせた。
本田は運賃を支払うと藤沼に丁重に礼を言って車から降りた。彼は助手席のウィンドウを開け「じゃ、頑張りなよ本田さん」と言って車を発進させた。
コンクリートブロックが積み上げられた門柱には、真新しい白磁のプレートに黒い釉薬で『山田』と書かれた表札が貼り付けてあった。
傾斜の急なトタン張りの三角屋根に白いモルタルが塗られた外壁は旧態依然とした北方型防寒住宅と呼ばれるもので、北海道ではどこでも見られるごくありふれた形態の住宅だ。
本州の住宅と違い、瓦ではなくトタン板を屋根に張っており、また傾斜が急であるのも雪が自重で滑り落ちやすくするための先人の知恵なのだ。
ただ、古臭いデザインの家屋であるとはいえ屋根や外壁の塗装はまだ新しく、外から見える窓もハーフミラーのような光沢を放つブロンズ色の防寒ガラスが嵌め込まれており、これはどうやら建売住宅を中古で買ってリフォームを施したものであるらしかった。
辺りを見渡すと全く同じ形の住宅が軒を連ねている。ここら辺は札幌冬季オリンピックが開かれた昭和47年あたりに急速に開発が進められた新興住宅街の一つである。
恐らくは山田の家もその頃に建てられたものの一つなのだろう。
本田が玄関に向かうと奇麗に手入れされている小さな庭が目に入った。
山田が庭の手入れをしていたとは思えない。これは明らかに山田以外の誰かがマメに庭の手入れをしているに違いない。確か山田は独身であったはずだが、彼もいい歳であったので交際している女性の一人や二人居たところで何も不思議ではない。
そんな事を考えながらガラス張りの玄関サンルームの引き戸を開けて中に入る。
ここ北海道では玄関の外に断熱ガラスで囲われたサンルームを作ったり、あるいは玄関の中にもう一つドアを設けて、所謂『エアロック』のような構造にして、なるべく外の寒気が直接家に中に入らないようにするのが一般的なのだ。
サンルームの中に入ると、今風のモダンなデザインの玄関ドアには『忌中』と書かれた忌中札が貼り付けてあり、この家の誰かが亡くなって間もない事を示していた。
壁に据え付けてあるインターホンのボタンを押すと、チャイム音が鳴り、しばらくしてスピーカーから「どちら様ですか?」と言う年老いた女性の声が聞こえてきた。
本田は緊張を抑えながら「本田と申します。山田さん……、いや、晃さんの部下の本田です」とインターホンに向かって話した。
やや間が開いたが、スピーカーからは「今、参りますので少しお待ちください」という声が聞こえてきた。
(良かった……。少なくとも塩を撒かれて追い返されるような事は無さそうだ)
カチャリと軽い音を立てて玄関ドアが開き、中からは品の良さそうな白髪頭の老齢女性が姿を現した。本田自身が長身な事もあってか女性はとても小さく見えた。
「あ、あの……、この度は本当に申し訳ございませんでした。私のせいで晃さんが、あ、あんなことになってしまって……、な、なんとお詫びを申し上げたら良いか……」
本田はそう言うと女性に対し、今まで下げた事のないほど深い角度で頭を下げた。
「まぁ、そんな、どうぞ頭を上げてくださいな。
息子が亡くなったのは、あなただけの責任ではありませんわ。
それに、あの子は常日頃から警察官は常に危険と隣り合わせの仕事だから、いつ何があるか分からない。
万が一の時の心構えだけは常にしておいてくれって、口癖のように言っていましたから」
女性はとても優しい口調で、まるで本田を諭すかのようにそう言った。
本田が恐る恐る顔を上げると、女性は寂しそうにニコリと微笑み頭を下げた。
「晃の母親の静江でございます。息子が生前、大変お世話になりました」
「あ、いや、お世話だなんて、そんな……、お世話になったのはこちらですよ。それにいつも私の事を気に掛けてくださって、可愛がってくれたんですから」
「えぇ、あの子はいつも本田さんの事を話していましてね。とても可愛がっているんだなぁって。
あの子ったら、本田さんの話をするときはいつも嬉しそうに話していたんですよ」
本田は恐縮することしきりで、またも頭を下げて「すいません」と詫びた。
「あらあら、そんな、どうか頭を上げてくださいな。
それとね、ここで立ち話をするのも何ですから、どうぞお上がりください」
静江はそう言うと、またもやどこか寂しそうに微笑みながら本田を家の中に招き入れた。
本田が通された仏間には黒檀のような艶を放つ立派な仏壇があり、その前には白い布が敷かれた後飾りと呼ばれる、納骨までの間の簡易的な祭壇が置かれていた。
後飾りの上には鈴や香炉、ろうそく立てなどの仏具一式と供物のフルーツ籠盛り、それに白い菊の花が活けられた花瓶などと共に、黒いシルクのリボンが掛けられた山田の遺影と白木の位牌、それに紋様の入った絹張りの骨壺入れが安置されていた。
本田は祭壇に置かれた線香の箱から一本の線香を手に取ると、箱の脇に置いてあるライターで数秒炙り香炉に線香を立てた。
上着のポケットの中から数珠を手に取り、山田の遺影に向かって手を合わせて静かに目を閉じた。
(山田警部補――。いえ、山田警視。私は心機一転、富良野で駐在の地域警察官としてやり直すことを決めました。
正直に言って、あなたを殉職させてしまった私が今後も警察官を続けていいのかどうか、胸を張って堂々とは言えません。
だけど今後も警察官を続けていくからには、もう二度とあなたのような犠牲者は出しません。
どうか、私がまた警察官として再スタートを切る事をお許しください)
本田が目を開けると、ちょうどお茶を持ってきた静江と目が合った。
彼女は少し驚いたような表情を浮かべ本田を見つめている。
「あぁ、私の実家は浄土真宗でして。……あ、黒人の私が御霊前に線香をあげて、数珠を手にはめてお祈りしているのはおかしいですよね」
「え? あ、いや、そ、そんな事は無いですよ。こうしてお線香をあげて頂いて、あの子もきっと喜んでいると思いますよ」
静江はそう言うと、急須と2つの湯飲み、それに茶筒と小ぶりの黒糖饅頭が乗せられたお盆を紫檀色の座卓の上に置いた。
「さ、お茶を淹れますので、どうぞお飲みになって下さい」
「あ、はい、ありがとうございます。……それとこれ、通夜や葬儀に参列することが出来なくて申し訳ありません」
本田はそう言って上着の内ポケットからグレーの袱紗を取り出し、包みを開いて中から香典が入った不祝儀袋を取り出すと、静江に差し出した。
「この度はご愁傷さまでございます」
「まぁ、ありがとうございます。それに袱紗をご存じだなんて……、本田さんは本当に日本の習慣にお詳しいのね」
「え? えぇ……、私は生まれも育ちも日本ですし、祖母からイロイロと礼儀作法についてはうるさく言われましたので……。
とはいっても知らず知らずのうちに粗相をしてはいないか心配なんですけどね。
……それはそうと、お母様は関西弁ではないのですね?」
本田はそう言うと、軽く会釈をして湯飲みを手に取り、お茶を一口飲んだ。
「あぁ、息子がコテコテの関西弁を話すので不思議に思ったのですよね?
私は神奈川で生まれ育ちましてね。高校を卒業して東京の商社で働いている時に、同じ会社で働いていた主人と出会いましたの。
その後、主人が実家の建材店を継ぐことになって、主人からのプロポーズを受けて大阪に嫁ぎました。
晃が産まれたのは主人と一緒に家業の建材店を営むようになって少し経ってからですわ。
もっとも、その主人も5年ほど前に亡くなりましてね。家業の建材店はだいぶ前に……、そう晃が道警に就職してから10年ほど経った時に不景気の煽りを受けて廃業する事にしました。
それからは主人がトラックドライバーをして家計を支えてくれたんですけど、ある時膵臓にガンが見つかりまして。
短い闘病生活の末に亡くなってしまったんです。
そこに一人暮らしの私の身を案じて、あの子が札幌に家を買って呼び寄せてくれたんですよ。
中古の建売住宅で悪いけど、地下鉄の駅も近いし、それにキチンとリフォームしてあるからって……。
ホントに……、優しい子なんです。あの子は」
「そうだったんですか……」
本田は静江の話を聞いて、山田らしいエピソードだなと、心が暖かくなるのを感じた。
「それで、本田さんもいろいろと大変だったんでしょう?
テレビや新聞であなたに対するバッシングが連日のように報じられていたから」
「実は昨日、道警本部に呼び出されまして。私は本部長に辞表を提出したんですが受け取っては貰えず、それどころか富良野の郊外にある駐在所でお巡りさんをやるようにと言われました」
本田の話を聞いた静江が湯飲みを座卓に置くと、やや興奮した様子で口を開いた。
「まあ、あなたが警察官をお辞めになる必要はないわ。
先ほどもお話ししましたけど、息子が亡くなったのは、あなただけの責任ではありませんもの。
それにあの子は本田さんの事を大層気に掛けていまして、将来的には道警を背負って立つような立派な幹部警察官になって欲しいって言っていましたのよ」
「そんな……。晃さんが私の事を?」
「えぇ、ですから私、あなたには息子の分もしっかりと警察官としての人生を全うしてほしいと思っておりますのよ。
富良野で駐在のお巡りさんとして活躍されることを、きっと息子も願っていると思いますわ」
本田は帰り際に、もう一度山田の遺影に手を合わせた。
そして朝食を手早く済ませた後は礼服に着替え、黒いネクタイを締めた。
昨晩、夕食のテーブルで亮子と萌に警察官を続ける事を告げたのだが、富良野に行く前にどうしても済ませておかねばならない事があった。
今回の事件で犠牲となり殉職をした上司の山田に対し、自分が今後も警察官を続ける決意をしたことの報告、そして二度と犠牲者を出さないという誓いを山田に約束しなければならない。
自宅謹慎を命じられ、その上マスメディアに事件の当事者として取り上げられ騒がれていたとは言え、散々世話になり、マイノリティである自分の事をいつも気に掛けてくれ、そして可愛がってくれていた山田の通夜や葬儀に参列しなかったばかりか、霊前に線香の一つも上げていないのだ。
他の事を差し置いてでもこれだけは必ずしておかなければならない。
だが本田には一つ、気がかりなことがあった。
山田は自分のせいで殉職してしまったのだ。その原因となった張本人の自分が、今更ノコノコと遺族の元を訪れて、図々しくも「線香をあげさせてください」と言ったところで、すんなり「はい、どうぞ」と受け入れてくれるのだろうか?
最悪、塩を撒かれた上で、ありったけの罵詈雑言を浴びせられ追い返されてもおかしくはない。
それに服装についてどうするかという点も、本田の悩みの種の一つであった。
通常、警察官や自衛官など制服を着る職業の者は冠婚葬祭の際に着用する特別な礼装が定められている。
だが、警察官礼装をビシッと決めて、さも自分は警察官でございと弔問をするのは遺族の感情を逆なですることになるのではないか?
散々悩んだ挙句、昨晩亮子に相談してツテを辿り、急遽貸衣装で一般の礼服を借りたのだ。
「大丈夫よ。山田さんのご遺族もきっと分かって下さるわ」
「あぁ、だといいんだけど……」
そうこうしているうちに壁に据え付けられたインターホンからチャイム音が聞こえてきた。本田はインターホンの液晶画面に映るスーツ姿のタクシードライバーに「今行きます」と告げた。
「じゃあ、行ってくる」
「えぇ、気を付けて」
亮子に送り出され、本田はタクシーの後部座席に乗り込んだ。
ルームミラー越しにこちらの様子を伺っているドライバーに行き先を告げる。
「えーと、南区真駒内泉町――」
「あー、また近くなったら詳しく教えてください。その辺なら大体分りますから」
本田がスマホの画面を覗き込みながら山田の家の住所を告げている途中で、ドライバーがそれを遮った。
「最近の若い人らはスマホだのカーナビだので行き先を細かく調べるけど、私はどうもそういうのが苦手でねぇ。
この車にもほら、カーナビが付いてるんだけど、使ったことが無いんだよ。ハハハ……。
いや、こう見えて札幌でのタクシー稼業は50年以上やってるから、心配は要りませんよ」
後部座席から見えるドライバーはすっかり真っ白になった頭髪を角刈りにし、皺が寄った肌に、穏やかだがしっかりと芯の通った声色をしていた。それはどこか、伝統工芸の熟練した職人を思わせる……、そんな印象を受けた。
「お客さん。あんた、テレビでやってた暴走車の事件に関わってた警察官でしょう?」
車を発進させてすぐに、ドライバーがまっすぐ前を見たままで、穏やかに語り掛けてきた。
「……えぇ、そうです」
本田はドライバーに対し静かに答えた。
「その格好だと……、事故に巻き込まれてお亡くなりになった警察官のところに行くのかい?」
「えぇ、そうなんです。殉職したのは私の上司でして」
「今が踏ん張りどころだよ。負けちゃいかん」
赤信号で車が停止したところで、不意にドライバーがそう言った。
「え? な、なんです?」
「あんたの事は私もよく知ってるよ。よく新聞やテレビで報じられてたもんねぇ。日本初の黒人警察官なんでしょう?」
「えぇ、そうです」
本田はそう返事をしながら(一体何なんだ、この爺さんは……)と訝し気にルームミラーに写るドライバーの目を見た。
「私は在日朝鮮人でね。10代の頃に帰化して日本国籍を持って50年以上経つんだけど、私らの世代では例え日本国籍を持っていても、警察官や自衛官、その他お役人にはなりたくたって成れなかったんだよ」
本田は思わず「えっ!」と驚きの声を口から漏らしてしまった。そして助手席のダッシュボードに掲げられた乗務員証に目をやった。
そこには『札亜白樺交通株式会社 乗務員 藤沼 真一』とドライバーの所属するタクシー会社と氏名が記載され、人懐っこそうな表情を浮かべたドライバーの顔写真が貼りつけられていた。
「ハハハ……、帰化してるから今は日本名を名乗ってるんだよ。私は朝鮮名をパク・ジュヒョクと言ってね。もっとも、朝鮮名を名乗るのは数十年ぶりだな。
なにせ、両親は私を日本人として、日本の社会に馴染むようにって懸命に育てたからね。
家の中でも極力日本語を使う様にって厳しく言われたもんだよ。
おかげでハングルの読み書きはほとんどできないんだ。
私も若い頃は警察官に憧れてね。中学の同級生の親父さんが警察官で、男前な色男だったって事もあるんだが、何よりもビシッと制服を着てパトカーに乗務をしている姿がかっこよかった。
だけども当時は帰化した外国人が警察官になるなんて夢のまた夢。よく皆に笑われたもんだよ。
あぁ、お客さん。あんたは黒人の血が入ってるってだけで、生まれも育ちも日本の、生粋の日本人なんだよね。
私はあんたのファンでねぇ。初めてあんたの事を新聞で読んでから、ずーっと記事を切り抜いてスクラップにしてるんだよ。
時代は変わったねぇ。
だけど、何時の時代も人生順風満帆って訳には行かないもんさ。
今はあんた、通り雨が降ってるようなもんだって、そう思わなきゃ。
止まない雨は無いさ。
小さい頃からの憧れだったんだろう、警察官になるのは……。
世間じゃイロイロ言うやつもいるけど、警察官を辞めちゃダメだよ」
「……はい、ありがとうございます」
本田はそう返事をすると、横を向いて車窓からの流れる街並みをぼんやりと眺めていた。
今ルームミラー越しに藤沼と目が合ったら、涙が出てしまうかもしれない。なんとなくそんな感じがして前を向くことが出来なかった。
しばらくして車が札幌市営地下鉄 南北線 真駒内駅に近づいた。
本田はジャケットの内ポケットからスマホを取り出し、今一度山田の自宅住所を確認し藤沼に伝えた。
彼は一言「あぁ、はいはい」と人懐っこそうな声色で返事をすると迷わず一直線に住宅街の中を右へ左へ車を走らせた。
やがて車は一軒の民家の前で停まった。
「着きましたよ、お客さん」
藤沼が運転席から後ろを振り向き、親しみ深い笑みを浮かべて目的地への到着を知らせた。
本田は運賃を支払うと藤沼に丁重に礼を言って車から降りた。彼は助手席のウィンドウを開け「じゃ、頑張りなよ本田さん」と言って車を発進させた。
コンクリートブロックが積み上げられた門柱には、真新しい白磁のプレートに黒い釉薬で『山田』と書かれた表札が貼り付けてあった。
傾斜の急なトタン張りの三角屋根に白いモルタルが塗られた外壁は旧態依然とした北方型防寒住宅と呼ばれるもので、北海道ではどこでも見られるごくありふれた形態の住宅だ。
本州の住宅と違い、瓦ではなくトタン板を屋根に張っており、また傾斜が急であるのも雪が自重で滑り落ちやすくするための先人の知恵なのだ。
ただ、古臭いデザインの家屋であるとはいえ屋根や外壁の塗装はまだ新しく、外から見える窓もハーフミラーのような光沢を放つブロンズ色の防寒ガラスが嵌め込まれており、これはどうやら建売住宅を中古で買ってリフォームを施したものであるらしかった。
辺りを見渡すと全く同じ形の住宅が軒を連ねている。ここら辺は札幌冬季オリンピックが開かれた昭和47年あたりに急速に開発が進められた新興住宅街の一つである。
恐らくは山田の家もその頃に建てられたものの一つなのだろう。
本田が玄関に向かうと奇麗に手入れされている小さな庭が目に入った。
山田が庭の手入れをしていたとは思えない。これは明らかに山田以外の誰かがマメに庭の手入れをしているに違いない。確か山田は独身であったはずだが、彼もいい歳であったので交際している女性の一人や二人居たところで何も不思議ではない。
そんな事を考えながらガラス張りの玄関サンルームの引き戸を開けて中に入る。
ここ北海道では玄関の外に断熱ガラスで囲われたサンルームを作ったり、あるいは玄関の中にもう一つドアを設けて、所謂『エアロック』のような構造にして、なるべく外の寒気が直接家に中に入らないようにするのが一般的なのだ。
サンルームの中に入ると、今風のモダンなデザインの玄関ドアには『忌中』と書かれた忌中札が貼り付けてあり、この家の誰かが亡くなって間もない事を示していた。
壁に据え付けてあるインターホンのボタンを押すと、チャイム音が鳴り、しばらくしてスピーカーから「どちら様ですか?」と言う年老いた女性の声が聞こえてきた。
本田は緊張を抑えながら「本田と申します。山田さん……、いや、晃さんの部下の本田です」とインターホンに向かって話した。
やや間が開いたが、スピーカーからは「今、参りますので少しお待ちください」という声が聞こえてきた。
(良かった……。少なくとも塩を撒かれて追い返されるような事は無さそうだ)
カチャリと軽い音を立てて玄関ドアが開き、中からは品の良さそうな白髪頭の老齢女性が姿を現した。本田自身が長身な事もあってか女性はとても小さく見えた。
「あ、あの……、この度は本当に申し訳ございませんでした。私のせいで晃さんが、あ、あんなことになってしまって……、な、なんとお詫びを申し上げたら良いか……」
本田はそう言うと女性に対し、今まで下げた事のないほど深い角度で頭を下げた。
「まぁ、そんな、どうぞ頭を上げてくださいな。
息子が亡くなったのは、あなただけの責任ではありませんわ。
それに、あの子は常日頃から警察官は常に危険と隣り合わせの仕事だから、いつ何があるか分からない。
万が一の時の心構えだけは常にしておいてくれって、口癖のように言っていましたから」
女性はとても優しい口調で、まるで本田を諭すかのようにそう言った。
本田が恐る恐る顔を上げると、女性は寂しそうにニコリと微笑み頭を下げた。
「晃の母親の静江でございます。息子が生前、大変お世話になりました」
「あ、いや、お世話だなんて、そんな……、お世話になったのはこちらですよ。それにいつも私の事を気に掛けてくださって、可愛がってくれたんですから」
「えぇ、あの子はいつも本田さんの事を話していましてね。とても可愛がっているんだなぁって。
あの子ったら、本田さんの話をするときはいつも嬉しそうに話していたんですよ」
本田は恐縮することしきりで、またも頭を下げて「すいません」と詫びた。
「あらあら、そんな、どうか頭を上げてくださいな。
それとね、ここで立ち話をするのも何ですから、どうぞお上がりください」
静江はそう言うと、またもやどこか寂しそうに微笑みながら本田を家の中に招き入れた。
本田が通された仏間には黒檀のような艶を放つ立派な仏壇があり、その前には白い布が敷かれた後飾りと呼ばれる、納骨までの間の簡易的な祭壇が置かれていた。
後飾りの上には鈴や香炉、ろうそく立てなどの仏具一式と供物のフルーツ籠盛り、それに白い菊の花が活けられた花瓶などと共に、黒いシルクのリボンが掛けられた山田の遺影と白木の位牌、それに紋様の入った絹張りの骨壺入れが安置されていた。
本田は祭壇に置かれた線香の箱から一本の線香を手に取ると、箱の脇に置いてあるライターで数秒炙り香炉に線香を立てた。
上着のポケットの中から数珠を手に取り、山田の遺影に向かって手を合わせて静かに目を閉じた。
(山田警部補――。いえ、山田警視。私は心機一転、富良野で駐在の地域警察官としてやり直すことを決めました。
正直に言って、あなたを殉職させてしまった私が今後も警察官を続けていいのかどうか、胸を張って堂々とは言えません。
だけど今後も警察官を続けていくからには、もう二度とあなたのような犠牲者は出しません。
どうか、私がまた警察官として再スタートを切る事をお許しください)
本田が目を開けると、ちょうどお茶を持ってきた静江と目が合った。
彼女は少し驚いたような表情を浮かべ本田を見つめている。
「あぁ、私の実家は浄土真宗でして。……あ、黒人の私が御霊前に線香をあげて、数珠を手にはめてお祈りしているのはおかしいですよね」
「え? あ、いや、そ、そんな事は無いですよ。こうしてお線香をあげて頂いて、あの子もきっと喜んでいると思いますよ」
静江はそう言うと、急須と2つの湯飲み、それに茶筒と小ぶりの黒糖饅頭が乗せられたお盆を紫檀色の座卓の上に置いた。
「さ、お茶を淹れますので、どうぞお飲みになって下さい」
「あ、はい、ありがとうございます。……それとこれ、通夜や葬儀に参列することが出来なくて申し訳ありません」
本田はそう言って上着の内ポケットからグレーの袱紗を取り出し、包みを開いて中から香典が入った不祝儀袋を取り出すと、静江に差し出した。
「この度はご愁傷さまでございます」
「まぁ、ありがとうございます。それに袱紗をご存じだなんて……、本田さんは本当に日本の習慣にお詳しいのね」
「え? えぇ……、私は生まれも育ちも日本ですし、祖母からイロイロと礼儀作法についてはうるさく言われましたので……。
とはいっても知らず知らずのうちに粗相をしてはいないか心配なんですけどね。
……それはそうと、お母様は関西弁ではないのですね?」
本田はそう言うと、軽く会釈をして湯飲みを手に取り、お茶を一口飲んだ。
「あぁ、息子がコテコテの関西弁を話すので不思議に思ったのですよね?
私は神奈川で生まれ育ちましてね。高校を卒業して東京の商社で働いている時に、同じ会社で働いていた主人と出会いましたの。
その後、主人が実家の建材店を継ぐことになって、主人からのプロポーズを受けて大阪に嫁ぎました。
晃が産まれたのは主人と一緒に家業の建材店を営むようになって少し経ってからですわ。
もっとも、その主人も5年ほど前に亡くなりましてね。家業の建材店はだいぶ前に……、そう晃が道警に就職してから10年ほど経った時に不景気の煽りを受けて廃業する事にしました。
それからは主人がトラックドライバーをして家計を支えてくれたんですけど、ある時膵臓にガンが見つかりまして。
短い闘病生活の末に亡くなってしまったんです。
そこに一人暮らしの私の身を案じて、あの子が札幌に家を買って呼び寄せてくれたんですよ。
中古の建売住宅で悪いけど、地下鉄の駅も近いし、それにキチンとリフォームしてあるからって……。
ホントに……、優しい子なんです。あの子は」
「そうだったんですか……」
本田は静江の話を聞いて、山田らしいエピソードだなと、心が暖かくなるのを感じた。
「それで、本田さんもいろいろと大変だったんでしょう?
テレビや新聞であなたに対するバッシングが連日のように報じられていたから」
「実は昨日、道警本部に呼び出されまして。私は本部長に辞表を提出したんですが受け取っては貰えず、それどころか富良野の郊外にある駐在所でお巡りさんをやるようにと言われました」
本田の話を聞いた静江が湯飲みを座卓に置くと、やや興奮した様子で口を開いた。
「まあ、あなたが警察官をお辞めになる必要はないわ。
先ほどもお話ししましたけど、息子が亡くなったのは、あなただけの責任ではありませんもの。
それにあの子は本田さんの事を大層気に掛けていまして、将来的には道警を背負って立つような立派な幹部警察官になって欲しいって言っていましたのよ」
「そんな……。晃さんが私の事を?」
「えぇ、ですから私、あなたには息子の分もしっかりと警察官としての人生を全うしてほしいと思っておりますのよ。
富良野で駐在のお巡りさんとして活躍されることを、きっと息子も願っていると思いますわ」
本田は帰り際に、もう一度山田の遺影に手を合わせた。
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弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
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