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白い獣の姿になった紅玉のあたたかさにつられて、眠りこけてしまった後。再び相対した王と要に謝罪をすると、二人とも謝る必要はないと笑って返し、神殿へと戻っていった。
それを見送りながら、翡翠は紅玉と街中に繰り出した。城に戻る前に、侍従長である石英から頼まれた、要のための首飾りを受け取りに行かなければならない。
自分の仕事に付き合わせるのは申し訳なくて、紅玉には先に帰っていてと言ったのに、結局紅玉は翡翠についてきた。
「紅玉、あれ見て。飴細工だって。綺麗だね」
「飴?」
無事、出来上がった首飾りを受け取った帰り道。翡翠が声をかけると、ようやく気付いたと言いたげに紅玉も視線を向ける。そこには花や動物を象った飴細工が所狭しと並べられている屋台があった。つい足が向いてしまい、店先を覗き込むと器用に象られた芸術の数々に翡翠は目を輝かせる。
「翡翠はこういうものが欲しいのか?」
「うーん。飾っておきたいけど、食べものだからね。食べる時、すごく悩んじゃいそうだから、今日はやめておく。紅玉は?」
翡翠が笑いかけると、紅玉はめずらしく悩む素振をした。紅玉も甘いものは好きだ。翡翠が時折果実を使って簡単な菓子を作ると、ふらっと現れては翡翠の分まで食べつくしてしまうほどに。
「食べ物じゃなければ良いのか。別な店に行こう」
「別な店?」
一人で勝手に納得した紅玉と共に、他の店もまわって小さな硝子細工がところ狭しと並べられている店を見つけた。思わず立ち止まってしまった翡翠を、紅玉が軽く背を押してくる。
「好きなのを選べよ。これなら溶けてなくなったりしない」
笑いを含んだ声に促されて、翡翠は店先で悩む。やがて白い猫の硝子を手に取ると、照れ笑いしながら紅玉を見やった。
「……要が喜びそう。これ、お土産に買って帰る」
「本当にお前は要が一番だな」
呆れた風に返されるのを聞き流しながら、代金を支払おうとすると、紅玉がさっさと支払ってしまった。財布を持っていたんだと驚く翡翠に、紅玉が「他に欲しいものはないのか」と尋ねてくる。後は紅玉が好む果物を買い込み、城へと戻ると、侍従長の石英がほっとした笑顔で出迎えてくれたのだった。
***
儀式が終わり、要たちがようやく城へと戻ってきた。要が彼に与えられた部屋へと戻り、日常が戻ってくる。以前と違うのは、王の一声で神子に余計な傍仕えは付けないとなったことだ。
翡翠はそれ程口数が多い方ではなく、要もどちらかといえば控えめな方である。かといって沈黙が続いても気まずいということもなく、要の勉強に付き合って本を読んだりする穏やかな時間が、翡翠は好きだ。しかし、部屋の外から鳥が大きく鳴くのが響いて聞こえて、翡翠は少し緊張しながら口を開いた。
「要は寂しくありませんか?」
そう話しかけると、菓子を頬張っていた要が、不思議そうな顔で翡翠を見てきた。
「全然寂しくないよ? 翡翠がいるもの。翡翠は、寂しい?」
「……それが、まったく」
じゃあ良かった、と翡翠の主が笑う。
「僕は翡翠がいてくれたら十分だよ。本当は、友達になってほしいって思っているくらいだし」
「友達?」
驚いて翡翠が返すと、要は慌てて顔を俯けながら、小さく頷き返した。
「……ごめん、翡翠が嫌がるかなって思って、ずっと黙ってたんだけどさ。もっと翡翠が好きなこととか、翡翠が読んでいる本のこととか……いろいろ、話してみたいなって思ってるんだけど……」
「え――あ、俺も……です。恐れ多いとは思いましたが、俺も、要がどんな食べ物が好きかとか――もっと、教えてもらいたいなって」
話しているうちに少しずつ俯いていった要に、翡翠は慌てて今まで思っていたことを素直に口にした。翡翠の返しに、パッと要の顔が持ち上がる。翡翠の好きな、あの笑顔が浮かんでいた。
「俺なんかで良ければ、ですけど……」
「なんか、じゃない。じゃあ、これからもよろしくね、翡翠。翡翠がこの世界で、はじめての友達だ」
笑顔のまま、再び美味しそうに菓子を食べ始めた主を見ながら、翡翠は己の手へと視線を移した。紅玉が言っていたとおり、あの痣はもう痛むこともないし、広がる気配もないどころか、手の甲にほんの少し、薄っすらと不思議な形を残すだけとなった。翡翠の視線の先にあるものに目聡く気づいた要が、身を乗り出して翡翠の手を見てくる。それから自分の手と何度か見比べて、小首を傾げて見せた。
「そういえば、翡翠って一体何が眠っているんだろうね? 琥珀さんは翡翠のこと、良心って言ってたけど。紅玉さんが白いトラってことは――」
要の言っていることの意味がいまいちつかみきれず、翡翠が首を傾げた時、何の先触れもなしに扉が開かれた。神子の部屋だというのに、こんな荒々しい開け方をするのは、一人しかいない。
「紅玉! 扉は叩いて、相手の返事をもらってから開けろって、この間も言った!」
「ああ、悪いな。そういうのを気にしている場合じゃなかったんだ」
一欠けらも悪いと思っていないのが清々しいほどに分かる男の態度に、自然と翡翠の眉根が寄る。
「要。あいつから俺の話を聞いたんだって?」
翡翠との間に割り込んできたかと思うと、笑いを含んだ声で紅玉が翡翠の主に話しかける。要は、恐る恐るといった風に頷く気配がした。微妙な位置のために紅玉の顔も、そして紅玉の背に隠れて要の表情も見えない。一瞬の沈黙をやり過ごした後、紅玉は手に持っていた何かを要へと手渡した。
「琥珀から預かってきた。披露目の儀で着る用の衣装だとさ」
「……あ、りがとう」
まったく遠慮のない男に要が気後れしたのだろうか。まだぎこちない動きでお礼をしている要が見えて、翡翠はいたたまれず立ち上がった。
「あの……翡翠のもあるんですよね……?」
「お前が、白の神子なんだろうが。それ以上やそれ以下がいたって、この国の――あの男の番いは、お前しかいないんだ」
翡翠には話がまったく分からない。けれど要だけが王の伴侶である、という部分は納得できた。「そうですよ」と分からないなりに、翡翠も相槌を打つ。
ふと、紅玉の身体が揺れた。
何でもない足つきで翡翠の背後にまわると、いつもと同じように翡翠の柔らかな髪をぐしゃぐしゃにかき回してくる。
「やめろよ、こーぎょく!」
「……俺のは、俺だけのものだからな。他のどうでもいい奴らは一生知らなくていいんだよ」
頭上から低い、紅玉の声が聞こえてくる。それはしかし、いつもとは何となく雰囲気が違う気がした。何となく要を見やると、翡翠の主が表情を硬くして固まっている。
「なあ、さっきから何の話をしているんだ? 要が、陛下の伴侶ってことだろう?」
二人を交互に見ていると、紅玉が笑って「さあ」とだけ返してきた。もう一度翡翠の頭を撫でて、男は軽い足取りで部屋を出て行く。その後ろ姿を見送りながら、翡翠は自分の部屋にこっそりと飾った、小さな白い猫の硝子細工を思い出した。白い虎は店に置いてなかったから、白い猫が良かったのだなんて、恥ずかしくて到底紅玉には話せない。物に頓着しない紅玉は、とっくにあの小さな硝子細工のことなど、忘れているだろうけれど。
受け取った衣装を持ったままの翡翠の主は、ようやく表情を緩めて息を吐き出した。
「紅玉さんって、真っ白な太陽みたいだね。真夏の昼に、ジリジリと地面を焦がしていくような……」
「太陽? そんな立派なものじゃないと思いますけど……紅玉が太陽なら、俺なんてとっくに屍になってますね」
そう冗談めかして翡翠が返すと、要もやっと笑い返してきた。翡翠が衣装を受け取ったところで、翡翠の主は小首を傾げた。
「紅玉さんが太陽なら、翡翠は月、かなあ。太陽が沈んだ夜になると、みんながほっとして安心できるような、そんな感じ。月はね、太陽の光を受けて輝くんだよ」
「太陽の光で?」
一人で納得したように頷く要に、今度は翡翠が首を傾げつつ、衣装を片付ける。ふと、足元に何かが落ちていることに気づいた。
白く、大きな羽根。
それは、双翼を持つ、うつくしい獣を思い出させた。翡翠はついうっかりと口許に笑みを浮かべて――主の前だったと、慌てて表情を引き締めるのだった。
Fin.
(数話、番外編が続きます)
それを見送りながら、翡翠は紅玉と街中に繰り出した。城に戻る前に、侍従長である石英から頼まれた、要のための首飾りを受け取りに行かなければならない。
自分の仕事に付き合わせるのは申し訳なくて、紅玉には先に帰っていてと言ったのに、結局紅玉は翡翠についてきた。
「紅玉、あれ見て。飴細工だって。綺麗だね」
「飴?」
無事、出来上がった首飾りを受け取った帰り道。翡翠が声をかけると、ようやく気付いたと言いたげに紅玉も視線を向ける。そこには花や動物を象った飴細工が所狭しと並べられている屋台があった。つい足が向いてしまい、店先を覗き込むと器用に象られた芸術の数々に翡翠は目を輝かせる。
「翡翠はこういうものが欲しいのか?」
「うーん。飾っておきたいけど、食べものだからね。食べる時、すごく悩んじゃいそうだから、今日はやめておく。紅玉は?」
翡翠が笑いかけると、紅玉はめずらしく悩む素振をした。紅玉も甘いものは好きだ。翡翠が時折果実を使って簡単な菓子を作ると、ふらっと現れては翡翠の分まで食べつくしてしまうほどに。
「食べ物じゃなければ良いのか。別な店に行こう」
「別な店?」
一人で勝手に納得した紅玉と共に、他の店もまわって小さな硝子細工がところ狭しと並べられている店を見つけた。思わず立ち止まってしまった翡翠を、紅玉が軽く背を押してくる。
「好きなのを選べよ。これなら溶けてなくなったりしない」
笑いを含んだ声に促されて、翡翠は店先で悩む。やがて白い猫の硝子を手に取ると、照れ笑いしながら紅玉を見やった。
「……要が喜びそう。これ、お土産に買って帰る」
「本当にお前は要が一番だな」
呆れた風に返されるのを聞き流しながら、代金を支払おうとすると、紅玉がさっさと支払ってしまった。財布を持っていたんだと驚く翡翠に、紅玉が「他に欲しいものはないのか」と尋ねてくる。後は紅玉が好む果物を買い込み、城へと戻ると、侍従長の石英がほっとした笑顔で出迎えてくれたのだった。
***
儀式が終わり、要たちがようやく城へと戻ってきた。要が彼に与えられた部屋へと戻り、日常が戻ってくる。以前と違うのは、王の一声で神子に余計な傍仕えは付けないとなったことだ。
翡翠はそれ程口数が多い方ではなく、要もどちらかといえば控えめな方である。かといって沈黙が続いても気まずいということもなく、要の勉強に付き合って本を読んだりする穏やかな時間が、翡翠は好きだ。しかし、部屋の外から鳥が大きく鳴くのが響いて聞こえて、翡翠は少し緊張しながら口を開いた。
「要は寂しくありませんか?」
そう話しかけると、菓子を頬張っていた要が、不思議そうな顔で翡翠を見てきた。
「全然寂しくないよ? 翡翠がいるもの。翡翠は、寂しい?」
「……それが、まったく」
じゃあ良かった、と翡翠の主が笑う。
「僕は翡翠がいてくれたら十分だよ。本当は、友達になってほしいって思っているくらいだし」
「友達?」
驚いて翡翠が返すと、要は慌てて顔を俯けながら、小さく頷き返した。
「……ごめん、翡翠が嫌がるかなって思って、ずっと黙ってたんだけどさ。もっと翡翠が好きなこととか、翡翠が読んでいる本のこととか……いろいろ、話してみたいなって思ってるんだけど……」
「え――あ、俺も……です。恐れ多いとは思いましたが、俺も、要がどんな食べ物が好きかとか――もっと、教えてもらいたいなって」
話しているうちに少しずつ俯いていった要に、翡翠は慌てて今まで思っていたことを素直に口にした。翡翠の返しに、パッと要の顔が持ち上がる。翡翠の好きな、あの笑顔が浮かんでいた。
「俺なんかで良ければ、ですけど……」
「なんか、じゃない。じゃあ、これからもよろしくね、翡翠。翡翠がこの世界で、はじめての友達だ」
笑顔のまま、再び美味しそうに菓子を食べ始めた主を見ながら、翡翠は己の手へと視線を移した。紅玉が言っていたとおり、あの痣はもう痛むこともないし、広がる気配もないどころか、手の甲にほんの少し、薄っすらと不思議な形を残すだけとなった。翡翠の視線の先にあるものに目聡く気づいた要が、身を乗り出して翡翠の手を見てくる。それから自分の手と何度か見比べて、小首を傾げて見せた。
「そういえば、翡翠って一体何が眠っているんだろうね? 琥珀さんは翡翠のこと、良心って言ってたけど。紅玉さんが白いトラってことは――」
要の言っていることの意味がいまいちつかみきれず、翡翠が首を傾げた時、何の先触れもなしに扉が開かれた。神子の部屋だというのに、こんな荒々しい開け方をするのは、一人しかいない。
「紅玉! 扉は叩いて、相手の返事をもらってから開けろって、この間も言った!」
「ああ、悪いな。そういうのを気にしている場合じゃなかったんだ」
一欠けらも悪いと思っていないのが清々しいほどに分かる男の態度に、自然と翡翠の眉根が寄る。
「要。あいつから俺の話を聞いたんだって?」
翡翠との間に割り込んできたかと思うと、笑いを含んだ声で紅玉が翡翠の主に話しかける。要は、恐る恐るといった風に頷く気配がした。微妙な位置のために紅玉の顔も、そして紅玉の背に隠れて要の表情も見えない。一瞬の沈黙をやり過ごした後、紅玉は手に持っていた何かを要へと手渡した。
「琥珀から預かってきた。披露目の儀で着る用の衣装だとさ」
「……あ、りがとう」
まったく遠慮のない男に要が気後れしたのだろうか。まだぎこちない動きでお礼をしている要が見えて、翡翠はいたたまれず立ち上がった。
「あの……翡翠のもあるんですよね……?」
「お前が、白の神子なんだろうが。それ以上やそれ以下がいたって、この国の――あの男の番いは、お前しかいないんだ」
翡翠には話がまったく分からない。けれど要だけが王の伴侶である、という部分は納得できた。「そうですよ」と分からないなりに、翡翠も相槌を打つ。
ふと、紅玉の身体が揺れた。
何でもない足つきで翡翠の背後にまわると、いつもと同じように翡翠の柔らかな髪をぐしゃぐしゃにかき回してくる。
「やめろよ、こーぎょく!」
「……俺のは、俺だけのものだからな。他のどうでもいい奴らは一生知らなくていいんだよ」
頭上から低い、紅玉の声が聞こえてくる。それはしかし、いつもとは何となく雰囲気が違う気がした。何となく要を見やると、翡翠の主が表情を硬くして固まっている。
「なあ、さっきから何の話をしているんだ? 要が、陛下の伴侶ってことだろう?」
二人を交互に見ていると、紅玉が笑って「さあ」とだけ返してきた。もう一度翡翠の頭を撫でて、男は軽い足取りで部屋を出て行く。その後ろ姿を見送りながら、翡翠は自分の部屋にこっそりと飾った、小さな白い猫の硝子細工を思い出した。白い虎は店に置いてなかったから、白い猫が良かったのだなんて、恥ずかしくて到底紅玉には話せない。物に頓着しない紅玉は、とっくにあの小さな硝子細工のことなど、忘れているだろうけれど。
受け取った衣装を持ったままの翡翠の主は、ようやく表情を緩めて息を吐き出した。
「紅玉さんって、真っ白な太陽みたいだね。真夏の昼に、ジリジリと地面を焦がしていくような……」
「太陽? そんな立派なものじゃないと思いますけど……紅玉が太陽なら、俺なんてとっくに屍になってますね」
そう冗談めかして翡翠が返すと、要もやっと笑い返してきた。翡翠が衣装を受け取ったところで、翡翠の主は小首を傾げた。
「紅玉さんが太陽なら、翡翠は月、かなあ。太陽が沈んだ夜になると、みんながほっとして安心できるような、そんな感じ。月はね、太陽の光を受けて輝くんだよ」
「太陽の光で?」
一人で納得したように頷く要に、今度は翡翠が首を傾げつつ、衣装を片付ける。ふと、足元に何かが落ちていることに気づいた。
白く、大きな羽根。
それは、双翼を持つ、うつくしい獣を思い出させた。翡翠はついうっかりと口許に笑みを浮かべて――主の前だったと、慌てて表情を引き締めるのだった。
Fin.
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