やめて抱っこしないで!過保護なメンズに囲まれる!?〜異世界転生した俺は死にそうな最弱プリンスだけど最強冒険者〜

ゆきぶた

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第三章 調合編

24、言ってやりたいこと(後編)

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ライムを見つめたまま俺は考えていた。
スライム達はライムの事を思った以上に大事に想ってる。だからちゃんと伝えないといけないのだ。
そう思って俺は口を開いた。

「俺もライムもコイツらに助けられたんだ。だからちゃんとお礼を言わないといけないよな」
「……これは、こんなに沢山のスライム達が何故ここに?」

起きてから初めて周りを見回したライムは、そこでようやく沢山のスライムに囲まれている事に気がついたようだった。

「こいつらは、ライムを助けて欲しいっていう俺の呼びかけにちゃんと答えてくれた。ここのスライム達は皆ライムのことが大好きで、お前を助けるために駆けつけてくれたんだ。まあ、そのついでに俺まで助けられたんだけどな」
「そんな……私のために?……いえここは、皆さん私を助けて下さりありがとうございました」

ライムにお礼を言われたからなのか、スライム達は嬉しそうにプルプルと震えている。
その様子を見ながら俺も「ありがとな!」と、礼を伝えながら近くにいるスライムを撫でてやる。

「しかしスライムの上位個体ばかり……こんな沢山の個体が進化を成功させたと言うのですか?」
「……え?と、いうと?」
「スライムの分裂はそんなに難しくありませんが、進化する場合は準備を怠ると、簡単に破裂したりしますから」

そう言われて何体か破裂したスライムを思い出す。
核が破裂して飛び散った破片を他のスライムが吸収していた……。そして俺にかかった液体も……う、今は考えるのをやめよう。

それにしても、破裂するのは魔素を吸い過ぎなだけかと思っていたが、そういう理由もあったのか。
でももしかしたら、部屋にいた殆どのスライムが破裂していた可能性さえもあったと言うことになる。

「そう言うことは先に言ってほしいよ……」
「そう言われましても……でも、主の魔素がとても多かった事が、今回は逆に良い方向に向かったのでしょうね」

なら俺の魔素を吸わせて進化させると言うのは、実はかなりアリという事だろうか?
でも俺の体調が悪化するたび、スライムが破裂する所を何度もみたくない。
あれは軽くトラウマになってしまっているのだ。

「悪いがもうこれっきにするように、スライム達にしっかり言い聞かせてくれ……」
「魔素の有効活用としてはいい方法だと思ったのですが、主がそういうのでしたら諦めましょう」
「……そうしてくれ」
「でも、本当に主が危険だと思ったら手段は選びませんからね」
「うう、わかった……」

そう言う俺をみて、ライムは頷くと少し微笑んだ。
それはいつものように、無表情なのに微笑んで見えるとかそう言うことじゃなくて、それはライムが見せた本当の笑顔だった。

だからそんなライムが見れる日が来るなんて……と、俺は少し感動してしまった。
そんな事を考えている間に、俺はライムに包み込まれていた。

「言うのが遅れましたが……イルレイン様、誕生日おめでとうごさいます」
「……ありがとう」

驚きと喜びで俺もライムを抱きしめ返していた。
ライムが変わらずにここにいてくれた事が、本当に嬉しい。そう思いながら……。


暫く抱きしめあった後、ライムは俺から離れてベットを降ると、スライム達を観察し始めた。
そして観察していたライムは、何かを思いついたようだった。

「主、そういえば今日は第3王子であるデオルライド様と過ごされますよね?」
「そうだけど……?」
「でしたら、本日私はこのスライム達とともに牧場に向かいます。この子達を一体ずつ確認して、必ず主のために使える個体を探し出して見せます!そして私自身もまた、新たなる進化を求めて精進致します」

ライムはいまの形態が最終だと言っていたけど、まだ上の進化の可能性を見出したのかもしれない。
そしてスライム達が出られるように、ライムは窓を開けはじめる。

もしかしてライムもそこから出るつもりなのか?
と思っていると、ライムが思い出したようにこちらに戻ってきて、ポケットから小包を出した。

「その前に、先にこちらを……」
「これは?」
「もちろん。誕生日プレゼントでございます」

そう言って俺に渡すと、ライムはひらりと窓から飛び降りた。

「まって、ここ4階なんだけど!!?」

叫ぶ俺なんて気にせずに、部屋にいるスライム達も次から次へと外に飛び出して行く。
最後の一匹が飛び降りたのを見て、俺は思った。

「まあ、スライムだから大丈夫だよな……」

潰れても戻るし、きっとそうに違いない。
そう思いながら、おれはライムに貰った小包を開けることにした。

「えっと中身は……ってなんだ、これ?」

その小包みの中身は、どう見ても仮面に見える。
何で仮面?と思うのと同時にライムの趣味なのか!?とかよくわからない事を思ってしまう俺がいた。

詳しいことは戻ってきてから聞くことにしよう。
それより、今は部屋の片付けをしなくてはならなかった。
あの大量のスライムがいたこの部屋は思った以上に汚くて、デオル兄上が来る前にどうにかしないといけない事に、ため息をついたのだった。
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