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エピローグ

ダランティリア視点①

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本編の話は完結しましたが、ここでダランティリアの過去から今までの話を4話あげます。これは1日で上げ切りますので、気が向いたら読んでください。
前回同様大変読みづらく、申し訳ないです。
転生してダンが何を頑張ったのか、イルとの出会いとか書いてあるので、知りたい方は是非。



─────────────────────



side ダランティリア














この地に転生したと知ったとき、俺は困惑した。


当時の俺は金髪に金色の瞳だった。
その姿に、転生なんて本当に起こり得る事なのかと、当時3歳だったにも関わらず俺は暫く悩んでしまった。

前世では何かの研究員だった記憶があるが、何のと聞かれても思い出せなかった。
でもとにかく寝る間を惜しんで研究していたことは覚えているため、過労死でもしたのだろう。
その事についてはあまり深く考えることはなかった。

とにかくこの世界について知りたくなった俺は、ひたすら勉強を始めた。
その結果、呪いによって倒れる前にあの図書館へ辿りついてしまったのだ。

例の本を読んだ絶望は今でも忘れない。

だがこのとき、まだ呪いに蝕まれるまで猶予があった俺は、当時4歳だったにも関わらず使える物は全て使ったのだ。

なにより、俺の両親である国王夫妻は全てに気がついた俺に、とても協力的だった。
だから俺は、すぐにブルーパールドラゴンの存在に気が付けたし、解呪の方法もわかっていた。

解呪を行うには、とある魔法陣の上で生贄を捧げ俺自身が進化をする。というものだった。

魔法陣については、先代が見つけ出してくれていたため、その魔法陣を描くための材料を集める事が先決だった。
その魔法陣の材料を集め始めたころ、俺はついに呪いに侵されてしまったのだ。

しかし、俺には手伝ってくれる人がいた。
呪いで動けない俺の代わりに、父はとても頑張って素材を集めてくれた。
そんな父の姿をよしとしない人達がいた。


それは10人もいる俺の兄弟達だった。
父上は俺が生まれた後もさらに子を作っており、この国の王として珍しい子沢山な王であった。

王は子を愛していたが、子供同士の仲はとても悪かった。
皆が皆、王位継承を狙って争っていたのだ。
それなのに、王に愛される俺を見ていた周りは、いい気分では無かったらしい。

そのため呪われた子だと言いふらし、側に寄るとうつるからと俺を別の宮へ閉じ込めたのだ。


しかし俺は全く気にしなかった。兄弟達は嫌いだったが、俺には父上がいてくれたのだ。
そしてその頃には、魔法陣の素材も集め終わっていた。

しかし問題があった。
生贄が、一体何なのか?
そして何より、進化をする為の方法がわからなかったのだ。


そしてそれについて悩んでいる間に、俺は15歳になっていた。

いまだわからない事や、年々酷くなる呪いに俺は悩まされ、一度魔法陣を生贄無しで起動させたのだ。

そして、そこで出会ったのがブルーパールドラゴンだった。


当時はブルーパールドラゴンがいた世界は、青くなんてなかった。
ただ真っ暗な世界にポツンとその存在がいただけで、とても寂しそうだと俺は思ってしまったのだ。

そして、ブルーパールドラゴンと話をしているうちに、俺は真実をしってしまう。

「呪いを解くためには、父上を殺さなくてはならないだって?」
「そうであるぞ、儚き人よ」

そう頷くブルーパールドラゴンに、俺は絶望してしまった。
あれ程優しい父上を自分の手で殺さないといけない?
そんな馬鹿な事があってたまるか!


その空間から抜け出した俺は、すぐに父上に確認してしまった。
父上がそのことを知らない筈がないのだ。
そして、父上から出た言葉に俺は固まってしまった。

「ああ、その通りだ。だが、安心して私を殺すがいい。私はお前に殺される覚悟は出来ている」

そう優しく言う父上に俺は、何故なのかと憤っていた。

そして、俺は思ったのだ。
絶対に他の方法がある筈だと……。


それから、俺は何度もブルーパールドラゴンの元に通い続けた。
その空間にいる間は、呪いの影響が少なく普通に活動できたからだ。

そうして過ごす間に、俺は全てのことを出来るようになっていた。
錬金術も鍛治も魔術も、治癒術だって少しは使えるようになっていた。そして進化の方法さえも理解してしまったのだ……。
だけど呪いを解く他の方法は全くわからなかった。

そうして、ブルーパールドラゴンの元へ通い続けて2年が経つ頃には、ブルーパールドラゴンにも情が生まれていたのだ。


ブルーパールドラゴンもこの楔から救い出してやりたい。
そう思い研究した結果、竜の封印を解く魔法陣を作り出したのだ。
それは、竜の封印を解けば呪いが解けるかもしれない、という考えからだった。

しかし竜の呪いを解くには、竜を封印した者の血を受け継ぐ者が必要だった。
しかしそれは俺ではダメで……やはり、国王である父上が必要だったのだ。

確かにブルーパールドラゴンの封印を解けば、王家の呪いは解けるのは間違いない。
それはつまり俺の嫌いな兄弟達を助けるだけになってしまうのだ。

だからこの研究は失敗だった。
そして俺はこのときに、自分よりも父上を生かすことを決めたのだ。

しかし、俺は新たな希望に気がついてしまった。


もし、俺ではなくて次の転生者が竜を復活させることに成功したら……。
この呪いの連鎖に終止符を打てる存在になるかもしれない。

そう思った俺は、次の転生者に向けてひたすら準備を始めた。
まず呪いを解く為の方法を、竜の封印を解く方法と差し替える。
そして、オレ自身もその転生者を手助け出来る様に何か仕込めないか、そう思った俺は不意にブルーパールドラゴンを見た。


その姿は、魔力を吸われすぎたことによりボロボロで、もう体を保つ事は難しいと思えたのだ。

そして俺は考えた。
ブルーパールドラゴンに体を渡そう。
そうすればブルーパールドラゴンは、もう少し持ち堪えられる筈だ。

その結果俺は死ぬかも知れないが、思念体だけを魔術に込めてこの思いだけを体に残す事にしたのだ。
きっと俺の魂はブルーパールドラゴンと融合し、俺の呪いも消えて無くなるはず。

だから封印が解けたとき、今度は俺がブルーパールドラゴンとなり代わり、この国を守護すればいい。
そうすれば王族への呪いは解ける。

そしてブルーパールドラゴンには悪いが、俺の中でゆっくり眠って貰えばいい。
だから今はブルーパールドラゴンを、騙しているみたいで申し訳なくなる。

でもこれは一か八かの賭けだ。
俺の意識がブルーパールドラゴンに飲まれたら、何もなす事は出来ないのだから……。


そして俺は18歳のとき、ブルーパールドラゴンへと体を差し出したのだった。



そして気が付いたときには、俺は何故か町に立っていた。
そして俺の髪と瞳の色は、金色から黒色へと変わっていたのだ。

でも俺には、自分の名前がダンである事しかわからなくなっていた。
ただ、たまに声がしたのだ。

『時が来るまで準備をするのである』

その声が聞こえているのはどうやら俺だけのようだった。

そして何も思い出せない俺は、とにかくしなくてはならな事があると、何故かわからないけど冒険者ギルドに向かっていた。

そして気がついたときには俺は冒険者としてBランクになり、稼いだお金で家を買っていた。
何故かわからないが、それをしなくてはならない気がしたのだ。

でもせっかく家をかったんだし、と工房を併設する事にした。
そして何故か何でも作れる気がした俺は、鍛冶屋を始める事にしたのだった。
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