甘い滴

黒川春稀

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一章

別れと真実。

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「え?…今なんて?」
「だから、別れてほしいの。急な話でごめん。」
目の前には入学当時から付き合っている彼女咲夜佳奈美さくやかなみ
高校受験で出会い入学式の少しあとから付き合っていたとても可愛い彼女だ。
「そりゃ、佳奈美は大学で僕は就職だから会える時間が少なくなるけど。」
冴えないのによく付き合っていたものだと関心すらする僕の平凡な顔は焦りに焦っていて得意な笑顔すら保てなかった。
「実はね、結婚するの。大学行くのやめて。」
今の今まで付き合っていたのになぜ結婚というワードが出てくるのだろうと不思議でしょうがなかった。
「出来ちゃってさ。子供。ごめん。」
大学進学を辞めること自体初耳なのに浮気までされていたなんて。
「え、いつから、好きじゃなかったの?僕のこと。」
混乱のし過ぎで自然と目から涙が出てきた。
それは止めようにも止まらなくいつまでも流れていた。
彼女は僕が泣き止むまでそっとして置いてくれた。そしてまた話を続け始めた。
「まぁ、そういうことかな…やっぱり異性として見れなかったし、タイプじゃないんだよね。それに、感情押し殺してヘラヘラしてるのすごくウザイんだよね。」
彼女からの言葉の暴力が胸に深く突き刺さる。
どうして、なんで、そんな言葉で埋め尽くされる。
まただ、涙が止まらない。
こんなことなら、最初から出会わなければ…
「それじゃ、私行くね。彼が待ってるから。」
あれだけ好きと言ってくれたじゃないか。
誰よりもかっこいいと、優しいと言ってくれたのに。
全て嘘の言葉だと思うとさらに泣けてくる。
彼女が去るもその場からは一歩も動けずただ涙を流し続けた。
何故嫌われたのか、なぜ別れたのか。
彼女は僕がいつでもヘラヘラしていたのが気に入らないと言っていた。
なんで、笑っていた方が平和じゃないか。
怒りは周りをイラつかせ悲しみは周りを嫌な気持ちにさせる。だったら笑顔の方がいいじゃないか。
でも。その笑顔がいけないというなら。
「無くせばいいんだ。」
僕はこの時から笑うのをやめた。
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