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やべっ!!

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「ここは魔の森の外郭の緩衝地帯だから、人間も来ないし、魔族も来ないから安心っすよ」

 当然のように下僕は話すけど、

「何でそんなに、この辺のこと詳しいのよ」

「魔族の常識っす」

 いやいや、

「半分でしょ。しかも、一部」

 人間椅子を解放してやると、私は横になって、食事をとる下僕を眺めていた。

「これ、奥様が振る舞ってくれたシチューの味と、どことなく似てますねぇ」

 私の味覚が感傷的になっていたわけではないのか。

 食事の時ですら相変わらずヘラヘラと、締まりのないふざけた顔をしている。

 鼻っ面を殴りたい……

 視界に入ると腹立たしい。

 でも、姿が見えないと、それはそれで心細くなる。

 絶対に口に出しては言えないけど。

 調子に乗られても困るからそんな事言うわけないけど、下僕を視界の中に捉え続けていると、(決して安心したわけじゃないけど)心身共に疲れていた私はまた自然と眠ってしまっていた。

 それからどれだけの時間が流れたのか、気持ち良く寝ていたのに妙な気配で目が覚めた。

 パチリと目を開けた瞬間、

「うおっ」

 そんな下僕の声と共に、顔に生温かい液体がかかった。

 それがドロリとしたもので、独特の生臭さを放っているのがほんの少しの時間差で感じ取れて、

「ひっ」

 覚えのある臭いに悲鳴が漏れた。

 しかも、声を出した途端に口にもわずかに入り、苦味が広がる。

「やべっ、お嬢様、すぐに拭くので口は開けないでください!」

 下僕の慌てた声が聞こえたけど、体が硬直して動けずにいた。

 下僕の股間で、ピンクの膜を持つ逸物が揺れている。

 力を無くしたソレは、今熱を放出したばかりで……

 顔射……

 たった今私は、下僕に汚らしい精液を顔にかけられてしまっていたのだ。




「すいやせん、ほんとに。寝顔が可愛くて、つい。かけるつもりはなかったんすよ。イキそうになったところでお嬢様が目を覚ましたから、驚いて出してしまったんすよ。寝顔だけで抜けるって、お嬢様は本当に天使っすよ!」

 悪びれもせずに、ヘラヘラした笑いを浮かべて、下僕が喋るのを呆然と聞き流していた。

 顔は綺麗に拭いてもらった。

 臭いもとれた。

 でも、あの味は口の中に残っている。

 ほんの少しだけだとしても、この下僕の精液を口に含んで………

 お腹の中に出されるのと、口に出されるのは全く別物だ。

 何度も中出しされているからって、それだって死ぬよりはマシなくらい嫌なわけで、仕方なくなのに、口の中に出されるのを容認できるわけない。

 事故だとしても。

 気持ち悪い……

「うっ……ふぇっ……」

 この上ない屈辱で、ベソベソと泣いていた。

「すいやせんって、お嬢様、わざとじゃないんすよ。泣き止んでくださいよ。泣いたままのお嬢様に解毒行為したら、酷いことしてるみたいじゃないっすか」

 口ではそんな事言ってたけど、結局また解毒行為が必要な時間になれば泣きながら犯されていたものだから、下僕が調子に乗っていたのは言うまでもない。

 だから、不覚にも、こんな、確信犯的な犯行を許してしまっていたんだ……

 私の試練は、顔射どころではなかった。

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