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9月15日
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9月15日。
お互いお互い。
疲弊したご様子でお茶を飲んで休憩している聖奈は、軽くため息をつきながら何やら悩みごとをしているようである。
玄弥にとっては、聖奈が悩む姿などほとんど見かけないために、重大なものを抱えているに違いないと思っては、話すタイミングをうかがっている。
聖奈は何でもかんでも自分一人で対処しようとしてしまうため、悩みを打ち明けることは少なく、恵麻くらいにしか打ち明けないだろう。
「はぁ……。」
「ため息ばっかりでどうしたんだよ、聖奈らしくねぇよ。」
玄弥はあまりのため息の多さにしびれを切らせて口から出てしまう。
「うぅ……、私の鍛練不足でしょうか。 恋様には幾度となく負けてしまうのです。」
聖奈はガッカリとして落ち込んでしまう。
無理もない話ではないだろうか、恋はいつもはゲームなどの製作で忙しく、聖奈のように暇さえあれば剣術の稽古をするような人間ではないのである。
毎日の鍛練の努力が、鍛練の努力をせざるものに負けてしまうという理想を粉微塵にされてしまう聖奈の心のダメージは大きい。
特撮のヒーローのように、正義は必ず勝つという暗黙のルールが打ち砕かれ、テレビの目の前の幼き子供に社会の現実を直接叩き込むような理不尽さに、聖奈は嘆いている。
「智美様ならいざ知らず、恋様に負けるなんて……悔しいです……、どうしてですか、どうして私は勝てないのですかぁ……。」
泣いているのをこらえようにも思い出すだけで悔しさが込み上げて、しゃくる泣き声に鼻をすする音が聞こえてくる。
「あー……うーむ。」
智美なら聖奈のカウンターなど圧倒的な暴力でねじ伏せてしまうために、いくら刀で相手の攻撃を流す構えをとっていたとしても、智美の大きな剣では無力。
刀ごと両断してしまうため、ありとあらゆるものが無意味と化してしまう。
恋にいたっては棍と銃の合体した珍妙な武器であるものの、聖奈の刀の二倍から三倍の長さを誇るために、それだけでも間合いでは聖奈が不利となってしまう。
それに射撃もできるの武器なのだから、いくら刀で弾丸を弾き返すことは出来たとしても、自動小銃のように連射できる機能なのだから勝つことは難しいだろう。
「……はぁ。」
別に聖奈が勝てないのは己自信のせいではなく、七曜神には必ず属性が存在して拮抗しあう対になるものが存在するからこそゆえのもので、それで均衡が保てているものなのだから仕方ないものなのである。
しかし七曜神特有の頑固な頭の持ち主の聖奈ですらそれを受け入れたくない。
いくら智美といえど桃子の土曜の属性には勝つことは出来ないし、恋は結愛に極端に弱くなる。
まぁ、結愛は全ての属性の元栓であるから誰にも負けないのは当然であるし、三竦みがあるならこれはすなわち七竦みではないかと玄弥は考える。
でも聖奈の思っているものというのは、こればかりは玄弥だって考えても答えは出せないもので、聖奈をどうなだめて良いのか解らなくなる。
「世の中には答えの無い方程式の方が多いんだがな……。」
なにかを考えたように玄弥は天井を見つめると、優しく聖奈の頭を軽く撫でてあげ、落ち着くまでは無心に撫で続ける。
落ち着いてもおかしくはないような長い時間が経っても、その手は止まることを知らなかった。
世の中の不思議は必ずしも解けるわけではない。
だから、答えは探すのでなく……感じるものなのかもしれない。
お互いお互い。
疲弊したご様子でお茶を飲んで休憩している聖奈は、軽くため息をつきながら何やら悩みごとをしているようである。
玄弥にとっては、聖奈が悩む姿などほとんど見かけないために、重大なものを抱えているに違いないと思っては、話すタイミングをうかがっている。
聖奈は何でもかんでも自分一人で対処しようとしてしまうため、悩みを打ち明けることは少なく、恵麻くらいにしか打ち明けないだろう。
「はぁ……。」
「ため息ばっかりでどうしたんだよ、聖奈らしくねぇよ。」
玄弥はあまりのため息の多さにしびれを切らせて口から出てしまう。
「うぅ……、私の鍛練不足でしょうか。 恋様には幾度となく負けてしまうのです。」
聖奈はガッカリとして落ち込んでしまう。
無理もない話ではないだろうか、恋はいつもはゲームなどの製作で忙しく、聖奈のように暇さえあれば剣術の稽古をするような人間ではないのである。
毎日の鍛練の努力が、鍛練の努力をせざるものに負けてしまうという理想を粉微塵にされてしまう聖奈の心のダメージは大きい。
特撮のヒーローのように、正義は必ず勝つという暗黙のルールが打ち砕かれ、テレビの目の前の幼き子供に社会の現実を直接叩き込むような理不尽さに、聖奈は嘆いている。
「智美様ならいざ知らず、恋様に負けるなんて……悔しいです……、どうしてですか、どうして私は勝てないのですかぁ……。」
泣いているのをこらえようにも思い出すだけで悔しさが込み上げて、しゃくる泣き声に鼻をすする音が聞こえてくる。
「あー……うーむ。」
智美なら聖奈のカウンターなど圧倒的な暴力でねじ伏せてしまうために、いくら刀で相手の攻撃を流す構えをとっていたとしても、智美の大きな剣では無力。
刀ごと両断してしまうため、ありとあらゆるものが無意味と化してしまう。
恋にいたっては棍と銃の合体した珍妙な武器であるものの、聖奈の刀の二倍から三倍の長さを誇るために、それだけでも間合いでは聖奈が不利となってしまう。
それに射撃もできるの武器なのだから、いくら刀で弾丸を弾き返すことは出来たとしても、自動小銃のように連射できる機能なのだから勝つことは難しいだろう。
「……はぁ。」
別に聖奈が勝てないのは己自信のせいではなく、七曜神には必ず属性が存在して拮抗しあう対になるものが存在するからこそゆえのもので、それで均衡が保てているものなのだから仕方ないものなのである。
しかし七曜神特有の頑固な頭の持ち主の聖奈ですらそれを受け入れたくない。
いくら智美といえど桃子の土曜の属性には勝つことは出来ないし、恋は結愛に極端に弱くなる。
まぁ、結愛は全ての属性の元栓であるから誰にも負けないのは当然であるし、三竦みがあるならこれはすなわち七竦みではないかと玄弥は考える。
でも聖奈の思っているものというのは、こればかりは玄弥だって考えても答えは出せないもので、聖奈をどうなだめて良いのか解らなくなる。
「世の中には答えの無い方程式の方が多いんだがな……。」
なにかを考えたように玄弥は天井を見つめると、優しく聖奈の頭を軽く撫でてあげ、落ち着くまでは無心に撫で続ける。
落ち着いてもおかしくはないような長い時間が経っても、その手は止まることを知らなかった。
世の中の不思議は必ずしも解けるわけではない。
だから、答えは探すのでなく……感じるものなのかもしれない。
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