異世界にて最強のチートを手に入れたがモンスターの方が強い件

1章 最強の師篇

武闘大会 1

目覚めると俺は師匠の家のベッドで寝かされていた。

隣から嫌な予感がする。
恐る恐る隣を見ると俺の予感は的中していた。

「し、師匠！なんでまた裸なんですか！」

「ん～なんだ朝から大声出して」

目をこすりながら起き上がる師匠。毛布で隠れていた部分が露わになる。

俺は思わず目を覆い隠した。

「はっは～ん。なるほどね」

師匠は急に俺の耳元で囁く。

「お前がその気なら、私はいつでもいいぞ」

顔が徐々に熱くなっているのが分かる。鏡でも見れば赤面した俺の顔が映ることだろう。

「い、いい加減にしてください！」

俺は師匠を押しのけると脱ぎ捨ててあった衣類を投げやる。

「あっはっは！お前は本当に面白いな！」

「もう、からかわないで下さい」

「からかいついでにお前に言っておきたい事がある。7日後開かれる武闘大会に参加するんだ」

武闘大会と言うからには選手同士が己の武を競い合うのだろう。野蛮だなぁ。

「拒否権ってあります？」

「あると思うか？」

やっべぇ笑顔なんですけど。そりゃそうですよね。分かってて言いました。

「まぁ、そう心配するな。勝とうが負けようがいい経験になるだろうさ。死ぬかもしれんがな」

俺は全速力で扉を開けて逃げだした。
だが、師匠のスピードには敵わずあっさり捕まった。

「楽しい7日間になりそうだな！」

是が非でも大会を避けたい俺は、引きずられながら戻された。

ー6日後ー

この6日間で何度死に目にあっただろうか。とりあえずステータスをメモに更新しておこう。
「
　佐藤悠真　レベル1

　年齢　16歳
　性別　男
　種族　人間

　HP250/250
　MP0

　攻撃力102
　防御力135
　素早さ92
　魔力0
　知力70
　運72

　固有スキル
　【パーフェクトコピー】【サーチ】
　
　特技
　【抜刀零式】【獅子落とし】

スキルとは別に特技を覚えているようだ。師匠に使った技がしっかりと技として登録されているな。
防御力が以前の約2倍・・・師匠に打ちのめされたおかげで打たれ強くなったって事だよな。

「レベルは相変わらず・・・か」

そろそろ師匠の家に行かないとな。簡単に身支度を済ませ、師匠の家を訪ねる。

「おー、やっと来たか。遅いじゃないか」

「え？今日はいつもより早いくらいじゃないですか？」

「何言ってんだよ。今日は武闘大会の予選会があるって言ったろ？」

「・・・はい!?そんなの聞いてませんよ！」

「あれ？言ってなかったっけ？」

俺はジト目で睨みつける。

「悪かったって！でも、おかげで昨夜はよく眠れただろ？」

確かに、事前に聞いていれば緊張してあまり眠れなかっただろう。

「礼は言いますけど予選って何をするんですか？」

「タイマンだな」

俺の礼を全力で返して欲しい。