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貴族学校の進級試験(5)
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どうしよう。カタリナのように一人で言い負かすしかない!?
受けて立つ!と言いながら、どう言い負かせばいいのかわからず尻込みしてしまう。
ほかのヒロインがこのイベントをうまく切り抜けるすべならよく知っているのに、自分はどうすればいいかわからないだなんて!
ここで、カタリナの張りのある声が響いた。
「ミシェルさん、あなたもマイヤ夫人のことを御存知ですわよね? これはマイヤ夫人に対する侮辱と受け取ってもよろしいかしら」
「えっ……」
ミシェルの顔色が変わる。
「ドリスちゃんはもともと賢いから、不正なんてするはずないじゃない」
「そうです! ドリスさんほど潔い人はいません。不正などするはずがありません!」
リリカとアデルも加勢してくれる。
そこへ周りを囲んでいた集団の中から男子生徒の声がした。
「実は俺もマイヤ夫人のその課題、持ってる」
前に出て来たのは、わたしと同じ2位の点数を取った生徒だ。
「俺とドリスさんだけじゃなくて、マイヤ夫人の教え子はみんな持ってるはずだけど?」
彼がぐるっと周囲を見渡すと、「実は私も」「僕も」と名乗り出てくれた生徒が数人名乗りをあげる。
今回のテストの得点上位者ばかりだ。
なるほど、そういうこともあってマイヤ夫人は予約が殺到するほど人気の家庭教師なのね!
前世でいうところの「カリスマ予備校講師! 予想問題的中率、脅威の80%!」というやつかもしれない。
そして新たな、おずおずとした声があがる。
「それが不正だっていうなら、お姉様から過去問をもらって勉強したわたくしも罰せられてしまうかしら……」
本気で不安になっているのか、青ざめた顔でそんな自己申告をする可憐な女子生徒まで現れたではないか。
「そんなわけあるか!」
「正規ルートのコネクションやツテを使って勉強を優位に進めることは不正でもなんでもありませんわ!」
「その通りだわ」
騒動を見守っていた生徒たちからわたしたちの正当性を認める意見がどんどん出始めた。
「わ、わかりましたわ。そういうことならわたくしの勘違いだったということにしておきます。失礼しました」
分が悪くなったミシェルたちがすごすごと退散していく。
よかった。円満解決、そして破滅フラグ回避ってことでいいのかしら。
カタリナをはじめリリカとアデルが、そして周りの生徒たちまでもが自分の味方をしてくれたことにホッとすると同時に、何ともうれしかった。
「ドリスちゃん、よかったね!」
飛びついて来るリリカを思わずぎゅうっと抱きしめる。
「味方になってくれてありがとう、リリカもみんなも」
「何言ってるんですか、当たり前です! 私たち不正なんてしていないし、それに友達同士なんだから当然のことを言ったまでです」
アデルはそう言うけれど、わたしは悪役令嬢ドリスなのだ。
みんなの嫌われ者だったキャラだ。
そんなドリスが「青春真っ只中」のような体験をするとは、ハルアカプレーヤーならひっくり返って驚くに違いない。
不意に熱いものが込み上げてきて視界がにじんだ。
「あら、ドリスさんて意外と涙もろくていらっしゃるのね」
カタリナの澄ました口調は相変わらずだ。
「それにリリカさん。そもそもあなたが普段お馬鹿すぎるせいで、ドリスさんにまであらぬ疑いがかけられたんですのよ? わかっていて?」
「カタリナちゃん、ひどーい」
わたしから離れたリリカがかわいらしく頬を膨らませてむくれる。
それをアデルが「まあまあ」と苦笑するいつものわたしたちに戻った。
ちなみにカタリナによれば、マイヤ夫人はもともとこの貴族学校で教師として働いていた経歴があるらしい。
驚異の問題的中率の理由は、何とも単純なことだったのだ。
「ドリスさんからあの課題を見せていただきたいので、わたくしたちはこれからも一緒に試験勉強をしましょうね」
「ええ、もちろんよ」
力強く頷く。
「わーい、わたしたち『ずっ友』だね!」
「リリカさん、その言葉遣いどうにかなりませんの?」
「まあまあ」
この愛らしいヒロインたちとこれから先もずっと笑い合っていたい。
心からそう思った。
受けて立つ!と言いながら、どう言い負かせばいいのかわからず尻込みしてしまう。
ほかのヒロインがこのイベントをうまく切り抜けるすべならよく知っているのに、自分はどうすればいいかわからないだなんて!
ここで、カタリナの張りのある声が響いた。
「ミシェルさん、あなたもマイヤ夫人のことを御存知ですわよね? これはマイヤ夫人に対する侮辱と受け取ってもよろしいかしら」
「えっ……」
ミシェルの顔色が変わる。
「ドリスちゃんはもともと賢いから、不正なんてするはずないじゃない」
「そうです! ドリスさんほど潔い人はいません。不正などするはずがありません!」
リリカとアデルも加勢してくれる。
そこへ周りを囲んでいた集団の中から男子生徒の声がした。
「実は俺もマイヤ夫人のその課題、持ってる」
前に出て来たのは、わたしと同じ2位の点数を取った生徒だ。
「俺とドリスさんだけじゃなくて、マイヤ夫人の教え子はみんな持ってるはずだけど?」
彼がぐるっと周囲を見渡すと、「実は私も」「僕も」と名乗り出てくれた生徒が数人名乗りをあげる。
今回のテストの得点上位者ばかりだ。
なるほど、そういうこともあってマイヤ夫人は予約が殺到するほど人気の家庭教師なのね!
前世でいうところの「カリスマ予備校講師! 予想問題的中率、脅威の80%!」というやつかもしれない。
そして新たな、おずおずとした声があがる。
「それが不正だっていうなら、お姉様から過去問をもらって勉強したわたくしも罰せられてしまうかしら……」
本気で不安になっているのか、青ざめた顔でそんな自己申告をする可憐な女子生徒まで現れたではないか。
「そんなわけあるか!」
「正規ルートのコネクションやツテを使って勉強を優位に進めることは不正でもなんでもありませんわ!」
「その通りだわ」
騒動を見守っていた生徒たちからわたしたちの正当性を認める意見がどんどん出始めた。
「わ、わかりましたわ。そういうことならわたくしの勘違いだったということにしておきます。失礼しました」
分が悪くなったミシェルたちがすごすごと退散していく。
よかった。円満解決、そして破滅フラグ回避ってことでいいのかしら。
カタリナをはじめリリカとアデルが、そして周りの生徒たちまでもが自分の味方をしてくれたことにホッとすると同時に、何ともうれしかった。
「ドリスちゃん、よかったね!」
飛びついて来るリリカを思わずぎゅうっと抱きしめる。
「味方になってくれてありがとう、リリカもみんなも」
「何言ってるんですか、当たり前です! 私たち不正なんてしていないし、それに友達同士なんだから当然のことを言ったまでです」
アデルはそう言うけれど、わたしは悪役令嬢ドリスなのだ。
みんなの嫌われ者だったキャラだ。
そんなドリスが「青春真っ只中」のような体験をするとは、ハルアカプレーヤーならひっくり返って驚くに違いない。
不意に熱いものが込み上げてきて視界がにじんだ。
「あら、ドリスさんて意外と涙もろくていらっしゃるのね」
カタリナの澄ました口調は相変わらずだ。
「それにリリカさん。そもそもあなたが普段お馬鹿すぎるせいで、ドリスさんにまであらぬ疑いがかけられたんですのよ? わかっていて?」
「カタリナちゃん、ひどーい」
わたしから離れたリリカがかわいらしく頬を膨らませてむくれる。
それをアデルが「まあまあ」と苦笑するいつものわたしたちに戻った。
ちなみにカタリナによれば、マイヤ夫人はもともとこの貴族学校で教師として働いていた経歴があるらしい。
驚異の問題的中率の理由は、何とも単純なことだったのだ。
「ドリスさんからあの課題を見せていただきたいので、わたくしたちはこれからも一緒に試験勉強をしましょうね」
「ええ、もちろんよ」
力強く頷く。
「わーい、わたしたち『ずっ友』だね!」
「リリカさん、その言葉遣いどうにかなりませんの?」
「まあまあ」
この愛らしいヒロインたちとこれから先もずっと笑い合っていたい。
心からそう思った。
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