62 / 187
壺中庵淫斎掌篇作品集
妖しい寿司屋~赤貝の共喰い~
しおりを挟む「おや、社長。今宵はまた一段と別嬪さんをお連れで」
「まあな。そこの道玄坂で貝拾いをしていると美味そうなのが採れてな」
「まあ社長が採ったのではなく、赤貝が食いついてきたんでしょうがな」
「あら、失礼な大将ですわね」
「最近は外国産の毒入り赤貝がそこいら中にばら撒かれているようでげすから
近海モノの鮮度のいいのに食いつかれたのは目出度い限りでげすなあ」
「味見はこれからなので鮮度のほどは判らんが」
「じゃあ赤貝ではなく、その手は桑名の焼きハマグリかも知れませんで」
「まあ、冗談はそれくらいにして今宵のお勧めは何だ?」
「こうくれば、もちろん赤貝でげすよ。握りの方は後で社長のお仕事ですからな。
まずは摘まみでどうですかい?」
「よし。じゃあ切ってくれ。ああ、それと酒の方は熱燗だ。盃はひとつでいいぞ」
「合点、承知の介。パクッと割るから、姉さんの赤貝もちょっと痛いかもしれんが
・・・・・・・・・ほら、どうだい!姐さんのより鮮度がいいだろう。社長、可愛い
姐さんのおちょぼ口に放り込んでやったらどうですかい?」
「よし、よし。赤貝の共喰いとさせるか」
「どうせなら、姐さんの垂れを付けて召し上がったらどうですかい?」
「・・・・あ、あ・・・・・およしになって・・・・」
「・・・・・・・うむ。いいヌメリ具合だ。大将、お前もひと口どうだ?」
「おや、おや。本当に姐さんの垂れを付けるとは大した社長だ・・・・・・・」
「・・・・・どうだ?美味いか?」
「いや、香りも中々だ。どうやら赤貝較べは姐さんの勝のようだ。こりゃ参った」
「じゃあ、降参の印に、店の奢りで一品つけてはどうだ?」
「合点。こうなるともう、マツタケの土瓶蒸しとなりますな」
「あら、嬉しい。大好物なの」
「そうでしょう、そうでしょう。姉さんはマツタケが好きそうな顔ですものなあ。
でも姐さん、この界隈の女の噂では、社長のは笠が開いた大マツタケらしいですで。
上のお口でも、下のお口でも、ほうばるのは大変ですで」
「あら、そうなの?じゃあ、この後でいただく前に拝見してみようかしら?」
「・・・・・・・・これは、これは。姐さんもたいした女だ。ちょうど他のお客が
いないからいいようなものの、こういうのは猥褻物陳列罪ですで」
「かまわん、かまわん。大将、もう暖簾を下せ。俺の貸し切りにする」
「へええ~・・・・・」
「まずは、マツタケを二本並べて味比べをさせるというのでどうだ?」
「合点!承知の介!!」
こんな寿司屋などまず無いであろう。
こんな女などはめったにいないであろう。
こんな社長は、けっこういるかも知れないが。
こんな妄想をする男は、もっと沢山いるだろうが。
暖簾が下りた後の出来事は御想像をいただくことにして、
まずは、お粗末なこの一席、そろそろ幕を引きましょうかね。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
意味が分かると怖い話(解説付き)
彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです
読みながら話に潜む違和感を探してみてください
最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください
実話も混ざっております
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗@オートスキル第1巻発売中
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる