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補遺
高貴な人食い人種と偉大な奴隷制
しおりを挟む【すべて人は、人種、皮膚の色、性、言語、宗教、政治上その他の意見、
国民的もしくは社会的出身、財産、門地その他の地位、またはこれに
類するいかなる事由による差別を受けることはない。】
国連総会で高らかにうたい上げられた世界人権宣言の一節である。
これを正面から否定する人はいないだろう。
しかし、人種や皮膚の色などによる差別や蔑視が存在するのも事実である。
しかし、それは間違いであり、克服すべきものと、多くの人は答えるだろう。
では、人喰い人種は?と聞かれたらどうだろう。
ほぼ全員が、それは人間性の否定であり、論外だと言うだろう。
しかし、メフィストフェレスは人喰い人種こそが高貴な人々だと主張する。
人喰い人種は何故、倒した敵の肉を喰ったのか?
食糧にするためではない。
そんなわずかの肉だけで、自分も家族も属する部族も生き続けることは出来ない。
戦った相手が勇敢であればあるほど、その血と肉は尊いものであった。
それを我が身に入れることで、その勇気や知恵をいただこうとしていたのだ。
食人の風習は太古には世界の各地で行われていたことが研究で判っているが、
それは全て宗教的行事とも言える崇高なものであった。
未開で野蛮だと差別されている人の方が、近代文明に毒された我々よりも、
よほど人の命の尊さを知っているとメフィストフェレスは確信している。
最近まで野蛮人の代表のようにされていたインディアン、
アメリカ先住民族も高貴な人々であった。
とは言っても、部族と部族の争いは、どうしても起きてしまう。
しかし、無暗に血を流し合った訳ではない。
インディアンの酋長は血縁で繋がる王様のようなものでは無かった。
最も知恵と勇気に満ちた人が選ばれていたのだ。
酋長が家族の代表を集める。いわば議会だ。
女や子供も意見を出すことができる。
こうして衆議が一致したところで初めていくさを始めるのだ。
勝利に終わった後の捕虜の扱いも素晴らしいものであった。
逃がすとまた戦いを挑むと思わざるをえない者は、やむなく殺す。
しかし、そうでない者は、いずれかの家族の一員として迎えるのだ。
部族の一員としての権利も分け隔てなく与えられる。
昨日まで敵であった人が、次代の酋長になることさえある。
インディアン社会で長く暮らしていた人を白人社会に連れ戻すと、
多くの場合、逃げ出してインディアンの世界に戻ったこともよく知られている。
文明世界と思われているところよりも、未開とされている世界の方が、
人間にとってよほど居心地がいいのだ。
人類は進化・進歩・発展を続け、その最高のものが西洋の
自由民主主義だとする迷妄にメフィストフェレスが強く異を唱える由縁である。
ここで、スペインの哲学者・オルテガの名言を思い起こす必要があるだろう。
<人間は奴隷制度を生み出した人に感謝しなければならない>
オルテガは社会主義政府と右翼的軍部が内戦を続けるスペインから南米に亡命した
自由民主主義の権化のような人である。
それが何故、こんな暴言ともいえる言辞をしたのか?
それまで、どの世界でも捕虜にした人まで皆殺しにしていたが、
それを奴隷としてであっても命を繋いでやれるようにしたのは、
人間の偉大な知恵であったというのだ。
オルテガもメフィストフェレスも、
アフリカと西欧、そして新大陸を結んだ奴隷三角貿易や、
未だに続く黒人差別を肯定するものでは決してないが・・・・。
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