メイドの恋

杏仁豆腐

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出逢いと事実

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もうすぐ大学を卒業する、23歳の主人公(伊豆水 海梨)は、ショッピング中友達とはぐれてしまい、たどり着いた『メイド喫茶店』でお昼ごはんを食べることとなった。そこで働いているヒロインと会ったのが全ての運命の始まりだった。
カランカラン…
「いらっしゃいませ。ご主人様」
「ど、どうも」
―心の声『このメイドのコスプレをしている子は、素敵な瞳に綺麗な髪をしてる。って、俺は何ボケッとしてんだ!この子なんか気になってなんかないぞ!』
ボーっと突っ立っていた海梨にそのメイドが声をかけたのだ。
「あの、どうされましたか?」
ハッと我にかえった海梨は
「いっ、いえ何も。いや~実は俺、そのぉ~メイド喫茶とか行ったことないんですよ。だから少し驚いてしまって…。すいませんね。なんか。」
「あっ、いいえ。別に気にしていませんよ。そうですよね、急にご主人様なんて言われたら驚くのも無理ありません。まぁ、気にせずにごゆるりとなさって下さいください。」
席はどこでも良いと言って彼女は去ろうとした。
海梨は思わず、
「あのっ、君の名前は?」
「えっ?」
彼女は驚いて振り向いた。
「あっ、すいません。あなたの名前は何と言うんですか?答えてくれますか?」
「え、ええ。まぁ構いませんよ。私の名前は(相乃 乙華)です。」
「相乃乙華?乙華って…」
「で、では、ごゆっくり」
と、焦るように彼女はスタッフ用ドアを開けて出て行った。
どこかで聞き覚えのある声と顔。それに、相乃乙華という名前もどこかで聞いたことのあったもの。眉間にシワを寄せる。そして、腕を組む。ヴーンとうなっている間に、時間は経つ…。
―メイド喫茶店のオムライスはとても美味しかった。その後、はぐれてしまった友達とも会って、またショッピングをして遊んでいた。でも海梨はどうしても相乃乙華の事を忘れられなかった。彼女が出てった後、彼は彼女を待っていたが、出てった後からずっと姿を消していて、会えなかった。海梨は連絡先くらい聞いておけば良かったと後悔していたが、すぐ忘れるだろうと思い、ほっぽいていた。
一週間後
誰かとのLINEのやりとり
「こんにちは」
「どうも。いつもありがとうございます。」
「いえ。あそこのオムライス、とっても美味しいですから。」
「あ、ありがとうございます。実は私もあのオムライスが美味しかったから働いたんです。あのオムライスには愛が詰まってるって思ったんです。」
「俺も!」
LINEの相手は一週間前、メイド喫茶で働いていた相乃乙華。
あれから海梨は毎日毎日あのメイド喫茶店に行っては、彼女を見つけて連絡先を聞こうとしていた。が、彼女はいつまで経っても姿を現さなかった。でも、海梨は諦めず毎日のように通った。そして、昨日やっと連絡先を交換出来たのだ。
「やっぱり交換して良かった。デートとかにも誘おっかな?でも、やっぱり相乃乙華って名前、どっかで聞いたことがあるよーな。」
海梨はテレビをつけた。
CMが流れていたのだが、そのテレビに映っている女性を見た海梨は一回止まってしまった。その女性は相乃乙華にとても似ていた。だが、海梨はたまたま似ていると思い、またスマホに集中した。しかし、そのCMは女優をインタビューするというものなのだが、女性の右側に『相乃乙華』としっかり書かれていた。海梨は悲鳴をあげると共に、スマホのトークルームとテレビを交互にみてしまった。緊張はするが、彼女に聞いてみた方がいいのかと思い、スマホのキーを打った。だが、失礼なんではないかと思い、また消した。
「これはやっぱり彼女に会って確かめなきゃ。」
―翌日
やめときゃいいのに彼は真相をたしかめるために彼女をとある公園に誘った。でもそのおかげもあり、その時に2人の運命も大きく変わった。
「あ、あのぉ~」
「ん?どぉしたの?」
「呼び出したのは自分なんで、多分言ってはいけないと思いますけど…」
「んん~?」
「なんで荷物を持たされているのでしょーか?」
何も言えないような顔をする海梨と、焦り始める乙華。
「あっ、ごめんなさいね。でもちょっとレジャーシートしくから…」
「あ、あぁ~。なにも知らず、ごめんなさい。」
「いえいえ」
そう言って、お弁当箱を開けた。
「わぁー。すごい!これ、乙華さんが作ったんですか?」
「勿論そうよ。じゃなかったら誰がいるの?」
「んー。彼氏とか?」
その途端、乙華は顔を暗くした。
「乙華…さん?」
1度ため息をし、
「私ね、ずっと彼氏、出来ないの。というか、私が作りたくないというか…」
「どうしてですか?乙華さんみたいに綺麗な人がいたら、男はみんな貴方に目がつきますっ!」
「そう?」
「はい!それに、ファンの皆さんも沢山いるじゃないですか。その人達も乙華さんが好きだから応援してるんですよ!」
「そうだったらいいんだけど…」
重苦しい空気が流れ、海梨は戸惑った。
乙華は深呼吸をしてまた言った。
「私、男の人キライなの。キライっていうか、怖くて。家族は絶対結婚しなさいって言うけど、(首を振って)無理なの。言わば男性恐怖症って言うのかしら。」
「乙華さん…」
乙華は振り返って笑いながら
「でもね、貴方なら平気なの。私が思ってる男性像は、いつも気持ち悪い事考えて、荒っぽい性格で、顔は怖くて、優しくない…そう思ってたんだ。でもホントは違うのかもね。そういう人もいるけど、みんながみんなそうじゃないってついさっき思った!それをね、気づかせてくれたのは海梨さんだよ。」
「えっ僕?」
「うん。」
「ずーっとつまらなかったんだ。1日1日が。でもね、バイトの時だけが幸せだったの。あと今では海梨さんがいるから頑張れる。毎日のLINEのやり取りが楽しいんだ!」
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