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第8話
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地球防衛機構からの防衛開始が告げられると月明かりと生産組が作成した複数の10メートルもある大型の松明からの灯りが照らしているなか、遠く離れた草原と森林の堺に蠢く何かの姿が見え始めて来ていた。
あの蠢いている者たちが吸血鬼世界からの侵略者なのかと目を細め睨み付ける様にして見ていると他の選ばれし者たちも視認したのかザワザワとざわめき始める。
「遠距離攻撃組!攻撃の準備を始めろ!だがまだ攻撃はするなよ!合図を出す!引き付けてからだ!!」
自衛隊の竹中の声が聞こえて後ろをチラッと見ると、そこにはそれぞれの壁の上に乗っている遠距離攻撃を行なう後衛組の姿がそこにはあった。
石や木は兎も角、土の壁の上は乗っても大丈夫なのかと疑問に思うが、しっかりと立っている様子に大丈夫なのだろう。
「なんで背後を見てるのよ!前を見なさいよ!」
そんな背後を見ていた俺に対して睨み付けながら佐藤は言う。そんな佐藤に一言「すまない」と言うと俺は森と草原の境で蠢いていた侵略者が増えて草原にまで広がっている集団へと向いた。
「どれだけいるんだ?」
「ああ、多過ぎるぞ。」
石田と井上の会話を聞きながら2人の言う通り視界に入るだけでも100や200ではない。それに森の方からどんどんと押し寄せて来ているのが見える為、これからどんどんと侵略者の数は増していくのだろう。
地球側のゲートを目指す様にしてどんどんと増える侵略者たちの様子に前衛組は怖気付く者がで始めている様で陣形から向け出してゲートに向かおうとしている者たちがチラホラと出ようとしていた。
だがそんな者たちを止めるのは前衛組の指揮をする自衛隊の一ノ瀬たちだった。
「ここで逃げたらアイツらが日本に来るんだぞ!」「死にたくねぇ!」などと言う声が聞こえるなか、ある程度草原を進んでいた侵略者たちの動きが止まった。
人と同じ形をしている者や犬と思われる侵略者たちが月明かりに照らされているのが見える。
そんな侵略者たちの中でも声は聞こえないが身振り手振りで指揮をしている人型の個体が視認できる。
あれは部隊長とかそんな感じの役割をしているのかと思っていると、再び周りがざわつき始める。
なんだと思って耳を覚まして話し声を聞いていると、石田や井上に佐藤もこのざわつきの原因に対して不安に思っているのか動揺している様子だ。
それもそのはず吸血鬼世界の侵略者たちは空を飛ぶ空中戦力も保有していたからだ。
球体型の何かや蝙蝠と思われる月明かりで黒いシルエットが視界に入る。
空中の侵略者への対策を行なえる遠距離攻撃持ちが前衛組でどれだけ居るのか分からないが、後衛組の遠距離攻撃持ちよりは断然居ないだろう事は分かる。
空中戦力は前衛組では止める事は出来ない。必然的に侵略者の空中戦力を止めて倒すのは後衛組の役割になるだろう。
だがそうなると今度は大量に数としては5000は最低でも居ると思われる地上戦力への遠距離攻撃の殲滅能力が無くなってしまう。
これ、一体どうなるんだと怖じ気ずく者が現れるのは必然だろう。そのせいで前衛組や後衛組の中からゲートへと逃げ出そうとする者が増えて来た。
そうして逃げ出そうとしている者が多くなるなかで、防衛で組む事になった石田、井上、佐藤の3人も超常の力を貰ってあった万能感や全能感と言ったものが無くなったのだろう。
俺の後ろで「逃げよう。」「ここから離れよう。」などと言う声が聞こえて来ていた。
それに対して俺はもうここまで来て逃げられないだろうし、それに防衛を行なわなかった場合、あの地球防衛機構が許すとは思えない。
下手したらあの半グレ集団の様に消されるかも知れないし、そうじゃなくても戦わないのなら力の剥奪くらいはしてくるのではと思ってしまうからだ。
あの蠢いている者たちが吸血鬼世界からの侵略者なのかと目を細め睨み付ける様にして見ていると他の選ばれし者たちも視認したのかザワザワとざわめき始める。
「遠距離攻撃組!攻撃の準備を始めろ!だがまだ攻撃はするなよ!合図を出す!引き付けてからだ!!」
自衛隊の竹中の声が聞こえて後ろをチラッと見ると、そこにはそれぞれの壁の上に乗っている遠距離攻撃を行なう後衛組の姿がそこにはあった。
石や木は兎も角、土の壁の上は乗っても大丈夫なのかと疑問に思うが、しっかりと立っている様子に大丈夫なのだろう。
「なんで背後を見てるのよ!前を見なさいよ!」
そんな背後を見ていた俺に対して睨み付けながら佐藤は言う。そんな佐藤に一言「すまない」と言うと俺は森と草原の境で蠢いていた侵略者が増えて草原にまで広がっている集団へと向いた。
「どれだけいるんだ?」
「ああ、多過ぎるぞ。」
石田と井上の会話を聞きながら2人の言う通り視界に入るだけでも100や200ではない。それに森の方からどんどんと押し寄せて来ているのが見える為、これからどんどんと侵略者の数は増していくのだろう。
地球側のゲートを目指す様にしてどんどんと増える侵略者たちの様子に前衛組は怖気付く者がで始めている様で陣形から向け出してゲートに向かおうとしている者たちがチラホラと出ようとしていた。
だがそんな者たちを止めるのは前衛組の指揮をする自衛隊の一ノ瀬たちだった。
「ここで逃げたらアイツらが日本に来るんだぞ!」「死にたくねぇ!」などと言う声が聞こえるなか、ある程度草原を進んでいた侵略者たちの動きが止まった。
人と同じ形をしている者や犬と思われる侵略者たちが月明かりに照らされているのが見える。
そんな侵略者たちの中でも声は聞こえないが身振り手振りで指揮をしている人型の個体が視認できる。
あれは部隊長とかそんな感じの役割をしているのかと思っていると、再び周りがざわつき始める。
なんだと思って耳を覚まして話し声を聞いていると、石田や井上に佐藤もこのざわつきの原因に対して不安に思っているのか動揺している様子だ。
それもそのはず吸血鬼世界の侵略者たちは空を飛ぶ空中戦力も保有していたからだ。
球体型の何かや蝙蝠と思われる月明かりで黒いシルエットが視界に入る。
空中の侵略者への対策を行なえる遠距離攻撃持ちが前衛組でどれだけ居るのか分からないが、後衛組の遠距離攻撃持ちよりは断然居ないだろう事は分かる。
空中戦力は前衛組では止める事は出来ない。必然的に侵略者の空中戦力を止めて倒すのは後衛組の役割になるだろう。
だがそうなると今度は大量に数としては5000は最低でも居ると思われる地上戦力への遠距離攻撃の殲滅能力が無くなってしまう。
これ、一体どうなるんだと怖じ気ずく者が現れるのは必然だろう。そのせいで前衛組や後衛組の中からゲートへと逃げ出そうとする者が増えて来た。
そうして逃げ出そうとしている者が多くなるなかで、防衛で組む事になった石田、井上、佐藤の3人も超常の力を貰ってあった万能感や全能感と言ったものが無くなったのだろう。
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それに対して俺はもうここまで来て逃げられないだろうし、それに防衛を行なわなかった場合、あの地球防衛機構が許すとは思えない。
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