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ヒミツのワンルーム 2
「炭木先輩、あーん」
同居人は俺を後ろから抱き支え、耳元で囁いてくる。
「いや、一人で食べれるから」
「あーん」
押し切られて、言われるがまま口を開いた。のぞき込んでくるハレサクはいつになく甘い笑みを浮かべ、一口サイズに切られたパンケーキを中へと運んでいった。
「どうですか?」
次の一口を用意している彼に、美味しい、と思ったことをそのまま伝える。
「パンケーキ焼くの本当に上手になったな」
「えへへ、先輩のおかげです」
「すごいよ、ハレサク。……というわけで、後は一人で食べれるから」
「あーん」
俺の抵抗はハレサクによって無理矢理飲み込まされてしまった。咀嚼しながら、両手をこっそり動かしてみる。それぞれの行動範囲は限られているが、片方がついてくることを我慢さえすれば、食事くらいどうにかなりそうだった。
朝食を持ってきた後、ハレサクにされるがままこの格好になった。ベッドの縁に座らされ、彼が俺に覆い被さる様は、……座椅子みたいだなと思う。俺が落ちないよう丁寧に左腕が腹部に巻き付き、足は挟み込まれ、接している部分が暖かくて気持ちが良かった。
飲み込むと同時に、ベッドサイドテーブルに置かれた青いガラス食器へ手を伸ばし、また口の中へ放り込まれる。
「桃です。先輩の口に合えばいいんですけど」
瑞々しく柔らかな果肉を噛むと、甘い果汁が溢れ出た。ゆっくりと食べていると、美味しいならよかったです、と笑い混じりに言われてしまった。
「毎日こうやって過ごしましょうね」
「それは嫌だ」
「え……、どうしてですか……」
「どうしてもなにもないだろ」
俺には俺の、ハレサクにはハレサクの生活がある。いくら夏休みだとは言っても、ずっと部屋に引きこもっているわけにはいかない。
「いッ……!」
急に腹部の締め付けがひどくなり、苦痛混じりの吐息が漏れた。さっきまで食器を握っていた手がいつの間にか俺の顎を掴み、無理矢理ハレサクの方へと押しつけられる。
「炭木先輩、最近僕に隠し事をしていますよね」
「……」
「それが関係してるんですか。どうして僕じゃ駄目なんですか。あなたはこの部屋から出しません、何があっても、絶対に」
そう言い切ると同時に解放されて、身体はそのまま床へと倒れ込んでしまった。頭を打ち付けて、痛い。
うずくまって呼吸を整えていると、大きな手にゅっと伸びてきた。動きを追う間も無く、小気味の良い音を立て手錠の鎖に何かを取り付けられる。フックらしきものに繋がる紐を辿っていくと、終わりはベッドの下に潜り込んでいた。ベッドフレームに括られているのか、はたまた壁や床に別の金具が取り付けられているのかはさっぱり分からない。見える範囲では、紐の長さに余裕はなさそうだった。
「ああ、僕、用事があったんでした。離ればなれになるのは辛いけど、丁度良い機会です。先輩は僕がいないと何も出来ないって、待っている間に理解して下さいね」
足音が、どんどん離れていく。顔だけを上げて彼の背中を眺めた。行動も言動もまるで別人みたいなのに、ハレサクの姿が視界に映るだけで安心してしまう自分がいた。
彼は玄関に繋がる扉の前で立ち止まり、振り返った。
「ここまで来れないと思いますが、炭木先輩が外に出れないように扉に鍵を取り付けました。勿論、開けることが出来るのは僕だけです」
言われてみると、銀色の何かが等間隔に四つほど扉を飾りたてている。
「いつ付けたんだ?」
「秘密です。先輩が僕に隠し事を打ち明けてくれたら、教えます」
「……」
「ひどいひと」
楽しそうに俺をなじって、ハレサクは扉の向こうに消えていった。閉まると同時にリズミカルに鍵が閉められていく。間を置いてくぐもった音が聞こえ、本当に出掛けたんだな、とぼんやりと思う。
手錠が二つ、片方は紐を繋がれて行動制限が掛けられ、扉には見知らぬ鍵が取り付けられている……。
「まあ、自力では出れそうにないな」
この部屋にいる間はずっとハレサクが側にいるから、つい一人になっても空に話しかけてしまう。
とりあえず、這い蹲って前に進んでみる。部屋の半分にも満たない場所で、これ以上は進むな、と紐に咎められた。紐に付けられているフックに触れようとしたが、手首をくねらせて遊んでいるだけになった。スマホは、……いや、俺が回収できるような場所には置いてないか。
現状、ハレサクが帰ってくるまでやれることはなさそうだ。
大人しくベッドに戻ろうとして、何気なく本棚の方へ寄る。あともう少し、といったところで紐がピンと張った。手を伸ばすことは叶わないが、足でならどうにか届きそうだ。ハレサクごめん、と心の中で本棚の管理人に謝罪して、単行本の頭に親指を乗せた。力を掛けて、どうにか抜き取る。床を滑らせ、どうにか俺の不自由な手でも触れる位置まで移動させた。
「これ、懐かしいな。確か、ハレサクとルームシェアすることが決まった日に買ったはず」
講義の課題図書で購入した本だった。大学の図書室は予約の順番がいつ回ってくるか分からず、近辺の図書館で借りてもよかったが、必修だし来年はハレサクが使うだろうと、手元に置くことに決めた。実際、つい一週間前まであいつはこの本をずっと手元に置いて、決められたページだけを何度も確認していた。本の内容は、……レポートで書いた部分以外記憶が曖昧だ。
肌寒さを感じながら定位置に戻って、表紙をめくった。章のタイトルだけはちゃんと覚えていて、なんだか笑えてくる。
ハレサクとは、もう一年近くルームシェアをしている。何度も助けてもらったし、少しは年上らしく頼りにしてもらえることもあった。どういう訳か知り合ったときから、先輩、なんて呼ばれるけど、俺としては先輩後輩という関係を越えてもっと親しい立場の相手だと思っている。ハレサクへの信頼は、閉じこめられたことで反転することもなく、むしろ快適に生活させてくれそうだという場違いな安心感を与えてくれていた。
それはそれとして、困った。明日は絶対に外へ出たい、例えハレサクにどれだけ文句を言われようとも。
*
火曜の二限、大講義室での選択必修は半ばの左側で受けるものだと決まっている。
「炭木先輩!」
ドアを開くと同時にハレサクくんが顔を上げ、にこやかに手を振ってくれた。室内にはそれなりに人がいて、美形の一挙一動を誰もが密かに注目している。居たたまれない視線を全身に受け早足で彼の元へ向かうと、場所取り用のトートバックを素早く動かし、お待ちしてました、と笑みを輝かせた。申し訳ないことに、ホワイトボード前に置かれた配付資料を俺の分も取ってくれている。
座って前回のレジュメと一緒にお茶のペットボトルを取り出し、お詫びとして手渡した。これだけのことなのに、ハレサクくんは身体をうっすらと揺らして分かりやすく喜んでくれる。柔らかな髪が跳ねて、まるでもう一つの耳のように見えた。
「なんかごめんね。それと、いつもありがとう」
「先輩と一緒に講義を受けるのが夢だったので、むしろこんな贅沢が許されるのかという気持ちが強くて……!」
「そっか? てか、先輩なんて言わなくていいよ、敬われるよう人間じゃないし。炭木とか、ショウジとか、好きに呼んでよ」
「す、好きに……! じゃあ、炭木先輩って呼ばせて下さい! ずっと、あなたに直接先輩って言いたかったんです」
「なるほど……?」
本人が望んでいるなら、俺が口出しすることでもないか。一人納得して、ルーズリーフや筆記用具を机に広げていくと、すみきせんぱい、と躊躇いがちに呼ばれた。
「どうした、ハレサクくん」
「よ、呼びたかっただけですっ」
顔を向ければ、逃げるように逸らされた。机の下に隠れた指先が、絡み合ったり、離れたり、忙しなく蠢いている。これはハレサクくんの癖らしく、落ち着かないときに無意識に遊んでしまうのだと、廊下で出会った翌日に教えてくれた。
やっぱり、年上の人間に絡まれるのは、緊張するのだろうか。俺も初めはバイト先の先輩と話すの、なんとなく怖かったし。気が緩んでくれることを願いながら、彼の耳元に口を近付ける。
「いつものカフェの日替わりランチ、なんだろうな」
互いに三限を入れていないため、大学から少し離れたカフェでのんびりすることももうお決まりになっている。優良物件である彼を狙っている生徒も多く、一緒に昼食を食べたいと言われることも少なくなかった。間に入ってやんわりと断れるように手助けしているが、小声で話し知られないに越したことはない。
ハレサクくんはぎこちなくその美貌を動かし、血色が綺麗に浮かんだ頬をこちらに晒した。眉を下げて微笑むと、困っているようにも、照れているようにも見えた。
「先輩とのお昼、楽しみです」
言うと同時に開始のチャイムが鳴る。前回の内容を確認する振りをして、彼の両手を見た。いつの間にかぴったりとくっついていたものが機械的に離れ、机の上へと移動していく。シャーペンを手に取り、そのまま固まって、親指でそれを押さえながら残りの指を開閉して遊び出した。真面目そうな彼には似合わない行動だなと呑気に考えていると、レジュメの端に、『僕、なにかしましたか?』とハレサクくんに見合った華奢な筆跡で記された。
悪いことをしたと胸の中で反省し、先ほどの言葉に倣って『見てただけ、ごめん』と余白の鏡写しになるような位置に書いた。もう見てません、と証明するように顔を上げる。教授の脱線話に耳を傾けながら、今日は本題に入るまで何分かかるかな、と意識をハレサクくんから時計の方へ移す。秒針もまたこちらの視線に萎縮して、ゆっくりと進んでいく。
初めて彼と食事をした日から感じていたことは、日を追うごとに確信へと変わっていった。
ハレサクくんは俺と趣味が合う。
あの小説の感想を彼は熱心に語ってくれた。言葉選びは心地良く、解釈の方向は同じ位置を向いていて、自分の意思を伝えるときは俺の感情に配慮するような一言を毎回付け加えてくれた。俺の話にこんなに真剣に付き合ってくれたのは、ハレサクくんが初めてだった。
俺が面白いと言った作品は彼も楽しめていたし、彼がつまらないと言った作品は俺にとってもあまり惹かれる部分がなかった。流石に二人で意見が分かれることもあったが、どこを気に入ったのか言い合う時間も楽しかった。火曜日に会うだけの関係が、暇な時間にメッセージのやりとりをするようになり、月曜日、木曜日、金曜日、と二限か三限の出席がある日も会うようになって、最後には一限四限の中飛びの水曜日すら家に帰らず図書室で時間を潰すようになった。コースを違えた友人とは必修で会えるし、あっちもあっちで同じコースの友人と昼食を取っていて、お互い特に気にしてはいない。
そんな頻度で会っているのに、休日に遊ぶのは初めてだった。
「ハレサクくんがいてくれて助かったよ。暑いのにわざわざ俺を迎えに来てくれるし、本当に頼りになるな」
梅雨明けの太陽は眩しく、一気に夏らしい気候へと変わっていた。大型書店で冷えた身体も、外気によって一気に熱されてしまう。街路樹によって出来た申し訳程度の日陰に身を隠しながら、次の目的地へと足を進めていた。
実家から電車通学しているハレサクくんは、この周辺が経由地になってしまうのも関わらず、わざわざ大学まで迎えに来てくれた。必修講義の課題図書は大学近辺の書店では手に入らず、購買で取り寄せるか、こっちの大型書店まで足を運ぶかの二択になっていた。何気なく彼にその話をしてみたら、案内役を買って出てくれたのだった。
「まさか炭木先輩が方向音痴だったなんて、知りませんでした。カフェに行くときに反対方向へ曲がろうとするのも、土地勘がないからだとばかり……」
思わず足が止まる。自分では誤魔化せていただったが、思いっきりバレていた。コンクリートに反射した熱が羞恥心を一層強く沸き立てる。体温を逃がす先を探して俯けば、頭上で小さな笑い声が聞こえた。
「……なんだ」
恥ずかしさを堪えてハレサクくんを睨みつける。木漏れ日の作るコントラストが彼の美しさを際立たせ、いつもと違う余裕ありげな雰囲気を作り出していた。
「嬉しいなと思って。僕に貸し出すために本を買ってくれたことも、休日に誘い出してくれたことも、先輩が頼ってくれたことも、全部」
いつもと違って声色は揺れることなく、はっきりとした口調で伝えて来るものだから、余計に恥ずかしくなってきた。こういう内面の誠実さがハレサクくんの女子人気を加速させるのだろうと、勝手に納得する。
「気にしてないならいいけど。まあ、もし、彼女とか出来たら言ってよ、流石にハレサクくんの邪魔はしないから」
「え……」
歩き出すと同時に腕を引っ張られ、後ろによろけた。人にぶつかりそうになったのを助けてくれたのだろうか。転ぶ前に彼に支えられ、身体を半分預けたまま耳元で問いかけられる。
「どうしてそんなこと言うんですか。僕のことは用済みになったんですか」
聞いたことがないほど、低い声だった。ハレサクくんは今どんな表情をしているのだろう、と頭の片隅で考えた。けれど、思い浮かぶのは、恥じらいの混ざった笑顔だけだった。
「ハレサクくんはモテるし、迷惑になってないかなって思っただけ。気に障ったならごめん」
「僕が言い寄られているせいで、先輩は離れようとするんですか。他の人間が先輩に何か言ったんですか」
思わず口を噤んでしまった。確かに、ハレサクくんと一緒に講義を取るようになってから、学年問わず女子から声を掛けられることは増えた。一緒にご飯を食べたい、とか、連絡先が知りたい、とか、ハレサクくんとの接点を持つためのきっかけ役として求められている。
「やっぱりそうなんですね、先輩は誰がに脅されてるんだ」
「脅されてないよ」
体勢を直し、彼に腕を掴まれたまま振り返った。木陰が彼の顔に掛かり、なんだか恐ろしい表情を取っているように見えた。下ろされた視線には、こちらの言葉を拒絶するような圧がある。
「気付かれないようにしてたつもりだったけど……。ハレサクくんに関する相談は、全部断ってる。告白されるの苦手って言ってたのに仲を取り次ぐのって、俺もその子も不誠実だろ。だから、頼まれても、本人に直接言ってって返してた」
とは言っても、空き時間のほとんどは俺と過ごしてくれている。しかも学食は基本利用しないし、講義前後の一瞬しか告白のチャンスがないため、自分でも酷い返し方だなと思う。
「そう、なんですか」
「ハレサクくんが隣にいるときはそれとなく話題を逸らさせているし、不誠実なのは俺だけかもしれないけどね。俺だって、趣味が合う相手と話す時間が減るのは嫌だからさ」
気恥ずかしさを誤魔化すように笑いながら返せば、ハレサクくんはへにゃりと顔を綻ばせた。彼の手は離れると同時に、胸前で重ね合わされる。握ったり、撫でたり、と動く様を見て、これはどういう意味なのだろうと悩んだ。
言葉を促すように、強い風が吹いた。頭上を覆う木の葉が揺れ、陰が形を変える。午後の明るい日差しが、彼の美しい顔を照らした。うっすらと汗ばんだ肌が、光に照らされて輝いている。
「先輩がずっと側にいてくれたらいいのに」
諦めを口にしているものの、声色はアンバランスな爽やかさを含んでいた。
「俺はハレサクくんと一緒にいれたらいいなと思うけど。もう、後輩っていうか、仲の良い友達って感じするし」
迷惑だとしても、彼との縁を繋ぎ止めておきたい。講義を一緒に受ける友人がいるのは気分的に楽だし、昼食時は俺の密かな楽しみになっていた。大学に入ってこんなに親しくなれた相手はハレサクくんが初めてだった。
それに、俺の隣で笑ってくれる彼は、手の届かない芸能人のような存在ではなく、同年代の男の子でしかなかった。
指の遊びがいつの間にか終わって、日に焼かれてかうっすらと赤く染まった顔で名前を呼ばれる。
「……す、炭木先輩」
ハレサクくんは俺の手を掬い上げ、そのまま軽く握り込んだ。何の影響も受けないように、指先はひんやりとしていた。
「僕と、一緒に暮らして下さい。人よりも貯金があるので、お金のことは心配いりません。先輩の引っ越し費用からこれからの生活費まで、全部僕が負担します。快適に過ごしてもらえるように、身の回りのことも僕がやります。だから、その、僕の側にずっといてもらえませんか……?」
「いいよ」
「え!?」
「来年の春で丸二年だから違約金掛からないし、その頃ならいいよ。俺ももっとバイトのシフト入れて貯金しないとなあ」
ルームシェア。大学生っぽくて、憧れる。人と共同生活するのは不安も多いが、ハレサクくんとならなんとかやっていけそうだと思った。
一つの空想を、互いに共有するような気分だった。途方もない予算で、俺たちがどんな部屋に住むのか、決めてしまおう。どうせ、来年のその時期までには、俺もハレサクくんもルームシェアのことなんか忘れてしまっている。
「次の目的が済んだら、カフェにでも入って話そうよ」
「はいっ!」
俺の手を温かく握り込んで、ハレサクくんは返事をした。そのまま手は解放されることなく、今すぐ話したいと言わんばかりに、早足で歩き出される。犬と散歩するときってこんな感じなのかな、と彼に失礼なことを考えた。
「僕がいるから、先輩はもうバイトしなくていいですよ」
首だけこちらに振り返って、不思議なことを言った。それから、どんな部屋にしようかな、と待ちきれないようで話題を切り出し始めた。
ハレサクくんは、俺が思っているよりもルームシェアに乗り気だった。カフェで注文を終えるとすぐに、親戚が不動産関係に詳しくて、と連絡をし始め、送られてきた間取りや立地の情報をこちらにプレゼンし、最終的に内見の日取りまで決められてしまった。
あんなに饒舌なハレサクくんを見るのは初めてだった。説明も上手で格好良いはずなのに、俺の返事を待つときだけ自信を一気に失う姿はなんだかおかしくて、可愛かった。
同居人は俺を後ろから抱き支え、耳元で囁いてくる。
「いや、一人で食べれるから」
「あーん」
押し切られて、言われるがまま口を開いた。のぞき込んでくるハレサクはいつになく甘い笑みを浮かべ、一口サイズに切られたパンケーキを中へと運んでいった。
「どうですか?」
次の一口を用意している彼に、美味しい、と思ったことをそのまま伝える。
「パンケーキ焼くの本当に上手になったな」
「えへへ、先輩のおかげです」
「すごいよ、ハレサク。……というわけで、後は一人で食べれるから」
「あーん」
俺の抵抗はハレサクによって無理矢理飲み込まされてしまった。咀嚼しながら、両手をこっそり動かしてみる。それぞれの行動範囲は限られているが、片方がついてくることを我慢さえすれば、食事くらいどうにかなりそうだった。
朝食を持ってきた後、ハレサクにされるがままこの格好になった。ベッドの縁に座らされ、彼が俺に覆い被さる様は、……座椅子みたいだなと思う。俺が落ちないよう丁寧に左腕が腹部に巻き付き、足は挟み込まれ、接している部分が暖かくて気持ちが良かった。
飲み込むと同時に、ベッドサイドテーブルに置かれた青いガラス食器へ手を伸ばし、また口の中へ放り込まれる。
「桃です。先輩の口に合えばいいんですけど」
瑞々しく柔らかな果肉を噛むと、甘い果汁が溢れ出た。ゆっくりと食べていると、美味しいならよかったです、と笑い混じりに言われてしまった。
「毎日こうやって過ごしましょうね」
「それは嫌だ」
「え……、どうしてですか……」
「どうしてもなにもないだろ」
俺には俺の、ハレサクにはハレサクの生活がある。いくら夏休みだとは言っても、ずっと部屋に引きこもっているわけにはいかない。
「いッ……!」
急に腹部の締め付けがひどくなり、苦痛混じりの吐息が漏れた。さっきまで食器を握っていた手がいつの間にか俺の顎を掴み、無理矢理ハレサクの方へと押しつけられる。
「炭木先輩、最近僕に隠し事をしていますよね」
「……」
「それが関係してるんですか。どうして僕じゃ駄目なんですか。あなたはこの部屋から出しません、何があっても、絶対に」
そう言い切ると同時に解放されて、身体はそのまま床へと倒れ込んでしまった。頭を打ち付けて、痛い。
うずくまって呼吸を整えていると、大きな手にゅっと伸びてきた。動きを追う間も無く、小気味の良い音を立て手錠の鎖に何かを取り付けられる。フックらしきものに繋がる紐を辿っていくと、終わりはベッドの下に潜り込んでいた。ベッドフレームに括られているのか、はたまた壁や床に別の金具が取り付けられているのかはさっぱり分からない。見える範囲では、紐の長さに余裕はなさそうだった。
「ああ、僕、用事があったんでした。離ればなれになるのは辛いけど、丁度良い機会です。先輩は僕がいないと何も出来ないって、待っている間に理解して下さいね」
足音が、どんどん離れていく。顔だけを上げて彼の背中を眺めた。行動も言動もまるで別人みたいなのに、ハレサクの姿が視界に映るだけで安心してしまう自分がいた。
彼は玄関に繋がる扉の前で立ち止まり、振り返った。
「ここまで来れないと思いますが、炭木先輩が外に出れないように扉に鍵を取り付けました。勿論、開けることが出来るのは僕だけです」
言われてみると、銀色の何かが等間隔に四つほど扉を飾りたてている。
「いつ付けたんだ?」
「秘密です。先輩が僕に隠し事を打ち明けてくれたら、教えます」
「……」
「ひどいひと」
楽しそうに俺をなじって、ハレサクは扉の向こうに消えていった。閉まると同時にリズミカルに鍵が閉められていく。間を置いてくぐもった音が聞こえ、本当に出掛けたんだな、とぼんやりと思う。
手錠が二つ、片方は紐を繋がれて行動制限が掛けられ、扉には見知らぬ鍵が取り付けられている……。
「まあ、自力では出れそうにないな」
この部屋にいる間はずっとハレサクが側にいるから、つい一人になっても空に話しかけてしまう。
とりあえず、這い蹲って前に進んでみる。部屋の半分にも満たない場所で、これ以上は進むな、と紐に咎められた。紐に付けられているフックに触れようとしたが、手首をくねらせて遊んでいるだけになった。スマホは、……いや、俺が回収できるような場所には置いてないか。
現状、ハレサクが帰ってくるまでやれることはなさそうだ。
大人しくベッドに戻ろうとして、何気なく本棚の方へ寄る。あともう少し、といったところで紐がピンと張った。手を伸ばすことは叶わないが、足でならどうにか届きそうだ。ハレサクごめん、と心の中で本棚の管理人に謝罪して、単行本の頭に親指を乗せた。力を掛けて、どうにか抜き取る。床を滑らせ、どうにか俺の不自由な手でも触れる位置まで移動させた。
「これ、懐かしいな。確か、ハレサクとルームシェアすることが決まった日に買ったはず」
講義の課題図書で購入した本だった。大学の図書室は予約の順番がいつ回ってくるか分からず、近辺の図書館で借りてもよかったが、必修だし来年はハレサクが使うだろうと、手元に置くことに決めた。実際、つい一週間前まであいつはこの本をずっと手元に置いて、決められたページだけを何度も確認していた。本の内容は、……レポートで書いた部分以外記憶が曖昧だ。
肌寒さを感じながら定位置に戻って、表紙をめくった。章のタイトルだけはちゃんと覚えていて、なんだか笑えてくる。
ハレサクとは、もう一年近くルームシェアをしている。何度も助けてもらったし、少しは年上らしく頼りにしてもらえることもあった。どういう訳か知り合ったときから、先輩、なんて呼ばれるけど、俺としては先輩後輩という関係を越えてもっと親しい立場の相手だと思っている。ハレサクへの信頼は、閉じこめられたことで反転することもなく、むしろ快適に生活させてくれそうだという場違いな安心感を与えてくれていた。
それはそれとして、困った。明日は絶対に外へ出たい、例えハレサクにどれだけ文句を言われようとも。
*
火曜の二限、大講義室での選択必修は半ばの左側で受けるものだと決まっている。
「炭木先輩!」
ドアを開くと同時にハレサクくんが顔を上げ、にこやかに手を振ってくれた。室内にはそれなりに人がいて、美形の一挙一動を誰もが密かに注目している。居たたまれない視線を全身に受け早足で彼の元へ向かうと、場所取り用のトートバックを素早く動かし、お待ちしてました、と笑みを輝かせた。申し訳ないことに、ホワイトボード前に置かれた配付資料を俺の分も取ってくれている。
座って前回のレジュメと一緒にお茶のペットボトルを取り出し、お詫びとして手渡した。これだけのことなのに、ハレサクくんは身体をうっすらと揺らして分かりやすく喜んでくれる。柔らかな髪が跳ねて、まるでもう一つの耳のように見えた。
「なんかごめんね。それと、いつもありがとう」
「先輩と一緒に講義を受けるのが夢だったので、むしろこんな贅沢が許されるのかという気持ちが強くて……!」
「そっか? てか、先輩なんて言わなくていいよ、敬われるよう人間じゃないし。炭木とか、ショウジとか、好きに呼んでよ」
「す、好きに……! じゃあ、炭木先輩って呼ばせて下さい! ずっと、あなたに直接先輩って言いたかったんです」
「なるほど……?」
本人が望んでいるなら、俺が口出しすることでもないか。一人納得して、ルーズリーフや筆記用具を机に広げていくと、すみきせんぱい、と躊躇いがちに呼ばれた。
「どうした、ハレサクくん」
「よ、呼びたかっただけですっ」
顔を向ければ、逃げるように逸らされた。机の下に隠れた指先が、絡み合ったり、離れたり、忙しなく蠢いている。これはハレサクくんの癖らしく、落ち着かないときに無意識に遊んでしまうのだと、廊下で出会った翌日に教えてくれた。
やっぱり、年上の人間に絡まれるのは、緊張するのだろうか。俺も初めはバイト先の先輩と話すの、なんとなく怖かったし。気が緩んでくれることを願いながら、彼の耳元に口を近付ける。
「いつものカフェの日替わりランチ、なんだろうな」
互いに三限を入れていないため、大学から少し離れたカフェでのんびりすることももうお決まりになっている。優良物件である彼を狙っている生徒も多く、一緒に昼食を食べたいと言われることも少なくなかった。間に入ってやんわりと断れるように手助けしているが、小声で話し知られないに越したことはない。
ハレサクくんはぎこちなくその美貌を動かし、血色が綺麗に浮かんだ頬をこちらに晒した。眉を下げて微笑むと、困っているようにも、照れているようにも見えた。
「先輩とのお昼、楽しみです」
言うと同時に開始のチャイムが鳴る。前回の内容を確認する振りをして、彼の両手を見た。いつの間にかぴったりとくっついていたものが機械的に離れ、机の上へと移動していく。シャーペンを手に取り、そのまま固まって、親指でそれを押さえながら残りの指を開閉して遊び出した。真面目そうな彼には似合わない行動だなと呑気に考えていると、レジュメの端に、『僕、なにかしましたか?』とハレサクくんに見合った華奢な筆跡で記された。
悪いことをしたと胸の中で反省し、先ほどの言葉に倣って『見てただけ、ごめん』と余白の鏡写しになるような位置に書いた。もう見てません、と証明するように顔を上げる。教授の脱線話に耳を傾けながら、今日は本題に入るまで何分かかるかな、と意識をハレサクくんから時計の方へ移す。秒針もまたこちらの視線に萎縮して、ゆっくりと進んでいく。
初めて彼と食事をした日から感じていたことは、日を追うごとに確信へと変わっていった。
ハレサクくんは俺と趣味が合う。
あの小説の感想を彼は熱心に語ってくれた。言葉選びは心地良く、解釈の方向は同じ位置を向いていて、自分の意思を伝えるときは俺の感情に配慮するような一言を毎回付け加えてくれた。俺の話にこんなに真剣に付き合ってくれたのは、ハレサクくんが初めてだった。
俺が面白いと言った作品は彼も楽しめていたし、彼がつまらないと言った作品は俺にとってもあまり惹かれる部分がなかった。流石に二人で意見が分かれることもあったが、どこを気に入ったのか言い合う時間も楽しかった。火曜日に会うだけの関係が、暇な時間にメッセージのやりとりをするようになり、月曜日、木曜日、金曜日、と二限か三限の出席がある日も会うようになって、最後には一限四限の中飛びの水曜日すら家に帰らず図書室で時間を潰すようになった。コースを違えた友人とは必修で会えるし、あっちもあっちで同じコースの友人と昼食を取っていて、お互い特に気にしてはいない。
そんな頻度で会っているのに、休日に遊ぶのは初めてだった。
「ハレサクくんがいてくれて助かったよ。暑いのにわざわざ俺を迎えに来てくれるし、本当に頼りになるな」
梅雨明けの太陽は眩しく、一気に夏らしい気候へと変わっていた。大型書店で冷えた身体も、外気によって一気に熱されてしまう。街路樹によって出来た申し訳程度の日陰に身を隠しながら、次の目的地へと足を進めていた。
実家から電車通学しているハレサクくんは、この周辺が経由地になってしまうのも関わらず、わざわざ大学まで迎えに来てくれた。必修講義の課題図書は大学近辺の書店では手に入らず、購買で取り寄せるか、こっちの大型書店まで足を運ぶかの二択になっていた。何気なく彼にその話をしてみたら、案内役を買って出てくれたのだった。
「まさか炭木先輩が方向音痴だったなんて、知りませんでした。カフェに行くときに反対方向へ曲がろうとするのも、土地勘がないからだとばかり……」
思わず足が止まる。自分では誤魔化せていただったが、思いっきりバレていた。コンクリートに反射した熱が羞恥心を一層強く沸き立てる。体温を逃がす先を探して俯けば、頭上で小さな笑い声が聞こえた。
「……なんだ」
恥ずかしさを堪えてハレサクくんを睨みつける。木漏れ日の作るコントラストが彼の美しさを際立たせ、いつもと違う余裕ありげな雰囲気を作り出していた。
「嬉しいなと思って。僕に貸し出すために本を買ってくれたことも、休日に誘い出してくれたことも、先輩が頼ってくれたことも、全部」
いつもと違って声色は揺れることなく、はっきりとした口調で伝えて来るものだから、余計に恥ずかしくなってきた。こういう内面の誠実さがハレサクくんの女子人気を加速させるのだろうと、勝手に納得する。
「気にしてないならいいけど。まあ、もし、彼女とか出来たら言ってよ、流石にハレサクくんの邪魔はしないから」
「え……」
歩き出すと同時に腕を引っ張られ、後ろによろけた。人にぶつかりそうになったのを助けてくれたのだろうか。転ぶ前に彼に支えられ、身体を半分預けたまま耳元で問いかけられる。
「どうしてそんなこと言うんですか。僕のことは用済みになったんですか」
聞いたことがないほど、低い声だった。ハレサクくんは今どんな表情をしているのだろう、と頭の片隅で考えた。けれど、思い浮かぶのは、恥じらいの混ざった笑顔だけだった。
「ハレサクくんはモテるし、迷惑になってないかなって思っただけ。気に障ったならごめん」
「僕が言い寄られているせいで、先輩は離れようとするんですか。他の人間が先輩に何か言ったんですか」
思わず口を噤んでしまった。確かに、ハレサクくんと一緒に講義を取るようになってから、学年問わず女子から声を掛けられることは増えた。一緒にご飯を食べたい、とか、連絡先が知りたい、とか、ハレサクくんとの接点を持つためのきっかけ役として求められている。
「やっぱりそうなんですね、先輩は誰がに脅されてるんだ」
「脅されてないよ」
体勢を直し、彼に腕を掴まれたまま振り返った。木陰が彼の顔に掛かり、なんだか恐ろしい表情を取っているように見えた。下ろされた視線には、こちらの言葉を拒絶するような圧がある。
「気付かれないようにしてたつもりだったけど……。ハレサクくんに関する相談は、全部断ってる。告白されるの苦手って言ってたのに仲を取り次ぐのって、俺もその子も不誠実だろ。だから、頼まれても、本人に直接言ってって返してた」
とは言っても、空き時間のほとんどは俺と過ごしてくれている。しかも学食は基本利用しないし、講義前後の一瞬しか告白のチャンスがないため、自分でも酷い返し方だなと思う。
「そう、なんですか」
「ハレサクくんが隣にいるときはそれとなく話題を逸らさせているし、不誠実なのは俺だけかもしれないけどね。俺だって、趣味が合う相手と話す時間が減るのは嫌だからさ」
気恥ずかしさを誤魔化すように笑いながら返せば、ハレサクくんはへにゃりと顔を綻ばせた。彼の手は離れると同時に、胸前で重ね合わされる。握ったり、撫でたり、と動く様を見て、これはどういう意味なのだろうと悩んだ。
言葉を促すように、強い風が吹いた。頭上を覆う木の葉が揺れ、陰が形を変える。午後の明るい日差しが、彼の美しい顔を照らした。うっすらと汗ばんだ肌が、光に照らされて輝いている。
「先輩がずっと側にいてくれたらいいのに」
諦めを口にしているものの、声色はアンバランスな爽やかさを含んでいた。
「俺はハレサクくんと一緒にいれたらいいなと思うけど。もう、後輩っていうか、仲の良い友達って感じするし」
迷惑だとしても、彼との縁を繋ぎ止めておきたい。講義を一緒に受ける友人がいるのは気分的に楽だし、昼食時は俺の密かな楽しみになっていた。大学に入ってこんなに親しくなれた相手はハレサクくんが初めてだった。
それに、俺の隣で笑ってくれる彼は、手の届かない芸能人のような存在ではなく、同年代の男の子でしかなかった。
指の遊びがいつの間にか終わって、日に焼かれてかうっすらと赤く染まった顔で名前を呼ばれる。
「……す、炭木先輩」
ハレサクくんは俺の手を掬い上げ、そのまま軽く握り込んだ。何の影響も受けないように、指先はひんやりとしていた。
「僕と、一緒に暮らして下さい。人よりも貯金があるので、お金のことは心配いりません。先輩の引っ越し費用からこれからの生活費まで、全部僕が負担します。快適に過ごしてもらえるように、身の回りのことも僕がやります。だから、その、僕の側にずっといてもらえませんか……?」
「いいよ」
「え!?」
「来年の春で丸二年だから違約金掛からないし、その頃ならいいよ。俺ももっとバイトのシフト入れて貯金しないとなあ」
ルームシェア。大学生っぽくて、憧れる。人と共同生活するのは不安も多いが、ハレサクくんとならなんとかやっていけそうだと思った。
一つの空想を、互いに共有するような気分だった。途方もない予算で、俺たちがどんな部屋に住むのか、決めてしまおう。どうせ、来年のその時期までには、俺もハレサクくんもルームシェアのことなんか忘れてしまっている。
「次の目的が済んだら、カフェにでも入って話そうよ」
「はいっ!」
俺の手を温かく握り込んで、ハレサクくんは返事をした。そのまま手は解放されることなく、今すぐ話したいと言わんばかりに、早足で歩き出される。犬と散歩するときってこんな感じなのかな、と彼に失礼なことを考えた。
「僕がいるから、先輩はもうバイトしなくていいですよ」
首だけこちらに振り返って、不思議なことを言った。それから、どんな部屋にしようかな、と待ちきれないようで話題を切り出し始めた。
ハレサクくんは、俺が思っているよりもルームシェアに乗り気だった。カフェで注文を終えるとすぐに、親戚が不動産関係に詳しくて、と連絡をし始め、送られてきた間取りや立地の情報をこちらにプレゼンし、最終的に内見の日取りまで決められてしまった。
あんなに饒舌なハレサクくんを見るのは初めてだった。説明も上手で格好良いはずなのに、俺の返事を待つときだけ自信を一気に失う姿はなんだかおかしくて、可愛かった。
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