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両想いカレンダー 3
『8月16日 お祭り 屋台は16時~』
夏の夕方は長い。淡い空にはキツネ色の光が爽やかに広がっていて、日が落ちないまま夜になってしまうのかとさえ感じさせる。
いつもと変わらない人の波も、神社の方へと進むに連れてどんどん増えていった。ハレサクは隣で案内をしてくれる傍らで、不安そうに自分の身体周りを確認していた。釣られて俺も自分の着こなしに不備がないか見てみるが、そもそも甚平自体初めてで何が間違いかが分からなかった。
浴衣を持って帰ってきてから、毎晩着付けの練習をしていたこともあり、思いの外手際良く着ていた。たった一枚を羽織って、何やら重ね合わせたり、親指くらいの太さの紐で縛ったりしたら、それを軽く整えて、思ったよりも細みな帯を結んだだけでいつの間にか完成していた。従姉妹が選んだという紺色に灰色の縦縞が入った浴衣や灰青の帯は、いつもとは違う落ち着いた大人っぽい雰囲気を作っている。雑誌のモデルが目の前にいるような疎外感があったのに、困り顔で似合っているかを聞いてくるといつもの可愛いハレサクに戻ってしまうから、不思議だった。
「炭木先輩」
不意に立ち止まり、ハレサクはこちらへ手を差し出した。
「神社に近付いてきて人も増えてきたので、その、はぐれないように手を繋ぎませんか……?」
「そうだな」
良くも悪くもハレサクは目立つから探すのは簡単だが、きっと俺を見つけるのは大変に違いない。それを掴めば、何かを確かめるようにゆっくりと指に力が込められていった。隣で足を進め始めたのを感じて、俺も歩き出した。
「お祭り、楽しみです。去年は行けなかったので!」
「まだバイトのこと恨んでるのか? あのときは悪かった」
「そうですよ! 炭木先輩ってば、僕のことをほったらかしにして! ……なーんて、冗談です。あの頃はまだ人が多い場所は苦手だったから、僕から誘うことはなかったと思います」
なんてことないように言う横顔に、返す言葉を失ってしまった。ミルクブラウンを飾るヘアピンも、夕日を反射する睫毛も、落ち着きのある頬も、それが当然のことだと語っている。
地域の祭りがあると教えてくれたのも、誘ってくれたのも、ハレサクの方だった。
「どれだけ時間が経っても『ハレサクくん』だった事実も、自分の容姿が人よりは優れていることも、変わらないので。第三者の視線が僕に向いてるって、案外分かるんですよ。だから、人が多い場所は疲れるので、自分からは言い出せなかったです」
「じゃあ、なんで今年は誘ってくれたんだ……?」
思わず立ち止まって問いかけると、俺に合わせるようにハレサクも足を止めた。汗ばむ肌がはにかみを輝かせていた。
「先輩の視線以外いらないって思ったら、気にならなくなったからです」
そう言って手を引かれ、されるがまま歩みを進めた。歩道からコインランドリーの駐車場に避難するとすぐに、ぱっと手が離されてしまう。
ハレサクは小気味のいい足取りで後ろへと下がり、ぱっと両手を左右に広げた。そのままその場で回り始める。浴衣の裾や袖は動きの余韻を残し、黄金の光は彼の血色の良い皮膚を飾りたてていた。困り顔に似た照れ笑いの中に、いつもとは違う自信めいたものが滲んでいる。
もうハレサクの中に、二年前に出会った可哀想な高校生はいなかった。
「炭木先輩、今日の僕はどうですか?」
ミルクブラウンの編み込みも、それを押さえ彩るヘアピンも、新鮮でいいなと思った。綺麗に浴衣を着れててすごいよ、もっと誉めるべきだった。シンプルな色味や柄だからこそ、お前の良さが際立っている。今日一日しか浴衣を着ないなんて、勿体ない。
「浴衣、すごく、似合ってるよ」
唇が勝手に震える。いろいろと言葉が頭の中に浮かんでいたのに、その一言を言うので精一杯だった。ハレサクはその場で小さくガッツポーズを作ってから、こちらに駆け寄ってくる。
「やったあ、頑張った甲斐がありました!」
手に届く距離にあるのに、スクリーンのもっと向こうにいる存在のようで、何故か触れるのが怖い。それなのにこいつは俺の手を掬い上げて、また歩道の方へと引っ張っていく。
見慣れた背中なのに、どうしてか広い気がする。浴衣や帯がそう錯覚させるのだろうか。すれ違う人々の声が遠く、祭りの熱に浮かされた街並みはどうしてか静かだ。柔らかな毛先が跳ねると、俺の心臓も釣られて大きく鼓動して、うるさい。犬の散歩だ、なんていつもなら思っているはずなのに、知らない男を必死に追いかけているように感じていた。
祭り会場は歩行者天国になっており、広い道の左右に色とりどりの屋台が肩を寄せ合っていた。目当てのものを見つけるどころか、二人で歩くのもやっとな人混みに、握られていた手に力が籠められる。『銀河鉄道の夜』で見た素朴な祭りの風景とは正反対の様子に、頭上で小さな呻き声が聞こえた。
「こんなに人がいっぱい……」
苦しそうな声色を感じてハレサクの顔をのぞき込めば、こちらの視線に気付いて少しだけ固い笑顔が向けられた。
「大丈夫ですよ、僕たち一緒に進んで行くんですから。絶対に炭木先輩の手を離しません。僕と先輩はどこまでも一緒に進んで、時間になったら花火も見るんです」
まるで、自分に言い聞かせているようだった。強く握り返して、足を一歩踏み出す。
「そうだな。ああ、ほら、あっちの屋台は光る玩具が売ってて面白いな。子どももいっぱい集まってる。あっちにはかき氷屋とか、焼きそばとか、ベビーカステラなんかも並んでるぞ。ハレサクは気になる店とかないのか?」
「記憶の曖昧な頃に来たきりで、何があるとかよく分からないんです」
人に押されて、手だけでなく、腕や肩も触れ合っていた。足を動かすごとに少しずつ会話のペースが戻ってきて、射的ですよ、とか、リンゴ飴は知ってます、とか、目に見えたものを一つひとつ丁寧に報告してくる。それに相槌を打ちながら進んでいたところで、隣から、あっ! と声が弾んだ。
「輪投げだ! 撮影で泊まったときに、輪投げもあったんですよ。まあ、横矢くんに邪魔されましたけど……」
「やっていくか?」
「いいんですか!?」
瞳が期待に輝いていた。頷くと同時に進行方向が少しずつ左に寄っていく。人と人の隙間を縫って、何とか店前までたどり着くことが出来た。近付いてみると、景品がずらっと並べられているタイプではなく、『1』から『9』までの数字が並びその中心に棒が立っている正方形のボードがいくつか置かれているタイプだったが、あのときと同じだ、と横ではしゃぐのが聞こえたのでこれで正解だと安堵した。
ボードの後ろに手書きのルール説明と料金案内が貼られている。
『入った合計点で景品ゲット!
子ども(5本) 300円
(10本)500円
大人 (5本) 500円』
その周囲に控える景品に高額なものは見当たらない。ボードの端の景品コーナーは合計点毎に整理されているが、どれを見ても子ども向けのチープな玩具や駄菓子が入っているだけだった。
横目でハレサクを盗み見ると、もうボードに釘付けになっている。手を離して、店主の元へ足を伸ばす。遊んでいる子どもを見守っていたが、俺に気付いて、大人は五本五百円ね、と口頭で説明された。
「二人で」
甚平のポケットから財布を取りだし、千円を引き抜く。店主は受け取った後に、この子が終わってからだと言いながら、輪を五本ずつ手渡してきた。それぞれを握って振り返れば、ハレサクはぽかんとした表情で俺を見ていて、可愛かった。
「ほら、ハレサクの分。この子が終わってからだってさ」
「え、先輩、ありがとうございます? ……いや、なんで払ってるんですか!」
「ハレサクと輪投げしたかったからに決まってるだろ。今日は横矢くんじゃなくて、俺と勝負だな」
『銀河鉄道の夜』を観た日の恨み言を聞くに、彼が勝負事を持ちかけていてもおかしくないと思った。それに、そもそも今ハレサクの横にいるのは横矢くんではなくて、俺だ。
他の人じゃなくて、俺を見て欲しい。
「先輩と勝負するの嫌です……。優劣がつくのは、あまり得意じゃなくて……」
輪を持ったときは怒っていたのに、今度はしょんぼりと表情を沈ませて、かと思えば頬を薄く染めて微笑んだ。
「でも、あの日はいなかった先輩と一緒に輪投げが出来るなら、嫌とか得意じゃないとか言ってられないですよね。僕が勝っちゃいますよ!」
勝ち気な瞳が俺を捉えている。
それが、嬉しかった。
「そんなことを言われたら、負けられないな」
自分の唇の端が、勝手に上がっていく。焚きつけるようなことを言ったくせに、ハレサクのためならわざと負けてしまってもいいような、くすぐったい気持ちが胸の奥に滲んでいった。
先ほどまで遊んでいた子が投げ終わり、盤上や周辺に落ちた輪が回収されていく。店主が地面に引かれたラインを指しながら、そこから出たら失格だ、とからかうように忠告した。説明はそれだけらしく、どうぞ、と言われ、それぞれボードの前にそれぞれ立つ。
「い、いきますっ……!」
意気込む声に引っ張られ、意識はボードではなくハレサクの方を向いていた。祭りの屋台には相応しくない、強ばった表情で、身体のあちこちがいつもよりも堅苦しい。輪をぎゅっと握って、そろそろとボードの方に伸ばし、手を離した。
輪は、ハレサクの手の真下に落ちていった。
「ハっ、ハレサクっ……! それ、はっ、なんだ?」
あまりにもおかしくて、自分の手にある輪をすべて地面に落としてしまいそうだった。羞恥で顔を燃やしこちらを睨みつけるハレサクに、兄ちゃん下手だなあ、と店主も追い打ちを掛けている。
「……ひどいひと!」
幼く罵って盤面へ顔を逸らし、分かりやすく拗ねていた。もう俺と店主のことは無視すると決めたのか、次の輪を利き手に移し、狙いを定め始める。腕の動きは先ほどよりも柔らかで、浴衣の袖を軽く揺らしながら伸びていく。
先ほどとは違って、輪は綺麗に宙を泳いでいく。遠くへ、遠くへと一直線に進み、屋台の限界まで到達し、テントの鮮やかな布にぶつかる。その瞬間に輪は勢いを失って、落下していった。
「ま、まあ、あと三本あるし、な?」
そう励ましながら、ハレサクの指を盗み見た。意外にも、輪を持つ指はしっかりと自分の役目を全うしようと大人しく握ることに専念している。長い指がやってきた瞬間に力を緩め、一つ分が出入りする隙間を作り、丁寧な動きで輪は抜かれていく。
不躾な視線が向いているのに気付いてか、輪をこちらに振ってきた。謝る間もなく、怒ってないですよ、と言われてしまう。優しい音なのに、祭りの喧噪にかき消されることのない、芯のある声色だった。
「炭木先輩にはみっともないところも、格好良いところも、全部見られたいですから。もっと僕を知って、もっともっと僕を好きになって下さい」
次は入れないと、と自分に言い聞かせ、輪を構えた。いつもより引き締まった目元がボードを見据る。火照りの引いた肌は艶やかで、きゅっと結ばれた口元の端が心の弾みを映していた。ゆっくりと瞬きをして、落ち着いた所作で腕を動かす。自然と放たれた輪は、引き寄せられるように棒の中心を潜り抜けた。根本に到達し、『3』に丸を付ける。
脚本をなぞるようなドラマチックな展開が、目の前で広がっていた。
「先輩、ちゃんと見ていてくれましたか?」
こちらに問いかける目元は緩み、もう次の言葉が分かっているように無邪気な微笑みを作っている。夕日の沈んだ空と屋台の眩しすぎるライト、行き交う人々の話し声、少しだけ着崩れた浴衣、サイドに編み込みの入ったミルクブラウン……。すべてが主張することなく、一人の人間を引き立てるためだけに存在していた。
ハレサクが、今日はやけに綺麗だ。
出会ったときから容姿が整っていると思っていた。けれど、それとは違う、身から出る美しさがハレサクを輝かせているように感じる。カメラなんかじゃきっと、この綺麗な姿を完璧に捉えることなんて出来ない。
ただただ、圧倒されていた。
「見ていた。ちゃんと、お前のことだけ」
言葉がつっかえて、上手に返せた自信がなかった。
「良かったです」
柔らかな瞳が、俺だけに向いていた意識が、ボードへと戻っていく。手を伸ばそうとして、指の上で輪が暴れる。慌てて握り直したときにはもう、次に向けて照準を合わせ始めている。
結局、ハレサクが点を取れたのはあの一回だけだった。残りの二本は棒と棒の間に挟まって、得点とならなかった。
対して俺は大人げなく腕を目一杯伸ばして得点を荒稼ぎし、ずるいです! とハレサクに怒られた。
神社での参拝も済ませてから屋台の混雑を抜け出し、ビルの屋上で休憩していた。地元の人間だから穴場の場所を知っている、……というわけではなく、ハレサクの親戚が管理しているため非常階段を使って登っても問題ないというだけだった。
フェンスに身体を預け、夜空を見上げる。濃紺一杯に銀色の点が瞬いていた。手を伸ばせば届きそうでいて、どこまでも果てしなく広がっている。
「どれが夏の大三角だっけ」
夜風に乗って、ハレサクの笑い声が頬を撫でた。
「去年、一緒にプラネタリウムにいったのに、僕たち全然覚えてないですね」
「なんだ、ハレサクも忘れたのか。俺だけだと思ってたから、安心した」
「あの日は伝えるか、伝えないか、ずっと悩んでいましたから、ちょっとだけ上の空でした」
「楽しんでたのは俺だけだったか」
「ふふ、先輩が拗ねてるの珍しいですね。僕も楽しんでましたよ。ペアシートで一緒に星空の旅をしていたら、この時間が壊れるなら伝えなくてもいいやって思ったくらい、すごく」
「……そっか」
実際の星空は、プラネタリウムとも、『銀河鉄道の夜』とも、全く違う輝きを放っていた。小さな星の一つひとつも、よく見ればそれぞれ大きさが違う。小さいもの同士で身を寄せ合っているものもあれば、一人で堂々と光るものもある。
「前に、俺が大人になるのは嫌だって言ってたけど、いつの間にか俺の方が置いてかれている気がする」
「そう、ですか?」
不思議そうに聞き返され、頷く。一年間ずっと隣でハレサクのことを見てきたのだ、間違いない。
「初めて出会った高校生の頃よりもずっと綺麗で、自信があって、でも抜けているところはそのままで……。その内、俺はお前の背中も見えなくなるんだろうな」
「絶対に僕が先輩を置いていくことはありません」
不意に、何かが指に触れた。それは隙間を縫って、絡み合い、背も平も関係なく抱き締めていく。触れている部分が、熱い。
「僕たちずっと一緒なんですから。方向音痴の先輩を僕が案内して、僕が迷ったときは先輩が側で一緒に悩んでくれるでしょう?」
「一緒……」
「臆病な僕を変えてくれたのは、先輩なんですよ。ちゃんと、責任、取って下さい」
小さく笑って、ハレサクは俺の名前を呼んだ。どうしたのかと彼の方に顔を向ける。
その瞬間、あの綺麗な顔を鮮やかな光が照らした。艶めく唇が語るすべてを、大きな爆発音がかき消す。ハレサクは一人で言い切って、満足そうな笑みを浮かべた。
光は収まり、少しの余韻を残しながらまた二人きりの静寂が戻ってくる。
「今、なんて言ったんだ?」
「花火が綺麗ですね、って言いました!」
直感でも何でもなく、嘘だと分かった。唇の動きは明らかにそれとは違っていた。けれど、あまりにも嬉しそうに言うから、そっか、と納得するほかなかった。
また、視界の端で光が一直線に駆け抜けていった。それは星の輝きを遮りながら咲き誇り、ハレサクの頬を彩る。長い睫毛や俺を見つめる瞳に反射して、きらきらと輝いていた。
やっぱり、今日のハレサクは綺麗だ。
「ハレサク、好きだ」
慕ってくれる可愛い後輩として、好きだ。
趣味の合う友達として、好きだ。
頼れる同居人として、好きだ。
晴佐久カイが、好きだ。
方向音痴の俺を案内するのはお前でないと駄目だ。側でお前のことを見つめていたい。一つに絞りきれない様々な側面のハレサクを、一つも取りこぼすことなく愛したい。お前の隣にいるのは、俺でありたい。
俺の言葉もまた、花火によってかき消された。
「炭木先輩、今、なんて言ったんですか?」
柔く緩んだ瞳が、俺だけを捉えている。そう思うと心が落ち着かない。花火の音が大きすぎるからだと言い訳しそうになっている自分がおかしくて、つい笑ってしまう。
無邪気に問いかけてくる恋人候補の手を、出来る限り強く握り返した。
「花火が綺麗だ、って言ったんだ」
「えへへ、やっぱり僕たち一緒ですね」
煙が広がる星空に視線を向けた。晴れ切る前に花火が上がり、暗い夜空で輝きが弾けた。ハレサクに体重を少しだけ預けて、心地の良い無言のまま、それを眺めていた。
『来年も誘ってくれ。
絶対に、絶対に! 来年もお誘いします!』
夏の夕方は長い。淡い空にはキツネ色の光が爽やかに広がっていて、日が落ちないまま夜になってしまうのかとさえ感じさせる。
いつもと変わらない人の波も、神社の方へと進むに連れてどんどん増えていった。ハレサクは隣で案内をしてくれる傍らで、不安そうに自分の身体周りを確認していた。釣られて俺も自分の着こなしに不備がないか見てみるが、そもそも甚平自体初めてで何が間違いかが分からなかった。
浴衣を持って帰ってきてから、毎晩着付けの練習をしていたこともあり、思いの外手際良く着ていた。たった一枚を羽織って、何やら重ね合わせたり、親指くらいの太さの紐で縛ったりしたら、それを軽く整えて、思ったよりも細みな帯を結んだだけでいつの間にか完成していた。従姉妹が選んだという紺色に灰色の縦縞が入った浴衣や灰青の帯は、いつもとは違う落ち着いた大人っぽい雰囲気を作っている。雑誌のモデルが目の前にいるような疎外感があったのに、困り顔で似合っているかを聞いてくるといつもの可愛いハレサクに戻ってしまうから、不思議だった。
「炭木先輩」
不意に立ち止まり、ハレサクはこちらへ手を差し出した。
「神社に近付いてきて人も増えてきたので、その、はぐれないように手を繋ぎませんか……?」
「そうだな」
良くも悪くもハレサクは目立つから探すのは簡単だが、きっと俺を見つけるのは大変に違いない。それを掴めば、何かを確かめるようにゆっくりと指に力が込められていった。隣で足を進め始めたのを感じて、俺も歩き出した。
「お祭り、楽しみです。去年は行けなかったので!」
「まだバイトのこと恨んでるのか? あのときは悪かった」
「そうですよ! 炭木先輩ってば、僕のことをほったらかしにして! ……なーんて、冗談です。あの頃はまだ人が多い場所は苦手だったから、僕から誘うことはなかったと思います」
なんてことないように言う横顔に、返す言葉を失ってしまった。ミルクブラウンを飾るヘアピンも、夕日を反射する睫毛も、落ち着きのある頬も、それが当然のことだと語っている。
地域の祭りがあると教えてくれたのも、誘ってくれたのも、ハレサクの方だった。
「どれだけ時間が経っても『ハレサクくん』だった事実も、自分の容姿が人よりは優れていることも、変わらないので。第三者の視線が僕に向いてるって、案外分かるんですよ。だから、人が多い場所は疲れるので、自分からは言い出せなかったです」
「じゃあ、なんで今年は誘ってくれたんだ……?」
思わず立ち止まって問いかけると、俺に合わせるようにハレサクも足を止めた。汗ばむ肌がはにかみを輝かせていた。
「先輩の視線以外いらないって思ったら、気にならなくなったからです」
そう言って手を引かれ、されるがまま歩みを進めた。歩道からコインランドリーの駐車場に避難するとすぐに、ぱっと手が離されてしまう。
ハレサクは小気味のいい足取りで後ろへと下がり、ぱっと両手を左右に広げた。そのままその場で回り始める。浴衣の裾や袖は動きの余韻を残し、黄金の光は彼の血色の良い皮膚を飾りたてていた。困り顔に似た照れ笑いの中に、いつもとは違う自信めいたものが滲んでいる。
もうハレサクの中に、二年前に出会った可哀想な高校生はいなかった。
「炭木先輩、今日の僕はどうですか?」
ミルクブラウンの編み込みも、それを押さえ彩るヘアピンも、新鮮でいいなと思った。綺麗に浴衣を着れててすごいよ、もっと誉めるべきだった。シンプルな色味や柄だからこそ、お前の良さが際立っている。今日一日しか浴衣を着ないなんて、勿体ない。
「浴衣、すごく、似合ってるよ」
唇が勝手に震える。いろいろと言葉が頭の中に浮かんでいたのに、その一言を言うので精一杯だった。ハレサクはその場で小さくガッツポーズを作ってから、こちらに駆け寄ってくる。
「やったあ、頑張った甲斐がありました!」
手に届く距離にあるのに、スクリーンのもっと向こうにいる存在のようで、何故か触れるのが怖い。それなのにこいつは俺の手を掬い上げて、また歩道の方へと引っ張っていく。
見慣れた背中なのに、どうしてか広い気がする。浴衣や帯がそう錯覚させるのだろうか。すれ違う人々の声が遠く、祭りの熱に浮かされた街並みはどうしてか静かだ。柔らかな毛先が跳ねると、俺の心臓も釣られて大きく鼓動して、うるさい。犬の散歩だ、なんていつもなら思っているはずなのに、知らない男を必死に追いかけているように感じていた。
祭り会場は歩行者天国になっており、広い道の左右に色とりどりの屋台が肩を寄せ合っていた。目当てのものを見つけるどころか、二人で歩くのもやっとな人混みに、握られていた手に力が籠められる。『銀河鉄道の夜』で見た素朴な祭りの風景とは正反対の様子に、頭上で小さな呻き声が聞こえた。
「こんなに人がいっぱい……」
苦しそうな声色を感じてハレサクの顔をのぞき込めば、こちらの視線に気付いて少しだけ固い笑顔が向けられた。
「大丈夫ですよ、僕たち一緒に進んで行くんですから。絶対に炭木先輩の手を離しません。僕と先輩はどこまでも一緒に進んで、時間になったら花火も見るんです」
まるで、自分に言い聞かせているようだった。強く握り返して、足を一歩踏み出す。
「そうだな。ああ、ほら、あっちの屋台は光る玩具が売ってて面白いな。子どももいっぱい集まってる。あっちにはかき氷屋とか、焼きそばとか、ベビーカステラなんかも並んでるぞ。ハレサクは気になる店とかないのか?」
「記憶の曖昧な頃に来たきりで、何があるとかよく分からないんです」
人に押されて、手だけでなく、腕や肩も触れ合っていた。足を動かすごとに少しずつ会話のペースが戻ってきて、射的ですよ、とか、リンゴ飴は知ってます、とか、目に見えたものを一つひとつ丁寧に報告してくる。それに相槌を打ちながら進んでいたところで、隣から、あっ! と声が弾んだ。
「輪投げだ! 撮影で泊まったときに、輪投げもあったんですよ。まあ、横矢くんに邪魔されましたけど……」
「やっていくか?」
「いいんですか!?」
瞳が期待に輝いていた。頷くと同時に進行方向が少しずつ左に寄っていく。人と人の隙間を縫って、何とか店前までたどり着くことが出来た。近付いてみると、景品がずらっと並べられているタイプではなく、『1』から『9』までの数字が並びその中心に棒が立っている正方形のボードがいくつか置かれているタイプだったが、あのときと同じだ、と横ではしゃぐのが聞こえたのでこれで正解だと安堵した。
ボードの後ろに手書きのルール説明と料金案内が貼られている。
『入った合計点で景品ゲット!
子ども(5本) 300円
(10本)500円
大人 (5本) 500円』
その周囲に控える景品に高額なものは見当たらない。ボードの端の景品コーナーは合計点毎に整理されているが、どれを見ても子ども向けのチープな玩具や駄菓子が入っているだけだった。
横目でハレサクを盗み見ると、もうボードに釘付けになっている。手を離して、店主の元へ足を伸ばす。遊んでいる子どもを見守っていたが、俺に気付いて、大人は五本五百円ね、と口頭で説明された。
「二人で」
甚平のポケットから財布を取りだし、千円を引き抜く。店主は受け取った後に、この子が終わってからだと言いながら、輪を五本ずつ手渡してきた。それぞれを握って振り返れば、ハレサクはぽかんとした表情で俺を見ていて、可愛かった。
「ほら、ハレサクの分。この子が終わってからだってさ」
「え、先輩、ありがとうございます? ……いや、なんで払ってるんですか!」
「ハレサクと輪投げしたかったからに決まってるだろ。今日は横矢くんじゃなくて、俺と勝負だな」
『銀河鉄道の夜』を観た日の恨み言を聞くに、彼が勝負事を持ちかけていてもおかしくないと思った。それに、そもそも今ハレサクの横にいるのは横矢くんではなくて、俺だ。
他の人じゃなくて、俺を見て欲しい。
「先輩と勝負するの嫌です……。優劣がつくのは、あまり得意じゃなくて……」
輪を持ったときは怒っていたのに、今度はしょんぼりと表情を沈ませて、かと思えば頬を薄く染めて微笑んだ。
「でも、あの日はいなかった先輩と一緒に輪投げが出来るなら、嫌とか得意じゃないとか言ってられないですよね。僕が勝っちゃいますよ!」
勝ち気な瞳が俺を捉えている。
それが、嬉しかった。
「そんなことを言われたら、負けられないな」
自分の唇の端が、勝手に上がっていく。焚きつけるようなことを言ったくせに、ハレサクのためならわざと負けてしまってもいいような、くすぐったい気持ちが胸の奥に滲んでいった。
先ほどまで遊んでいた子が投げ終わり、盤上や周辺に落ちた輪が回収されていく。店主が地面に引かれたラインを指しながら、そこから出たら失格だ、とからかうように忠告した。説明はそれだけらしく、どうぞ、と言われ、それぞれボードの前にそれぞれ立つ。
「い、いきますっ……!」
意気込む声に引っ張られ、意識はボードではなくハレサクの方を向いていた。祭りの屋台には相応しくない、強ばった表情で、身体のあちこちがいつもよりも堅苦しい。輪をぎゅっと握って、そろそろとボードの方に伸ばし、手を離した。
輪は、ハレサクの手の真下に落ちていった。
「ハっ、ハレサクっ……! それ、はっ、なんだ?」
あまりにもおかしくて、自分の手にある輪をすべて地面に落としてしまいそうだった。羞恥で顔を燃やしこちらを睨みつけるハレサクに、兄ちゃん下手だなあ、と店主も追い打ちを掛けている。
「……ひどいひと!」
幼く罵って盤面へ顔を逸らし、分かりやすく拗ねていた。もう俺と店主のことは無視すると決めたのか、次の輪を利き手に移し、狙いを定め始める。腕の動きは先ほどよりも柔らかで、浴衣の袖を軽く揺らしながら伸びていく。
先ほどとは違って、輪は綺麗に宙を泳いでいく。遠くへ、遠くへと一直線に進み、屋台の限界まで到達し、テントの鮮やかな布にぶつかる。その瞬間に輪は勢いを失って、落下していった。
「ま、まあ、あと三本あるし、な?」
そう励ましながら、ハレサクの指を盗み見た。意外にも、輪を持つ指はしっかりと自分の役目を全うしようと大人しく握ることに専念している。長い指がやってきた瞬間に力を緩め、一つ分が出入りする隙間を作り、丁寧な動きで輪は抜かれていく。
不躾な視線が向いているのに気付いてか、輪をこちらに振ってきた。謝る間もなく、怒ってないですよ、と言われてしまう。優しい音なのに、祭りの喧噪にかき消されることのない、芯のある声色だった。
「炭木先輩にはみっともないところも、格好良いところも、全部見られたいですから。もっと僕を知って、もっともっと僕を好きになって下さい」
次は入れないと、と自分に言い聞かせ、輪を構えた。いつもより引き締まった目元がボードを見据る。火照りの引いた肌は艶やかで、きゅっと結ばれた口元の端が心の弾みを映していた。ゆっくりと瞬きをして、落ち着いた所作で腕を動かす。自然と放たれた輪は、引き寄せられるように棒の中心を潜り抜けた。根本に到達し、『3』に丸を付ける。
脚本をなぞるようなドラマチックな展開が、目の前で広がっていた。
「先輩、ちゃんと見ていてくれましたか?」
こちらに問いかける目元は緩み、もう次の言葉が分かっているように無邪気な微笑みを作っている。夕日の沈んだ空と屋台の眩しすぎるライト、行き交う人々の話し声、少しだけ着崩れた浴衣、サイドに編み込みの入ったミルクブラウン……。すべてが主張することなく、一人の人間を引き立てるためだけに存在していた。
ハレサクが、今日はやけに綺麗だ。
出会ったときから容姿が整っていると思っていた。けれど、それとは違う、身から出る美しさがハレサクを輝かせているように感じる。カメラなんかじゃきっと、この綺麗な姿を完璧に捉えることなんて出来ない。
ただただ、圧倒されていた。
「見ていた。ちゃんと、お前のことだけ」
言葉がつっかえて、上手に返せた自信がなかった。
「良かったです」
柔らかな瞳が、俺だけに向いていた意識が、ボードへと戻っていく。手を伸ばそうとして、指の上で輪が暴れる。慌てて握り直したときにはもう、次に向けて照準を合わせ始めている。
結局、ハレサクが点を取れたのはあの一回だけだった。残りの二本は棒と棒の間に挟まって、得点とならなかった。
対して俺は大人げなく腕を目一杯伸ばして得点を荒稼ぎし、ずるいです! とハレサクに怒られた。
神社での参拝も済ませてから屋台の混雑を抜け出し、ビルの屋上で休憩していた。地元の人間だから穴場の場所を知っている、……というわけではなく、ハレサクの親戚が管理しているため非常階段を使って登っても問題ないというだけだった。
フェンスに身体を預け、夜空を見上げる。濃紺一杯に銀色の点が瞬いていた。手を伸ばせば届きそうでいて、どこまでも果てしなく広がっている。
「どれが夏の大三角だっけ」
夜風に乗って、ハレサクの笑い声が頬を撫でた。
「去年、一緒にプラネタリウムにいったのに、僕たち全然覚えてないですね」
「なんだ、ハレサクも忘れたのか。俺だけだと思ってたから、安心した」
「あの日は伝えるか、伝えないか、ずっと悩んでいましたから、ちょっとだけ上の空でした」
「楽しんでたのは俺だけだったか」
「ふふ、先輩が拗ねてるの珍しいですね。僕も楽しんでましたよ。ペアシートで一緒に星空の旅をしていたら、この時間が壊れるなら伝えなくてもいいやって思ったくらい、すごく」
「……そっか」
実際の星空は、プラネタリウムとも、『銀河鉄道の夜』とも、全く違う輝きを放っていた。小さな星の一つひとつも、よく見ればそれぞれ大きさが違う。小さいもの同士で身を寄せ合っているものもあれば、一人で堂々と光るものもある。
「前に、俺が大人になるのは嫌だって言ってたけど、いつの間にか俺の方が置いてかれている気がする」
「そう、ですか?」
不思議そうに聞き返され、頷く。一年間ずっと隣でハレサクのことを見てきたのだ、間違いない。
「初めて出会った高校生の頃よりもずっと綺麗で、自信があって、でも抜けているところはそのままで……。その内、俺はお前の背中も見えなくなるんだろうな」
「絶対に僕が先輩を置いていくことはありません」
不意に、何かが指に触れた。それは隙間を縫って、絡み合い、背も平も関係なく抱き締めていく。触れている部分が、熱い。
「僕たちずっと一緒なんですから。方向音痴の先輩を僕が案内して、僕が迷ったときは先輩が側で一緒に悩んでくれるでしょう?」
「一緒……」
「臆病な僕を変えてくれたのは、先輩なんですよ。ちゃんと、責任、取って下さい」
小さく笑って、ハレサクは俺の名前を呼んだ。どうしたのかと彼の方に顔を向ける。
その瞬間、あの綺麗な顔を鮮やかな光が照らした。艶めく唇が語るすべてを、大きな爆発音がかき消す。ハレサクは一人で言い切って、満足そうな笑みを浮かべた。
光は収まり、少しの余韻を残しながらまた二人きりの静寂が戻ってくる。
「今、なんて言ったんだ?」
「花火が綺麗ですね、って言いました!」
直感でも何でもなく、嘘だと分かった。唇の動きは明らかにそれとは違っていた。けれど、あまりにも嬉しそうに言うから、そっか、と納得するほかなかった。
また、視界の端で光が一直線に駆け抜けていった。それは星の輝きを遮りながら咲き誇り、ハレサクの頬を彩る。長い睫毛や俺を見つめる瞳に反射して、きらきらと輝いていた。
やっぱり、今日のハレサクは綺麗だ。
「ハレサク、好きだ」
慕ってくれる可愛い後輩として、好きだ。
趣味の合う友達として、好きだ。
頼れる同居人として、好きだ。
晴佐久カイが、好きだ。
方向音痴の俺を案内するのはお前でないと駄目だ。側でお前のことを見つめていたい。一つに絞りきれない様々な側面のハレサクを、一つも取りこぼすことなく愛したい。お前の隣にいるのは、俺でありたい。
俺の言葉もまた、花火によってかき消された。
「炭木先輩、今、なんて言ったんですか?」
柔く緩んだ瞳が、俺だけを捉えている。そう思うと心が落ち着かない。花火の音が大きすぎるからだと言い訳しそうになっている自分がおかしくて、つい笑ってしまう。
無邪気に問いかけてくる恋人候補の手を、出来る限り強く握り返した。
「花火が綺麗だ、って言ったんだ」
「えへへ、やっぱり僕たち一緒ですね」
煙が広がる星空に視線を向けた。晴れ切る前に花火が上がり、暗い夜空で輝きが弾けた。ハレサクに体重を少しだけ預けて、心地の良い無言のまま、それを眺めていた。
『来年も誘ってくれ。
絶対に、絶対に! 来年もお誘いします!』
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