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婚礼の儀③
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クロムとベリルが帰った後、コランはイアランを仕事部屋に呼んだ。
黒檀の机の引き出しから、コランは桐でできた箱を取り出す。中には大人の拳くらいの大きさの石が入っていた。その石は二つの色を有していた。真ん中から綺麗に色が別れている。片方は紫がかった紅色で、もう一方は濃い青色であった。
「これはね、鋼玉と言うんだ。ルビーやサファイアの原石だよ」
「同じ石なのですか」
「そう。クロムを含み赤いものがルビー、鉄やチタンを含んで青いものがブルーサファイアと呼ばれているんだ」
ルビーに似たコランの赤い目が、サファイアに似たイアランの青色の目を映す。
「ルビーとブルーサファイアの原石が一つになっているものはとても珍しいのだよ」
コランはイアランの大きな掌の中に、そっとその石を入れた。
「本当は僕たちの指輪の石にしようと思ったのだけど、この二つの色を別つのが惜しくなってしまってね」
困ったように笑うコランの手に、イアランは自分の手を重ねる。
「はい、これは、このままがいいです」
「僕もそう思う。これは僕たちの宝物にしようね」
コランは背伸びをしながらイアランの首に腕を伸ばす。
イアランは身をかがめ、コランの求めるまま唇を重ねた。驚くほど満ち足りた気持ちが胸に広がっていく。コランともっと触れ合いたいという欲求が膨らんできて、イアランは新たに芽生えた心情に戸惑う。
「コラン様、・・・・・・んっ、もう・・・・・・」
深くなる口づけを、イアランは顎を引いてかわそうとするが、コランは腕を首に絡ませたまま逃してくれない。
「だめだよ。そんな顔をされたらやめられなくなる」
コランの赤い目の中に獣性が顔を出しギラリと光る。イアランの青い目は熱を帯びて潤んでおり、どちらが食われる獲物かは明白であった。
コランはイアランを寝室に誘った。寝台にイアランを座らせ、向かい合うように膝に跨る。
「だめです。身体に障ります」
「触れ合うくらいいいだろう。イアランは僕が欲しくない?」
「日が高いうちから、」
イアランの唇を口づけで塞いだ。華奢な手を褐色の胸元に忍ばせれば、イアランはわずかに目元を赤く染め顔を背ける。
コランがそのまま胸の飾りをつまむと、イアランはビクリと震えた。コランが指先で擦り合わせるように弄り続けるが、イアランはもう何も言わなかった。
「いい子だねイアラン」
コランの手は下履きの中に潜り込む。すっかり昂ったお互いのものを取り出し擦り合わせた。擦れあうたび熱さと硬度が増していくのを感じ取る。身体が芯から熱くなり、汗を吸ったチュニックは脱ぎ捨ててしまった。先端から溢れた液が混じり合い水音を立てる。互いの吐息も湿り気を帯びていく。
もう快感の頂きに届こうかという時に、
「悪い。やっぱり我慢できない」
コランはイアランを押し倒しうつ伏せにした。イアランは敷布が汚れるだのまたコランが倒れてしまうだの言っていたが、コランはイアランの中に入っていった。ビクビクと褐色の背中が跳ねる様も、尻の筋肉が収縮して隘路が狭まる様も情欲を誘った。
「はっ・・・・・・あ・・・・・・締まるっ・・・・・・」
コランは思わず声を漏らす。腰を上から叩きつけるように律動を繰り返した。
「あっ、ああっ、コラン様っ、コラン様っ・・・・・・!」
抑えようとしてもなお喘ぎが漏れ出てしまうイアランが愛おしい。コランが動きを止めてみても、イアランが身悶えながら快感に翻弄される様はなんとも支配欲や嗜虐をそそった。
コランは逞しい背中に口づけと愛の言葉を降らせながらイアランを貪った。イアランは乱れた。それに際限なく興奮する。本能のまま何度も欲を吐き出して、精魂尽き果てると抱き合って眠った。
夕食の時間になっても二人は起き上がれず、部屋に食事を運ばせ侍従に呆れられた。それでも二人でゆっくり食事をしたのは久しぶりで、安らぎと幸せな時間を噛み締めたのであった。
黒檀の机の引き出しから、コランは桐でできた箱を取り出す。中には大人の拳くらいの大きさの石が入っていた。その石は二つの色を有していた。真ん中から綺麗に色が別れている。片方は紫がかった紅色で、もう一方は濃い青色であった。
「これはね、鋼玉と言うんだ。ルビーやサファイアの原石だよ」
「同じ石なのですか」
「そう。クロムを含み赤いものがルビー、鉄やチタンを含んで青いものがブルーサファイアと呼ばれているんだ」
ルビーに似たコランの赤い目が、サファイアに似たイアランの青色の目を映す。
「ルビーとブルーサファイアの原石が一つになっているものはとても珍しいのだよ」
コランはイアランの大きな掌の中に、そっとその石を入れた。
「本当は僕たちの指輪の石にしようと思ったのだけど、この二つの色を別つのが惜しくなってしまってね」
困ったように笑うコランの手に、イアランは自分の手を重ねる。
「はい、これは、このままがいいです」
「僕もそう思う。これは僕たちの宝物にしようね」
コランは背伸びをしながらイアランの首に腕を伸ばす。
イアランは身をかがめ、コランの求めるまま唇を重ねた。驚くほど満ち足りた気持ちが胸に広がっていく。コランともっと触れ合いたいという欲求が膨らんできて、イアランは新たに芽生えた心情に戸惑う。
「コラン様、・・・・・・んっ、もう・・・・・・」
深くなる口づけを、イアランは顎を引いてかわそうとするが、コランは腕を首に絡ませたまま逃してくれない。
「だめだよ。そんな顔をされたらやめられなくなる」
コランの赤い目の中に獣性が顔を出しギラリと光る。イアランの青い目は熱を帯びて潤んでおり、どちらが食われる獲物かは明白であった。
コランはイアランを寝室に誘った。寝台にイアランを座らせ、向かい合うように膝に跨る。
「だめです。身体に障ります」
「触れ合うくらいいいだろう。イアランは僕が欲しくない?」
「日が高いうちから、」
イアランの唇を口づけで塞いだ。華奢な手を褐色の胸元に忍ばせれば、イアランはわずかに目元を赤く染め顔を背ける。
コランがそのまま胸の飾りをつまむと、イアランはビクリと震えた。コランが指先で擦り合わせるように弄り続けるが、イアランはもう何も言わなかった。
「いい子だねイアラン」
コランの手は下履きの中に潜り込む。すっかり昂ったお互いのものを取り出し擦り合わせた。擦れあうたび熱さと硬度が増していくのを感じ取る。身体が芯から熱くなり、汗を吸ったチュニックは脱ぎ捨ててしまった。先端から溢れた液が混じり合い水音を立てる。互いの吐息も湿り気を帯びていく。
もう快感の頂きに届こうかという時に、
「悪い。やっぱり我慢できない」
コランはイアランを押し倒しうつ伏せにした。イアランは敷布が汚れるだのまたコランが倒れてしまうだの言っていたが、コランはイアランの中に入っていった。ビクビクと褐色の背中が跳ねる様も、尻の筋肉が収縮して隘路が狭まる様も情欲を誘った。
「はっ・・・・・・あ・・・・・・締まるっ・・・・・・」
コランは思わず声を漏らす。腰を上から叩きつけるように律動を繰り返した。
「あっ、ああっ、コラン様っ、コラン様っ・・・・・・!」
抑えようとしてもなお喘ぎが漏れ出てしまうイアランが愛おしい。コランが動きを止めてみても、イアランが身悶えながら快感に翻弄される様はなんとも支配欲や嗜虐をそそった。
コランは逞しい背中に口づけと愛の言葉を降らせながらイアランを貪った。イアランは乱れた。それに際限なく興奮する。本能のまま何度も欲を吐き出して、精魂尽き果てると抱き合って眠った。
夕食の時間になっても二人は起き上がれず、部屋に食事を運ばせ侍従に呆れられた。それでも二人でゆっくり食事をしたのは久しぶりで、安らぎと幸せな時間を噛み締めたのであった。
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