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introduction
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金曜日の夜はどいつもこいつも浮ついてやがる。
駅の入り口で円柱形の柱に背をつけながら、馬鹿みたいに笑う大学生だの、もうクタクタって風態ながらも何処ホッとした表情のサラリーマンだの、すでに出来上がってる酔っ払いの集団だのを流し見る。
在来線に加えて地下鉄や新幹線の全列車が停車し、デパートや地下街なんかも併設された地方最大のターミナル駅は浮かれまくったヤツらで賑わっていた。熱に浮かされた夏の夜。
まあ、イヤホンを耳に突っ込みゲイアプリで男を漁る俺も似たようなもんだ。
ゲイアプリはゲイ同士のマッチングアプリだ。
アプリを開くと、名前、写真、ウケかタチか、恋人募集か、イチャつくのがいいか、ヤルのがいいのかなんかを書き込んだプロフィールがズラリと画面に並ぶ。
相手のプロフをタップして、ダイレクトメールを送り目的地に着いた事を伝えた。
ウォークマンのスイッチを入れると切ないピアノの音色にダニエル・パウターの柔らかい声が乗っかって、ガチャガチャした景色が音楽に包まれ途端に優しいモノに見える。
やはりBGMというのは大切だ。
ストレスにささくれ立った心が少しだけ凪ぐ。
携帯の時計を確認すると、午後9時。
そろそろ時間だ。
行き交う人の流れに目を凝らすと、流れに翻弄される落ち葉のようにくるくると回転しながら誰かを探している風の人物を見つける。
ハリーポッターみてえな癖のある黒髪に丸い眼鏡。周りの人間より5センチくらい背が低い。目印の深緑の半袖Tシャツ。
今夜の相手はたぶんコイツだ。
BGMに耳を傾ける。ダニエル・パウターのアルバムは次の曲に移っていた。
ハリーポッターに似てるし、仮名をダニエルとしよう。
どうせ今日セックスしたらもう会うこともないんだから。
駅の入り口で円柱形の柱に背をつけながら、馬鹿みたいに笑う大学生だの、もうクタクタって風態ながらも何処ホッとした表情のサラリーマンだの、すでに出来上がってる酔っ払いの集団だのを流し見る。
在来線に加えて地下鉄や新幹線の全列車が停車し、デパートや地下街なんかも併設された地方最大のターミナル駅は浮かれまくったヤツらで賑わっていた。熱に浮かされた夏の夜。
まあ、イヤホンを耳に突っ込みゲイアプリで男を漁る俺も似たようなもんだ。
ゲイアプリはゲイ同士のマッチングアプリだ。
アプリを開くと、名前、写真、ウケかタチか、恋人募集か、イチャつくのがいいか、ヤルのがいいのかなんかを書き込んだプロフィールがズラリと画面に並ぶ。
相手のプロフをタップして、ダイレクトメールを送り目的地に着いた事を伝えた。
ウォークマンのスイッチを入れると切ないピアノの音色にダニエル・パウターの柔らかい声が乗っかって、ガチャガチャした景色が音楽に包まれ途端に優しいモノに見える。
やはりBGMというのは大切だ。
ストレスにささくれ立った心が少しだけ凪ぐ。
携帯の時計を確認すると、午後9時。
そろそろ時間だ。
行き交う人の流れに目を凝らすと、流れに翻弄される落ち葉のようにくるくると回転しながら誰かを探している風の人物を見つける。
ハリーポッターみてえな癖のある黒髪に丸い眼鏡。周りの人間より5センチくらい背が低い。目印の深緑の半袖Tシャツ。
今夜の相手はたぶんコイツだ。
BGMに耳を傾ける。ダニエル・パウターのアルバムは次の曲に移っていた。
ハリーポッターに似てるし、仮名をダニエルとしよう。
どうせ今日セックスしたらもう会うこともないんだから。
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