36 / 164
第三章 母子草
お茶の味
しおりを挟む
九虎が十八の時、婚約の話で秋虎が宗主影虎に呼ばれた。秋虎が自室に戻ったと聞き、九虎は急ぎ秋虎の元へ参った。きっと婚約の話だろうと、胸を躍らせた。だが、部屋からは母乎虎の不安な声が聞こえ、九虎は戸の前で耳を澄ました。
「あなた、影虎様のお話はどうでした?」
「…嫁候補にはなったが、玄武家から玄枝の名も上った」
玄枝の名に九虎は目を見開く。
「玄枝が? 何故ですか?」
「玄枝は今の五神家の中で霊力が一番高い、それに九虎を嫁にすることで我々の勢力が増し、四神家の調和が崩れるのでないかと、意見が出た…」
「でっでは九虎は?」
「まだわからん。近々黄龍殿で五神家集会がある、その時に決まるだろう…」
「そんなっ」
「まだ決まってはおらんっ、その時に私も影虎様に呼ばれておる…」
詰め寄る乎虎に苛つき、秋虎は大きく溜息を吐いた。
「わかりました…」
九虎は戸の外で唇を咬みしめ、自室へと引き返した。
後日、話が気になっていた九虎は、秋虎が呼び出された日に、戻りの時刻を見計らって両親の自室に忍び込み、寝床の側で膝を抱え隠れていた。「ドンドンドンドン」荒い足音が部屋に近付き「パン!」戸が開き九虎はびくっと肩を跳ね上げる。
「くそっ! ふざけやがってっ、何が調和だ! 黄羊がまだ若いからって、自分達の意見を通そうとしているだけではないかっ!」
「何てこと…こんな、あの子は黄星と婚約できると思っています!」
「影虎様は五神家で決まったことは、覆せぬと申されたっ、諦めよっ…」
「あっあの子に何て言えばよいのですっ…九虎はっ、黄星を慕っているのですよ!」
乎虎は九虎の想いを知っていたのだ。九虎は泣きながら、必死に声を殺し唇を咬みしめる。
「なっ? 何故それを早く言わぬかっ! 今更もう遅いではないかっ!」
静まり返った中で、乎虎の泣き声だけが聞こえてきた。母は娘のことを思って泣いているのか、父は娘の想いを知っていれば違うやり方をしたのか。それとも、二人共叶わぬ野心に悔しんでいるのか。どちらにせよ、九虎は勢力争いに使われたのだと知った。
九虎が二十一の時状況が一変する。両親の自室に呼ばれて行くと、入るなり乎虎が涙ぐんで九虎を抱きしめた。
「九虎っ黄星と婚姻できますよ!」
「そうだぞ九虎っ、お前は最初から候補に上がっておったっ 今更お前を反対する者などおらぬわっハハハ」
秋虎は目を丸くして大声で笑うが、九虎は状況が掴めず抱きつく乎虎に尋ねる。
「母上っ、どういうことですか?」
「一月後には婚姻の儀を行います」
「本当にっ? でも玄枝は…」
「黄羊がどうしても、あなたを側室に迎えたいそうよ!」
九虎は自分の存在が認められたと思った。悔しかった日々が報われる。たとえそれが両親ではなく、他者から得られたものでも素直に嬉しく思い、自然と涙が溢れた。
「本当に私は…ううっ… 黄星と婚姻できるのですね…」
「そうよ九虎、良かったわね」
そう言って、乎虎は九虎の涙を拭った。
その後、宗主黄羊が九虎のために九龍殿を建てた。慌ただしく婚儀の準備が進み、黄龍家女子特有の装束、金の羽織が九虎に贈られてきた。上質な絹糸で織られた布は、淡く品のある光沢に、とても滑らかな肌触り、九虎は羽織を頬にあて涙ぐみ、女子としての気持ちを昂らせた。
一月後に婚儀が行われ、九虎と黄星は初夜を迎え自室にいた。二人は寝床で向かい合って座り、黄星が九虎の手を取る。
「九虎…」
呼ばれて九虎は微笑むが、黄星は曇った顔をしていた。
「幼い頃からお前のことは、良き友のように思ってきた」
「私はあなたをっ」
「私は玄枝を大事に想っている。嫁に来た日のお前にこのようなことを言うのは、申し訳ないと思ってる…」
黄星は頭を下げた。
「なっ何を言っているのですか?」
九虎は頭を上げさせようとするが、そのままの姿勢で黄星は言う。
「父上はお前と早く子を成すよう言われたが、最初の子は……玄枝と成したいと思っている」
「どっどうしてですかっ?」
黄星は顔を上げ九虎の手を強く握る。
「争いを避けるためだよ、わかってくれ……私は父上のような野心家ではない、お前のこともお前との子も大事にしたいと思っているが… 玄枝が今塞ぎ込んでいて、付いていてやりたいのだ… すまない…」
黄星は手を離して立ち上がり、九虎の前を横切り部屋を出て行った。九虎は追いかけようとするも足に力が入らず「ドタン」寝床から崩れ落ち、身体を引き摺りながら戸に手を伸ばす。
「おっ黄星? わっ私を置いて行くのですかっ… あなたは私をっ慕ってはいませんの? ではっ…わっ…私はっ一体何ですの‼︎」
九虎は声を張り上げるが、黄星が戻って来ることはなかった。
「ううっ…わ…私は子を成す道具ですか! ううっ…私を置いて、玄枝の所に行くのですかっ! こんな仕打ち許さぬっ…父上、母上… 黄星っ、玄枝っ! 許さぬっ…私をここまで侮辱するなんて…ゔゔっ…」
九虎は床に蹲って泣き喚き、涙が尽きる頃には悲嘆を通り越し、いつしか全ての者への怒りへと移り変わった。
争いに巻き込んだのはお前達だ!
「いいでしょう…はっ、お前など玄枝にくれてやるわっ……ゔゔっ… その代わり必ず私との子を成し、宗主の座に座らせてくれよう…私の子を必ず!」
憤怒の眼差しで戸を睨みつける九虎の唇からは、悔しさの血が滲み出ていた。
─ 現在 ─
九虎は椅子に腰掛け過去を思い返していた。
「九虎様、お茶をお待ちいたしました」
「入りなさい」
「はっはいっ」
先程の侍女は恐々と戸を開け中に入る。
「さっきはごめんなさいね、あなたに当たってしまって、悪く思わないでね」
いつになく優しい九虎の口調に、侍女は手振りで微笑む。
「いっいいえ、私が気が利きかず申し訳ありませんでした」
ぴくりと片眉を動かし、九虎はぎろっと侍女を見る。
「…本当、気が利かないのは分家だからかしら?」
「え?」
……。
「主人の陰口を主人の自室の前で言うなんて、どのような教育をされてきたの?」
微笑みながら言う九虎に、侍女は顔面蒼白になり慌てて頭を下げる。
「もっ…申し訳ありません!」
「二度はないですよ、お下がり」
そう言って、九虎は湯呑みに手を伸ばす。
「は…はい……」
侍女は半泣きの状態で部屋から下がる。
九虎は温かいお茶を飲むと、質の良い上品な味がした。我が子が宗主となった今、自分を利用する者などいない。自分は使う側の存在なのだと確信しながらも、お茶の渋味が唇の傷口に沁みていた。
「あなた、影虎様のお話はどうでした?」
「…嫁候補にはなったが、玄武家から玄枝の名も上った」
玄枝の名に九虎は目を見開く。
「玄枝が? 何故ですか?」
「玄枝は今の五神家の中で霊力が一番高い、それに九虎を嫁にすることで我々の勢力が増し、四神家の調和が崩れるのでないかと、意見が出た…」
「でっでは九虎は?」
「まだわからん。近々黄龍殿で五神家集会がある、その時に決まるだろう…」
「そんなっ」
「まだ決まってはおらんっ、その時に私も影虎様に呼ばれておる…」
詰め寄る乎虎に苛つき、秋虎は大きく溜息を吐いた。
「わかりました…」
九虎は戸の外で唇を咬みしめ、自室へと引き返した。
後日、話が気になっていた九虎は、秋虎が呼び出された日に、戻りの時刻を見計らって両親の自室に忍び込み、寝床の側で膝を抱え隠れていた。「ドンドンドンドン」荒い足音が部屋に近付き「パン!」戸が開き九虎はびくっと肩を跳ね上げる。
「くそっ! ふざけやがってっ、何が調和だ! 黄羊がまだ若いからって、自分達の意見を通そうとしているだけではないかっ!」
「何てこと…こんな、あの子は黄星と婚約できると思っています!」
「影虎様は五神家で決まったことは、覆せぬと申されたっ、諦めよっ…」
「あっあの子に何て言えばよいのですっ…九虎はっ、黄星を慕っているのですよ!」
乎虎は九虎の想いを知っていたのだ。九虎は泣きながら、必死に声を殺し唇を咬みしめる。
「なっ? 何故それを早く言わぬかっ! 今更もう遅いではないかっ!」
静まり返った中で、乎虎の泣き声だけが聞こえてきた。母は娘のことを思って泣いているのか、父は娘の想いを知っていれば違うやり方をしたのか。それとも、二人共叶わぬ野心に悔しんでいるのか。どちらにせよ、九虎は勢力争いに使われたのだと知った。
九虎が二十一の時状況が一変する。両親の自室に呼ばれて行くと、入るなり乎虎が涙ぐんで九虎を抱きしめた。
「九虎っ黄星と婚姻できますよ!」
「そうだぞ九虎っ、お前は最初から候補に上がっておったっ 今更お前を反対する者などおらぬわっハハハ」
秋虎は目を丸くして大声で笑うが、九虎は状況が掴めず抱きつく乎虎に尋ねる。
「母上っ、どういうことですか?」
「一月後には婚姻の儀を行います」
「本当にっ? でも玄枝は…」
「黄羊がどうしても、あなたを側室に迎えたいそうよ!」
九虎は自分の存在が認められたと思った。悔しかった日々が報われる。たとえそれが両親ではなく、他者から得られたものでも素直に嬉しく思い、自然と涙が溢れた。
「本当に私は…ううっ… 黄星と婚姻できるのですね…」
「そうよ九虎、良かったわね」
そう言って、乎虎は九虎の涙を拭った。
その後、宗主黄羊が九虎のために九龍殿を建てた。慌ただしく婚儀の準備が進み、黄龍家女子特有の装束、金の羽織が九虎に贈られてきた。上質な絹糸で織られた布は、淡く品のある光沢に、とても滑らかな肌触り、九虎は羽織を頬にあて涙ぐみ、女子としての気持ちを昂らせた。
一月後に婚儀が行われ、九虎と黄星は初夜を迎え自室にいた。二人は寝床で向かい合って座り、黄星が九虎の手を取る。
「九虎…」
呼ばれて九虎は微笑むが、黄星は曇った顔をしていた。
「幼い頃からお前のことは、良き友のように思ってきた」
「私はあなたをっ」
「私は玄枝を大事に想っている。嫁に来た日のお前にこのようなことを言うのは、申し訳ないと思ってる…」
黄星は頭を下げた。
「なっ何を言っているのですか?」
九虎は頭を上げさせようとするが、そのままの姿勢で黄星は言う。
「父上はお前と早く子を成すよう言われたが、最初の子は……玄枝と成したいと思っている」
「どっどうしてですかっ?」
黄星は顔を上げ九虎の手を強く握る。
「争いを避けるためだよ、わかってくれ……私は父上のような野心家ではない、お前のこともお前との子も大事にしたいと思っているが… 玄枝が今塞ぎ込んでいて、付いていてやりたいのだ… すまない…」
黄星は手を離して立ち上がり、九虎の前を横切り部屋を出て行った。九虎は追いかけようとするも足に力が入らず「ドタン」寝床から崩れ落ち、身体を引き摺りながら戸に手を伸ばす。
「おっ黄星? わっ私を置いて行くのですかっ… あなたは私をっ慕ってはいませんの? ではっ…わっ…私はっ一体何ですの‼︎」
九虎は声を張り上げるが、黄星が戻って来ることはなかった。
「ううっ…わ…私は子を成す道具ですか! ううっ…私を置いて、玄枝の所に行くのですかっ! こんな仕打ち許さぬっ…父上、母上… 黄星っ、玄枝っ! 許さぬっ…私をここまで侮辱するなんて…ゔゔっ…」
九虎は床に蹲って泣き喚き、涙が尽きる頃には悲嘆を通り越し、いつしか全ての者への怒りへと移り変わった。
争いに巻き込んだのはお前達だ!
「いいでしょう…はっ、お前など玄枝にくれてやるわっ……ゔゔっ… その代わり必ず私との子を成し、宗主の座に座らせてくれよう…私の子を必ず!」
憤怒の眼差しで戸を睨みつける九虎の唇からは、悔しさの血が滲み出ていた。
─ 現在 ─
九虎は椅子に腰掛け過去を思い返していた。
「九虎様、お茶をお待ちいたしました」
「入りなさい」
「はっはいっ」
先程の侍女は恐々と戸を開け中に入る。
「さっきはごめんなさいね、あなたに当たってしまって、悪く思わないでね」
いつになく優しい九虎の口調に、侍女は手振りで微笑む。
「いっいいえ、私が気が利きかず申し訳ありませんでした」
ぴくりと片眉を動かし、九虎はぎろっと侍女を見る。
「…本当、気が利かないのは分家だからかしら?」
「え?」
……。
「主人の陰口を主人の自室の前で言うなんて、どのような教育をされてきたの?」
微笑みながら言う九虎に、侍女は顔面蒼白になり慌てて頭を下げる。
「もっ…申し訳ありません!」
「二度はないですよ、お下がり」
そう言って、九虎は湯呑みに手を伸ばす。
「は…はい……」
侍女は半泣きの状態で部屋から下がる。
九虎は温かいお茶を飲むと、質の良い上品な味がした。我が子が宗主となった今、自分を利用する者などいない。自分は使う側の存在なのだと確信しながらも、お茶の渋味が唇の傷口に沁みていた。
1
あなたにおすすめの小説
強制悪役劣等生、レベル99の超人達の激重愛に逃げられない
砂糖犬
BL
悪名高い乙女ゲームの悪役令息に生まれ変わった主人公。
自分の未来は自分で変えると強制力に抗う事に。
ただ平穏に暮らしたい、それだけだった。
とあるきっかけフラグのせいで、友情ルートは崩れ去っていく。
恋愛ルートを認めない弱々キャラにわからせ愛を仕掛ける攻略キャラクター達。
ヒロインは?悪役令嬢は?それどころではない。
落第が掛かっている大事な時に、主人公は及第点を取れるのか!?
最強の力を内に憑依する時、その力は目覚める。
12人の攻略キャラクター×強制力に苦しむ悪役劣等生
何故よりにもよって恋愛ゲームの親友ルートに突入するのか
風
BL
平凡な学生だったはずの俺が転生したのは、恋愛ゲーム世界の“王子”という役割。
……けれど、攻略対象の女の子たちは次々に幸せを見つけて旅立ち、
気づけば残されたのは――幼馴染みであり、忠誠を誓った騎士アレスだけだった。
「僕は、あなたを守ると決めたのです」
いつも優しく、忠実で、完璧すぎるその親友。
けれど次第に、その視線が“友人”のそれではないことに気づき始め――?
身分差? 常識? そんなものは、もうどうでもいい。
“王子”である俺は、彼に恋をした。
だからこそ、全部受け止める。たとえ、世界がどう言おうとも。
これは転生者としての使命を終え、“ただの一人の少年”として生きると決めた王子と、
彼だけを見つめ続けた騎士の、
世界でいちばん優しくて、少しだけ不器用な、じれじれ純愛ファンタジー。
【完結】禁断の忠誠
海野雫
BL
王太子暗殺を阻止したのは、ひとりの宦官だった――。
蒼嶺国――龍の血を継ぐ王家が治めるこの国は、今まさに権力の渦中にあった。
病に伏す国王、その隙を狙う宰相派の野心。玉座をめぐる見えぬ刃は、王太子・景耀の命を狙っていた。
そんな宮廷に、一人の宦官・凌雪が送り込まれる。
幼い頃に売られ、冷たい石造りの宮殿で静かに生きてきた彼は、ひっそりとその才覚を磨き続けてきた。
ある夜、王太子を狙った毒杯の罠をいち早く見破り、自ら命を賭してそれを阻止する。
その行動をきっかけに、二人の運命の歯車が大きく動き始める――。
宰相派の陰謀、王家に渦巻く疑念と忠誠、そして宮廷の奥深くに潜む暗殺の影。
互いを信じきれないまま始まった二人の主従関係は、やがて禁じられた想いと忠誠のはざまで揺れ動いていく。
己を捨てて殿下を守ろうとする凌雪と、玉座を背負う者として冷徹であろうとする景耀。
宮廷を覆う陰謀の嵐の中で、二人が交わした契約は――果たして主従のものか、それとも……。
後宮に咲く美しき寵后
不来方しい
BL
フィリの故郷であるルロ国では、真っ白な肌に金色の髪を持つ人間は魔女の生まれ変わりだと伝えられていた。生まれた者は民衆の前で焚刑に処し、こうして人々の安心を得る一方、犠牲を当たり前のように受け入れている国だった。
フィリもまた雪のような肌と金髪を持って生まれ、来るべきときに備え、地下の部屋で閉じ込められて生活をしていた。第四王子として生まれても、処刑への道は免れられなかった。
そんなフィリの元に、縁談の話が舞い込んでくる。
縁談の相手はファルーハ王国の第三王子であるヴァシリス。顔も名前も知らない王子との結婚の話は、同性婚に偏見があるルロ国にとって、フィリはさらに肩身の狭い思いをする。
ファルーハ王国は砂漠地帯にある王国であり、雪国であるルロ国とは真逆だ。縁談などフィリ信じず、ついにそのときが来たと諦めの境地に至った。
情報がほとんどないファルーハ王国へ向かうと、国を上げて祝福する民衆に触れ、処刑場へ向かうものだとばかり思っていたフィリは困惑する。
狼狽するフィリの元へ現れたのは、浅黒い肌と黒髪、サファイア色の瞳を持つヴァシリスだった。彼はまだ成人にはあと二年早い子供であり、未成年と婚姻の儀を行うのかと不意を突かれた。
縁談の持ち込みから婚儀までが早く、しかも相手は未成年。そこには第二王子であるジャミルの思惑が隠されていて──。
あなたの隣で初めての恋を知る
彩矢
BL
5歳のときバス事故で両親を失った四季。足に大怪我を負い車椅子での生活を余儀なくされる。しらさぎが丘養護施設で育ち、高校卒業後、施設を出て一人暮らしをはじめる。
その日暮らしの苦しい生活でも決して明るさを失わない四季。
そんなある日、突然の雷雨に身の危険を感じ、雨宿りするためにあるマンションの駐車場に避難する四季。そこで、運命の出会いをすることに。
一回りも年上の彼に一目惚れされ溺愛される四季。
初めての恋に戸惑いつつも四季は、やがて彼を愛するようになる。
表紙絵は絵師のkaworineさんに描いていただきました。
ざこてん〜初期雑魚モンスターに転生した俺は、勇者にテイムしてもらう〜
キノア9g
BL
「俺の血を啜るとは……それほど俺を愛しているのか?」
(いえ、ただの生存戦略です!!)
【元社畜の雑魚モンスター(うさぎ)】×【勘違い独占欲勇者】
生き残るために媚びを売ったら、最強の勇者に溺愛されました。
ブラック企業で過労死した俺が転生したのは、RPGの最弱モンスター『ダーク・ラビット(黒うさぎ)』だった。
のんびり草を食んでいたある日、目の前に現れたのはゲーム最強の勇者・アレクセイ。
「経験値」として狩られる!と焦った俺は、生き残るために咄嗟の機転で彼と『従魔契約』を結ぶことに成功する。
「殺さないでくれ!」という一心で、傷口を舐めて契約しただけなのに……。
「魔物の分際で、俺にこれほど情熱的な求愛をするとは」
なぜか勇者様、俺のことを「自分に惚れ込んでいる健気な相棒」だと盛大に勘違い!?
勘違いされたまま、勇者の膝の上で可愛がられる日々。
捨てられないために必死で「有能なペット」を演じていたら、勇者の魔力を受けすぎて、なんと人間の姿に進化してしまい――!?
「もう使い魔の枠には収まらない。俺のすべてはお前のものだ」
ま、待ってください勇者様、愛が重すぎます!
元社畜の生存本能が生んだ、すれ違いと溺愛の異世界BLファンタジー!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる