魔王様の生贄になったはずが、気づいたら許嫁になっていた!?

鳴神 祈

文字の大きさ
7 / 14

しおりを挟む
魔王国で生活して早1週間が経過した。
最初はどこかで殺されるんじゃないかと警戒しながら生活していたが、殺されるどころかこれでもかと云うほど大切にされている。
「リオン様。おやつの時間です。本日はタルトをお持ちしました。どうぞ召し上がってください。」
シェインから言われて、椅子に座るとそこにはチーズタルトやチョコタルトなどいろんなタルトが置いてあった。
私はそこからチョコタルトを手に取り一口食べた。
「おいしい!こんなおいしいタルトが食べれるなんて幸せだわ!」
シェインは「光栄です。ですが喉に詰まらせないように気を付けてくださいね?」と言って紅茶の準備を始めた。
シェインは料理だけじゃなくて、お菓子も手作りしてくれる。ほんとに器用な人だ。


王国にいた頃はこんな手作りなものなんて一切与えられなかった。
それどころかプレゼントすらもらえなかった。
だから、シェインが作ってくれたものは愛情が感じられて、今の生活がとても幸せ。

ところであれからサタンが顔を出すことがない・・・。
私は色々聞きたいことがあるのに・・・。



考え事をしながらシェインが入れてくれた紅茶を飲んでいた時。
「失礼する。リオン少し時間いいか?」
突然のサタンの登場に私は固まって紅茶を落としそうになった。
私は紅茶を置いて、サタンの方を向いた。
「ええ。突然でびっくりしたけど、大丈夫よ。」
リオンがそう言うとサタンは、ほっとした顔をして向かいの椅子に座った。
「突然普通の生活していいと言われて混乱したと思う。申し訳なかった。」
サタンは謝りながら頭を下げた。
「てっきり殺されると思ってたから、実は混乱しました。この1週間過ごしてみて最初は警戒してました。でも殺されるどころかすごく大事にされてるのが伝わって、今は安心して生活してます。」
私は正直に思ったことをサタンに伝えた。サタンが真剣に聞いてくれてるのがわかった。

「実はリオンとは昔に1度あったことがある。その時は姉上らしき者もいてとても幸せそうに笑ってた。でもあの日リオンから笑顔が消えていて、悲しくなった。何があったのか教えてくれぬか?」
サタンと私は昔に会ったことがあるんだ・・・。しかもお姉ちゃんがいたときに・・・。
私は記憶を辿ったが思い出すことが出来なかった。
「ごめんなさい。記憶を辿ってみたけど、思い出せなかったわ。それに向こうで何されてきたかを話すのは、まだ勇気が出ないの。ごめんなさい。もう少し時間がほしい。」

私はサタンに伝えるとサタンは「そうだよな・・・。わかった。リオンが話しても大丈夫って思った時、教えてくれ。」と言ってくれた。
「ありがとう。」とサタンに伝えて私は冷めてしまった紅茶を飲んだ。
「では、失礼した。ずっと部屋にいるより気分転換に部屋から出てみるのもいいと思うぞ。アランとルアなら案内してくれるだろう。頼んでみるといい。」
サタンはそう言うと部屋から出て行った。

私はサタンの後姿を見送って、ふぅ・・・。とため息をついて椅子にうなだれた。
「リオン様、突然サタン様が来て疲れたでしょう。少しお休みになりますか?」
シェインが声をかけてくれて、私はシェインの方を向いて「ええ、お言葉に甘えて少し休むわ。」と言った後、ベッドに横になり、意識を手放した。






「おい、今から王国に言ってリオンがどうして笑わなくなったのか、調べてこい。」
「了解しました。」
リオンの部屋から出たサタンは陰に隠れていた人物に命令して、再び歩き始めた。

ーーーーーーーーーこそこそ裏で調べるのは好きではないが、リオンの話を聞く前に知っておく必要がありそうだ。リオン、すまん。ーーーーーーーーー

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました

桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。 言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。 しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。 ──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。 その一行が、彼の目に留まった。 「この文字を書いたのは、あなたですか?」 美しく、完璧で、どこか現実離れした男。 日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。 最初はただの好奇心だと思っていた。 けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。 彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。 毎日19時に更新予定です。

婚約破棄された際もらった慰謝料で田舎の土地を買い農家になった元貴族令嬢、野菜を買いにきたベジタリアン第三王子に求婚される

さら
恋愛
婚約破棄された元伯爵令嬢クラリス。 慰謝料代わりに受け取った金で田舎の小さな土地を買い、農業を始めることに。泥にまみれて種を撒き、水をやり、必死に生きる日々。貴族の煌びやかな日々は失ったけれど、土と共に過ごす穏やかな時間が、彼女に新しい幸せをくれる――はずだった。 だがある日、畑に現れたのは野菜好きで有名な第三王子レオニール。 「この野菜は……他とは違う。僕は、あなたが欲しい」 そう言って真剣な瞳で求婚してきて!? 王妃も兄王子たちも立ちはだかる。 「身分違いの恋」なんて笑われても、二人の気持ちは揺るがない。荒れ地を畑に変えるように、愛もまた努力で実を結ぶのか――。

美男美女の同僚のおまけとして異世界召喚された私、ゴミ無能扱いされ王城から叩き出されるも、才能を見出してくれた隣国の王子様とスローライフ 

さら
恋愛
 会社では地味で目立たない、ただの事務員だった私。  ある日突然、美男美女の同僚二人のおまけとして、異世界に召喚されてしまった。  けれど、測定された“能力値”は最低。  「無能」「お荷物」「役立たず」と王たちに笑われ、王城を追い出されて――私は一人、行くあてもなく途方に暮れていた。  そんな私を拾ってくれたのは、隣国の第二王子・レオン。  優しく、誠実で、誰よりも人の心を見てくれる人だった。  彼に導かれ、私は“癒しの力”を持つことを知る。  人の心を穏やかにし、傷を癒す――それは“無能”と呼ばれた私だけが持っていた奇跡だった。  やがて、王子と共に過ごす穏やかな日々の中で芽生える、恋の予感。  不器用だけど優しい彼の言葉に、心が少しずつ満たされていく。

皆様ありがとう!今日で王妃、やめます!〜十三歳で王妃に、十八歳でこのたび離縁いたしました〜

百門一新
恋愛
セレスティーヌは、たった十三歳という年齢でアルフレッド・デュガウスと結婚し、国王と王妃になった。彼が王になる多には必要な結婚だった――それから五年、ようやく吉報がきた。 「君には苦労をかけた。王妃にする相手が決まった」 ということは……もうつらい仕事はしなくていいのねっ? 夫婦だと偽装する日々からも解放されるのね!? ありがとうアルフレッド様! さすが私のことよく分かってるわ! セレスティーヌは離縁を大喜びで受け入れてバカンスに出かけたのだが、夫、いや元夫の様子が少しおかしいようで……? サクッと読める読み切りの短編となっていります!お楽しみいただけましたら嬉しく思います! ※他サイト様にも掲載

学園では婚約者に冷遇されていますが、有能なので全く気になりません。〜学園でお山の大将されてても、王宮では私の方が有能ですから〜

織り子
恋愛
王都カラディナにある国立魔術学園では、満十六歳の生徒たちの社交界デビューを兼ねた盛大なパーティーが開かれていた。 侯爵令嬢タレイア・オルトランは、婚約者である第二王子アスラン・オグセリアの迎えを待つも、結局ひとりで会場へ向かうことになる。 学園では身分の差がないとはいえ、アスランが公然とタレイアを侮辱し続けてきたことで、彼女は生徒たちから冷笑と蔑視の的となっていた。しかしタレイアは、王城で政務を担ってきた聡明さと矜持を失わず、毅然と振る舞う。

宮廷外交官の天才令嬢、王子に愛想をつかれて婚約破棄されたあげく、実家まで追放されてケダモノ男爵に読み書きを教えることになりました

悠木真帆
恋愛
子爵令嬢のシャルティナ・ルーリックは宮廷外交官として日々忙しくはたらく毎日。 クールな見た目と頭の回転の速さからついたあだ名は氷の令嬢。 婚約者である王子カイル・ドルトラードを長らくほったらかしてしまうほど仕事に没頭していた。 そんなある日の夜会でシャルティナは王子から婚約破棄を宣言されてしまう。 そしてそのとなりには見知らぬ令嬢が⋯⋯ 王子の婚約者ではなくなった途端、シャルティナは宮廷外交官の立場まで失い、見かねた父の強引な勧めで冒険者あがりの男爵のところへ行くことになる。 シャルティナは宮廷外交官の実績を活かして辣腕を振るおうと張り切るが、男爵から命じられた任務は男爵に文字の読み書きを教えることだった⋯⋯

婚約破棄された悪役令嬢、放浪先で最強公爵に溺愛される

鍛高譚
恋愛
「スカーレット・ヨーク、お前との婚約は破棄する!」 王太子アルバートの突然の宣言により、伯爵令嬢スカーレットの人生は一変した。 すべては“聖女”を名乗る平民アメリアの企み。でっち上げられた罪で糾弾され、名誉を失い、実家からも追放されてしまう。 頼る宛もなく王都をさまよった彼女は、行き倒れ寸前のところを隣国ルーヴェル王国の公爵、ゼイン・ファーガスに救われる。 「……しばらく俺のもとで休め。安全は保証する」 冷徹な印象とは裏腹に、ゼインはスカーレットを庇護し、“形だけの婚約者”として身を守ってくれることに。 公爵家で静かな日々を過ごすうちに、スカーレットの聡明さや誇り高さは次第に評価され、彼女自身もゼインに心惹かれていく。 だがその裏で、王太子とアメリアの暴走は止まらず、スカーレットの両親までもが処刑の危機に――!

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

処理中です...