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第一章『始まりの誘い』
第13話『うまくイキスギ君』2/2
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教皇の穏やかな口調での問いかけはどこか、ネイザラスの不安を掻き立ていく。
「はっ! 個人での売買はせず、地下ギルドが専任の販売窓口となっております。製作者を明かさない方針でしていることがわかり、次なる対策をゼロから検討中であります」
ギルドマスターの必死な弁解の成果か、教皇は顎に手をあて、少し考えながら口を開いく。
「なるほど、それは困りますね……。してその検討中の対策とは?」
「やつの首に賞金を賭けておりますゆえ、今しばらくお待ちいただけたらと……」
「つまり、先日の賞金だけで手をこまねいていると?」
何もしていないと思われてもしかたなかった。他者にも依頼するだけはして、工夫もこらしていた。とはいえ、それ以外に動いていないのは事実だ。
「滅相もございません。さらに条件を緩め、生死を問わずにして幅広く刺客を送る予定でございます」
「そうですか……。他力本願なのは否めませんね。ギルドで腕利きはおりませんか?」
一番きついところを突かれたと、ネイザラスは内心歯噛みをする。
「もちろんおります。今は残念ながらすでに術中にはまっている者も多く、我らを疑い出してきている有様です。そのため、すべての人員が協力的かつ、迅速に対応とならないのです。そこで、少しばかり増額をして、指定期間内に早く達成した場合は、追加ボーナスの支給を加えた次第です」
「そうですね。他力本願なのは変わりませんね。私も何か考えておきましょう……」
「お手を煩わせてしまい申し訳ございません。お時間を割いて検討いただき、ありがとうございます!」
なんとか乗り切ったとこの時、冒険者ギルドのギルドマスターは内心安堵しきっていた。ゆえに語尾に力を入れてしまう。
ところが事態は、思わぬ方向へ進んでいく。
「いえいえ、ご心配にはおよびません。失敗したらね……終わってしまいますからね」
ネイザラスは、一気に汗が吹き出してきた。何かまずいことをいったのだろうかと、焦りが募る。
何か化け物でもいるのではないかと、恐る恐る真っ暗な井戸の底を身を乗り出して覗き込んでいる気分だった。いきなり後ろから、突き落とされそうな恐怖も味わいながらである。
「どう……なるの……でしょうか……」
こともなげに淡々と教皇はいう。
「死ぬだけですから大丈夫ですよ? 私は生き続けますから、どうかご安心ください」
「へ? 失敗したら俺は……」
「ええ、ですから心配にはおよびません。私のことをそこまで気遣ってくださるのは、あなたぐらいですよ」
こいつは何を言っているんだと、言いたい言葉を飲み込んだ。
「恐れ入ります。恐縮です……」
何が起きたのか、何か発言を間違ったのか、教皇の雰囲気に飲み込まれるようにギルドマスターは次第に戦々恐々とし始めた。全身の毛穴から汗が吹き出すほど、恐れ焦りを感じていた。
教皇はゆっくりと告げる。
「皆自身の死を防ぐため、それこそ死に物狂いで動きますからね」
「あ……。あのう……教皇猊下……」
「それと比べてあなたは、自分のことより私の心配をしてくださる。来世はきっとよき旅路になるでしょう」
「は……はあ……」
今あらためて、冒険者ギルドのギルドマスターは思い知らされた。この教皇を名乗る者は、とんでもない輩だ。
それと自身の命が風前の灯とも言える。これはかなりマズイと。最悪、逃げ道も用意しなくてはと、考えを巡らせはじめた。
どちらかというと、もう一樹どころの話ではない。いつでもすぐに、夜逃げする準備はしておいた方がよいだろうと。少しだけ気になるのは、教会の暗部とやらにはじめから頼めば、一樹なんぞイチコロではないかと思えてくる。
あえてそこを冒険者ギルド預かりにして、さも教会が援助した形にしたのは、今思えばおかしいことばかりな気がする。とはいえ、もう後の祭りだ。
成功したら官軍で、失敗は死刑の賊軍。後には引けないところまできてしまった。
冒険者ギルドのギルドマスターは思考を巡らせていると、不意に話題を変えられる。
「それでは、次の施策は良いとしましょう。今回の失敗について、ケジメをつけなければなりませんね」
「え? 失敗ですか? まだ施策は継続中で……」
「いえいえ。失敗ですよ? 失敗したから、対策を講じたというのが私の解釈です」
「俺は、何か罰を受けるのですか?」
「物わかりがよくて助かります。あなたは他の者のお手本となる存在ですね。それではたったまま背を向けてください。難しいのでしたら、手伝わせますので」
そういうや否や、手元のベルを鳴らすと一瞬にして、黒装束の者二名が現れる。
頭を垂れて指示を待つ姿は、あれはどうみても手練れだった。
「この者が教典における教義をこれから受けます。手伝ってあげてください」
「承知……」
黒装束の者たちは返事をすると同時に、瞬時にギルマスの左右に立ち、それぞれの者が左右の手足を絡ませ、身動き取れないようにしてきた。
「一体何を……」
「心配なさらないでください。これも教義の一環です」
教皇は嗜虐的な笑みを見せると、いつの間にか用意をしていたムチで、ギルドマスターの背中を打ち付ける。
「グアッ! 痛いです。かなり痛いです。一体どうされたのですか?」
痛みに堪えながら、ギルドマスターは懸命に懇願する。
「我教典に痛みという物はありません。気持ち良いならあります。あなたも信徒ですよね? 違いますか?」
「はっ! 仰る通りでございます」
「よい返事です。危うく異端児認定をするところでした。あなたはよき信徒です」
「ありがたき幸せでございます」
「そうです。幸せなことをあなたは体験しているのです。では続けましょう……」
再びムチが背中を抉るように打ち付ける。痛いを通り越して、火傷の上に塩をぬりさらに打ち付けられていると思えるほど苦しい。
「グハッ! 気持ちいいいぃぃいいです!」
そういうしかなかった。ここで無駄に抵抗しても余計苦しくなるのは目に見えていた。なぜなら、この左右にいる者に掴まれて身動き一つ取れない。それに反抗しても碌なことにはならない。
「いいですか? 痛いといったら嘘になるのです。今の様子だとまだですね……」
何がまだなのか理解が追いつかない。今はこの苦しみから解放されたい一心で、いうことを聞いていた。
「ギャッ! 気持ちイィぃぃぃ!」
「良いですね」
「グアッ! 辛気持ちぃい!」
「おや? 我教典には辛いという言葉はありません。最高ならあります。信徒で間違いないですか?」
「はっ! 敬虔なる信徒であります!」
「その言葉信じますよ? 辛いといったら嘘になるのです」
「ガァあああ! 最高です! 最高気持ちぃぃぃ」
冒険者ギルドのギルドマスターの悲鳴は響き、苦難が続く……。
「はっ! 個人での売買はせず、地下ギルドが専任の販売窓口となっております。製作者を明かさない方針でしていることがわかり、次なる対策をゼロから検討中であります」
ギルドマスターの必死な弁解の成果か、教皇は顎に手をあて、少し考えながら口を開いく。
「なるほど、それは困りますね……。してその検討中の対策とは?」
「やつの首に賞金を賭けておりますゆえ、今しばらくお待ちいただけたらと……」
「つまり、先日の賞金だけで手をこまねいていると?」
何もしていないと思われてもしかたなかった。他者にも依頼するだけはして、工夫もこらしていた。とはいえ、それ以外に動いていないのは事実だ。
「滅相もございません。さらに条件を緩め、生死を問わずにして幅広く刺客を送る予定でございます」
「そうですか……。他力本願なのは否めませんね。ギルドで腕利きはおりませんか?」
一番きついところを突かれたと、ネイザラスは内心歯噛みをする。
「もちろんおります。今は残念ながらすでに術中にはまっている者も多く、我らを疑い出してきている有様です。そのため、すべての人員が協力的かつ、迅速に対応とならないのです。そこで、少しばかり増額をして、指定期間内に早く達成した場合は、追加ボーナスの支給を加えた次第です」
「そうですね。他力本願なのは変わりませんね。私も何か考えておきましょう……」
「お手を煩わせてしまい申し訳ございません。お時間を割いて検討いただき、ありがとうございます!」
なんとか乗り切ったとこの時、冒険者ギルドのギルドマスターは内心安堵しきっていた。ゆえに語尾に力を入れてしまう。
ところが事態は、思わぬ方向へ進んでいく。
「いえいえ、ご心配にはおよびません。失敗したらね……終わってしまいますからね」
ネイザラスは、一気に汗が吹き出してきた。何かまずいことをいったのだろうかと、焦りが募る。
何か化け物でもいるのではないかと、恐る恐る真っ暗な井戸の底を身を乗り出して覗き込んでいる気分だった。いきなり後ろから、突き落とされそうな恐怖も味わいながらである。
「どう……なるの……でしょうか……」
こともなげに淡々と教皇はいう。
「死ぬだけですから大丈夫ですよ? 私は生き続けますから、どうかご安心ください」
「へ? 失敗したら俺は……」
「ええ、ですから心配にはおよびません。私のことをそこまで気遣ってくださるのは、あなたぐらいですよ」
こいつは何を言っているんだと、言いたい言葉を飲み込んだ。
「恐れ入ります。恐縮です……」
何が起きたのか、何か発言を間違ったのか、教皇の雰囲気に飲み込まれるようにギルドマスターは次第に戦々恐々とし始めた。全身の毛穴から汗が吹き出すほど、恐れ焦りを感じていた。
教皇はゆっくりと告げる。
「皆自身の死を防ぐため、それこそ死に物狂いで動きますからね」
「あ……。あのう……教皇猊下……」
「それと比べてあなたは、自分のことより私の心配をしてくださる。来世はきっとよき旅路になるでしょう」
「は……はあ……」
今あらためて、冒険者ギルドのギルドマスターは思い知らされた。この教皇を名乗る者は、とんでもない輩だ。
それと自身の命が風前の灯とも言える。これはかなりマズイと。最悪、逃げ道も用意しなくてはと、考えを巡らせはじめた。
どちらかというと、もう一樹どころの話ではない。いつでもすぐに、夜逃げする準備はしておいた方がよいだろうと。少しだけ気になるのは、教会の暗部とやらにはじめから頼めば、一樹なんぞイチコロではないかと思えてくる。
あえてそこを冒険者ギルド預かりにして、さも教会が援助した形にしたのは、今思えばおかしいことばかりな気がする。とはいえ、もう後の祭りだ。
成功したら官軍で、失敗は死刑の賊軍。後には引けないところまできてしまった。
冒険者ギルドのギルドマスターは思考を巡らせていると、不意に話題を変えられる。
「それでは、次の施策は良いとしましょう。今回の失敗について、ケジメをつけなければなりませんね」
「え? 失敗ですか? まだ施策は継続中で……」
「いえいえ。失敗ですよ? 失敗したから、対策を講じたというのが私の解釈です」
「俺は、何か罰を受けるのですか?」
「物わかりがよくて助かります。あなたは他の者のお手本となる存在ですね。それではたったまま背を向けてください。難しいのでしたら、手伝わせますので」
そういうや否や、手元のベルを鳴らすと一瞬にして、黒装束の者二名が現れる。
頭を垂れて指示を待つ姿は、あれはどうみても手練れだった。
「この者が教典における教義をこれから受けます。手伝ってあげてください」
「承知……」
黒装束の者たちは返事をすると同時に、瞬時にギルマスの左右に立ち、それぞれの者が左右の手足を絡ませ、身動き取れないようにしてきた。
「一体何を……」
「心配なさらないでください。これも教義の一環です」
教皇は嗜虐的な笑みを見せると、いつの間にか用意をしていたムチで、ギルドマスターの背中を打ち付ける。
「グアッ! 痛いです。かなり痛いです。一体どうされたのですか?」
痛みに堪えながら、ギルドマスターは懸命に懇願する。
「我教典に痛みという物はありません。気持ち良いならあります。あなたも信徒ですよね? 違いますか?」
「はっ! 仰る通りでございます」
「よい返事です。危うく異端児認定をするところでした。あなたはよき信徒です」
「ありがたき幸せでございます」
「そうです。幸せなことをあなたは体験しているのです。では続けましょう……」
再びムチが背中を抉るように打ち付ける。痛いを通り越して、火傷の上に塩をぬりさらに打ち付けられていると思えるほど苦しい。
「グハッ! 気持ちいいいぃぃいいです!」
そういうしかなかった。ここで無駄に抵抗しても余計苦しくなるのは目に見えていた。なぜなら、この左右にいる者に掴まれて身動き一つ取れない。それに反抗しても碌なことにはならない。
「いいですか? 痛いといったら嘘になるのです。今の様子だとまだですね……」
何がまだなのか理解が追いつかない。今はこの苦しみから解放されたい一心で、いうことを聞いていた。
「ギャッ! 気持ちイィぃぃぃ!」
「良いですね」
「グアッ! 辛気持ちぃい!」
「おや? 我教典には辛いという言葉はありません。最高ならあります。信徒で間違いないですか?」
「はっ! 敬虔なる信徒であります!」
「その言葉信じますよ? 辛いといったら嘘になるのです」
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