異世界転生

あんり

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5歳の誕生日①

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お兄様のティアラを付けた私は、自分でもびっくりするくらい愛らしかった。

「アナマリア=トワ=ラッセルです。
 今日はお集まりいただき、ありがとうございます。」

家族に囲まれ、会場で挨拶した私は最強に自信に満ちていた。
家族のためにやってやるぞー。パーティーなんてちょろいわ。




なんて強がっていたけど、いざ、会場に着くとたくさんの人。
色鮮やかで、きらびやかな世界を目の前に私は怯える。
屋敷内の大きなホールで、私の誕生日パーティーは行われていて、
パーティーの主役である私は、すぐに大人たちに囲まれてしまった。

これだけの人が私に注目している。

「アナマリア様、お誕生日おめでとうございます。
 この度は、アナマリア様の為に我が領地の最高の職人に作らせたレースをお持ちしました。」

「おめでとうございます。よろしければ私どもの息子と仲良くしていただければと、」

「可愛らしいアナマリア様、こちらで私とお話しませんこと?」

子供から大人まで身分に関係なく、私に声がかかる。
たかだか伯爵令嬢がこんなに人気なのは、私が祝福を受けているからである。
祝福をうけた子供が国にいるだけでその国は豊かになる、と昔から言われているらしい。
そのため、国民の全ては祝福を受けた子供を大切にする義務がある。
元日本人の私からすればそんなことありえないんだけどな~。
でも、この世界では当たり前のことらしくて、王族すら私を敬ってくれているみたい。
話には聞いていたけど、ここまでとは…。誰か助けて~。


「アナマリア嬢。」

ずっしりと低い声。それだけで周りが静かになった。
金髪碧眼、威圧感がすごいこのおじさんは!

…誰だろう?
うん、ほんとに誰だろう。
なんか急に親しげに来て、私をジーっと見てるこのおじさんは誰だろう。
名乗らないってことは、知り合いだよね?

「予想より小さいな。こんなものか5歳とは。」

…え?
失礼なおじさんめ。私がどんな思いでここまで成長したと思ってんだ。
急に0歳からのリスタートはめちゃくちゃ歯痒かったっていうのに。
勝手に膨らむ私のほっぺがめちゃくちゃ憎い。

「5歳です。」

私が拗ねて言うと、おじさんはフッと笑って、すまないと言った。

「あまり子供とは会うことがないのだ。許せ。」

精神年齢大人な私はもちろん許してあげますけど、次はないからね、おじさん。

なでなで。

「えへへ。」

イケメンに撫でられちゃった。
おじさんも笑顔だしハッピーエンドだね。



「陛下!」

え、王様どこどこ?ご挨拶しなきゃ。

「大変申し訳ありません。」

ん?パパが謝ってる。誰かドジしたな。大丈夫かな~。
ん?パパの目線がおじさん一直線…。

…!!!

陛下っておじさん?
陛下=おじさん

…私知らない。まだ5歳だもん。

「えへへ。」

すごくひきつった笑顔でおじさんを見上げるとおじさんは、不機嫌そうでした。

どうしてー?!

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