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ep36 美少女アンドロイド
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ある日。
もはや日常のルーティーンとなっている美少女アンドロイドの〔セクシープログラム〕から逃れた俺は、頭を冷やそうと玄関を出た。
すると、高さ九十センチ程のダンボールの箱が目に入る。
「ん?置き配?母さん、なんか注文してたのかな?家電かなんかよくわからんが、やけにデカいな......」
不思議に思いながらダンボールに貼られた伝票に目をやった。
「発送元......未来の俺?変な店名だな」
とその時。
ある既視感に襲われる。
「あれ?これって......」
俺は覚えのある不穏さに後ずさり、不安気にダンボールをじ~っと眺める。
向かい合うダンボールと俺。
数秒後......。
スボボッ!
と、いきなりダンボールを突き破る音が聞こえたと同時に、何者かの姿がぬっと現れた。
「き、金髪の女の子!?」
ポニーテールに結んだ美しい長髪。
きめの細かい透き通るような白い肌。
ネーコとはまた違う高貴さを漂わす制服姿。
彼女は冷たく光る青い瞳をたたえた高潔な目をこちらにスッと向ける。
「井藤フミヒロ......は、キサマか?」
「!」
確信した。
この女の子は......未来からアンドロイドだ!
「おかしいな。聞こえているはずだが。お前は井藤フミヒロか?」
彼女は冷たい表情のまま同じ質問を繰り返した。
「あ、は、はい。俺が井藤フミヒロですけど......」
「ならここが貴様の家だな?入るぞ。貴様も一緒に来い」
「ちょちょちょ!待って!」
「なんだ?」
「き、君も未来から来たアンドロイドなの??」
「そうか、自己紹介がまだだったな。ワタシの名前は田網斗羅恵。未来から来た愛国美少女アンドロイドだ」
「田網?てことはネーコの...」
と俺が言いさした時。
玄関のドアがバーンと開いて、
「フミヒロ様!」
ネーコが飛び出してきた。
「ね、ネーコ!」
「フミヒロ様!何かされていませんか?」
「えっ?いや、大丈夫だけど...?」
ネーコは心配そうな顔を俺に向けてから、金髪のアンドロイドをキッと睨んだ。
「トラエ。なぜ貴女がここにいるのです?」
「久しぶりだな、ネーコ」
「質問にお答えください、トラエ」
「そんなもの、答えるまでもないだろ?お前と同じ目的だよ」
「は?フミヒロ様は私が...」
「ネーコ、お前じゃ事足りないということだろう?だからワタシが来たということだろう?文句があるなら上に言え」
「そ、そんな!しかし、貴女では今のフミヒロ様には...」
「いいからもう中に入るぞ。井藤フミヒロ!貴様も来い!」
金髪の美少女アンドロイドはダンボールから出ると、ズンズンと家に入っていった。
いや、貴女の家ではないんですが......。
「ネーコは、あのコと知り合いなのか?あっ、そういえば苗字が一緒だったよな...アンドロイドにも家族がいるのか?」
俺は状況に圧倒されながらも気になることをネーコに質問した。
「トラエと私はいわば姉妹です。ただあのコは......」
「あのコは?」
「いえ、とりあえず中に入って話しましょう」
「あ、ああ」
ある日。
もはや日常のルーティーンとなっている美少女アンドロイドの〔セクシープログラム〕から逃れた俺は、頭を冷やそうと玄関を出た。
すると、高さ九十センチ程のダンボールの箱が目に入る。
「ん?置き配?母さん、なんか注文してたのかな?家電かなんかよくわからんが、やけにデカいな......」
不思議に思いながらダンボールに貼られた伝票に目をやった。
「発送元......未来の俺?変な店名だな」
とその時。
ある既視感に襲われる。
「あれ?これって......」
俺は覚えのある不穏さに後ずさり、不安気にダンボールをじ~っと眺める。
向かい合うダンボールと俺。
数秒後......。
スボボッ!
と、いきなりダンボールを突き破る音が聞こえたと同時に、何者かの姿がぬっと現れた。
「き、金髪の女の子!?」
ポニーテールに結んだ美しい長髪。
きめの細かい透き通るような白い肌。
ネーコとはまた違う高貴さを漂わす制服姿。
彼女は冷たく光る青い瞳をたたえた高潔な目をこちらにスッと向ける。
「井藤フミヒロ......は、キサマか?」
「!」
確信した。
この女の子は......未来からアンドロイドだ!
「おかしいな。聞こえているはずだが。お前は井藤フミヒロか?」
彼女は冷たい表情のまま同じ質問を繰り返した。
「あ、は、はい。俺が井藤フミヒロですけど......」
「ならここが貴様の家だな?入るぞ。貴様も一緒に来い」
「ちょちょちょ!待って!」
「なんだ?」
「き、君も未来から来たアンドロイドなの??」
「そうか、自己紹介がまだだったな。ワタシの名前は田網斗羅恵。未来から来た愛国美少女アンドロイドだ」
「田網?てことはネーコの...」
と俺が言いさした時。
玄関のドアがバーンと開いて、
「フミヒロ様!」
ネーコが飛び出してきた。
「ね、ネーコ!」
「フミヒロ様!何かされていませんか?」
「えっ?いや、大丈夫だけど...?」
ネーコは心配そうな顔を俺に向けてから、金髪のアンドロイドをキッと睨んだ。
「トラエ。なぜ貴女がここにいるのです?」
「久しぶりだな、ネーコ」
「質問にお答えください、トラエ」
「そんなもの、答えるまでもないだろ?お前と同じ目的だよ」
「は?フミヒロ様は私が...」
「ネーコ、お前じゃ事足りないということだろう?だからワタシが来たということだろう?文句があるなら上に言え」
「そ、そんな!しかし、貴女では今のフミヒロ様には...」
「いいからもう中に入るぞ。井藤フミヒロ!貴様も来い!」
金髪の美少女アンドロイドはダンボールから出ると、ズンズンと家に入っていった。
いや、貴女の家ではないんですが......。
「ネーコは、あのコと知り合いなのか?あっ、そういえば苗字が一緒だったよな...アンドロイドにも家族がいるのか?」
俺は状況に圧倒されながらも気になることをネーコに質問した。
「トラエと私はいわば姉妹です。ただあのコは......」
「あのコは?」
「いえ、とりあえず中に入って話しましょう」
「あ、ああ」
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