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ep10 雲ケ畑糸緒莉⑧
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では、雲ヶ畑糸緒莉の方はどうであろうか。
ナゴムとのお食事デートの翌々日、日曜日の夜......。
「はぁ!?マッチングの相手もあやかしやって!?どんな確率やねん!
ほんでデートの終わりは警察って!どんなデートやねん!」
糸緒莉のスマホからわーわーと元気な声が響いていた。
「でもなんかドラマチックやん!運命みたいやん!いっそ付きおうてみたらええんちゃう??」
「ドラマチックって......物は言いようね。でも、あやかし同士の恋愛なんてゼッタイありえないから!冗談でもやめてよね!」
「ほんでもしーちゃんさぁ?天狗の山田くんはええヤツやん」
「それは......うん」
「あやかしの多くは、本当に近しい者以外に対しては徹底して個人主義。ましてや相手がヒトとなると特にな。せやから人助けするあやかし自体珍しいのに。
ましてや天狗の山田くんは、しーちゃんと同じように自分があやかしってことを隠していながらも、人助けのために人前で堂々とあやかしの力を使ったんやろ?
自分らめずらしモン同士の似たモン同士やんか」
「似た者同士なのかはわからないけれど......心の優しい人なんだとは思う。それでも、あやかし同士はイヤなの!」
「ガンコやなぁ。でもまあ、恋愛や結婚となるとあやかし同士がホンマにメンドクサイのは事実やけどな。お互いの家やら家族やら風習やらしきたりやら。ウチも正直メンドイ思うわ」
「私はフツーに仕事してフツーに恋してフツーに恋愛したいの」
「しーちゃん、こっちじゃ荒れとったもんな~」
「もう昔のハナシはやめて!」
はぁ~とため息をついて、スウェット姿の糸緒莉はベッドにゴロンとなる。
「でも、しーちゃんがマッチングアプリ始めたって聞いてホンマびっくりしたわぁ。まさか、泣く子もだまる最恐のⅮ・S・Qが...」
「だからもうあの頃のハナシはやめてって!東京に来てまで聞きたくないわ!」
「ゴメンゴメン!そんな怒らんといてーな!」
「もうっ!......まっ、でも、マッチングアプリはもうやめるけれどね」
「なんやもうやめてまうのかぁー。またしーちゃんのオモロいネタ期待しとったのに」
「そんなことのためにわざわざやらないわよ」
「ほんじゃ次は合コンでもどや?」
「合コン?」
「あっ、ええこと思いついた!」
「なに?とつぜん...」
「その天狗の山田くんとお互いに友達を連れてきて飲み会を開くんや!」
「な、なんで山田くんと!?」
「せっかく都会で出会ったあやかし同士なんや!協力しあってイイ出会い見つけりゃええやん!」
「そんなこと言っても、山田くんとはまだ出会ってばかりで友達でもないわよ?」
「だったらトモダチになったらええやん!あやかし同士、困ってることもようわかるやろうから、お互いにメリットも大きいんちゃう?」
「うーん」
「まっ、またオモロいことになったらすぐに教えてや!」
「あんた、絶対にオモシロがってるでしょ」
「ちゃうちゃう!オーエンやオーエン!」
「まあいいわよ」
「にゃはは。ほな、ウチあした早いからもう寝なアカンねん。また連絡するわ!」
「うん。またね。アケミ」
「おやすみ~」
「おやすみ」
スマホを脇に置くと、糸緒莉は仰向けになったままボンヤリする。
「山田くんと友達......か。そういえば山田くんて、地元ではどんな感じだったのかしら?まさか私のような感じではないだろうけど。会社ではどうなのかしら?
......て、なんだか私が山田くんのこと気になってるみたいじゃない!明日からまた一週間始まるんだから、もう寝ないと!」
ナゴムとのお食事デートの翌々日、日曜日の夜......。
「はぁ!?マッチングの相手もあやかしやって!?どんな確率やねん!
ほんでデートの終わりは警察って!どんなデートやねん!」
糸緒莉のスマホからわーわーと元気な声が響いていた。
「でもなんかドラマチックやん!運命みたいやん!いっそ付きおうてみたらええんちゃう??」
「ドラマチックって......物は言いようね。でも、あやかし同士の恋愛なんてゼッタイありえないから!冗談でもやめてよね!」
「ほんでもしーちゃんさぁ?天狗の山田くんはええヤツやん」
「それは......うん」
「あやかしの多くは、本当に近しい者以外に対しては徹底して個人主義。ましてや相手がヒトとなると特にな。せやから人助けするあやかし自体珍しいのに。
ましてや天狗の山田くんは、しーちゃんと同じように自分があやかしってことを隠していながらも、人助けのために人前で堂々とあやかしの力を使ったんやろ?
自分らめずらしモン同士の似たモン同士やんか」
「似た者同士なのかはわからないけれど......心の優しい人なんだとは思う。それでも、あやかし同士はイヤなの!」
「ガンコやなぁ。でもまあ、恋愛や結婚となるとあやかし同士がホンマにメンドクサイのは事実やけどな。お互いの家やら家族やら風習やらしきたりやら。ウチも正直メンドイ思うわ」
「私はフツーに仕事してフツーに恋してフツーに恋愛したいの」
「しーちゃん、こっちじゃ荒れとったもんな~」
「もう昔のハナシはやめて!」
はぁ~とため息をついて、スウェット姿の糸緒莉はベッドにゴロンとなる。
「でも、しーちゃんがマッチングアプリ始めたって聞いてホンマびっくりしたわぁ。まさか、泣く子もだまる最恐のⅮ・S・Qが...」
「だからもうあの頃のハナシはやめてって!東京に来てまで聞きたくないわ!」
「ゴメンゴメン!そんな怒らんといてーな!」
「もうっ!......まっ、でも、マッチングアプリはもうやめるけれどね」
「なんやもうやめてまうのかぁー。またしーちゃんのオモロいネタ期待しとったのに」
「そんなことのためにわざわざやらないわよ」
「ほんじゃ次は合コンでもどや?」
「合コン?」
「あっ、ええこと思いついた!」
「なに?とつぜん...」
「その天狗の山田くんとお互いに友達を連れてきて飲み会を開くんや!」
「な、なんで山田くんと!?」
「せっかく都会で出会ったあやかし同士なんや!協力しあってイイ出会い見つけりゃええやん!」
「そんなこと言っても、山田くんとはまだ出会ってばかりで友達でもないわよ?」
「だったらトモダチになったらええやん!あやかし同士、困ってることもようわかるやろうから、お互いにメリットも大きいんちゃう?」
「うーん」
「まっ、またオモロいことになったらすぐに教えてや!」
「あんた、絶対にオモシロがってるでしょ」
「ちゃうちゃう!オーエンやオーエン!」
「まあいいわよ」
「にゃはは。ほな、ウチあした早いからもう寝なアカンねん。また連絡するわ!」
「うん。またね。アケミ」
「おやすみ~」
「おやすみ」
スマホを脇に置くと、糸緒莉は仰向けになったままボンヤリする。
「山田くんと友達......か。そういえば山田くんて、地元ではどんな感じだったのかしら?まさか私のような感じではないだろうけど。会社ではどうなのかしら?
......て、なんだか私が山田くんのこと気になってるみたいじゃない!明日からまた一週間始まるんだから、もう寝ないと!」
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