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ep43 帰り
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ナゴムは裡尾菜に最大限の理解を示した。
そんな彼に、糸緒莉はじ~っと怪訝な目を向ける。
「ねえナゴムくん」
「なに?」
「ひょっとして十九淵裡尾菜さんのこと、本気でいいなって思っちゃったりしてる?」
「はっ?いやいや!俺からしたらTOB(敵対的買収)されそうになった相手の御令嬢みたいなもんだぞ!」
「そういう事情は抜きにしたら?純粋に女性として」
「そ、それは、めちゃくちゃ美人で魅力的ではあるけど」
「ふーん」
「な、なんだよ?その顔は」
「べつに。じゃあ長穂ちゃん、帰ろっか」
「えっ、なんか俺への対応雑じゃね?」
糸緒莉は長穂と腕を組んで駅構内へ向かって歩き出した。
長穂は顔だけ振り返りナゴムに苦笑いを見せた。
改札に着くと、糸緒莉はナゴムの方へ向いて急にしかつめらしい表情を浮かべる。
「あの、ナゴムくん」
「なに?」
「今日は盗み見するようなマネしてゴメンなさい」
「あ、ああ。まあ......」
「あとね?長穂ちゃんはむしろ止めようとしてくれたから悪いのは私だけなの。だから長穂ちゃんのことは責めないでね?だから謝るのは私だけなの」
糸緒莉はしおらしく謝罪した。
彼女の言葉を受けて長穂は慌てて声を上げる。
「そそそんな!結果的にわたしも加担してしまったので悪いのは糸緒莉ちゃんだけじゃありません!わたしも謝ります!ゴメンなさい!」
「ちょっと長穂ちゃんはいいのに」
「糸緒莉ちゃんだけのせいなんて違うもん!」
「巻き込んだのは私だから」
「逆らわなかったのはわたしだもん!」
「それは長穂ちゃんが優しいから私に合わせてくれただけで」
「でも糸緒莉ちゃんだけ謝るのは絶対ちがうもん!」
「ああもう!頑固なんだから!」
「ガンコはそっちだよ!」
争っているのか気遣いあっているのかよくわからない二人を眺めながら、ナゴムはまったく別のことを思う。
「ふたり、ホントに仲良くなったな」
「え?」
「へ?」
「いやだって今日も二人で遊んでたんだろ?結果的には俺をストーキングした訳だけど。
でも良かったよ。ふたりが仲良くなってくれて。おかげで俺がマッチングアプリやったのも無駄じゃなかったなぁ~て思うよ。彼女はできなかったけど。ハハハ......あっ、なんなら裡尾菜さんも妖仲間に入れるか?てさすがにそれはないか!」
ナゴムは頭を掻きながら笑みを浮かべた。
糸緒莉と長穂は顔を見合わせると、クスクス笑いだす。
「ナゴムくん本人がこれじゃ、私たちバカみたいじゃない」
「そうですね」
「え?なに?俺なんかヘンなこと言った?」
こうして山田ナゴムの波乱の一日は終わった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【作者より】
ここまで『あやかし達の恋事情』をお読みいただきまして、誠にありがとうございました。
中途半端ではありますが、本作品はここで打ち切らせていただきます。
総合的に判断した結果、このような結論となりましたこと、ご理解いただけますと幸いです。
作者としても、力量不足を痛感した次第です。
そしてこの反省を活かし
現在、(ラブ)コメディ作品については、
『美少女アンドロイドが色じかけをしてくるので困っています』
を連載中です。
よろしければ、そちらを応援くだされば嬉しいです。
というわけで......。
引き続き、別作品にてよろしくお願いいたします。
ねもん
そんな彼に、糸緒莉はじ~っと怪訝な目を向ける。
「ねえナゴムくん」
「なに?」
「ひょっとして十九淵裡尾菜さんのこと、本気でいいなって思っちゃったりしてる?」
「はっ?いやいや!俺からしたらTOB(敵対的買収)されそうになった相手の御令嬢みたいなもんだぞ!」
「そういう事情は抜きにしたら?純粋に女性として」
「そ、それは、めちゃくちゃ美人で魅力的ではあるけど」
「ふーん」
「な、なんだよ?その顔は」
「べつに。じゃあ長穂ちゃん、帰ろっか」
「えっ、なんか俺への対応雑じゃね?」
糸緒莉は長穂と腕を組んで駅構内へ向かって歩き出した。
長穂は顔だけ振り返りナゴムに苦笑いを見せた。
改札に着くと、糸緒莉はナゴムの方へ向いて急にしかつめらしい表情を浮かべる。
「あの、ナゴムくん」
「なに?」
「今日は盗み見するようなマネしてゴメンなさい」
「あ、ああ。まあ......」
「あとね?長穂ちゃんはむしろ止めようとしてくれたから悪いのは私だけなの。だから長穂ちゃんのことは責めないでね?だから謝るのは私だけなの」
糸緒莉はしおらしく謝罪した。
彼女の言葉を受けて長穂は慌てて声を上げる。
「そそそんな!結果的にわたしも加担してしまったので悪いのは糸緒莉ちゃんだけじゃありません!わたしも謝ります!ゴメンなさい!」
「ちょっと長穂ちゃんはいいのに」
「糸緒莉ちゃんだけのせいなんて違うもん!」
「巻き込んだのは私だから」
「逆らわなかったのはわたしだもん!」
「それは長穂ちゃんが優しいから私に合わせてくれただけで」
「でも糸緒莉ちゃんだけ謝るのは絶対ちがうもん!」
「ああもう!頑固なんだから!」
「ガンコはそっちだよ!」
争っているのか気遣いあっているのかよくわからない二人を眺めながら、ナゴムはまったく別のことを思う。
「ふたり、ホントに仲良くなったな」
「え?」
「へ?」
「いやだって今日も二人で遊んでたんだろ?結果的には俺をストーキングした訳だけど。
でも良かったよ。ふたりが仲良くなってくれて。おかげで俺がマッチングアプリやったのも無駄じゃなかったなぁ~て思うよ。彼女はできなかったけど。ハハハ......あっ、なんなら裡尾菜さんも妖仲間に入れるか?てさすがにそれはないか!」
ナゴムは頭を掻きながら笑みを浮かべた。
糸緒莉と長穂は顔を見合わせると、クスクス笑いだす。
「ナゴムくん本人がこれじゃ、私たちバカみたいじゃない」
「そうですね」
「え?なに?俺なんかヘンなこと言った?」
こうして山田ナゴムの波乱の一日は終わった。
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【作者より】
ここまで『あやかし達の恋事情』をお読みいただきまして、誠にありがとうございました。
中途半端ではありますが、本作品はここで打ち切らせていただきます。
総合的に判断した結果、このような結論となりましたこと、ご理解いただけますと幸いです。
作者としても、力量不足を痛感した次第です。
そしてこの反省を活かし
現在、(ラブ)コメディ作品については、
『美少女アンドロイドが色じかけをしてくるので困っています』
を連載中です。
よろしければ、そちらを応援くだされば嬉しいです。
というわけで......。
引き続き、別作品にてよろしくお願いいたします。
ねもん
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