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【第一章・彷 徨 う 混 沌】
Ж-9 深 淵 迷 宮 ~Chaos Sphere~
しおりを挟む〘CAUTION! 主、 御気を確かに!
何卒、 何卒御再考を!〙
頭の中で警告が鳴り響いてるけど知りません。
あの後、 今度は十分に周囲を警戒しつつ南下し
やがて空が白み始めた今、 オレはソノ 「樹海」 の入口に立っていた。
道中、 相方と何度も意見交換し了承も得ている。
無論アビスの言ってる事も解らないじゃないが、
ブッちゃけオレ達というよりオレに、
この世界の 『居場所』 は無い。
「解析」という比較的一般的な異能に拠り、
オレが 【魔皇種】 だというコトは即バレるし
(異能が掛からずに弾かれるらしい)
魔導で常時ガードしててもそれはソレで怪しまれる。
そうなったら昨夜のク〇みたいな冒険者が大挙して、
オレ達へと押し寄せるのは火を見るより明らかだ。
異世界転生モノで王道的な、
「冒険者ギルドに登録してSランクまで成り上がるぜ! キラーン☆」
みたいなコトは出来るワケがない。
何しろその冒険者が 「敵」 なんだから。
故に進む先は必然的に人間がいない場所、
魔物が棲息する場所にならざる負えない。
当然危険を孕むが、 別にオレも自暴自棄になっているわけじゃない。
此処に来る過程で、 アビスにこの 『神創十二星界』 とやらの
概要を問い質したが、 この世界はその名の通り12の星界に分かれており、
元の世界のように 「人間」 が万物の霊長として、
全てを支配しているわけではないらしい。
各星界ごとに固有の 「根源種族」 が存在し、
他種族同士の行き来はあるが基本的に文化や風習、制度、
果ては法律、 戒律に至るまでバラバラらしい。
唯一 「言語」 のみが統一されているのは、
言葉の壁による争乱を避けるため各星界の神々とやらが
盟約を締結した結果なんだとか。
ともあれそういう事なら、 異邦者にして異端者である
オレにも付け込む隙間がないわけではない。
『磨羯宮・第十星界/カプリコーン』
この領域を支配するのは主に魔族、
更には同じ人間でも魔剣士や暗黒魔導士、
禁じられた業や呪術に傾倒した者が集まる
多種族混成の星界だそうだ。
“力が全て” のその場所は、 全星界の中でも屈指の勢力を誇り
実力さえ在れば異端者だろうが罪人だろうが受け入れられる。
魔皇であるオレには打ってつけの場所、
何よりその両隣の星界は、
『人馬宮・第九星界/サジタリアス』
英雄、 英傑、 勇者他、 人間の中でも
高位の者しか棲む事を許されない領域であるし、
『宝瓶宮・第十一星界/アクエリアス』
は、 エルフ、ドワーフ、ホビットetcの
「亜人」 が静かに棲息する星界なので、
最悪リュカだけでも移住が可能なのだ。
理想を言えば、
『双子宮・第三星界/ジェミニ』
精神生命体、 肉体を持たない生物、 及びソレを超越した者達、
仙人、 賢者、 覚者、 魔王等も含まれる超越者達が統覇する領域――
が最善なのだが、 何しろ第七星界からでは遠すぎる。
此の神創十二星界の構造は、
ちょうど真上から見た 「時計盤」 にほぼ同じ、
故にオレが召喚された場所からは 「逆位置」 に等しいのだ。
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