【ZODIAC PARADOX EXTREAM/CHAOSPHERE!】 ~戯題・愛のままにわがままに 魔皇少女は異世界に屈しない!~ 

沙波羅 或珂

文字の大きさ
34 / 198
【第一章・彷 徨 う 混 沌】

Ж-9 深 淵 迷 宮 ~Chaos Sphere~ ③

しおりを挟む




「洗って貰えるかな?」

「水」

 オレがパチンッと指を弾くと、 水風船が割れたくらいの量が
ザー、 と雑草を捧げ持つ両手に注がれる。
 人間二人を余裕で飛ばせる 「風」 や、
手練れであろう冒険者をほふれる 「刃」 まで
生み出せる魔導力だ、 力場の無い水を出すくらいわけない。
 何でも 『全属性パンデモニウム』 らしいから。
 朝日にキラキラと無駄に輝くインスタ映えする草を
リュカが口に入れてかじった。
 そのまま残りを勧めてくるので何となく従う。

「……甘苦い、 けど食えなくはないね」

「あぁ、 美味いとは言い難いが」

 状況が状況だからオレもそこまで望まないよ、
ウチの婆ちゃんもよく雑木林に分け入って
野生のヨモギとかむしってたけど、
コレはその凄いヴァージョン?
多分 『武芸者』 の異能で 「山籠もり修行」 の時とかの
狩猟採集しゅりょうさいしゅうスキルだろうけど。
 でも想わず、

「大念〇さん……!」

と、 ある寿司マンガの伝説的寿司職人を思い出し
ヒシッと寄り添ってしまう。

「光栄だな……」

 彼も好きなのか否定せず、
モシャモシャと野草を咀嚼そしゃくしているのが実にクールだ。
 ダディクー、 いや何でもない。
 


〘CAUTION! “ティエラ草”
回復薬ポーションの主原料となる野草であり、
生で食しても多少の回復効果は潜在します。
群生地以外の見分けは不熟ふじゅくであるため、
他の草本と区別が付き難く統計約1000分の1と概算されます〙




 良し、 取り敢えず食料の目処めどはついた。
 無いよりマシって程度だが人間、
水さえあれば3日は余裕っていうからね。
断食道場なんてのもある位だしね。
 立ちはだかる巨大な森を前に、 拳をグッと握る。

「異世界転生! 『人跡未踏じんせきみとう、 魔の樹海でサバイバル0円生活』!」

 脳内で壮大に流れる某海賊のテーマをバックにしながら、 そう叫んでみる。

「……だ、 だっりぃ~」

 すぐさまその難易度の高さに、 四つん這いになるのを禁じ得ない。
 その肩にそっと手を置いてくれる相方はやっぱり良いヤツだ。

「絶対、 今井 (雅俊) 班みたいになるよねぇ~。
蜘蛛の巣? 蟻?」

 常識ある大人なら絶対口にしてはいけないモノを、
嬉々として食べる隊長の姿を思い浮かべながら愕然とする。

「まぁまぁ、 ロー〇班とかでも何とかなったじゃないか」

「アレは色々持ち込み過ぎ」

 風呂にも入れず化粧も出来ない場所で、
何故かモデルクオリティーの顔を保ち続ける
TVの七不思議は置いといて、
もり、 ではなく槍を片手に入口へと立つ。

「はぁ、 オレ絶対、 濱〇はまぐちより使えないと想うよ」

「私も、 有野課長ほど器用には動けまいな」

「ホントに良いの?」

「付き合うさ、 今こうして共に居るのも、 何かの縁だ」

 もうここまで来たらしゃあないな、
四の五の考えず、 男だったら腹くくろう。
 なら最初の最初位カッコつけるか、
どうせ苦労するの解ってるンだし。
 だから――

「後ろは任せた、 英霊」
「前だけ見てろ、 魔皇」

 戦場への一線を踏み越える決意で、
オレ達は共に 『深淵』 への第一歩を踏み出した。






 NEXT PHANTASM…Ж



しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗@オートスキル第1巻発売中
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

貞操逆転世界に転生したのに…男女比一対一って…

美鈴
ファンタジー
俺は隼 豊和(はやぶさ とよかず)。年齢は15歳。今年から高校生になるんだけど、何を隠そう俺には前世の記憶があるんだ。前世の記憶があるということは亡くなって生まれ変わったという事なんだろうけど、生まれ変わった世界はなんと貞操逆転世界だった。これはモテると喜んだのも束の間…その世界の男女比の差は全く無く、男性が優遇される世界ではなかった…寧ろ…。とにかく他にも色々とおかしい、そんな世界で俺にどうしろと!?また誰とも付き合えないのかっ!?そんなお話です…。 ※カクヨム様にも投稿しております。内容は異なります。 ※イラストはAI生成です

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗@オートスキル第1巻発売中
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜

シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。 起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。 その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。 絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。 役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します

潮ノ海月@2025/11月新刊発売予定!
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる! トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。 領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。 アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。 だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう 完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。 果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!? これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。 《作者からのお知らせ!》 ※2025/11月中旬、  辺境領主の3巻が刊行となります。 今回は3巻はほぼ全編を書き下ろしとなっています。 【貧乏貴族の領地の話や魔導車オーディションなど、】連載にはないストーリーが盛りだくさん! ※また加筆によって新しい展開になったことに伴い、今まで投稿サイトに連載していた続話は、全て取り下げさせていただきます。何卒よろしくお願いいたします。

処理中です...