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【第二章・叛 逆 の 双 星】
Ж-20 深 淵 の 長 ~Male Of Frontier~ ②
しおりを挟む「魔薬」
傷口に翳した掌、 脆い肉体のこれくらいの傷なら
ものの数秒で治せるがそういう問題じゃない。
「ヒイィィィィィ――――――ッッッッッッ!!!!!!」
全身から迸る魔氣と禍々しく奮える魔那。
酷い目に遭ったからってなんでも赦されると想うなよ?
「鎮まらんか! この大莫迦者共ッッ!!」
よく通る声、 正に一喝といった具合でその場に緊張が走った。
なんかオレまでビクッとなっちゃったよ、 昔の爺ちゃん想い出して。
周りを囲んでいた亜人の輪が解けて、
二人の従者を脇に据えた老人の姿が露わになる。
なんか白髪で髭が長くて杖持ってるからどこぞの黄〇様みたいだね。
腰はそんな曲がってないけど背は低くて、
髪も無造作に長いから表情は伺えない、
まさしく 「毛玉」 ってカンジ、 服は簡素じゃなくて
民族衣装みたいなの着てるけどね。
ようやくお出ましか、 村娘傷つけちゃって悪かったね。
相方が片膝付いて非礼を詫びてるけど向こうのが恐縮してるな、
まぁ10:0でオレが悪いんだけどね。
そんなコト考えながらミウと一緒に口笛を吹いてると、
「村の者達が大変な無礼を」
と長老サンがオレの前で跪いた。
それを合図に殺気立った他の村人が一斉にその背後に集まり、
同様に屈みこんで頭を下げる。
なんか 「体操の隊形に開け!」 みたいだね、
ちょっと気持ちいい、 だから、
「いーよ、 いーよ、 苦しゅうないから」
ってチョーシ乗ったら相方に手の甲でツッコまれた。
ハイすいません、 悪いのはワタシです。
「ンじゃさ、 悪いけど話したい事あるから場所作ってもらえる?
オレが来るコトは解ってたんでしょ?」
異能を持つ者同士の共有感とでもいうのかな?
長老の眉が跳ね上がった、 あ、 ちゃんと眼ェあるのね、 当たり前だけど。
そんで奥まった所にある長老の家に案内される時
また周囲がザワついたけど今度はサーシャが取り直してくれた。
「魔皇様は! 私を助けてくれました!」
イヤ助けたの相方なんだがね。
オレがやったのトドメ刺したのと肉強制しただけ。
でもまぁ周りがオレの存在を認識して静かになったからいーか、
長居する気はないしちょっとキレ易い姉ちゃんとでも思っててくれぃ。
草の匂い、 作物のさざめく音、
土は剥き出しだが道はちゃんと整地されてるし
ある程度の間隔で花なども植わってる。
サーシャとアビスの話から漠然と非難集落のような
荒れたイメージを想像してたが、 実際にはきちんとした
生活機構が出来上がっていて原始的だがインフラも整備してある。
つまり衛生的に問題はないし着ている服も襤褸じゃないってコト。
あちこちから逃げてきた奴隷を掻き集めて、
それで造れるような生活水準じゃない。
ってコトは前を歩くこの爺サン、 只モンじゃないな。
よく視ると足跡が殆ど付いてないし音も衣擦れさえないや。
〘CAUTION! 冒険者ギルドの来歴データを限定的に探った処、〙
オレが疑念を抱くのとアビスの声が脳裏に響いたのは、 ほぼ同時だった。
NEXT PHANTASM…Ж
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