【ＺＯＤＩＡＣ ＰＡＲＡＤＯＸ ＥＸＴＲＥＡＭ／ＣＨＡＯＳＰＨＥＲＥ！】 ～戯題・愛のままにわがままに 魔皇少女は異世界に屈しない！～

【第二章・叛 逆 の 双 星】

Ж－３８ 竜 魔 導 ～Dragon Wird～ ③

　だから相方のコトも伴侶はんりょ、 伴侶って言ってるのか。
間違ってないよその 「判断」 、 
将来大化け確実の超優良株だ。
　頭の中でアビスちゃんが 「私の役目を！」 とキーッってなってるが、
オレへの伝令役なんてそんな張り合うモノでもなかろうに。
　大体おまえの存在すらソフィアは知らないんだよ、
何か居るって気づいているフシはあるけど。

「相方と戦ったとき遣ってきた？
その 【竜魔導】 っての？」

「否、 左様な素振りは微塵も無かったな。
本当に遣えるなら出し惜しむ理由は無い筈だが、
果て――」

　コレにもアビスちゃん達を制しソフィアが答える。
相方の布都ふつも合わさり二人揃ってキーッってなってるけど
だから彼女は知らねーっての幻精霊おまえらの存在。
　精霊同士の共鳴でうっといから自重してくれ。

「サンダルフォン様が屠ほふったのは “ハグレ” と呼称される、
群れから孤立したか追放されたかで狂暴化した魔物の一種です。
知性は低いので本来種が持っている異能を幾つか遣えない場合があるのですが、
逆に生存域を無視してどこにでも現れ無差別に攻撃を仕掛けてきます。
断言は出来ませんがおそらくソノ種の 『血統、血縁』 に依るモノ。
己ですら自覚の無い 「潜在せんざい」 した能力さえも取り込むコトが出来る、
メタトロン様の卓絶たくぜつした異能のなせる業わざだと存じます」

　お、 おう、 ありがと。
　そうやって畏かしこまられると尻ケツがムズ痒いがね。
　でも一応 “奴隷” ってコトにしちゃってるから
「ふむ」 とか言っておく。
　演技だってのも勘付いてるね、 やっぱこの娘こだけ、
他のメンバーと比べて二つ三つ頭抜ずぬけてるわ。

「皆の衆、 見ての通り魔皇様の雑事をこなすべく集められた奴隷じゃ。
必要以上に恐れる事はあるまい。
だがあくまで魔皇様の 「所有物」 故、
傅かしずく必要はないが手荒に扱う事、 罷まかり成らぬ。  
そのつもりでいるように」

　ハクエイの爺ちゃんも護衛クンを伴って広場に来てた、
相変わらず出来る男は役者が違うね。
『預言オラクル』 と 『種属』 が在るとはいえここまで信頼されると恐縮しちゃうよ。
　はっきりいって直近のオレら、 独断専行が過ぎるからね。
　結果が良ければ善いってモンでもない、 特に責任の在る立場はね。

「大丈夫、 魔皇様は、 とてもお優しい方です。
ハーフ・エルフの私達にも、 とても良くしてくれてるんですよ」

　いつの間にか傍に寄ったサーシャが
無垢な瞳でソフィアにそう言ってた。