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『少数派への言葉』

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 ワタシはこの言葉を『少数派』の方に向けて書いている。
 以前も云ったが虐めとは『少数派』を【多数派】が蹂躙するモノ、
よって虐めを「肯定」するのでもない限り必然そうならざる負えない。
 ワタシ個人の話をすれば中学時代一学年数百人の中に
『まともな人間』は本当に数えるほどしかいなかった。
【狂人だらけの国では『まともな人間』こそ狂人】
とはよく云ったモノ、虐めが「悪い事」、「やってはいけない事」、
それこそ【犯罪】だと想っている者は
本当に驚くほど稀有けうな存在であった。

 気分の悪くなる話をして誠に申し訳ないが
ワタシは大多数の女生徒達から
【汚物】のような扱いを受けていたし
実際そのような蔑称で呼ばれてもいた。
(その事を叱責しない教師達もかなりどうかと想ったが)
何かの折りで「肩でも触れよう」ものなら
本当にこの世の終わりのような叫び声をあげる
『精神異常者』もいた。
ワタシの「挿絵」を見てもらえばお解りの通り、
別にソレほど醜い容姿はしていないと自負しているが
【犯罪者】に『人間の心』は備わっていないようなので
まぁある意味仕方あるまい。
 しかしそのような異常な環境でも
「普通に接してくれる」女生徒というのも
本当に少ないが存在した。 

【言葉の暴力】というのは本当に卑劣且つ悪辣なモノで
耳を疑うような下劣且つ醜悪な言葉を
毎日『当たり前のように』浴びせられていると
精神の防衛機制が働くのか本当に
信じ込みそうになる。
 事実モラハラ、パワハラ、ネットの誹謗中傷で
命を絶ってしまう者などこのメカニズムなのだと想うし
人間の心は自分が想うほど『頑丈』には出来ていないのだ。
 故にその少数の『まともな人間』には少なからず救われたし
奇蹟的な事にその【地獄】のような毎日の中、
『学校に行くのが楽しい』とすら想えたのだ。
 ソコに一体どのような「感情」があったのか、
諸兄らも興味が無いと想うので分析はしないが
その『当たり前の事』『まともな人間』という存在は
何もかもが【異常で狂っている状況】の中、
大袈裟では無く『希望』そのものだったのだと想う。

 、【自分が虐められる】とは想わなかったのだろうか?
 実際はその彼女にまで【被害】は及ばなかったので
そのコト自体は正に僥倖であったが
まるでおかしくは無かったのである。
 実際蜜月の時はごく短く、中学二年の三学期の間だけ。
席が隣同士で好きなアニメや漫画の話を毎日していただけに過ぎないが
三年の「クラス変え」でソレはすぐに終わりを告げた。
 そして数回前に書いた阿呆との戦いがすぐに幕を開けるわけだが、
ヤツに、ヤツらに対して抱いた凄まじいまでの怒りと憎しみ、
そしてソレとは違う『別の感情』も、
アノ二か月足らずの「時間」が無関係ではなかったと、
今は何故か、そう想えるのだ――。




 
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