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【創作の三大要素】

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 ワタシが心より「尊敬」する
『ジョジョの奇妙な冒険』の荒木 飛呂彦先生は、
著書に於いて創作には必要な【三大要素】が在るとされ、
ソレは『キャラクター』『ストーリー』『世界観』なのだそうだ。

『ジョジョ』と云うとどうしても
まず真っ先に想い付くのが『スタンド能力』
原作を知らない人やマンガをあまり読まない人でも
知っているのだから
この『スタンドという設定』は本当に凄いモノがあるが、
『ジョジョ』という作品は
決して成り立っているのではない。
あくまで上記の【三大要素】を充たしているからこそ
『スタンドという設定』が活きるのである。

 一時期、『スタンド』というアイディアが受けたからと言って、
その「恩恵」に預かろうと似たような「設定」のマンガが
粗製乱造されたが、そんな二番煎じは悉く人気が出ず
全て「打ち切り」の憂き目にあった。
 理由は簡単、ソレは表題の【三大要素】を充たしていないからである。
 いい加減に造った『キャラクター』に適当な『世界観』の中で
くだらない『ストーリー』に沿ってスタンド能力を使わせても、
そんなモノはのである。

 コレと同じ事は「ライトノベル」にも云える。
 上記の【三大要素】
『キャラクター』『ストーリー』『世界観』、
その三つがはっきりと合致して一つの作品として
仕上げられているモノが在るだろうか?
 どこぞの「萌えキャラ」が
ライトノベルの代表になっているのではないか?
『一般人』でも知っている作品タイトルや主人公がいるか?
「転生したスライムの名前」など興味が無ければ
ラノベ作家ですらが知らない。
 ソレはジャンルの「知名度」ではなく
それだけ魅力のある『キャラクター』がいないからだ。
面白い『ストーリー』が描けていないからだ、
人を惹きつけるような『世界観』が想像出来ないからだ。

 今一度『初心』に還ろう。
 荒木先生は作品を描くにはその為の【地図】が必要だと仰っている。
 ソレが上記の【三大要素】だ。
 肝心な部分が何も描かれていない、
「設定」という一部しか出来ていないボロボロの「白紙」で
創作の大海原に漕ぎ出せば、
ソレが【沈没】するのは当たり前なのである。
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