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【ラノベとラーメンの共時性】
しおりを挟む一見、まるで無関係の事象に想えるが
実は共通する部分が多々ある。
『ラーメン』は誰でも作れる。
インスタントではなく【商業用】という意味で、
売れるか売れないかは別として
「お金を取る」ラーメンは誰にでも作れるのである。
麺もスープも具も、全て『業務用』で売っているし、
ソレを使えばインスタントとほぼ手間は変わらず
「売っていい」ラーメンは出来る。
資格も技術もなんなら調理経験すらもいらない、
屋台と言えば『ラーメン』なのはコレが大きな理由である。
翻って「ラノベ」も上記と同様、
技術も経験も、なんなら小説を読んだ事がなくても、
「ライトノベル」なら誰でも書ける。
売れる売れない、面白いつまらないは別として
5chに書き込む程度の労力でライトノベルは書ける、
【テンプレ】という『業務用食材』と同じモノがあるからだ。
ここで『ラーメンの歴史』を紐解いてみると面白い事が解る。
あまり詳細に書いても冗長なだけなので要点だけを掻い摘むが、
昭和40年代、ラーメン店の黎明期は上記で紹介したような
『業務用ラーメン』ばかりで、素材や調理、
そして「味」に拘る者は少数派であった。
店も不衛生でサービスも悪く、
安く簡単に一定数売りさばくのが
主流であったと言われている。
何かと『似ている』と想われないであろうか?
それが1980年代後半に入って以降、
所謂 “ニューウェーブ系” と呼ばれる店舗が台頭し、
技術や素材に裏打ちされた
『本格的なラーメン』を造る者達が現れ、
店内も現在の女性でも抵抗なく入れるような
洒落た造りに改装していったと云われている。
だがこの “ニューウェーブ系”
当初業界からは厄介者や気取った者として煙たがられ、
劣等感なのか自分の暗部を暴かれた逆ギレなのか
老舗という古いだけのラーメン店には
随分と批難や迫害を受けたという背景がある。
結果としてそのような悪しき『現状維持』を続け
不味いラーメンを出し続ける店舗は時代の流れに淘汰されたが、
時を於いて「ライトノベル」もソレと同じ時系列を
なぞっているように感じる。
『テンプレ』という業務用素材に頼りっきりで、
自分の腕も磨かなければ新しいモノを生み出そうとする気概もない、
更に言えば読者に『良い作品を読んでもらいたい』という意識すらないのは、
不味いラーメンを客に出してそれで良しとしていた
嘗てのオールドタイプと全く同じであろう。
どちらも文化のメインストリームではない、
“サブカルチャー” という点でも似通っている。
故に今はその『過渡期』
「ライトノベル」は誰でも造れる、という段階を抜けて、
『本当に優れたライトノベル』を生み出す、という
【第二段階】に入ったのである。
忘れないで欲しい、我々こそが、
その “ニューウェーブ” なのだ。
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