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動物
第一話【愛猫は教えてくれる】
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ウチの家には、可愛い三毛猫がいてね。
その子ってば、家族の誰かに、怪我が出来る事を予知する不思議な猫だったの。
名前は、ありきたりだけど、ミケ。
そのミケの予知の仕方は、怪我をするであろう部分を両手で可愛く押さえて、ペロペロ舐めるの。
最初の頃はただ単に甘えているだけで、その可愛い仕草にメロメロしていただけだったんだけど、その仕草は、本当にたまにしかしないのね。
だから、印象に残ったっていうのもあるんだけど、その舐められた部分に、自分の不注意で火傷を負ったり、捻挫したり、転んで擦り傷作ったり……
そんな事が続くものだから、ミケに両手で押さえられて舐められた時には、必ず気を付けるようにしていたの。
それで災いを避けられた事も多かった。
でもさ。
ウチのおとん。
迷信やら占いやら予知やら……そういう非科学的な事って大嫌いなのね。
ある時ミケが、ウチのおとんの右足を両手で押さえてペロペロしていたから、ウチが、「おとん! 今日、右足に気を付けて!」って言ったのよ。
そしたら、おとん。
烈火のごとく怒ってさぁ……
「何馬鹿な事言ってんだ。何にも起こる訳ねぇだろ!」と言い捨てて、仕事に出掛けていったの。
で、結果……
案の定、現場で足を滑らせて階段から落ちちゃって……右足骨折。
おとん、めちゃくちゃ不機嫌になってて……
帰ってきて、ミケを見つけた瞬間。
ガンガン!
プギャァァァッァァ!
松葉杖でミケを殴りつけたのよ。
ウチもおかんも凄まじい鳴き声で、慌てて駆け付けたときにはもう……
「そこでくたばってる“化け猫”の成り損ないを片付けておけ!」
未だムシャクシャしている様子のおとんは、怒鳴って、自分の部屋に入って行ったわ。
ウチとおかんは、泣きながら、血まみれになった、まだ生暖かいミケを毛布に包んで、段ボール箱に納めてくれた。
翌日、朝一でペットの葬儀屋みたいなところにお願いしにいった。
ウチもおかんも、悲しみと助けてやれなかった悔しさと、おとんへの怒りがあったものの……
我が家は、おとんが亭主関白絶対君主様。
反抗しようものなら、ウチもおかんも大変な事になってしまう。
おとんに反抗出来ず、何も出来なかった自分に腹が立って、それから数日間は、夜になれば悔し涙で枕を濡らしてた。
でもね、それからなの。
おとんが妙な事を言い出すのは。
真夜中に時々、ざらついた感触が肌に這うのだと。
気持ちが悪くて目が覚めるのだけれど、横でおかんが寝息をスースーとたてて、ぐっすり寝ているだけで何もいない。
再び眠りにつくと、それからは何も起きないのだが、翌日、些細な事ではあるが、その“感触”がした所を何かしら負傷するのだと。
その話を聞いた時“ミケ”を思い出したわ。
“あぁ……死んでも尚、家族を想ってくれているんだ……”という温かい気持ちと、“自分をあんな目に合せた、おとんにわざわざ知らせなくても……なんで、ウチのところに現れないのよ……”という複雑な気持ちで一杯になったの。
でもね、おとん曰く、そんな事が続くから、その感触がした時には、必ず、足元から頭上までその日一日、気を付けるようにしているのだが、負傷する事を避ける事が出来ないらしい。
しかも、最近気が付いたのは、その“ザラつく”感触がした部位は、翌朝、うっすらピンクになっていて、それが負傷した傷跡や部位そのままの形を成しているんだって。
せっかく教えてくれても、避ける事の出来ない予知って……逆に怖いよね?
しかもね。
今、朝食をとっているんだけどさぁ。
ふと、目に入ったの。
おとんの首に、一周グルリと薄らピンクの痕がついているのを……
これって……ねぇ?
おとんも、その事に気が付いているのか、朝ごはんも喉に通らないみたい。
きっと、今日で、ミケの復讐が終わるんだろうね。
きっと。
その子ってば、家族の誰かに、怪我が出来る事を予知する不思議な猫だったの。
名前は、ありきたりだけど、ミケ。
そのミケの予知の仕方は、怪我をするであろう部分を両手で可愛く押さえて、ペロペロ舐めるの。
最初の頃はただ単に甘えているだけで、その可愛い仕草にメロメロしていただけだったんだけど、その仕草は、本当にたまにしかしないのね。
だから、印象に残ったっていうのもあるんだけど、その舐められた部分に、自分の不注意で火傷を負ったり、捻挫したり、転んで擦り傷作ったり……
そんな事が続くものだから、ミケに両手で押さえられて舐められた時には、必ず気を付けるようにしていたの。
それで災いを避けられた事も多かった。
でもさ。
ウチのおとん。
迷信やら占いやら予知やら……そういう非科学的な事って大嫌いなのね。
ある時ミケが、ウチのおとんの右足を両手で押さえてペロペロしていたから、ウチが、「おとん! 今日、右足に気を付けて!」って言ったのよ。
そしたら、おとん。
烈火のごとく怒ってさぁ……
「何馬鹿な事言ってんだ。何にも起こる訳ねぇだろ!」と言い捨てて、仕事に出掛けていったの。
で、結果……
案の定、現場で足を滑らせて階段から落ちちゃって……右足骨折。
おとん、めちゃくちゃ不機嫌になってて……
帰ってきて、ミケを見つけた瞬間。
ガンガン!
プギャァァァッァァ!
松葉杖でミケを殴りつけたのよ。
ウチもおかんも凄まじい鳴き声で、慌てて駆け付けたときにはもう……
「そこでくたばってる“化け猫”の成り損ないを片付けておけ!」
未だムシャクシャしている様子のおとんは、怒鳴って、自分の部屋に入って行ったわ。
ウチとおかんは、泣きながら、血まみれになった、まだ生暖かいミケを毛布に包んで、段ボール箱に納めてくれた。
翌日、朝一でペットの葬儀屋みたいなところにお願いしにいった。
ウチもおかんも、悲しみと助けてやれなかった悔しさと、おとんへの怒りがあったものの……
我が家は、おとんが亭主関白絶対君主様。
反抗しようものなら、ウチもおかんも大変な事になってしまう。
おとんに反抗出来ず、何も出来なかった自分に腹が立って、それから数日間は、夜になれば悔し涙で枕を濡らしてた。
でもね、それからなの。
おとんが妙な事を言い出すのは。
真夜中に時々、ざらついた感触が肌に這うのだと。
気持ちが悪くて目が覚めるのだけれど、横でおかんが寝息をスースーとたてて、ぐっすり寝ているだけで何もいない。
再び眠りにつくと、それからは何も起きないのだが、翌日、些細な事ではあるが、その“感触”がした所を何かしら負傷するのだと。
その話を聞いた時“ミケ”を思い出したわ。
“あぁ……死んでも尚、家族を想ってくれているんだ……”という温かい気持ちと、“自分をあんな目に合せた、おとんにわざわざ知らせなくても……なんで、ウチのところに現れないのよ……”という複雑な気持ちで一杯になったの。
でもね、おとん曰く、そんな事が続くから、その感触がした時には、必ず、足元から頭上までその日一日、気を付けるようにしているのだが、負傷する事を避ける事が出来ないらしい。
しかも、最近気が付いたのは、その“ザラつく”感触がした部位は、翌朝、うっすらピンクになっていて、それが負傷した傷跡や部位そのままの形を成しているんだって。
せっかく教えてくれても、避ける事の出来ない予知って……逆に怖いよね?
しかもね。
今、朝食をとっているんだけどさぁ。
ふと、目に入ったの。
おとんの首に、一周グルリと薄らピンクの痕がついているのを……
これって……ねぇ?
おとんも、その事に気が付いているのか、朝ごはんも喉に通らないみたい。
きっと、今日で、ミケの復讐が終わるんだろうね。
きっと。
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