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番外編■エヴァン編&キーラン編
エヴァン×キース①
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前世で瑠也だった時、一人の時間はいつもゲームをやっていた。
ロープレやシューティングがメインだったが、人並みに女の子にも興味があったので、アイドル育成なんかにも手を出した。
が、瑠也はその手の才能は皆無だった。育成度が上がればプロデューサーであるプレイヤーとの恋愛要素が出てくる設定だった。しかし、推しの彼女はさんざん課金させた後、若手俳優と熱愛が発覚という悲しすぎるラストを迎え、もう絶対こんなゲームには手を出さないと心に誓ったのは忘れられない思い出である。
王立学校は共学なので、女子も少数だが在籍している。友人ができたばかりで恋愛なんて自分には遠い話だなと、キースはぼんやり考えながら黒板を見ていた。
教室の黒板にはデカデカと、新入生歓迎のカップルイベント!ラブラブ祭開催と告知の案内が書かれていた。
誰がこの案内を書いたのか、ハートがいっぱい描かれていて、貴族の学校ではどうも場違いな気がしてならない。
レナールから聞いていた通り、この世界の人間達は恋愛に対して性別をあまり気にしない。女性より男の数の方が多いので、妻を何人も持つ男もいるし、男同士で結婚する者もいる。そういった方面のことはかなり自由で寛容というか、恋愛初心者のキースにはどう解釈していいか分からない世界だ。
ラブラブ祭りと称されたこのイベントはゲーム序盤に主人公レナールが、攻略対象を絞るためのもので、ここで相手を選べばほぼルートが確定するそうだ。
自分には関係ないからと思いながら、キースは初めてできた隣に座る友人の二人を見つめた。
レナールからエヴァンとキーランはゲームの攻略対象者だと聞かされて、なるほどと納得してしまった。
二人とも明らかに周りとは違うオーラを放っていて存在感がある。キースも最初は一人期間が長くてビクビクしていたが、毎日一緒に過ごすようになって一月が経ち、今ではすっかり仲良くなって、冗談を言いあえるような関係になった。
なんとなく気になるのは、エヴァンのことだ。
エヴァンはレナールを好きになるはずなので、このイベントではどうするのか気になってしまった。
レナールの推しのルーファスは、ゲームとは違い多忙らしく外国を飛び回っていて、学校に来る気配もない。
そんなわけでレナールは今フリーなので、誰を選ぶのか、キースはそんな事ばかり考えていた。
「どうしたの?考えごと?ぼんやりしちゃって」
ボケっとしていて突然視界にエヴァンの顔が入ってきたので、キースはビクッと体を揺らして驚いた。
前の席との間に座り込んだエヴァンがキースを見上げて微笑んでいた。
「な…なんか、騒がしいなと思って…何かなと……」
「ああ、新歓のイベントだよ。好きな相手とペアになってゲームとかやって一緒に過ごすから、今から相手を見つけておけってやつ。みんな誰とペアになるかで盛り上がってるよね」
「へぇ…そういうのなんだ…」
キースはそう口にしたものの全然イメージが湧かなくてよけいに頭が空っぽになってしまった。
エヴァンは誰とペアになるのだろうかと、思い浮かんできたが、それを聞くのがなぜかちょっと怖かった。初めての友達だからかもしれない。
エヴァンはペアの事などすっと忘れたように、別の話をしてきて流れは違う方向に行ってしまった。
「基礎体力が大事だよ。いざという時に体が動かなかったら意味がないからね」
「うんうん、それで…体力がつけば筋肉も付くんだよね」
「うーーーん、それはーどうかなぁー」
いつもの温和な表情だが、眉を寄せて困った顔になったエヴァンは苦しそうな声を上げた。
我慢できなくなったのか、横で本を読んでいたキーランが何を悩んでるんだと口を出してきた。
「エヴァンに相談に乗ってもらっているんだ。俺、王国の騎士団に入りたくてさ。学校を卒業すれば入団資格は得られるだろう」
何事にも動じないタイプに見えるキーランが珍しく顔を引き攣らせて、不味いものを食べたみたいな顔になった。
「得られるったって…キース、その体で本気で騎士を目指すつもりか?王国の騎士団なんてバケモンみたいにデカいやつらしかいないぞ」
「そ……それは、今から体を鍛えぬいてムキムキに……」
「無理だろうな。骨格から違うぞ。鍛えても大して肉はつかないだろうな」
キーランにバッサリと斬られてしまい、薄々自分でも分かっていたがキースはショックでがくりと項垂れた。
「キーラン!そこまで言い切ることないだろう。キースがやりたいなら可能性がないわけじゃない」
「なんだよ。剣もろくに握れなさそうだが本気で使えると思ってるのか?」
「キースは騎士というより、進むべき道を探しているんだよ。聞けば家が借金があったりでかなり大変だったみたいだし、収入が高くて安定した仕事を求めているんだよね」
キースは拙い説明だったが、自分の事情を話してエヴァンに相談に乗ってもらっていた。
優しいエヴァンは状況を判断していて、キースの言いたかったことを全部まとめてくれた。
キースは感激しながらブンブンと首を上下に振って頷いた。
「いい提案があるんだよ。キースはうちの騎士団で働いたらどうかなと思って」
「ええ!?エヴァンの家?騎士団?」
突然の話にキースは驚いたが、実は最初にキースが相談を持ちかけた時から、エヴァンはいつか話したいと思っていたと言ってくれた。
エヴァンの家、カルロス公爵家は国の貴族の頂点と言える由緒正しく大きな力を持った家らしい。
王家からの信頼も厚く、唯一独自の騎士団を持つことを許されている。過去にも有事の際に数々の武勲を上げていて王国騎士団に続いて名誉のある仕事とされている。
「騎士団の仕事は剣を持つことだけじゃないんだ。裏方として団員をまとめ上げて、予算や予定を管理するような事務的な仕事も必要なんだ。今すぐとは言わないからぜひ考えてみてよ」
「エヴァン……」
これ以上ないという提案に文句など一つもない。すぐにでもお願いしますと頭を下げたかったが、エヴァンの家にも都合があるだろうし、一応キースも家族に相談しなければいけない。
こんないいやつと友達になれたという事に感動してキースは目を潤ませて、エヴァンにありがとうと言った。
「………お前にしては珍しいな」
ここでキーランが水を差すような場違いな感想を言い出した。
友人思いのエヴァンを、まるで普段は冷たいやつだと言うような言い方が気になった。
「どうして?友達のキースが困っているんだ。助けてあげたいと思うのはおかしくないだろう」
「…………」
キーランは無言になって何か言いたげな目をしてこちらを見てきた。もともとエヴァンとキーランは幼馴染で仲が良かったから、突然入ってきた自分のことが気に入らないのかもしれないとキースは思った。
友達になってくれたのは嬉しいけど、二人の仲を引き裂くような真似はしたくないと考えていた。
「先に、帰るね。エヴァン色々とありがとう。キーランもまた明日」
終了のベルが鳴ったので素早く鞄を掴んで、キースは二人に別れの挨拶をしてさっと教室を出た。
なんでも相談できるような友人ができた事は本当に嬉しかった。人脈を作るという目的も果たせそうだし、キースは充実した学生生活に満足していた。
これ以上、望んではいけない。
これが自分にとって最高の幸せなのだと。
「あーーーー!さっきからエヴァンエヴァンうるさいわ!その名前、あんまり聞きたくないんだけど!」
帰りの馬車の中はその日の出来事の報告会だ。背もたれに崩れ落ちそうな姿勢でキースの話を聞いていたレナールは、不機嫌そうな顔で本当に崩れ落ちて座面にごろんと体を預けた。
「なんでだよ。エヴァンが攻略対象者だからってこと?もしかしてレナール、攻略するつもりだった…とか?」
「ゲロ!絶対嫌よ!私の好みのタイプ知っているでしょう。どろどろ甘やかしてくれる男が良いのよ!……エヴァンみたいな面倒くさい男なんてムリ!イライラするから絶対キレるし!」
「め……面倒くさいって…!?」
レナールの言った言葉の半分も分からなくてキースは口をぽかんと開けたまま固まった。
友人思いで優しくていいヤツやエヴァンのどこに面倒な要素があるのかサッパリ理解できない。
「っていうか、キースってああいう男が好みだったのね」
「……はあ!?」
「自分で気づかないの?口を開けばエヴァンエヴァンって、友達の域を超えてるわよ。向こうも満更でもなさそうだし、さっさと付き合ってヤルことヤッて少しは落ち着いてくんない?」
空いた口が塞がらないとはこの事だ。熱いと呼べるほどではないが友情が芽生えた関係に、水をかけられたみたいだった。
「お……っ俺とエヴァンは……そんな関係じゃ……」
「ああそう、じゃ私が攻略に乗り出してもいいの?言っておくけど、私主人公様だから、向こうからしたらどタイプよ。目が合っただけで勃たせる自信もあるわ」
「なっ…なっ…何を……」
突然のレナールの卑猥な発言にキースは真っ赤になって後ろに飛び退いた。その時背もたれに体を打って痛みに悶えた。
「はっ…ははは!動揺しすぎ。でもそのリアクションならまだ気になっている程度か…自覚なしか…。この頃つまらなくて退屈だったけど、良い事思いついちゃったかも、ふふふっ…」
レナールが悪い顔をして笑い出したので、キースは背中に汗をかきながら、高笑いをするレナールを唖然としながら見つめた。
「キース、君に主人公とはどういうものか、見せてあげるよ。それで、良いやつぶったあいつの仮面を剥がして、男の欲望ってやつを見せてあげる」
またまたレナールの言っていることは分からないし、質問しても今度は何一つ答えてくれなかった。
軌道に乗り出した学園生活がまた不安なものに変わっていくのを感じて、キースは嫌な予感に震えた。
その嫌な予感は的中した。
休み時間、レナールがいきなりキースの教室に乱入してきたのだ。
いつも後ろに従えている下僕達は置いて単独でツカツカと教室に入ってきて、エヴァンの席まで来て机にドカッと腰掛けた。
隣のクラスの女王様の登場に、クラス中がざわざわとする中、レナールはいつもの誰もを虜にする微笑みを顔に浮かべた。
失礼で尊大とも思える態度だが、主人公であれば許されてしまうだろうかと、あまりの派手な登場にキースは言葉を失った。
「初めまして。僕、レナール・ラムジール。キースとは遠い親戚なんだけど、キースが仲良くしてもらってるって聞いたから挨拶しておきたくて」
太陽の光を浴びて、自慢の金髪をこれでもかと光らせ、夏の海を思わせるよ瞳を細めて、みずみずしい果実のような唇を形よく上げながら微笑む姿は、宗教画に出てくる天使も負けてしまうくらい美しかった。周囲の生徒は皆顔を赤くしてため息を漏らしながら、レナールの姿に見惚れていた。
「ああ、見たことがあるよ。キースと一緒に登校していたよね。話すのは初めてだったね。エヴァン・カルロスだよ。よろしく」
レナールの渾身の一撃を目の前でくらったはずだが、エヴァンはいつもと変わりなく、人好きのする笑顔で挨拶を返した。
あまりに無難な対応にレナールは拍子抜けしたような顔になった。
それもそうだ。視線だけで勃たせると豪語していたのだから。
「ところで、そこ。俺の机の上だから、座らないで欲しいんだけど」
エヴァンは人懐っこい笑顔を浮かべてさらりと鋭い指摘をした。
レナールは当然許されると思っていたのに、まさかという顔で驚いて固まってしまった。
「…レナール、急に来られたらエヴァンだって驚くだろ…、ほら…」
エヴァンはニコニコしているので一見和やかな雰囲気だが、なんとも言えない圧を感じて、キースはさすがに間に入ることにした。
呆然としているレナールの手を掴んで、引き寄せるとレナールは大人しく机から降りてくれた。
「次の授業始まるから、忘れ物ない?」
「……うん」
「騒がしくしてごめんな。ちょっとレナールを送ってくるよ」
揶揄うつもりが上手くいかなかったことがショックだったのだろう、このままだとレナールはずっとここにいそうなので、短い距離だが隣のクラスまで送ってあげることにした。
レナールの手を繋いだまま、エヴァンに声をかけて教室を出た。
「良い事思いついたって挨拶する事だったの?」
「……イベントのペアに誘って喜ばせて…、誘惑して襲いかかって来たら、好みじゃないってフってやろうと思っていたのに……」
さすがとんでもない事を考えていたレナールにキースは頭痛を覚えた。
「私…主人公なのよ!どうしてあんな態度取られないといけないの?尻尾振って涎垂らして来るはずなのに!」
「あんなって……、確かにいつもより冷たく感じたけど、急に机に座られたら困るだろう。すでにゲームの展開とは色々違ってるし…そこまで気にすることじゃ…」
「……ムカつく。ニセワンコのクセに、この私を邪険にするなんて……」
レナールはプライドを傷つけられてショックなのか、教室に送り届けると後でねと言った後、下を向いてブツブツ言いながらさっさと入っていってしまった。
そんなレナールの後ろ姿を複雑な気持ちで眺めていたら、トントンと優しく肩を叩かれた。
「キース、遅いから迎えに来たよ」
「エヴァン」
レナールの前で漂っていた不思議な空気は消えて、いつもの明るいエヴァンに戻っていたのでキースはホっと肩を撫で下ろした。
「迎えにって…隣のクラスだよ。エヴァンは大袈裟だなぁ」
「だってさ、キースだって、レナールを送って行っただろう。それと一緒だよ」
そう言われてしまったら言い返すことはできない。エヴァンは気にして見に来てくれたのかもしれないと思った。
まだベルは鳴らないが早めに戻ろうと自分の教室へ足を向けたキースだったが、ツンツンと服を引っ張られる感触がして見ると、エヴァンがシャツの肩口を指でつまんでいた。
「な…なに?どうしたの?」
「キース、忘れもの」
ニコニコと笑っているエヴァンは、大きな体でまるで子犬のような目でキースを見てきた。
可愛らしいけど、何かよく分からない熱いものを感じて、キースの胸はトクトクと鳴り出した。
「忘れ物なんて…なにも…」
「あれ?おかしいな、さっきレナールとはしていたのに……」
エヴァンが耳元で囁いてきたので、心臓の音はどんどん速くなった。エヴァンってこんなやつだった?と頭の中で疑問がぐるぐる回り出した。
「し…していたって……、手を繋ぐこと?」
「そうだよ。俺にはしてくれないの?」
まさかエヴァンがそんな子供のようなことをねだってくるとは信じられなかった。さっきはレナールが動かなくなっていたので、たまたま引っ張ったのだ。
友人同士であまり手は繋がないのではと考えたが、そんな事をここで言い合っているうちに休み時間が終わってしまいそうだった。
「……エヴァンって、子供みたいだな。ほら、手を出して」
エヴァンが嬉しそうな顔になって手を出してきたので、キースは仕方なく手を掴んでズンズン歩き出した。
「キースは優しいね。子供みたいな俺に付き合ってくれるなんて」
顔の周りに花でも咲きそうにルンルンの笑顔のエヴァンを見たら文句も言えなくなってしまった。
「でも、これから手を繋ぐのは俺だけだよ」
「え!?」
クラス間の移動なんてあっという間だ。自分のクラスの前に来た時にエヴァンが急にそんな事を言い出したので、キースは驚いて手を離してしまった。
「冗談だよ。さっ、先に戻ろう」
ぱっと明るい笑顔のキースにそう返されてしまい、キースは一人で心臓をバクバクと揺らして真っ赤になってしまった。
何か言い返す間もなく、エヴァンはさっさと戻ってしまったので、一人熱くなった胸を押さえながら、理解不能の熱をどうすればいいのかキースは呆然と立ち尽くしたのだった。
□□□
ロープレやシューティングがメインだったが、人並みに女の子にも興味があったので、アイドル育成なんかにも手を出した。
が、瑠也はその手の才能は皆無だった。育成度が上がればプロデューサーであるプレイヤーとの恋愛要素が出てくる設定だった。しかし、推しの彼女はさんざん課金させた後、若手俳優と熱愛が発覚という悲しすぎるラストを迎え、もう絶対こんなゲームには手を出さないと心に誓ったのは忘れられない思い出である。
王立学校は共学なので、女子も少数だが在籍している。友人ができたばかりで恋愛なんて自分には遠い話だなと、キースはぼんやり考えながら黒板を見ていた。
教室の黒板にはデカデカと、新入生歓迎のカップルイベント!ラブラブ祭開催と告知の案内が書かれていた。
誰がこの案内を書いたのか、ハートがいっぱい描かれていて、貴族の学校ではどうも場違いな気がしてならない。
レナールから聞いていた通り、この世界の人間達は恋愛に対して性別をあまり気にしない。女性より男の数の方が多いので、妻を何人も持つ男もいるし、男同士で結婚する者もいる。そういった方面のことはかなり自由で寛容というか、恋愛初心者のキースにはどう解釈していいか分からない世界だ。
ラブラブ祭りと称されたこのイベントはゲーム序盤に主人公レナールが、攻略対象を絞るためのもので、ここで相手を選べばほぼルートが確定するそうだ。
自分には関係ないからと思いながら、キースは初めてできた隣に座る友人の二人を見つめた。
レナールからエヴァンとキーランはゲームの攻略対象者だと聞かされて、なるほどと納得してしまった。
二人とも明らかに周りとは違うオーラを放っていて存在感がある。キースも最初は一人期間が長くてビクビクしていたが、毎日一緒に過ごすようになって一月が経ち、今ではすっかり仲良くなって、冗談を言いあえるような関係になった。
なんとなく気になるのは、エヴァンのことだ。
エヴァンはレナールを好きになるはずなので、このイベントではどうするのか気になってしまった。
レナールの推しのルーファスは、ゲームとは違い多忙らしく外国を飛び回っていて、学校に来る気配もない。
そんなわけでレナールは今フリーなので、誰を選ぶのか、キースはそんな事ばかり考えていた。
「どうしたの?考えごと?ぼんやりしちゃって」
ボケっとしていて突然視界にエヴァンの顔が入ってきたので、キースはビクッと体を揺らして驚いた。
前の席との間に座り込んだエヴァンがキースを見上げて微笑んでいた。
「な…なんか、騒がしいなと思って…何かなと……」
「ああ、新歓のイベントだよ。好きな相手とペアになってゲームとかやって一緒に過ごすから、今から相手を見つけておけってやつ。みんな誰とペアになるかで盛り上がってるよね」
「へぇ…そういうのなんだ…」
キースはそう口にしたものの全然イメージが湧かなくてよけいに頭が空っぽになってしまった。
エヴァンは誰とペアになるのだろうかと、思い浮かんできたが、それを聞くのがなぜかちょっと怖かった。初めての友達だからかもしれない。
エヴァンはペアの事などすっと忘れたように、別の話をしてきて流れは違う方向に行ってしまった。
「基礎体力が大事だよ。いざという時に体が動かなかったら意味がないからね」
「うんうん、それで…体力がつけば筋肉も付くんだよね」
「うーーーん、それはーどうかなぁー」
いつもの温和な表情だが、眉を寄せて困った顔になったエヴァンは苦しそうな声を上げた。
我慢できなくなったのか、横で本を読んでいたキーランが何を悩んでるんだと口を出してきた。
「エヴァンに相談に乗ってもらっているんだ。俺、王国の騎士団に入りたくてさ。学校を卒業すれば入団資格は得られるだろう」
何事にも動じないタイプに見えるキーランが珍しく顔を引き攣らせて、不味いものを食べたみたいな顔になった。
「得られるったって…キース、その体で本気で騎士を目指すつもりか?王国の騎士団なんてバケモンみたいにデカいやつらしかいないぞ」
「そ……それは、今から体を鍛えぬいてムキムキに……」
「無理だろうな。骨格から違うぞ。鍛えても大して肉はつかないだろうな」
キーランにバッサリと斬られてしまい、薄々自分でも分かっていたがキースはショックでがくりと項垂れた。
「キーラン!そこまで言い切ることないだろう。キースがやりたいなら可能性がないわけじゃない」
「なんだよ。剣もろくに握れなさそうだが本気で使えると思ってるのか?」
「キースは騎士というより、進むべき道を探しているんだよ。聞けば家が借金があったりでかなり大変だったみたいだし、収入が高くて安定した仕事を求めているんだよね」
キースは拙い説明だったが、自分の事情を話してエヴァンに相談に乗ってもらっていた。
優しいエヴァンは状況を判断していて、キースの言いたかったことを全部まとめてくれた。
キースは感激しながらブンブンと首を上下に振って頷いた。
「いい提案があるんだよ。キースはうちの騎士団で働いたらどうかなと思って」
「ええ!?エヴァンの家?騎士団?」
突然の話にキースは驚いたが、実は最初にキースが相談を持ちかけた時から、エヴァンはいつか話したいと思っていたと言ってくれた。
エヴァンの家、カルロス公爵家は国の貴族の頂点と言える由緒正しく大きな力を持った家らしい。
王家からの信頼も厚く、唯一独自の騎士団を持つことを許されている。過去にも有事の際に数々の武勲を上げていて王国騎士団に続いて名誉のある仕事とされている。
「騎士団の仕事は剣を持つことだけじゃないんだ。裏方として団員をまとめ上げて、予算や予定を管理するような事務的な仕事も必要なんだ。今すぐとは言わないからぜひ考えてみてよ」
「エヴァン……」
これ以上ないという提案に文句など一つもない。すぐにでもお願いしますと頭を下げたかったが、エヴァンの家にも都合があるだろうし、一応キースも家族に相談しなければいけない。
こんないいやつと友達になれたという事に感動してキースは目を潤ませて、エヴァンにありがとうと言った。
「………お前にしては珍しいな」
ここでキーランが水を差すような場違いな感想を言い出した。
友人思いのエヴァンを、まるで普段は冷たいやつだと言うような言い方が気になった。
「どうして?友達のキースが困っているんだ。助けてあげたいと思うのはおかしくないだろう」
「…………」
キーランは無言になって何か言いたげな目をしてこちらを見てきた。もともとエヴァンとキーランは幼馴染で仲が良かったから、突然入ってきた自分のことが気に入らないのかもしれないとキースは思った。
友達になってくれたのは嬉しいけど、二人の仲を引き裂くような真似はしたくないと考えていた。
「先に、帰るね。エヴァン色々とありがとう。キーランもまた明日」
終了のベルが鳴ったので素早く鞄を掴んで、キースは二人に別れの挨拶をしてさっと教室を出た。
なんでも相談できるような友人ができた事は本当に嬉しかった。人脈を作るという目的も果たせそうだし、キースは充実した学生生活に満足していた。
これ以上、望んではいけない。
これが自分にとって最高の幸せなのだと。
「あーーーー!さっきからエヴァンエヴァンうるさいわ!その名前、あんまり聞きたくないんだけど!」
帰りの馬車の中はその日の出来事の報告会だ。背もたれに崩れ落ちそうな姿勢でキースの話を聞いていたレナールは、不機嫌そうな顔で本当に崩れ落ちて座面にごろんと体を預けた。
「なんでだよ。エヴァンが攻略対象者だからってこと?もしかしてレナール、攻略するつもりだった…とか?」
「ゲロ!絶対嫌よ!私の好みのタイプ知っているでしょう。どろどろ甘やかしてくれる男が良いのよ!……エヴァンみたいな面倒くさい男なんてムリ!イライラするから絶対キレるし!」
「め……面倒くさいって…!?」
レナールの言った言葉の半分も分からなくてキースは口をぽかんと開けたまま固まった。
友人思いで優しくていいヤツやエヴァンのどこに面倒な要素があるのかサッパリ理解できない。
「っていうか、キースってああいう男が好みだったのね」
「……はあ!?」
「自分で気づかないの?口を開けばエヴァンエヴァンって、友達の域を超えてるわよ。向こうも満更でもなさそうだし、さっさと付き合ってヤルことヤッて少しは落ち着いてくんない?」
空いた口が塞がらないとはこの事だ。熱いと呼べるほどではないが友情が芽生えた関係に、水をかけられたみたいだった。
「お……っ俺とエヴァンは……そんな関係じゃ……」
「ああそう、じゃ私が攻略に乗り出してもいいの?言っておくけど、私主人公様だから、向こうからしたらどタイプよ。目が合っただけで勃たせる自信もあるわ」
「なっ…なっ…何を……」
突然のレナールの卑猥な発言にキースは真っ赤になって後ろに飛び退いた。その時背もたれに体を打って痛みに悶えた。
「はっ…ははは!動揺しすぎ。でもそのリアクションならまだ気になっている程度か…自覚なしか…。この頃つまらなくて退屈だったけど、良い事思いついちゃったかも、ふふふっ…」
レナールが悪い顔をして笑い出したので、キースは背中に汗をかきながら、高笑いをするレナールを唖然としながら見つめた。
「キース、君に主人公とはどういうものか、見せてあげるよ。それで、良いやつぶったあいつの仮面を剥がして、男の欲望ってやつを見せてあげる」
またまたレナールの言っていることは分からないし、質問しても今度は何一つ答えてくれなかった。
軌道に乗り出した学園生活がまた不安なものに変わっていくのを感じて、キースは嫌な予感に震えた。
その嫌な予感は的中した。
休み時間、レナールがいきなりキースの教室に乱入してきたのだ。
いつも後ろに従えている下僕達は置いて単独でツカツカと教室に入ってきて、エヴァンの席まで来て机にドカッと腰掛けた。
隣のクラスの女王様の登場に、クラス中がざわざわとする中、レナールはいつもの誰もを虜にする微笑みを顔に浮かべた。
失礼で尊大とも思える態度だが、主人公であれば許されてしまうだろうかと、あまりの派手な登場にキースは言葉を失った。
「初めまして。僕、レナール・ラムジール。キースとは遠い親戚なんだけど、キースが仲良くしてもらってるって聞いたから挨拶しておきたくて」
太陽の光を浴びて、自慢の金髪をこれでもかと光らせ、夏の海を思わせるよ瞳を細めて、みずみずしい果実のような唇を形よく上げながら微笑む姿は、宗教画に出てくる天使も負けてしまうくらい美しかった。周囲の生徒は皆顔を赤くしてため息を漏らしながら、レナールの姿に見惚れていた。
「ああ、見たことがあるよ。キースと一緒に登校していたよね。話すのは初めてだったね。エヴァン・カルロスだよ。よろしく」
レナールの渾身の一撃を目の前でくらったはずだが、エヴァンはいつもと変わりなく、人好きのする笑顔で挨拶を返した。
あまりに無難な対応にレナールは拍子抜けしたような顔になった。
それもそうだ。視線だけで勃たせると豪語していたのだから。
「ところで、そこ。俺の机の上だから、座らないで欲しいんだけど」
エヴァンは人懐っこい笑顔を浮かべてさらりと鋭い指摘をした。
レナールは当然許されると思っていたのに、まさかという顔で驚いて固まってしまった。
「…レナール、急に来られたらエヴァンだって驚くだろ…、ほら…」
エヴァンはニコニコしているので一見和やかな雰囲気だが、なんとも言えない圧を感じて、キースはさすがに間に入ることにした。
呆然としているレナールの手を掴んで、引き寄せるとレナールは大人しく机から降りてくれた。
「次の授業始まるから、忘れ物ない?」
「……うん」
「騒がしくしてごめんな。ちょっとレナールを送ってくるよ」
揶揄うつもりが上手くいかなかったことがショックだったのだろう、このままだとレナールはずっとここにいそうなので、短い距離だが隣のクラスまで送ってあげることにした。
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「良い事思いついたって挨拶する事だったの?」
「……イベントのペアに誘って喜ばせて…、誘惑して襲いかかって来たら、好みじゃないってフってやろうと思っていたのに……」
さすがとんでもない事を考えていたレナールにキースは頭痛を覚えた。
「私…主人公なのよ!どうしてあんな態度取られないといけないの?尻尾振って涎垂らして来るはずなのに!」
「あんなって……、確かにいつもより冷たく感じたけど、急に机に座られたら困るだろう。すでにゲームの展開とは色々違ってるし…そこまで気にすることじゃ…」
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レナールはプライドを傷つけられてショックなのか、教室に送り届けると後でねと言った後、下を向いてブツブツ言いながらさっさと入っていってしまった。
そんなレナールの後ろ姿を複雑な気持ちで眺めていたら、トントンと優しく肩を叩かれた。
「キース、遅いから迎えに来たよ」
「エヴァン」
レナールの前で漂っていた不思議な空気は消えて、いつもの明るいエヴァンに戻っていたのでキースはホっと肩を撫で下ろした。
「迎えにって…隣のクラスだよ。エヴァンは大袈裟だなぁ」
「だってさ、キースだって、レナールを送って行っただろう。それと一緒だよ」
そう言われてしまったら言い返すことはできない。エヴァンは気にして見に来てくれたのかもしれないと思った。
まだベルは鳴らないが早めに戻ろうと自分の教室へ足を向けたキースだったが、ツンツンと服を引っ張られる感触がして見ると、エヴァンがシャツの肩口を指でつまんでいた。
「な…なに?どうしたの?」
「キース、忘れもの」
ニコニコと笑っているエヴァンは、大きな体でまるで子犬のような目でキースを見てきた。
可愛らしいけど、何かよく分からない熱いものを感じて、キースの胸はトクトクと鳴り出した。
「忘れ物なんて…なにも…」
「あれ?おかしいな、さっきレナールとはしていたのに……」
エヴァンが耳元で囁いてきたので、心臓の音はどんどん速くなった。エヴァンってこんなやつだった?と頭の中で疑問がぐるぐる回り出した。
「し…していたって……、手を繋ぐこと?」
「そうだよ。俺にはしてくれないの?」
まさかエヴァンがそんな子供のようなことをねだってくるとは信じられなかった。さっきはレナールが動かなくなっていたので、たまたま引っ張ったのだ。
友人同士であまり手は繋がないのではと考えたが、そんな事をここで言い合っているうちに休み時間が終わってしまいそうだった。
「……エヴァンって、子供みたいだな。ほら、手を出して」
エヴァンが嬉しそうな顔になって手を出してきたので、キースは仕方なく手を掴んでズンズン歩き出した。
「キースは優しいね。子供みたいな俺に付き合ってくれるなんて」
顔の周りに花でも咲きそうにルンルンの笑顔のエヴァンを見たら文句も言えなくなってしまった。
「でも、これから手を繋ぐのは俺だけだよ」
「え!?」
クラス間の移動なんてあっという間だ。自分のクラスの前に来た時にエヴァンが急にそんな事を言い出したので、キースは驚いて手を離してしまった。
「冗談だよ。さっ、先に戻ろう」
ぱっと明るい笑顔のキースにそう返されてしまい、キースは一人で心臓をバクバクと揺らして真っ赤になってしまった。
何か言い返す間もなく、エヴァンはさっさと戻ってしまったので、一人熱くなった胸を押さえながら、理解不能の熱をどうすればいいのかキースは呆然と立ち尽くしたのだった。
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乙女ゲームのサポートキャラとして転生した俺は、ヒロインと攻略対象を無事くっつけることが出来るだろうか。どうやらヒロインの様子が違うような。距離の近いヒロインに徐々に不信感を抱く攻略対象。何故か攻略対象が接近してきて…
ほのほのです。
※有難いことに別サイトでその後の話をご希望されました(嬉しい😆)ので追加いたしました。
BL世界に転生したけど主人公の弟で悪役だったのでほっといてください
わさび
BL
前世、妹から聞いていたBL世界に転生してしまった主人公。
まだ転生したのはいいとして、何故よりにもよって悪役である弟に転生してしまったのか…!?
悪役の弟が抱えていたであろう嫉妬に抗いつつ転生生活を過ごす物語。
【完結】だから俺は主人公じゃない!
美兎
BL
ある日通り魔に殺された岬りおが、次に目を覚ましたら別の世界の人間になっていた。
しかもそれは腐男子な自分が好きなキャラクターがいるゲームの世界!?
でも自分は名前も聞いた事もないモブキャラ。
そんなモブな自分に話しかけてきてくれた相手とは……。
主人公がいるはずなのに、攻略対象がことごとく自分に言い寄ってきて大混乱!
だから、…俺は主人公じゃないんだってば!
寄るな。触るな。近付くな。
きっせつ
BL
ある日、ハースト伯爵家の次男、であるシュネーは前世の記憶を取り戻した。
頭を打って?
病気で生死を彷徨って?
いいえ、でもそれはある意味衝撃な出来事。人の情事を目撃して、衝撃のあまり思い出したのだ。しかも、男と男の情事で…。
見たくもないものを見せられて。その上、シュネーだった筈の今世の自身は情事を見た衝撃で何処かへ行ってしまったのだ。
シュネーは何処かに行ってしまった今世の自身の代わりにシュネーを変態から守りつつ、貴族や騎士がいるフェルメルン王国で生きていく。
しかし問題は山積みで、情事を目撃した事でエリアスという侯爵家嫡男にも目を付けられてしまう。シュネーは今世の自身が帰ってくるまで自身を守りきれるのか。
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初めての投稿です。
結構ノリに任せて書いているのでかなり読み辛いし、分かり辛いかもしれませんがよろしくお願いします。主人公がボーイズでラブするのはかなり先になる予定です。
※ストックが切れ次第緩やかに投稿していきます。
【完結 一気読み推奨】片想いの相手が「そろそろ恋愛したい」と言ったので、用済みの俺はニートになることにしました。
はぴねこ
BL
高校生の頃、片想いの親友に告白した。
彼はノンケだったから玉砕して友人関係も終わるものだと思っていた。
もしかすると気持ち悪いと軽蔑される覚悟までしていたのに、彼は「今は恋愛をしている時間がないんだ」と自分の夢を語ってくれた。
彼は会社を興した祖父のことをとても尊敬していて、自分も起業したいと熱く語ってくれた。
そして、俺の手を握って「できれば親友のお前には俺の右腕になってほしい」と言われた。
同性愛者の俺のことを気持ち悪いと遠ざけることもせずに、親友のままでいてくれた彼に俺は感謝して、同じ大学に進学して、大学の頃に彼と一緒にゲームを作成する会社を起業した。
あれから二十年間、本当に二人三脚で駆け抜けてきた。
そして、昨年売り出したVRMMOが世界的に大ヒットし、ゲーム大賞を取ったことを祝うパーティーで親友が語った言葉に俺の覚悟も決まった。
「俺もそろそろ恋愛したい」
親友のその言葉に、俺は、長年の片想いを終わらせる覚悟をした。
不憫な拗らせアラフォーが”愛”へと踏み出すお話です。
転生したら嫌われ者No.01のザコキャラだった 〜引き篭もりニートは落ちぶれ王族に転生しました〜
隍沸喰(隍沸かゆ)
BL
引き篭もりニートの俺は大人にも子供にも人気の話題のゲーム『WoRLD oF SHiSUTo』の次回作を遂に手に入れたが、その直後に死亡してしまった。
目覚めたらその世界で最も嫌われ、前世でも嫌われ続けていたあの落ちぶれた元王族《ヴァントリア・オルテイル》になっていた。
同じ檻に入っていた子供を看病したのに殺されかけ、王である兄には冷たくされ…………それでもめげずに頑張ります!
俺を襲ったことで連れて行かれた子供を助けるために、まずは脱獄からだ!
重複投稿:小説家になろう(ムーンライトノベルズ)
注意:
残酷な描写あり
表紙は力不足な自作イラスト
誤字脱字が多いです!
お気に入り・感想ありがとうございます。
皆さんありがとうございました!
BLランキング1位(2021/8/1 20:02)
HOTランキング15位(2021/8/1 20:02)
他サイト日間BLランキング2位(2019/2/21 20:00)
ツンデレ、執着キャラ、おバカ主人公、魔法、主人公嫌われ→愛されです。
いらないと思いますが感想・ファンアート?などのSNSタグは #嫌01 です。私も宣伝や時々描くイラストに使っています。利用していただいて構いません!
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