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第二章
⑨血の契約
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すれ違い様にわずかに声が聞こえたが、聞こえなかったフリをして俺は足を止めず歩いた。
当たり前だろう。
毎朝のように主人の部屋から出てくるのだから。しかも、首元には赤い花びらのような痕が残っていて、それを見たら誰もが想像できてしまう。
今朝ベッドの上でカルセインを送り出してから、少し休んだ後、自分の部屋に戻った。
何人かの噂好きな使用人達がその様子を舐めるように見ていたのも知っている。
すでに旦那様の遊び相手と話が回っていて、廊下を歩くだけで視線と嘲笑うような言葉が飛んでくる。
サイラスは、もちろん知っていると思うが今のところ何も言われない。
カルセインは社交界でも堅物と言われて、今までどんな女性の誘いにも乗らなかったらしい。ご主人様はどうやら、そっちの方だったらしいとか、ただの遊びだろうとそんな風に噂は広がっていた。
俺は何を言われても構わないが、カルセインのことが悪く言われるのは苦い気持ちだった。
俺には大きすぎる人だ。
良家の令嬢と結婚して、マクシミル家の繁栄を支える人物なる。
周りにもそれを望まれていて、その道こそがカルセインにとっての幸せだ。
陰口を言われたり、嘲笑されるような人ではない。
隣を歩くのは薄汚れた元男娼くずれの俺ではない。
俺ではだめなのだ。
カルセインとメイズを守り、依頼主を探し出す。
それができたら、俺はこの屋敷を出ようと考えていた。
想いを胸の中に押し込んで、カルセインの前から消えようと……そう、思っていた。
今日の昼食は食堂でティファナと二人だけだった。いつも俺は遅い時間なので、ティファナと会うことはないが、カルセインが早朝から出ているので、休憩もズレたのだろうと思った。
「すっかりこの屋敷の有名人ね」
「…………」
黙々とスープを口に流し込んでいたら、俺の皿にティファナは自分の分のパンを食べてと言って入れてきた。
「誤解しないで。私はミケイドの味方じゃない。旦那様との身分違いの恋、応援しているのよ」
幼く見えるティファナだったが、プロの殺し屋だと聞いた。この子供のように見える容姿を使って、油断させるのかもしれないと思った。急に励ますような事をしてきて、何を考えているのかさっぱり分からない。
「ティファナ……、君の雇い主は誰なんだ?」
「言えると思う? バカなこと聞かないで」
直球で聞いてみたがやはり簡単に話してはくれなかった。
ロドリゴと別れた後の帰り道、俺はこれまでのことを整理して考えた。
鍵になるのはメイズ。
彼女が妊娠して龍の血を持つ貴族の子を宿したら困るという人物。
つまりマクシミル家の力がこれ以上強くなるのを危惧するとしたら王家しかいない。
思いついたのはキリシアン王子だ。
王位には興味がないと見せかけて、実は虎視眈々と狙っていた。
自分が王になった時に、足元を揺るがすマクシミル家を早めに弱体化させようと画策した。
そこまで考えて止まった。キリシアンが王位を狙うなら、まず倒すべきはジュペル王子だ。そして、ジュペル王子もまた、マクシミル家の芽を摘んでおこうと考えてもおかしくない人だ。
それにロドリゴの目的とはなんだろう。
メイズを妊娠させろと言っていたくせに、させなくてもいいと言い出した。
平凡な子を産ませることが目的だったはずだ。
………いや、このままいけばメイズはアズールの子を妊娠する。
アズールはわずかながら龍の血を受け継いでいると聞いた。
ということは、ロドリゴはそれでいいと思っている、最初からそれが目的だった?
だったらなぜ俺を潜り込ませてたのか、俺が任務を遂行してメイズを妊娠させる可能性もあった。
つまり、俺の子でもよかった。
ロドリゴは俺が貴族の落とし子だと知っていた。髪を元に戻した時を見られたのかもしれない。
だが、ただの金髪なら末端の貴族にも普通にいる。末端の貴族では龍の血は受け継がれていない。田舎から出てきた母が紹介もなしに高位の貴族の屋敷に雇われるとは思えない。
俺には龍の血なんて流れていない。
発現なんて言葉すら知らなかったくらいだ。
ロドリゴは勘違いしたのだろうか。
ロドリゴがやろうとしている事は、明らかに自身のシナリオに塗り替えられている。
そして……、プロであるティファナがそのシナリオに気がつくのは時間の問題だ。
だからこそ…、ティファナを殺せと俺に命じた。
カチャンと音を立ててフォークを皿の上に落としてしまった。
疲れることは疲れるが、いつもはすぐ回復するのに、今日はどうも調子が良くないらしい。軽く目眩を覚えて頭に手を当てた。
「どうしたの? 大丈夫?」
「ああ、平気だ。疲れが溜まったのかもしれない」
「この後、メイズ様の部屋でしょう。しんどいなら自分の部屋で寝たら? 私代わるわよ」
「いや、大丈夫だ。少し話し相手になって欲しいと言われているだけだから……」
「顔色悪いわね、私この後フリーなのよ。心配だから部屋まで付いて行くわ。言っておくけど、任務に支障があったら私が大変になるんだからその心配よ」
変な言い方がティファナらしいと思いながら、確かに少しフラつくので一緒に部屋まで付いてきてもらった。
もしあまりにも悪ければ、その場でティファナに代わって対応してもらおうと考えていた。
ノックをしたがメイズから返事がなかった。本に集中しているとよくあることなので、失礼しますと声をかけた。
ちょうどいつも入り口にいる騎士は交代の時間で、廊下の端で申し送りをしているところだった。
それを横目にティファナと部屋に入った。
「メイズ様……」
おかしいと思った。
いつもの窓辺の椅子にメイズの姿はなく、まだ日も高いというのに、ベッドの中に入っていた。
「お嬢様、どうしましたか? 具合でも悪いのですか?」
急いで駆け寄って、メイズに触れた。呼吸で上下する胸と寝息の音、温かくて柔らかい肌の感触にホッと胸を撫で下ろした。
おでこを触ったが、特に熱くはない。どうやら深く寝入っているようだ。
「……どうされたのだろう。こんな時間から……、昼寝をあまりされる方ではないのに……」
「リオ」
突然表の名前で呼ばれて心臓が跳ねた。慌ててなぜここでと後ろにいるティファナを振り返ると、ティファナは何やらゴソゴソとスカートに手を入れていた。
「なぜ、私がメイズを殺す依頼を受けなかったのか。私の腕なら今まで何度でもできた。しかし、依頼主は望んでいない。それでは、マクシミル家が悲劇の一族になってしまい、他の貴族から同情と新たな支持を得てしまうから。もし、メイズが結婚前に、しかも力のない者の子を宿したら……、メイズはとんでもない女になる。王国にとって最強の剣を失うという最悪の行為、それは反逆に近く、マクシミル家は名声も支持も失い地に落ちる」
「と……いうことは……、やはり王家の人間が……」
真っ直ぐ立っていたはずなのに、視界がグラついて床に膝をついた。
カツカツと靴音を立ててティファナがこちらに近寄ってくるのが揺れながら見えた。
「リオ、あなた。カルセインを好きになったから、任務から逃げるつもりだったわね。悪いけど、こっちも仕事だから強行手段を取らせてもらう。心配しないで睡眠薬よ。メイズはお茶一口でコロリだったけど、リオは強めに入れたのになかなか効かなくて驚いたわ。見かけより頑丈な体をしているのね」
昼食の時、俺の皿に載せられたパンを思い出した。中のジャムあたりに仕込まれていたのだろう。
気遣うような声をかけられて、完全に油断をしていた。気を許してはいけない相手だった。
スカートに隠していたのか、ナイフを手をしたティファナは俺のシャツを切り裂いて腕を切った。
睡眠薬のせいか痛みはほとんど感じなかったが、ナイフに滴る血を見て俺は声にならない声を上げた。
掠れていて力もなく、外の騎士に聞こえるほどのものではなかった。
ティファナはそのナイフをメイズの口元に掲げた。ぽたりぽたりと血が落ちて、メイズの唇が赤く染まる。
そのまま口の中へ流れていったのだろう。寝ているままのメイズがごくりと喉を動かして、飲み込んだ音が聞こえた。
「くっ…ぁぁぁ……いや……だ……やめろ……だ……め………」
床の上で必死に手を伸ばしてもがいたが、少しも前には進まず、やがて力を無くした手がパタリと床に落ちた。
「これで血の契約は完了っと。後は上手いことやっておくから。私は先にここを離れるわね、安心してお眠り、いい夢が見れるといいわね」
真っ暗な闇の中にティファナのクスクスという笑い声がずっと響いていた。
□二章完□
当たり前だろう。
毎朝のように主人の部屋から出てくるのだから。しかも、首元には赤い花びらのような痕が残っていて、それを見たら誰もが想像できてしまう。
今朝ベッドの上でカルセインを送り出してから、少し休んだ後、自分の部屋に戻った。
何人かの噂好きな使用人達がその様子を舐めるように見ていたのも知っている。
すでに旦那様の遊び相手と話が回っていて、廊下を歩くだけで視線と嘲笑うような言葉が飛んでくる。
サイラスは、もちろん知っていると思うが今のところ何も言われない。
カルセインは社交界でも堅物と言われて、今までどんな女性の誘いにも乗らなかったらしい。ご主人様はどうやら、そっちの方だったらしいとか、ただの遊びだろうとそんな風に噂は広がっていた。
俺は何を言われても構わないが、カルセインのことが悪く言われるのは苦い気持ちだった。
俺には大きすぎる人だ。
良家の令嬢と結婚して、マクシミル家の繁栄を支える人物なる。
周りにもそれを望まれていて、その道こそがカルセインにとっての幸せだ。
陰口を言われたり、嘲笑されるような人ではない。
隣を歩くのは薄汚れた元男娼くずれの俺ではない。
俺ではだめなのだ。
カルセインとメイズを守り、依頼主を探し出す。
それができたら、俺はこの屋敷を出ようと考えていた。
想いを胸の中に押し込んで、カルセインの前から消えようと……そう、思っていた。
今日の昼食は食堂でティファナと二人だけだった。いつも俺は遅い時間なので、ティファナと会うことはないが、カルセインが早朝から出ているので、休憩もズレたのだろうと思った。
「すっかりこの屋敷の有名人ね」
「…………」
黙々とスープを口に流し込んでいたら、俺の皿にティファナは自分の分のパンを食べてと言って入れてきた。
「誤解しないで。私はミケイドの味方じゃない。旦那様との身分違いの恋、応援しているのよ」
幼く見えるティファナだったが、プロの殺し屋だと聞いた。この子供のように見える容姿を使って、油断させるのかもしれないと思った。急に励ますような事をしてきて、何を考えているのかさっぱり分からない。
「ティファナ……、君の雇い主は誰なんだ?」
「言えると思う? バカなこと聞かないで」
直球で聞いてみたがやはり簡単に話してはくれなかった。
ロドリゴと別れた後の帰り道、俺はこれまでのことを整理して考えた。
鍵になるのはメイズ。
彼女が妊娠して龍の血を持つ貴族の子を宿したら困るという人物。
つまりマクシミル家の力がこれ以上強くなるのを危惧するとしたら王家しかいない。
思いついたのはキリシアン王子だ。
王位には興味がないと見せかけて、実は虎視眈々と狙っていた。
自分が王になった時に、足元を揺るがすマクシミル家を早めに弱体化させようと画策した。
そこまで考えて止まった。キリシアンが王位を狙うなら、まず倒すべきはジュペル王子だ。そして、ジュペル王子もまた、マクシミル家の芽を摘んでおこうと考えてもおかしくない人だ。
それにロドリゴの目的とはなんだろう。
メイズを妊娠させろと言っていたくせに、させなくてもいいと言い出した。
平凡な子を産ませることが目的だったはずだ。
………いや、このままいけばメイズはアズールの子を妊娠する。
アズールはわずかながら龍の血を受け継いでいると聞いた。
ということは、ロドリゴはそれでいいと思っている、最初からそれが目的だった?
だったらなぜ俺を潜り込ませてたのか、俺が任務を遂行してメイズを妊娠させる可能性もあった。
つまり、俺の子でもよかった。
ロドリゴは俺が貴族の落とし子だと知っていた。髪を元に戻した時を見られたのかもしれない。
だが、ただの金髪なら末端の貴族にも普通にいる。末端の貴族では龍の血は受け継がれていない。田舎から出てきた母が紹介もなしに高位の貴族の屋敷に雇われるとは思えない。
俺には龍の血なんて流れていない。
発現なんて言葉すら知らなかったくらいだ。
ロドリゴは勘違いしたのだろうか。
ロドリゴがやろうとしている事は、明らかに自身のシナリオに塗り替えられている。
そして……、プロであるティファナがそのシナリオに気がつくのは時間の問題だ。
だからこそ…、ティファナを殺せと俺に命じた。
カチャンと音を立ててフォークを皿の上に落としてしまった。
疲れることは疲れるが、いつもはすぐ回復するのに、今日はどうも調子が良くないらしい。軽く目眩を覚えて頭に手を当てた。
「どうしたの? 大丈夫?」
「ああ、平気だ。疲れが溜まったのかもしれない」
「この後、メイズ様の部屋でしょう。しんどいなら自分の部屋で寝たら? 私代わるわよ」
「いや、大丈夫だ。少し話し相手になって欲しいと言われているだけだから……」
「顔色悪いわね、私この後フリーなのよ。心配だから部屋まで付いて行くわ。言っておくけど、任務に支障があったら私が大変になるんだからその心配よ」
変な言い方がティファナらしいと思いながら、確かに少しフラつくので一緒に部屋まで付いてきてもらった。
もしあまりにも悪ければ、その場でティファナに代わって対応してもらおうと考えていた。
ノックをしたがメイズから返事がなかった。本に集中しているとよくあることなので、失礼しますと声をかけた。
ちょうどいつも入り口にいる騎士は交代の時間で、廊下の端で申し送りをしているところだった。
それを横目にティファナと部屋に入った。
「メイズ様……」
おかしいと思った。
いつもの窓辺の椅子にメイズの姿はなく、まだ日も高いというのに、ベッドの中に入っていた。
「お嬢様、どうしましたか? 具合でも悪いのですか?」
急いで駆け寄って、メイズに触れた。呼吸で上下する胸と寝息の音、温かくて柔らかい肌の感触にホッと胸を撫で下ろした。
おでこを触ったが、特に熱くはない。どうやら深く寝入っているようだ。
「……どうされたのだろう。こんな時間から……、昼寝をあまりされる方ではないのに……」
「リオ」
突然表の名前で呼ばれて心臓が跳ねた。慌ててなぜここでと後ろにいるティファナを振り返ると、ティファナは何やらゴソゴソとスカートに手を入れていた。
「なぜ、私がメイズを殺す依頼を受けなかったのか。私の腕なら今まで何度でもできた。しかし、依頼主は望んでいない。それでは、マクシミル家が悲劇の一族になってしまい、他の貴族から同情と新たな支持を得てしまうから。もし、メイズが結婚前に、しかも力のない者の子を宿したら……、メイズはとんでもない女になる。王国にとって最強の剣を失うという最悪の行為、それは反逆に近く、マクシミル家は名声も支持も失い地に落ちる」
「と……いうことは……、やはり王家の人間が……」
真っ直ぐ立っていたはずなのに、視界がグラついて床に膝をついた。
カツカツと靴音を立ててティファナがこちらに近寄ってくるのが揺れながら見えた。
「リオ、あなた。カルセインを好きになったから、任務から逃げるつもりだったわね。悪いけど、こっちも仕事だから強行手段を取らせてもらう。心配しないで睡眠薬よ。メイズはお茶一口でコロリだったけど、リオは強めに入れたのになかなか効かなくて驚いたわ。見かけより頑丈な体をしているのね」
昼食の時、俺の皿に載せられたパンを思い出した。中のジャムあたりに仕込まれていたのだろう。
気遣うような声をかけられて、完全に油断をしていた。気を許してはいけない相手だった。
スカートに隠していたのか、ナイフを手をしたティファナは俺のシャツを切り裂いて腕を切った。
睡眠薬のせいか痛みはほとんど感じなかったが、ナイフに滴る血を見て俺は声にならない声を上げた。
掠れていて力もなく、外の騎士に聞こえるほどのものではなかった。
ティファナはそのナイフをメイズの口元に掲げた。ぽたりぽたりと血が落ちて、メイズの唇が赤く染まる。
そのまま口の中へ流れていったのだろう。寝ているままのメイズがごくりと喉を動かして、飲み込んだ音が聞こえた。
「くっ…ぁぁぁ……いや……だ……やめろ……だ……め………」
床の上で必死に手を伸ばしてもがいたが、少しも前には進まず、やがて力を無くした手がパタリと床に落ちた。
「これで血の契約は完了っと。後は上手いことやっておくから。私は先にここを離れるわね、安心してお眠り、いい夢が見れるといいわね」
真っ暗な闇の中にティファナのクスクスという笑い声がずっと響いていた。
□二章完□
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