ファンの鑑のカガミさんは、推しの騎士様を幸せにしたい!

朝顔

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本編

②語れ! カガミの推し活

 この世界で太陽は、西から上り東に沈む。
 それがなぜかと考えても仕方がない。この世界に住む人間は、見た目はよく似ているが、魔力というものを内部から生み出している。左利きが多く、男も女も平均身長が180センチ。水の色は青いし、飲むとほんのり甘い。
 とにかく深く考えないこと。
 この世界に来て最初に、フジタからそう教わった。
 考えると頭が痛くなっちゃうし、それに答えなんてないからさ。
 そう言ってぼんやりと笑うフジタの言葉に何とか頷いたが、なぜそんなに焦っていないのか、カガミには理解できなかった。
 ここに来た当初は、自分の置かれた現状に一人静かにもがき焦っていた。
 だが、それが一瞬にして変わる出来事が起きる。
 世界の違いを感じさせた圧倒的な恐怖と救い。あの出来事がなければ、今頃自分はどうなっていたかを考えると、わずかに手が震えてしまう。
 彼との出会いは強烈で、今でも鮮やかな記憶としてカガミの胸に刻まれている。


 一枚、二枚、三枚。
 ボロボロになった紙幣を数えて終え、もう一度最初から数え直す。
 何度やっても変わらないことを確認し、カガミは顔を上げる。
「ダメだ。足りない」
「えーっ、まけてくれよ。たった10ゴールドじゃないか」
「足りないことが分かっていて持ってくるとは……。ダメなものはダメだ。君だけ例外を認めるわけにいかない」
 カガミがキッパリと言い放つと、男はカガミの耳元に顔を近づけてきた。
「頼むよ異世界人さん。今夜賭博場で回収できるんだ。儲けの半分はアンタにやるからさ。それに、良い女も付けてやるよ。とびきりの上玉だ」
 男の甘言を聞いたカガミの眉間に深い皺が刻まれる。我慢できなくなったカガミは、机を叩いて立ち上がった。
「何と言われようとダメだ! チケットは100ゴールド。販売は今日夕刻まで」
 キッと睨みつけて強い態度を見せると、男はチッと舌打ちし、近くの壁を蹴って部屋を出て行った。
「態度わるー、あーいうヤツって、どこの世界に行ってもいるもんですね」
 隣の席で辞典を開いて勉強中だったアズマが、嫌そうな顔をして呆れていた。カガミは鼻息を吐いてから椅子に腰を下ろし、襟を正した。 
「安く手に入れて、高く売りつけるつもりだろう。魔法剣術大会は人気だからな。購入者をエリアで限定するしかない」
「んー、カガミくんは、違反を絶対許さないからね。でも、他にも売り場はあるし、上手く言いくるめられて、売っちゃう人もいると思うけどねー」
 そうなんですねと言いながら、アズマがフジタの話を聞いていたら、異世界部のドアがまたノックされて開かれた。
「こんにちは。この前はどうも」
「エルダーさん。こんにちは。あれから調子はどうですか?」
「ええ、カガミさんに屋根を修理してもらってから、雨漏りもなくなって快適よ。今日はお礼を言いに来たの」
 異世界部にやって来た頭にスカーフを巻いた中年のご婦人は、エルダーという名前で、町のパン屋のおかみさんだ。
 屋根の修理という言葉を聞き、アズマがそんなこともするのかという顔をした。
 
 魔法で何でもできちゃう世界。アズマはきっとそんな風に思っていたに違いない。カガミも初めは魔法ファンタジーの世界と聞いて、魔法で全て解決できる世界だと思った。
 しかし、魔法は貴重なものなのだ。
 人から作り出され、魔法局により平等に集められ、社会を動かすために使われる。夜に街を照らす街灯も、火を起こす道具も、魔法が使われるが、それは供給された魔力から発動される。
 魔法道具は魔力のない人間でも使えるように設計されており、集められた魔力を使うことになるのだ。
 ほとんどの人間はそれほど魔力を多く作り出すことができないので、魔法を常に使うようなことはない。普段の生活、細々とした作業などは自力で行うことの方が多い。
 異世界チートとアズマは言ったが、魔法のある世界で、魔力のないごく普通の人間がチートできるようなことはない。極論を言えば、魔法で想像を超えるようなことができてしまうからだ。
 恐らく、王国の人間も初めは異世界人の登場に、新たな技術の発展などの可能性を見出したのだろう。
 しかし、どの分野でも、期待に応えるような知識や技術は得られなかった。
 世界に名を馳せる名医や、国を救った革命家など、その分野のスペシャリストが送られてきたらまた話は違うのかもしれない。
 ただ、話を聞く限り、今まで渡ってきた異世界人は、ごく平凡に生きていた一般人で、飛び抜けた知識や才能を持つ者はいなかった。
 というわけで、王国は、特に使えない連中の集まりをどう扱うのか頭を悩ませた。
 異世界人は女神の噴水から現れたので、信仰の厚い国民からは、女神の祝福だと言われており、無下に扱うことはできない。
 王宮敷地内の端っこに小さな建物を設けて、そこに異世界人を集め仕事を与えることにした。そして、異世界貴人という貴族の爵位に近いものを与え、ある程度の金を渡し、衣食住を整えた。
 自由が欲しいという者には、自由通行権を与え、王国民との婚姻も自由とした。
 そして今、異世界部に留まり働いているのは、カミムラとフジタにカガミ、そこに新人のアズマが加わったというわけだ。
 異世界人の仕事というのは多岐にわたる。
 いわゆる、魔法を使うまでもない雑用、掃除や修理から人探しまで、何でも声がかかった。
 そして今は年に一度、魔法を使って剣術を競う大会が開かれるシーズンとなっており、その販売所の一つに異世界部が使われている。
 連日のようにチケットを求めて訪れる王国民を捌きながら、やっと最終日まできたところだった。

「これ、お礼よ。うちで大人気のパン。焼きたてなの。皆さんで食べてちょうだい」
 エルダーからパンがたくさん入った籠を差し出され、カガミは立ち上がったが、手を開き前に上げた。
「こ、困ります……。こういったものは頂くわけにいきません」
「まぁ、そう言わずに。作り過ぎたものだし、ただのお礼よ」
 きちんと給与はもらっているので、それ以外の報酬をもらうわけにいかない。どう断ろうか悩んでいたら、横から伸びてきた手がスッと籠を掴んだ。
「うわぁっ、美味そう! エルダーさん、ありがとうございます。ちょうど腹が減っていたところでした。嬉しいー」
「あら、貴方が新人の子ね。元気が良くていいわね」
「ありがとうございます。アズマっていいます。よろしくお願いします」
「可愛いわねー。今度、うちに食べに来てちょうだい。おまけも付けるから」
「はいー! 絶対行きます!」
 カガミが止める暇もなくアズマは籠を受け取り、初対面のエルダーと談笑し、すっかり仲良くなってしまう。
 驚くほどの社交スキルに、面食らったカガミは怒ることも忘れてポカンとしてしまった。
 エルダーは手を振って部屋を出て行ったが、アズマは誰よりも大きく手を振り返していた。ドアが閉まると早速、アズマはその場でパンにかぶりついて、うめーと言って笑った。
「アズマ……君ね、こういう賄賂を許すわけには……」
「賄賂ってパンですよ。カガミさんちょっと頭が固すぎます。人間関係を円滑に進めるために必要なやり取りじゃないですか」
「そうだよカガミくん。エルダーさん、嬉しそうな顔をされていたよ」
 アズマが現れてからここ数日で、フジタは彼と仲良くなり、カガミといた時よりよく笑っている。カミムラまでパンをもぐもぐ食べて嬉しそうにしているので、一人で怒っているのが馬鹿馬鹿しくなったカガミは、椅子に座って息を吐いた。
「カガミさんもどうぞ」
 目の前にパンが置かれ、思わず口に入れたカガミだったが、文句を言おうと思ったのに、その美味しさに言葉を飲み込んでしまう。
「美味しいですよねー。今度買いに行きましょう」
 愛想よく笑うアズマを見て、カガミは心の中でため息をつく。
 彼が来てから異世界部の雰囲気が明らかに変わった。今までお堅い人だと言われ、バカにされても貫いてきたが、それが正しかったのか自分の生き方が霞んでしまう。
 いかんいかん、しっかりしろと思いながら、カガミは首を横に振って頬を叩いた。
 
 
 
 カキンカキンと金属のぶつかるいい音が響く。
 騎士団の訓練の音だ。
 その音をBGMのように聞きながら、カガミは植木鋏を使いパチンと小さな音を鳴らした。腰を曲げ視線を下げて真っすぐ切れたかどうか確認する。出来栄えに頷いていると、掃除を担当していたアズマが箒を持って近づいて来るのが見えた。
「今度は植木の剪定ですか。本当に何でもやるんですね」
「あぁそうだ。もちろん本職はいるが、王宮はとにかく広いから、こちらのエリアまで手が回らないんだ。王族が来ることはないが一応王宮内であるから、植木の手入れは必要だろう? だから定期的に剪定を任されている」
「へぇ、じゃあ俺、こっちやっていいですか?」
「あぁ、頼む、刃に気を付けろよ」
 鋏を手渡すと、アズマは真剣な表情になり、植木を切り始める。
 その横顔を見て、カガミはふぅと鼻から息を吐いた。
 新人アズマがこの世界に来てから一か月。
 初めは戸惑っていた様子だったが、帰る方法がないと分かると腹を決めたらしい。翌日には文字を教えてくださいと言ってきた。若いから受け入れるのに時間が必要だと思ったが、彼の場合、もともと順応性のあるタイプなのかもしれない。
 カフェでお茶をしている時に転移したという彼の状況は今までの人と違う。若く元気で健康的、異世界部は全員年上だが、それに臆することもなく、驚くほどの社交性であっという間に馴染んだ。人付き合いの苦手なカガミは、まともに周囲と話せるようになるまで数ヶ月はかかった。
 アズマの方は全く気にする様子はなく、仕事を覚えようと毎日カガミに付いて来るので、ようやく慣れてきたところだ。
 年下から慕われると悪い気はしない。弟がいたらこんな感じだろうかと思っていた。
「それにしても、カガミさんの推しがモモナちゃんかぁ。アイドルから女優に転身が上手くいった子ですよね」
「あぁ、君から今でも活躍していると聞いて嬉しかったよ」
 アズマが異世界部に来た初日に、前の世界で勤しんでいた推し活について熱く語ったら、面白かったのかその後も度々話題にしてくる。カガミも自分の転移後に推しがどうなったのか気になっていた。
「いつファンになったんですか?」
「小さなモールのイベントで歌っていたのを見て、モモナファンになったんだ。当時仕事が上手くいかなくて悩んでいたんだが、彼女の歌を聞いて悩みなんてどうでもいいくらい、楽しい気持ちになった。そこから、ずっと推していた」
「フジタさんから聞きましたよ。押し付けない推し活、でしたっけ?」
 パチンパチンとアズマが調子よく植木を切る音が響く中、推し活について聞かれたカガミは息を吸い込んだ。この話になるとどうしても熱くなってしまうのは止められない。
「そうだ。SNSは全てフォロー、いいねはするが、過度なアクションはしない。CDやグッズは惜しみなく集めて、ファンとしてSNSでの宣伝はかかさない。コンサートやライブがあれば、どこの県でも海外でも参加する。ドラマに出れば、各評価サイトに長文感想を入れてモモナの演技を称賛。もちろん各事務所にも感想を送り、次に向けてアピールする。推し活で大事なことは、自分の給与で賄える状況で全力で推す。借金なんかしたら精神的におかしくなるし、まともな推し活はできない。それと、どんなに近づくことがあっても五メートルまで」
「へっ? 五メートル? ですか……?」
「推しが輝くことが幸せなんだ。考えてみろ、俺はファンであっても異性の男。怖がらせることは絶対に避けたい。人と人の節度は守る。だから、ライブで近づくことはあっても五メートルを死守した。ちなみにアカウント名は、匿名。存在を認識されないように、とにかく陰から応援し続ける、それが俺の推し活だ」
 この話題になると喋り過ぎてしまう。喉が渇いたカガミはゴホンと咳払いをした。
 陰から推してはいたが、カガミの地道な推し活は、ファンの間で話題になることがあった。今まで気に入ったものをまとめようと、ファンサイトを作り一人で宣伝してきたこともあり、カガミが推すと売れるという噂がまことしやかに広まることになった。
 そんな話をフジタにしたら、すっかりネタにされてしまったが、カガミにとって推し活は生きる希望なのだ。
 そしてそれは異世界でも……。
「まぁ……最後だけは守れなかったがな」
「あっ、それ! カガミさんが異世界転移したキッカケですよね! すごいじゃないですか。推しを助けて異世界転移なんて、やっぱりファンの鑑ですよ!」
 アズマは弾んだ声を上げたが、カガミは少しだけ苦い気持ちになる。
 すごいと言われても実感はないし、美談でも何でもない。
 あの日は、モモナのバースデーファンミーティングだった。楽しく終了し、恒例のお見送りをするために、会場の外にファンが集まっていた。
 そんな中、帰り支度をしたモモナが待っていた車に乗るために外に出て来た。ファンたちは列を作り、歓声を上げ手を振った。
 目をつぶると今でも思い浮かぶのは、推しであるモモナに向かって車が走って行くところだ。
 列から離れて後方にいたカガミは、いち早く異常に気づいた。ブレーキが壊れたのか、焦っている運転手の顔が見えたら、カガミは走っていた。
 五メートル、守り続けたルールを破ったのは、モモナを助けるため。
 モモナに向かって一直線に走る車。
 飛び出したカガミは、モモナの背中を押して反対側の道路へ押し出した。
 車のヘッドライトが眩しくて、目を閉じたところまでは覚えている。跳ね飛ばされたのかよく分からないが、体が浮く感覚がして、気づいたら異世界の噴水の中で倒れており、町の人に囲まれていた。
 車に轢かれそうになるなんて、モモナは怖い思いをしたはずだ。トラウマになっていなければいいがと、そればかりが気がかりで、誇らしい気持ちになどなれなかった。
 事故についてアズマに聞いてみたが、それは知りませんと言われてしまった。ただ、モモナが主演女優としてドラマや映画で活躍していると聞いて、やっと気持ちを整理することができた。
 今は飛び立っていった推しを遠くから眺める気持ちだ。
 異世界に来てからは、生活に慣れるのに精一杯で、すっかり推し活から離れていたため、心が枯れていくような日々を送っていた。
 しかし、そんな時、光は突然やって来たのだ。

「できましたぁ!」
 すっかり考え込んでいたが、アズマの声でカガミは我にかえる。鋏をクルクル回しながら、得意げにポーズを決めたアズマを見て、危ないから遊ぶなと言おうとしたが、目の前の光景に衝撃を受けて声が喉に詰まる。
「だっ……あっ……ま、待て、それは……」
「ジャーン! ハート型にしてみました。見てください、めちゃくちゃ上手くないですか!?」
 てっきり横に倣えで切ると思っていたのに、アズマに任せた箇所は、植木が見事なハート型にカットされていた。話に夢中になって今まで気づかなかった。
 植木の剪定は形が決められている。キッチリと四角になるようにと庭師から厳しく言われていた。
「……嘘だろう」
 誇らしげに自らの作品を披露するアズマを見て、こりゃだめだと目眩がしたカガミは、ハート型の植木に頭から突っ込みそうになった。

 
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