なんて事ないネタ置き場

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ユーザーさんが自分の表現力の限界に挑んだ編

ツンデレ魔王としつこい勇者

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「魔王!結婚してくれ!」

ここ魔王城でここ最近この台詞がよく聞かれる様になった。
この台詞を放ったのは勇者であり、実のところもうすぐ100回になる。

「それ何回目よ…出来るわけ無いでしょ?」

魔王は少し呆れ気味で返すが…

「何故出来ないんだ!」
「いや、魔王と勇者よ?敵同士よ?」
「それがなんだってんだ!」
「そもそも人と魔族なのよ?」
「種族がナンボのもんじゃい!」

うーむ、いつもの堂々巡り。
勇者が興奮の余りキャラが変わっている。
…数百年もの間、人と魔族は戦争を続けて来た、今となっては原因すらも知り得ない。

「そもそも何で種族の違いでいがみ合う必要が有るんだよ」

おーコレは初パターン!

「そんなの分からないわ、昔からずっとだったもの…」

んー最もな返しだね、彼女には知る手段が無い。
そろそろ登場して教えるべきかなぁ…

「分からないなら大した原因じゃないって事だ、という訳で結婚してくれ!」
「どう言う訳なのよ!」
「そもそも何でそんな頑ななんだよ」
「それは…その…何でも良いでしょ?」

いや良くないよ⁈
重要だよ⁈
テストに出るよ⁈

「アナタこそどうして私なのよ?」
「初めて会った時に一目惚れ」
「そう…なら!」

おぉ!魔王が姿変えた!

「解除」
「ふえっ⁈」

あ、速攻で解除された。

「くっ…だったら…!!」
「パラライズ」
「うっ…」
「俺は攻撃しない、そして君の実力じゃ勝てない」
「ま…まだまだ…!」

麻痺破って斬りかかった!
って勇者避けて避けて!

「ぐぅ…!」
「な…⁈何で無抵抗で斬られてるのよ⁈」
「俺は…お前とは戦いたくない」
「何でそこまで…!」
「何度でも言うけど、好きだからだ!」
「~~~ッ!!!」

わー魔王顔まで真っ赤…勇者も体張ってるなぁ…

「魔王、おれと結婚してくれ」
「私は忌み嫌われてる魔王なのよ?」
「それがなんだ?」
「本当に良いの?きっと後悔…」
「後悔なんかするもんか、魔族と人の争いだって俺の代で終わらせてみせる」
「…とんでもないバカね」
「いやぁそれほどでも」

待って待って!何か良い雰囲気のところ悪いけど何か忘れてないかい⁈
勇者に刀まだ刺さったままだから!血だらけだから!

「うん、実際痛い」
「うわーごめんなさい!!すぐ治療するから!」

まったく…けどまぁ、これで魔族と人の争いは減っていくだろう、これで心残りは無い。
ここまで来るのに何代も代替わりしてしまった…元の原因はどうでもいい口喧嘩だったのにねぇ…
やっと仲直り出来そうだよ…。

「そういえば、さっきの声って誰なのかなぁ?」
「さぁ?大方俺たちを見守ってた先祖とか?」
「まさか…ね」

…そのまさかなんだけどね。
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