記憶の中

神楽坂 詩

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一章 大切な人探し

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ピーポー  ピーポー
あれ?近くで救急車の音がするなぁ…
誰か…運ばれてんのかな…
「羽月 伊桜里さんですか?大丈夫ですか?」
わた…し?

その日私は救急車の音を聞いて自分が事故にあったことを知った。
私はスリップしてきた車に轢かれて頭を打って長期記憶障害を引き起こして1部の記憶が無くなってしまったようだった。
無くなった1部の記憶とは自分にとっての大切な人だそうだ…
「伊桜里大丈夫?」
朝病院のベットで起きたらお母さんの声が聞こえた。
「お母さん?」
「あぁ良かった…もう起きれるのね」
「うん、大丈夫そうだよ」
お母さんの話によると私は結構の日にち寝ていたみたい
学校は明日から行こうかな…勉強もしなくちゃ…
そんなことを考えているうちに寝てしまい日付が変わっていた
「あーぁ今日から学校かー」
「大丈夫なの?体調悪くならない程度にね」
「あーはいはい」
お母さんの過保護も困ったものだ…

「おっはよー!!」
と元気よく友達の奏が話しかけてきた
神代 奏 吹奏楽部の元気な女の子
「あぁうん、おはよー」
「怪我大丈夫なのー?」
「まぁまぁだねー大丈夫って言えるのかな」
「お大事にね(笑)」
「いや(笑)笑えなくない」
奏でに大丈夫?なーんて言われて学校が始まった
いつもどうりが何だか懐かしい
授業も何となく受けてあっという間にホームルームになっていた
「気をつけ、令」
「「「さよなら」」」
「伊桜里ー帰ろー」
奏もいつも元気だなぁと感心するほど元気だった
「うん、奏部活は?」
「部活ー?大丈夫大丈夫ー、 今日は伊桜里と帰りたいんだもん いーのいーの」
相変わらず自由な彼女が帰ると言うので私も帰ることにした
「ねぇねぇ奏、私の大切な人って誰だと思う?」
「んー?何言ってんの?私でしょ~」
「大切な人ではあるけど…覚えてるから違うと思う…」
「寂しーなー(笑)、てか急にどしたの?」
「ん…いや頭打って大切な人忘れたらしい…」
「ふーん?じゃあ今日から大切な人探しだね(笑)もーすぐ夏休み出し」
「何それ(笑)まぁでもいいかもねー」
「あっ、うちこっちだからじゃあねー伊桜里ー」
「うんーじゃあねー」
大切な人探しって…奏らしいな
それにしても大切な人か…家族?友達?
それから私は奏に言われたように大切な人探しをしてみることにした
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