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第2章〜冒険の始まり
伝説‥70話〜指示
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ここはオパール城。ナルザスは城内に入るといつもと違い、城の者達の様子がおかしく慌しく動いている事に気付いた。
(これは、いったい城で何が起こっているというのだ。)
そう思いながらナルザスは王の書斎へと向かった。
王の書斎では、ロウディが真剣な面持ちでフェルマが来るのを待っていた。
するとそこにナルザスが入って来てロウディに一礼をした。
「……ナルザス、お前か。何かあったのか?」
「はい、ですが、城の様子が慌しく感じるのですが、何かあったのですか?」
「うむ、ナルザス。今知らせが入ったのだがな。牢に留置していたアイネ、リフィア、ダリオスの3名が薬を飲み自殺を図ったのだ。」
「陛下!それは本当なのですか?あの2人はともかく、何故アイネが自殺を?それも監視が厳しい牢内で……。」
「ああ、ナルザス、その事なのだが、どうも腑に落ちぬ。その事でフェルマを呼んだのだが、何をしているのかまだ来ないのだ。」
「それはおかしいですね。いつもであれば陛下がお呼びになれば即座に赴くのですが。」
「うむ、そうなのだが……。それはそうと、ナルザス。用がありここに来たのだろう?」
「はい、至急お願いしたい事があり参りました。」
「ナルザス、願いとはなんだ?」
ロウディがそう言うとナルザスはグラディスから聞いた事を話した。
「なるほど。それで許可を貰いに来たという事か。」
「はい、ですが……。この非常事態と、どちらを優先すべきか。」
「うむ、確かにどちらを優先すべきか悩む……。だが、これは前々から不振に思っていた事なのだが、この前ダルナド達が言っておったジェフを名乗り魔導師学園に潜入しておったアベルの事なのだが。」
ロウディは少し間をおき、
「この前アイネが言っておった魔導師学園に紹介した者の事なのだがな。」
「その事をアイネから聞こうとしておりましたが。陛下!まさかその事と自殺を図った事とは関連が……いや、これは自殺ではなく口封じ。」
「うむ、そう考えるのが筋。だが、そうなるとあの警備が厳しい牢内で、それを誰がどうやって行ったかなのだがな。」
「確かに……ですが陛下、不可能ではないかもしれません。」
「ナルザス、それはどういう事だ?」
「城内にその手引きをしていた者がいて、アイネに自分の事を話されては不味いと思い口を封じ、念の為リフィアとダリオスの口封じもしたと考えれば筋が通ります。」
「うむ、なるほど。確かにそうだろうが、城の者となるといったい誰が……。」
そう話をしていると扉が開き1人のダークエルフの女性が入ってきてロウディに一礼すると、
「陛下、遅くなり申し訳ありません。着替えに手間取ってしまいまして。フェルマただいま参りました。」
そしてナルザスをチラッと見ると、驚きの表情を少し見せ顔を逸らしロウディの方をみた。
この女性はフェルマ・レプスと言い、ロウディがナルザスの次に信頼をおいている配下だ。
癖毛で銀色のショートヘア、前髪は眉毛にかかる程度で右寄りに分けている。
女性なのだが、化粧やお洒落をする事もなく、どちらかといえば男っぽい。そして付け加えるなら男嫌いであるが、女性が好きと言うわけでもない。
ナルザスとは犬猿の仲である。
ナルザスが保守派であるなら、フェルマは推進派である為、考え方の違いなどで反りが合わない。
だが、ナルザスもフェルマも考え方が違えどお互いを認め合っている。
「うむ、なるほど。珍しく遅いとは思っていたが、何処かに赴いておったのか?」
「あっ、はい!父上に呼ばれ家に戻っており、連絡を受け急ぎ駆けつけました。陛下、それで私をお呼びになったわけとは?それに、何故ここにナルザスがいるのですか?」
「……フェルマ、私がここにいてはおかしいのか?」
「いえ、そういう事ではないのですが。ただ、貴方は異世界の者を監視していると聞いていた為、驚いただけです。」
「ナルザスは、急用で私に会いにここに赴いたらしい。」
「急用とは、私をお呼びになった事と関係があるのでしょうか?」
「いやフェルマ、呼んだのは他の用でなのだ。お前も城に入り気付いたとは思うが。」
「そういえば、城の者達がやけに慌しく動いていましたが、それと何か関係があるのですか?」
フェルマがそう問うとロウディは城で何が起きたのかを話した。
「……と言うわけなのだが。ナルザスにはこの後、別件で動いてもらわなければならぬ。それ故、フェルマこの件を調べて欲しいのだが。」
「はい、承知しました。ですが、ナルザスの方の別件の用とはどの様な事なのでしょう?」
「うむ、フェルマ。お前を信じていない訳ではない。この事はナルザスに一任している。すまぬが、お前でもこの事を話す訳にはいかぬ。」
ロウディがそう言うとフェルマはナルザスをチラッと横目でみた後、軽く舌打ちをした。
「……陛下、分かりました。それではアイネ達3人の死因を、詳しく調べて来たいと思いますので、これにて失礼します。」
そう言うとフェルマはロウディに一礼をし書斎を後にした。
ロウディとナルザスはそれを確認すると話し出した。
「ナルザス、先程の話なのだがな。恐らくグラディスもジルベイムに顔を見られているかもしれん。」
「……陛下、確かにそれはあり得ますね。ですが、グラディス以外他の者となると知られていない者は、ルナ・バイオレットと私の娘、アリーシアとなりますが。」
「うむ、この前の学園から取り寄せた資料を見る限り、確かルナはかなりの知識力と、その場その場に対応できる力を兼ね備えておる。」
「では、グラディスの代わりにルナを向かわせます。」
「それで大丈夫だろう。ナルザス、それでなのだが。シェルズ城の事はグラディスに任せ、お前はフェルマとは別に動き調べて欲しい。」
「それはどういう事なのですか?まるでフェルマを疑っている様に見えるのですが。」
「疑っている訳ではないのだがな。この事には内部が関与しているかもしれん。」
「確かにそうかもしれませんが。それをいえば私も疑われる立場だと思われますが?」
「ナルザス……確かにアイネ達が自殺を図ったと聞いた時は、疑う対象にお前も入っていた。だが、この書斎に入って来た時のお前をみた時にその疑いはなくなった。」
「それはどういう事なのですか?」
「うむ、お前は書斎に入って来た時、城で何があったのかまるで分かっておらずここに来た事。そして、今までリュウキとクロノアとダルナド達の監視をしており、グラディスからトパーズの街での事を聞きここに来た事も踏まえると、お前がアイネの件に関わる余裕がなかった事が分かる。それに犯行に及んだ者が自分からそう聞く者がいるだろうか?」
「確かにそうですが……。」
「それにナルザス、私はこの城でお前を1番信頼している。」
「陛下、勿体なきお言葉ありがとうございます。」
「うむ、それではナルザス、先程も言ったが。お前はグラディスにその事を伝えリュウキ達とディアスとルナの事を任せた後、即アイネとリフィアとダリオスの死因についてフェルマや他の者達に気付かれない様に動けいいな。」
「はい陛下、その様に手筈を整え早急に取り掛かります。それでは急ぎグラディスが待つ魔導師学園に向かいます。」
ナルザスはそう言うとロウディに一礼をし書斎を出て魔導師学園へと向かった。
そしてロウディは、それを確認すると書類を確認しながら色々と考えていた。
(うむ、シェルズ城の者達に加担している者とは、いったい誰なのだ!ナルザスではない事は確かなのだがな……。)
(これは、いったい城で何が起こっているというのだ。)
そう思いながらナルザスは王の書斎へと向かった。
王の書斎では、ロウディが真剣な面持ちでフェルマが来るのを待っていた。
するとそこにナルザスが入って来てロウディに一礼をした。
「……ナルザス、お前か。何かあったのか?」
「はい、ですが、城の様子が慌しく感じるのですが、何かあったのですか?」
「うむ、ナルザス。今知らせが入ったのだがな。牢に留置していたアイネ、リフィア、ダリオスの3名が薬を飲み自殺を図ったのだ。」
「陛下!それは本当なのですか?あの2人はともかく、何故アイネが自殺を?それも監視が厳しい牢内で……。」
「ああ、ナルザス、その事なのだが、どうも腑に落ちぬ。その事でフェルマを呼んだのだが、何をしているのかまだ来ないのだ。」
「それはおかしいですね。いつもであれば陛下がお呼びになれば即座に赴くのですが。」
「うむ、そうなのだが……。それはそうと、ナルザス。用がありここに来たのだろう?」
「はい、至急お願いしたい事があり参りました。」
「ナルザス、願いとはなんだ?」
ロウディがそう言うとナルザスはグラディスから聞いた事を話した。
「なるほど。それで許可を貰いに来たという事か。」
「はい、ですが……。この非常事態と、どちらを優先すべきか。」
「うむ、確かにどちらを優先すべきか悩む……。だが、これは前々から不振に思っていた事なのだが、この前ダルナド達が言っておったジェフを名乗り魔導師学園に潜入しておったアベルの事なのだが。」
ロウディは少し間をおき、
「この前アイネが言っておった魔導師学園に紹介した者の事なのだがな。」
「その事をアイネから聞こうとしておりましたが。陛下!まさかその事と自殺を図った事とは関連が……いや、これは自殺ではなく口封じ。」
「うむ、そう考えるのが筋。だが、そうなるとあの警備が厳しい牢内で、それを誰がどうやって行ったかなのだがな。」
「確かに……ですが陛下、不可能ではないかもしれません。」
「ナルザス、それはどういう事だ?」
「城内にその手引きをしていた者がいて、アイネに自分の事を話されては不味いと思い口を封じ、念の為リフィアとダリオスの口封じもしたと考えれば筋が通ります。」
「うむ、なるほど。確かにそうだろうが、城の者となるといったい誰が……。」
そう話をしていると扉が開き1人のダークエルフの女性が入ってきてロウディに一礼すると、
「陛下、遅くなり申し訳ありません。着替えに手間取ってしまいまして。フェルマただいま参りました。」
そしてナルザスをチラッと見ると、驚きの表情を少し見せ顔を逸らしロウディの方をみた。
この女性はフェルマ・レプスと言い、ロウディがナルザスの次に信頼をおいている配下だ。
癖毛で銀色のショートヘア、前髪は眉毛にかかる程度で右寄りに分けている。
女性なのだが、化粧やお洒落をする事もなく、どちらかといえば男っぽい。そして付け加えるなら男嫌いであるが、女性が好きと言うわけでもない。
ナルザスとは犬猿の仲である。
ナルザスが保守派であるなら、フェルマは推進派である為、考え方の違いなどで反りが合わない。
だが、ナルザスもフェルマも考え方が違えどお互いを認め合っている。
「うむ、なるほど。珍しく遅いとは思っていたが、何処かに赴いておったのか?」
「あっ、はい!父上に呼ばれ家に戻っており、連絡を受け急ぎ駆けつけました。陛下、それで私をお呼びになったわけとは?それに、何故ここにナルザスがいるのですか?」
「……フェルマ、私がここにいてはおかしいのか?」
「いえ、そういう事ではないのですが。ただ、貴方は異世界の者を監視していると聞いていた為、驚いただけです。」
「ナルザスは、急用で私に会いにここに赴いたらしい。」
「急用とは、私をお呼びになった事と関係があるのでしょうか?」
「いやフェルマ、呼んだのは他の用でなのだ。お前も城に入り気付いたとは思うが。」
「そういえば、城の者達がやけに慌しく動いていましたが、それと何か関係があるのですか?」
フェルマがそう問うとロウディは城で何が起きたのかを話した。
「……と言うわけなのだが。ナルザスにはこの後、別件で動いてもらわなければならぬ。それ故、フェルマこの件を調べて欲しいのだが。」
「はい、承知しました。ですが、ナルザスの方の別件の用とはどの様な事なのでしょう?」
「うむ、フェルマ。お前を信じていない訳ではない。この事はナルザスに一任している。すまぬが、お前でもこの事を話す訳にはいかぬ。」
ロウディがそう言うとフェルマはナルザスをチラッと横目でみた後、軽く舌打ちをした。
「……陛下、分かりました。それではアイネ達3人の死因を、詳しく調べて来たいと思いますので、これにて失礼します。」
そう言うとフェルマはロウディに一礼をし書斎を後にした。
ロウディとナルザスはそれを確認すると話し出した。
「ナルザス、先程の話なのだがな。恐らくグラディスもジルベイムに顔を見られているかもしれん。」
「……陛下、確かにそれはあり得ますね。ですが、グラディス以外他の者となると知られていない者は、ルナ・バイオレットと私の娘、アリーシアとなりますが。」
「うむ、この前の学園から取り寄せた資料を見る限り、確かルナはかなりの知識力と、その場その場に対応できる力を兼ね備えておる。」
「では、グラディスの代わりにルナを向かわせます。」
「それで大丈夫だろう。ナルザス、それでなのだが。シェルズ城の事はグラディスに任せ、お前はフェルマとは別に動き調べて欲しい。」
「それはどういう事なのですか?まるでフェルマを疑っている様に見えるのですが。」
「疑っている訳ではないのだがな。この事には内部が関与しているかもしれん。」
「確かにそうかもしれませんが。それをいえば私も疑われる立場だと思われますが?」
「ナルザス……確かにアイネ達が自殺を図ったと聞いた時は、疑う対象にお前も入っていた。だが、この書斎に入って来た時のお前をみた時にその疑いはなくなった。」
「それはどういう事なのですか?」
「うむ、お前は書斎に入って来た時、城で何があったのかまるで分かっておらずここに来た事。そして、今までリュウキとクロノアとダルナド達の監視をしており、グラディスからトパーズの街での事を聞きここに来た事も踏まえると、お前がアイネの件に関わる余裕がなかった事が分かる。それに犯行に及んだ者が自分からそう聞く者がいるだろうか?」
「確かにそうですが……。」
「それにナルザス、私はこの城でお前を1番信頼している。」
「陛下、勿体なきお言葉ありがとうございます。」
「うむ、それではナルザス、先程も言ったが。お前はグラディスにその事を伝えリュウキ達とディアスとルナの事を任せた後、即アイネとリフィアとダリオスの死因についてフェルマや他の者達に気付かれない様に動けいいな。」
「はい陛下、その様に手筈を整え早急に取り掛かります。それでは急ぎグラディスが待つ魔導師学園に向かいます。」
ナルザスはそう言うとロウディに一礼をし書斎を出て魔導師学園へと向かった。
そしてロウディは、それを確認すると書類を確認しながら色々と考えていた。
(うむ、シェルズ城の者達に加担している者とは、いったい誰なのだ!ナルザスではない事は確かなのだがな……。)
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