上 下
152 / 212
第4章〜儀式の始まり…そして…

107話〜瞬殺{☆}

しおりを挟む
 タツキはドルマニールと戦っていた。

 先程まで、神々の塔の女神ラミアスにより時が止められていた。

 そしてラミアスは、水晶を通じタツキに指示を出すと時を戻した。

 すると、ドルマニールが放った黒いステッキがタツキの目の前まで来ていたが、瞬時にその攻撃をかわした。

「悪い。もう少し遊んでいたかったんだが、事情が変わった」

「事情?何をわけの分からない事を言っている」

 ドルマニールはタツキのその言葉を警戒し身構えた。

 タツキは身体の重心を落とすと、即座に刀の鞘を左手で持ち横に向け左斜め前に構え、

 《秘剣 旋風一文字!!》

 ドルマニール目掛け、刀を横に素早く鞘から抜き一閃すると、風の斬撃を放った。

「ま、まずい!?」

 ドルマニールはその攻撃をかわそうとした。だがその瞬間ドルマニールの背後にタツキが現れた。

 すると、タツキはすかさず刀を構え直し右斜め上に斬りつけた。

「クッ……先の攻撃は囮りおとりだったか……」

 そう言いドルマニールは膝をつき前に倒れ動けなくなった。

「ああ、そういう事だ!さて、後は……」

 そう言いタツキはドルマニールを見下ろした後、ミスティ、シャナ、カルテットの順に見まわした。

(すぐにユウの所に向かわねぇと。だが、預かった手紙を、シャナに渡すのが先だ)

 タツキはシャナの方へと近づいていった。



 ミスティは、黒薔薇とシャナを警戒しながら、タツキとドルマニールの戦いを見ていた。

「ドルマニールが、こんなあっさりと……やられるなんて」


 シャナは、ミスティの動きを監視していたが、タツキとドルマニールの戦いを目の当たりにし、

「攻撃が……いえ動き自体、速すぎて見えませんでした。やはり、タツキは……」


 カルテットはディアナを起こそうとしていた。

 だが、場の雰囲気が急に変わった事に気づき、タツキとドルマニールの方に視線を向けていた。

「いったい何が起きた!?まさか!いや、でもどうやって?」


 そして、その動きをとらえる事が出来ずシャナ達3人は、タツキがどう攻撃したのかと思考を巡らせていた。
しおりを挟む

処理中です...